悪魔おじさんがツール・ド・フランスさいたまに4年連続の来日へ

悪魔おじさん(エル・ディアブロ)の呼び名で世界中の自転車ファンに知られるドイツのディディ・センフトさんが2019年もツール・ド・フランスさいたまクリテリウムを応援するために来日する予定となった。10月25日午後に日本に到着し、同26日と27日にさいたま新都心駅周辺の大会会場に出没する計画。

ツール・ド・フランスの人気者、悪魔おじさんが弟子を引き連れて日本でも大暴れ! © Yuzuru SUNADA

毎年ツール・ド・フランスの全日程を赤い悪魔の衣装に身を包んで応援するセンフトさんはツール・ド・フランスファンならだれもが知る存在。右手には悪魔の小道具であるヤリを携え、手作りの自転車を沿道にディスプレーして選手や関係者を待ち構える。

ツール・ド・フランスさいたまに登場するのは2016年から4年連続。会場ではこれまで、ディアブロ娘を引き連れて神出鬼没の振る舞いをしていた。

ツール・ド・フランスのコース上でも「さいたま」をアピールしてくれている

職業は「自転車デザイナー」で、今回の来日に際して2020東京をイメージしたデザインバイクを持ち込む計画だという。

また今回は、Twitterで「#悪魔おじさん質問募集中」としてファンからの質問を集め、来日中にインタビューする機会を設定した。その回答は事後に報じられる予定。

●関連コラム
悪魔おじさん、いったいナニモノ? 意外と高尚な来日目的とは

2019年の来日は2020東京仕様のデザインバイクを持ち込むという

ツール・ド・フランスさいたまで盛り上がる5つの裏技

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

道端カレンが⼋代⽬の⾃転⾞名⼈…ママアスリートで活躍

モデルの道端カレンさんが「⾃転⾞名⼈」の⼋代⽬に選ばれた。⾃転⾞の健全な活⽤推進に貢献したサイクリストを表彰する称号で、特定⾮営利活動法⼈⾃転⾞活⽤推進研究会が選出している。

ツール・ド・東北の広報大使でもあるモデルの道端カレン

⾃転⾞名⼈は2005年から2年ごとに1⼈が選ばれていて、これまで初代の忌野清志郎さん(故⼈)を⽪切りに、俳優の鶴⾒⾠吾さん、経済評論家の勝間和代さん、F1レーサーから⾃転⾞競技に転じた⽚⼭右京さん、⾃転⾞議連の会⻑として⾃転⾞活⽤推進法案の⽅向を決めた⾕垣禎⼀元財務⼤⾂、漫画「弱⾍ペダル」の渡辺航さん、⼩径⾞と銀塩カメラで喫茶店巡りが趣味という俳優でタレントの⽯井正則さんの7⼈が選ばれている。

多様で個性的な⾃転⾞ライフをルールを守りつつ楽しむことについて、折にふれ⾔及してくれる著名人が選ばれる。⾃転⾞名⼈にはその称号だけが与えられ、賞⾦賞品などはいっさい⽤意されていない。また、⾃転⾞名⼈は⽣涯を通じて名⼈としての矜恃を保つことが求められる。

ツール・ド・東北を走る道端カレンさん

2019⾃転⾞名⼈は、⾃転⾞活⽤推進研究会の理事20名が厳正な選考を⾏った結果、2⼈の男の⼦のママでもあり、モデルでトライアスリートでもある道端カレンさんに⼋代⽬⾃転⾞名⼈就任を依頼。

選考理由は「⾃転⾞が美と健康の両⽅に貢献することを体現した存在であり、⾃転⾞を愛する⼦どもたちを育てた⺟であり、強くしなやかなトライアスリートとして、世のお⺟さんたちの共感を呼び、ツール・ド・東北をはじめ多くイベントで参加者を勇気づけてくれた」としている。

就任式は2019年11⽉4⽇(⽉・休⽇)13時45分からサイクルモード・インターナショナル(幕張メッセ:海浜幕張駅下⾞徒歩5分)のステージで⾏われる。

●特定⾮営利活動法⼈⾃転⾞活⽤推進研究会のホームページ

東京五輪出場枠をかけてトラック最終シーズン開幕へ

欧州ロードシーズンが一段落し、2019年11月からはバンクと呼ばれる自転車競技場で開催されるトラックの国際大会が始まる。ワールドカップは年を越えて1月末まで全6戦。そしてフィナーレは世界選手権だ。この7大会はすべて2020東京五輪の国別出場枠がかけられた極めて重要な大会。日本勢も決死の覚悟で全レースに挑む。

男子スプリント決勝は脇本雄太対アジズルハスニ・アワン ©JCF

東京五輪で開催される自転車競技は4つあるが、このうちトラックだけ開催国出場枠が設定されていない。そのため国際ランキングによって与えられる出場枠をつかむしかない。この争いは丸2年にわたって行われていて、その決着を見るのがこの冬なのである。

男子マディソンの窪木一茂(左)と橋本英也 ©JCF

例えば日本のお家芸である男子ケイリンの場合、原則はケイリンの国別ランキング上位7カ国に1枠が与えられる。最新ランキングをチェックすると、日本は6956.5点で1位。2位オランダの5662.5点を上回っている。

女子ケイリンの小林優香と太田りゆ ©JCF

一方、五輪では全体の競技者数を制限するという原則があって、3人で走るチームスプリントの上位8カ国に入れば一気に3選手を送り込め、ここで出場枠を得た選手はケイリンやスプリントにも出場できるという特例がある。日本にとってこのルールはねらい目。ただし当該ランキングは現在12位。11月からの大会で好成績を連発する必要がある。

こうして手中にする出場枠に対し、次のステップはだれが日本代表になるか。選考基準は「世界選手権とワールドカップで最高の成績を修めた選手」。11月1日に開幕するワールドカップには脇本雄太、河端朋之、新田祐大ら競輪選手、女子は小林優香、太田りゆが一致団結して国別ランキングのために戦うが、それは同時に五輪代表を争うシビアなレースでもある。

女子オムニアムを走る梶原悠未 ©JCF

●トラック国際大会の競技日程
2019年
11月1〜3日 ワールドカップ第1戦(ベラルーシ・ミンスク)
11月8〜11日 ワールドカップ第2戦(英国・グラスゴー)
11月29日〜12月1日 ワールドカップ第3戦(中国・香港)
12月6〜8日 ワールドカップ第4戦(ニュージーランド・ケンブリッジ)
12月13〜15日 ワールドカップ第5戦(オーストラリア・ブリスベーン)
2020年
1月24〜26日 ワールドカップ第6戦(カナダ・ミルトン)
2月26日〜3月1日 世界選手権(ドイツ・ベルリン)

2020エタップ・デュ・ツールは瞬時に完売…残るは日本人枠

ツール・ド・フランスの1ステージを走る一般参加レース、エタップ・デュ・ツール・ド・フランスは2020年、地中海に面したニースを発着とする177kmで7月5日に開催される。10月21日日本時間23時から参加申し込みが始まったが、1万6000人の出場枠は数時間で完売した。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

ツール・ド・フランスの過酷さを体感できる人気イベントは30回目の開催となる。10月3日に主催者が発表し、参加者1万6000人の募集を10月21日から開始すると発表されていた。今回はニースという宿泊力のある大都市を舞台とすること、初めての地中海岸での開催、発着が同じでレース後の帰着が容易なことから例年になく人気が高まった。

エタップ・デュ・ツールは初ニース…7月5日に開催へ

インターネットによる応募は世界一斉に開始され、瞬時に定員が埋まったが、各国の公式エージェントが多少の枠を配分されているので、日本から参加してみたいというサイクリストは日本人枠を確保するのがいい。

日本の公式エージェントは国際興業。これまでは参戦ツアーを主催していたが、2019年から出場枠のみも販売するので、航空券や宿泊は各自で手配することもできる。また従来のように参戦のアクセスをフォローしたり、エタップ・デュ・ツール翌日以降にツール・ド・フランスを観戦するツアーも企画予定。

各国ツアーオペレーターで出場枠が購入できる

エタップ・デュ・ツール公式サイトの「ツアーオペレーター」ページに国際興業のリンクがあるが、同社のイメージ的サイトにリンクされていて(ASOに修正依頼中)、申し込み案内が不明確。正しくは国際興業エタップ・デュ・ツール特設サイト

スタートはニースのプロムナード・デザングレ ©Atout France/Jean François Tripelon−Jarry

エタップ・デュ・ツール…本場の過酷さが分かる一般参加レース

●エタップ・デュ・ツール参戦枠販売(国際興業トラベルのホームページ)

男子マディソンで日本の窪木一茂と橋本英也は2位…アジア選手権

韓国・鎮川(ジンチョン)で10月17日から開催されていたアジア選手権トラック2020は10月21日に最終日を迎え、男子マディソンで日本の窪木一茂と橋本英也は韓国のSHIN DonginとKIM Euro組に敗れて2位になった。

男子マディソンの窪木一茂(左)と橋本英也 ©JCF

ゴールの着順を競う女子スクラッチでは古山稀絵が優勝した。

大会は全日程が終了。この大会はオリンピックイヤーとなることで日程調整が難しい2020シーズンのアジア選手権として開催された。

女子スクラッチでアジアチャンピオンとなった古山稀絵 ©JCF

●レース結果
男子スプリント

優勝:アジズルハスニ・アワン (マレーシア)
2位:脇本雄太 (日本)
3位:深谷知広(日本)

男子スプリント決勝は脇本雄太対アジズルハスニ・アワン ©JCF
男子スプリント優勝のアジズルハスニ・アワン(左)と脇本雄太 ©JCF
男子スプリント優勝のアジズルハスニ・アワンを担ぎ上げる脇本雄太(左)と深谷知広 ©JCF

男子マディソン
優勝:韓国(SHIN Dongin & KIM Euro)50点
2位:日本(窪木一茂 & 橋本英也)44点
3位:カザフスタン(Artomy ZAKHAROV & Roman VASSILENKOV)23点

橋本英也と窪木一茂が男子マディソンを走る ©JCF
男子マディソンで2位になった窪木一茂(左)と橋本英也 ©JCF

女子ケイリン
優勝:リー・ワイジー(香港)
2位:小林優香(日本)
3位:イ・ヘジン(韓国)
5位:太田りゆ(日本)

女子ケイリンの小林優香と太田りゆ ©JCF
女子ケイリン2位の小林優香(右から2番目)。右端は太田りゆ ©JCF
女子ケイリン2位の小林優香 ©JCF

女子マディソン
5位:梶原悠未・古山稀絵(日本)-7点

女子スクラッチ
優勝:古山稀絵(日本)
2位:ベイメトバ・レナータ(ウズベキスタン)
3位:シェン・シャンロン(中国)

女子スクラッチの古山稀絵 ©JCF
古山稀絵が女子スクラッチで優勝 ©JCF

ジュニア男子ポイントレース
5位:高橋舜(日本) 10点

ジュニア女子オムニアム
3位:内野艶和(日本)

●日本自転車競技連盟のホームページ

日本のマヴィックがグランツールと同じヤマハ製3輪モト投入

マヴィックジャパンは、ヤマハ発動機のサポートを受け、マヴィックニュートラルモト としてNIKEN GTを新たに1台導入した。これによりマヴィックのニュートラルサービスは、ニュートラルカーSUBARU LEVORG 2.0GT Eyesight 3台、ニュートラルモトYAMAHA TMAX 530 DX 2台、そして今回導入されるNIKEN GT 1台のさらに充実した体制となり、より多くのレースをサポートすることが可能となった。

どのレースにおいても同じハイレベルのサポート体制を整えられるようになることに加え、機動性が優れるニュートラルモトが3台体制となりフルラインナップすることで、マヴィックのブランドルーツとも言える「ニュートラルサポート」において求めていたベストサポートが実現。さらなるサービスの充実を図りたいという。

新型のマヴィックニュートラルモト YAMAHA NIKEN GTは10月19日(土)~20日(日)に開催された2019ジャパンカップサイクルロードレースでデビューした。

YAMAHA NIKEN GT MAVIC Version ©Makoto Ayano

NIKEN GT(ナイケンGT )

今回導入されるYAMAHA NIKEN GTは、ニュートラルモトの新たな扉を開く。

パラレログラムリンクと片持ちテレスコピックサスペンションを独自の車体設計に調和させ、走りの爽快感と安定感を両立

ニュートラルカーとともにレースで全選手を支えるニュートラルモトは、山岳レースなどコース幅の狭いレースにおいて、ニュートラルカーでは対応が厳しい環境下でのサポートとして登場したのが発端であり、ロードレースでのあらゆるシチュエーションで起こるト ラブルにも対応するニュートラルサービスにおいて、より選手に近い存在として必要とされる機動力と安定性を誇る。

2輪フロントによる3輪バイクとなるYAMAHA NIKEN GTの最も大きなメリットはさまざまな路面状況での乗り手のテクニックをアシストするLMWテクノロジーを搭載したフロント2輪が生み出す、安定感とそれに支えられた高いコーナリング性能、そして長距離も快適に過ごせるクルージング性能。

NIKENよりさらに厚みを増したGT専用シートを装備。パイロットはもちろん、後部座席にレース中長時間に渡って乗車するサービススタッ フの疲労度を軽減

時に細く、コーナリングが続くコースでの長時間に渡る高速レースにおいて、サービススタッフは、天候の影響や刻々と変化する自転車のスピードのアップダウンや激しい動き への対応が求められる。俊敏さと安定感と信頼性の高いバイクはサービスパイロットの体力的精神的な疲れを軽減し、過酷なレース状況下においてサービスパイロットがよりレースのインフォメーションに集中することが可能となる。

世界3大自転車レース(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)の先陣を切った2019年2月、ジロ・デ・イタリアでデビューするや世界に認められた圧倒的な存在感をサイクルロードレースにおいてマヴィック・イエローモト YAMAHA NIKEN GTとして日本でも見られる。

■NEUTRAL SERVICE ~中立に技術サポートする

「ニュートラルモト」とは「ニュートラルサービス」において使用されるサービスバイクであり「ニュートラルサービス」とはすべての競技者がチームや機材、国籍に関係なく中立な技術サポートを受けられる仕組み。

マヴィックはこの取り組みを、世界各地、国内では年間80以上のレースやイベントで実施している。この全てのライダーを支えるイエローカー(MAVICカー)とイエローモト(MAVICモト)による「マヴィック・ニュートラルサービス」は、プロのレースシーンのみならず、アマチュアのレースイベントにおいても、トラブルをその場で解決すべく最善を尽くし、すべての選手たちが無事にゴールを切れるようにサポートしている。本国フランスでは1972年より、日本国内では1996年よりスタートしたこの取り組みは、マヴィックのブランドポリシーとも言える。

マヴィックのニュートラルモトはYAMAHA NIKEN GT ©Makoto Ayano

●マヴィックのホームページ