BMXレーシング男子はパリ五輪出場ならず…女子は大陸枠で獲得

2024UCI BMXレーシング世界選手権が5月12日から18日まで米国サウスカロライナ州で開催され、パリ五輪の国別出場枠(大陸枠)を逃した日本男子は中井飛馬と島田遼が国内選考を勝ち抜いて出場したが、ラシとチャンスとなった五輪枠は獲得できなかった。

世界選手権で中井飛馬は男子エリート準々決勝で夢破れる ©Japan Cycling Federation

女子はフィリピンで行われた2023年のアジア選手権で畠山紗英が優勝し、パリ五輪出場枠を日本として1つ獲得している。

男子は新たなメンバーで挑んだ3年間の五輪挑戦。2023年7月に開催されたアジア選手権で切符を逃した日本男子はこの大会がラストチャンス。カナダ、ブラジル、チリ、デンマークなど複数の国が今大会で残された1枠を争った。

中井と島田が国内選考を勝ち抜き、それぞれ初日の予選を通過し1/8 決勝へ進出した。1/8決勝では中井が2位に入り、全体の11位で通過し最終日に望みをつないだ。好調だった島田は、第1コーナーで転倒し敗退。

最終日の準々決勝、各国が勝ち上がる中、中井は第1コーナーでのポジション争いで詰まってしまい失速。追い上げたが通過圏内の4位に届かず準々決勝敗退となった。同じ組からはカナダとチリが通過し、最終的にはチリが最後の1枠を掴み取った。最終国別枠配分は6月11日発表。今大会がラストチャンスであった日本男子はパリ五輪の出場枠を逃した。20代前半の現代表選手は、次のロス五輪へ向けて再始動することとなった。

男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳で澤田茉奈が世界2位

日本チームは3月から1カ月間、大会会場で合宿を実施し、ジュニア/U23/エリート含め男女計9選手が大会に挑んだ。結果は、男子エリートで中井が自己最高となる準々決勝まで進出し26位に入った。

表彰台を狙っていたU23女子では、今シーズンのワールドカップで表彰台を獲得していた籔田寿衣が準決勝で敗退し、同カテゴリーに出場した野村凪沙の10位が日本人最高位となった。また、今大会の前半に開催された年齢別世界選手権にあたる「UCI BMXレーシングワールドチャレンジ」では、男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳では澤田茉奈が2位に入った。

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルが天王山独走で総合Vに現実味

第107回ジロ・デ・イタリアは5月19日、マネルバデルガルダ〜リビーニョ間の222km山岳コースで第15ステージが行われ、総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が独走勝利。今大会4勝目を挙げた。

スロベニアにも近い北部イタリアの山岳でポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

ポガチャルは所属するUAEエミレーツの完璧なレース運びの後押しを受け、残り15kmでアタック。最後まで逃げていたモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)を逆転してトップフィニッシュ。総合2位ゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差を3分41秒から一気に6分41秒に広げた。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ポガチャルのグランツールでのステージ優勝はこれで18に。プリモシュ・ログリッチの19勝に続く記録で、最多記録はマーク・カベンディッシュの54勝。

ポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

「今日はキャリアの中で最高の日の一つだ。ルートもよく、上りもとてもよかったので、素敵なステージとなった。12月からこのステージを念頭に置いていた。それをコントロールできて本当によかった」というポガチャル。

伏兵たちが抜け出したが、非常に強力なアタックだったという。追い風が吹いていたので、ポガチャルとチームは慎重に動きを見極める必要があった。アシスト役のラファウ・マイカの牽引が終わると、ポガチャルが前を追って単独で飛び出した。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「キンタナとフルームをテレビで見ていた頃は、ゴールまで遠い地点からアタックしないといつも怒っていたけど、今日はアタックしてくれた。しかし、今日はキンタナは素晴らしい走りをしてくれたし、区間2位に入ったゲオルク・シュタインハウザーも素晴らしい仕事をしてくれた。今日は言及に値するライダーが何人かいる」(ポガチャル)

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©GETTY

つきあっているウルスカとの初めてのデートもここだった

「リビーニョには何度も来ている。ジュニア1年目にサンモリッツで代表チームと一緒にトレーニングキャンプをしたんだけど、ガソリンを安く満タンにするために、壊れかけたバンでここまで来たこともある。ほぼ毎年リビーニョに戻ってきた。これまでの生活の中で一番いい思い出がある場所だ。正直に言うと、婚約者のウルスカとの初めてのデートもここだからね」とポガチャル。

「今日は総合リストのトップに掲載されたが、ナンバーワンにはまだ遠く離れている。このクイーンステージを制覇できてとてもうれしい。すべてのジロ・デ・イタリアには独自のストーリーがあるから、来週どうなるか見てみたい。今のタイムギャップとチームには満足している。明日、最後の週の計画を立てる」

ポガチャルがナイロ・キンタナを振り落とす ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
マリアローザのポガチャルが第15ステージで独走勝利 ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

マリアローザのポガチャル。2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】ガンナ6回目のTT優勝、総合はポガチャル独走状態

第107回ジロ・デ・イタリアは5月18日、カスティリオーネデッレスティビエーレ〜デセンザナデルガルダ・チューダー間の31.2kmで第14ステージとして個人タイムトライアルが行われ、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がトップタイムで優勝した。

ガンナがトップタイムで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ガンナはジロ・デ・イタリア通算7勝目で、このうち個人タイムトライアルは6勝。2021年最終日の第21ステージ以来の勝利となる。

ロンバルディア平原で行われた個人タイムトライアル ©Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は29秒遅れの2位。総合2位に浮上したゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差は3分41秒となり、13区間連続で首位を守った。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ) ©Fabio Ferrari/LaPresse

五輪のタイムトライアルを考える前にジロ・デ・イタリアを完走したい

「タイムトライアルがあるときは、ガンナが勝つといいのにとみんなってくれる。気分がよくなってよく眠れる助けにはなるけど、簡単そうに見えて難しい」とガンナ。

「今日は沿道でたくさんの人が応援してくれた。距離は32kmしかなかったけど、ミラノ〜サンレモと同じくらいの長さに感じた。パリ五輪のタイムトライアルのことを考える前にこのジロ・デ・イタリアを完走したい」

ガンナがトップタイムで優勝 ©LaPresse

勝負を決めるのは最終日前日のモンテグラッパだ

「フィリッポ・ガンナのタイムチェックを見ると、彼は終盤にペースアップたが、僕は逆の作戦。最初の部分の方が自分には合っていた。最初はとても楽しかったのですが、後半は自分の力を維持して自爆しないようにした」とポガチャル。

「勝負を決めるのは最終日前日、最後の残酷な登りであるモンテグラッパだ。今日みたいにタイムを出せるなら攻撃的に走る。後悔するよりも安全に順位を守れるほうがいい。山岳ステージに突入する前に総合でのタイム差が確保できると、さらにいい走りができそうで、自信にもなる」

マリアローザを守ったポガチャル ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

コルナゴの創業者エルネスト・コルナゴ(左)とポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】ポイント賞トップのミランが区間3勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月17日、リッチオーネ〜チェント間の179kmで第13ステージが行われ、リドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)がゴールスプリント勝負を制して優勝。第4、第11ステージに続く今大会3勝目、大会通算4勝目。

ジョナサン・ミランがステージ3勝目 ©Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は首位を守った。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は依然2分40秒。

2024ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse
マリアチクラミーノを着るジョナサン・ミラン ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

バーレーンビクトリアスのアントニオ・ティベーリが新人賞1位 ©Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】アラフィリップがグランツール全勝利

第107回ジロ・デ・イタリアは5月16日、マルチンシキュロ〜ファーノ間の193kmで第12ステージが行われ、スーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が独走勝利した。アラフィリップはツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャを」加えたグランツールの全てでステージ優勝したことになる。

ジュリアン・アラフィリップが第12ステージで独走 ©Marco Alpozzi/Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は首位を守った。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は依然2分40秒。

集団を抜け出したアラフィリップとミルコ・マエストリ ©Marco Alpozzi/Lapresse

他の選手の後ろに付くより前に進んだほうが好きだ

「今日のことは一生忘れないだろう。僕にとって本当に重要な勝利だし、いい意味で大きな勝利でもある」とアラフィリップ。

「最初は少人数のグループで先行したが、連携があまりよくなかったので、ミルコ・マエストリとアタックした。作戦とは異なったので、ダビデ・ブラマーティ監督は立ち止まって待つように伝えてきたが、ノーと言った。他の人を追いかけるよりも、先行するのがいいからだ。だからこの勝利はより特別なものとなる。ジロ・デ・イタリアが始まってからステージ優勝を目指していたが、初日はポガチャルとナルバエスについていく脚がなかった。でも信じてプッシュし続けた」

第12ステージでマリアローザのポガチャルを牽引するUAEエミレーツ勢 ©Lapresse
ジュリアン・アラフィリップが第12ステージ優勝 ©Lapresse
ポガチャルが11区間連続でマリアローザを着用 ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

男子U17とU19の夏休み期間中の欧州ロードレース遠征参加者募集

自転車ロードレースの未来をけん引していく若手選手に本場欧州での経験を積んでもらい、次世代の芽を育てていく活動として、iRC TIRE サイクリングアカデミーが男子ユース選手(U17、U19)の夏休み期間中の欧州遠征の参加者を募集している。

iRC TIRE サイクリングアカデミー

国内のレースでは失敗を恐れてアタックすることなくレースを終えている選手が多数いる。しかしそのような「習慣」は選手の将来的な成長を阻む。自分で課題を考え、失敗を恐れずに実行する。そして結果を見て検証を行い、次の課題とする。

サイクリングアカデミーを通し、競技選手としてのみならず、異なる文化、考え方などを学んでほしいと願って企画されたプロジェクトだ。故高木秀彰氏のサポート、アイ・アール・シー井上ゴム工業の特別協賛を得て、ロード・トゥ・ラブニール(RTA)と提携。

2024年iRC TIREサイクリングアカデミー

参加可能カテゴリー 
U17 (2008年1月1日~2009年12月31日)
U19 (2006年1月1日~2007年12月31日)

日程
遠征の期間は7月18日~8月28日までの期間を前期、中期、後期の3つのグループに分け、参加者から参加期間の要望を聞き、スケジュールを調整する。詳細の日程についてはチケットが確定するまで決められない。飛行機のトランジットなどがあるので集団での行動(同一便)になる。

参加レース
参加するレースは未定だが、2週間で4レースを予定。

参加費(参考代金)
40~50万円
以下のものを含む:約2週間の生活費、活動費、サイクリングジャージ(半袖ジャージのみ)、航空運賃代金実費(20~25万円前後)。遠征の時期によりチケット代金が大幅に変わるが、可能な限り効率的に低予算で実現。

参加人数
前期グループ U17とU19合計4~6名
中期グループ U17とU19合計4~6名
後期グループ U17とU19合計4~6名

申し込み期限
5月19日 申請書送付依頼期限 5月22日 申請書紙送付期限(メールにて)
サイクリングアカデミーへの参加は「申請書」により申し込みをした後に、選考を行い誓約書へ記入・送付。そののちに選考を行い正式にメンバーが決定。申請書の送付の段階ではまだ参加は決定しない。

●iRC TIREサイクリングアカデミーの詳細ページ