アンラッキーな13を最新エアロモデルに採用…キャノンデールの自信作

キャノンデール・ジャパンがエアロダイナミクスを加え、さらに美しく速くなった CAAD13を発売した。加工に時間とコストを必要とする6069番のアルミ合金を使用し、他社のアルミフレームでは真似のできない快適性と剛性のベストバランスを実現。翼断面形状の後端を切り落としたエアロチューブを採用することでさらなる速さを追加した。

キャノンデールは40年にわたりアルミニウム製ロードバイクの分野において常に新たな技術に挑戦。どの世代もその時代に強烈なインパクトを残すバイクを生み出してきた が、今回のCAAD13はアルミニウムの原子番号を示す「13」をモデル名に起用した。

アンラッキーを招くと欧米で不吉といわれる「13」にあえて身を包んだCAAD13は、ライダーに幸運と絶対的なスピードをもたらすキャノンデールの自信作だ。

キャノンデールのプロダクトディレクター、デイビット・デヴァインは「CAADシリーズはこれまでもリニューアルのたびに、前身モデルよりも優れたモデルを生み出してきた。CAAD13は当社にとって、新たな方向性を示す重要なバイクです。CAAD13の設計では重量を増やすことなく、空気抵抗の削減、乗り心地の向上に的を絞 って開発した」とコメントしている。

CAAD13 Disc Force

設計目標はカーボンフレームと互角に勝負できること

これまでのどのマシンよりも速く、スムーズで、高性能を発揮するCAAD13は、競合他社のカーボンフレームと互角に勝負できるマシン性能の実現を目指し設計されている。スピード性能では、翼断面形状の後端を切り落とすことにより、通常の丸形チューブに比べて重量を変えることなく、同等またはそれ以上の剛性を実現。その上で、30%以上の空気抵抗の削減に成功している。これまでよりも少ないパワーでさらに高速な走りを可能にする。

CAAD13 Ultegra
CAAD13 Ultegra

革新的なフレーム構造が生み出す驚愕の快適性能

スムーズな走りで定評を得ていた前身モデルCAAD12の乗り心地とライドフィールをさらに向上させるためCAAD13の設計には、フレームの柔軟性を2倍にするトップチューブからドロップしたシートステー、インテグレートされたシートバインダー、新開発の27 KNØTシートポストを採用している。その結果として実現された革新的なライドフィールは、カーボンフレームはアルミニウムよりも乗り心地の面で優れているという一般的な考えを逆転させるほど明白な違いを体感することができる。

CAAD13 105

伝統の継承。そして新たな可能性を実感できるライドフィール

CAAD13は、ライダーがこのバイクに期待する直感的な操作性と抜群の反応性を歴代のCAADシリーズから継承している。一方で、タイヤクリアランスを広げ実測30mmのタイヤを難なく装備できるため、未舗装の路面で快適な乗り心地をサポートし、ライダー本来の力を発揮できるバイクに仕上がっている。歴代の優れた面を継承しつつ、新たなチャレンジを可能とする装備を兼ねそろえる。

CAAD13 Disc 105

アルミニウムのエキスパートが徹底的に作り込んだディテール

ボトルを1本にして空気抵抗を最小に抑えることや(一番下のマウントを使用)、水分補給を重視し2本のボ トルを装備すること(上の位置のマウントを使用)を可能にする2ポジション対応のウォーターボトル用のマウントを装備し、迅速かつ簡単にホイール交換を可能とするスピードリリーススルーアクスル、ガイド付きインターナルケーブルルーティングなど細部まで徹底的に作り込まれている。

●キャノンデールのホームページ

ツール・ド・フランス区間34勝のメルクスはまさに人食い鬼だった

自転車競技史上最強の選手と言われるのがベルギーのエディ・メルクスだ。ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで各5勝、世界選手権プロロード3勝、アマロード1勝。あまりの強さにカンニバル(人食い鬼)と呼ばれた。2019ツール・ド・フランスがベルギー開幕となったのはメルクス初制覇から50年の節目だったからだ。

ブリュッセルの表彰式で大観衆に手を振るメルクス ©ASO Olivier CHABE

今でもベルギーの国民的存在

ツール・ド・フランス開幕の2日前。ブリュッセルのグランプラス広場で出場チームプレゼンテーションが行われ、大観衆に埋まった。その最後に登場したのが74歳になったメルクスだった。

「ああ、私の神、私たちのエディ!」と涙を流すファンもいた。取材陣の多くも「鳥肌が立つほどすごかった」と証言している。

現役時代のメルクスは常に勝利にこだわり、どんなレースでも2位以下になることを好まなかった。平たんステージでも大集団のゴール勝負を力ずくでもぎ取った。ツール・ド・フランスの総合優勝5回は最多タイ。ステージ通算34勝は歴代トップ。マイヨジョーヌ着用回数111はダントツ(午前と午後にそれぞれ行われる半ステージ)を含む)。

メルクスは1969年のツール・ド・フランスに初参加した。初日のプロローグでマイヨジョーヌを取り逃がしてしまうが、同日夜にはチームタイムトライアルで優勝。翌日の大会2日目には首位に躍り出て、初めてマイヨジョーヌを着用する。この年、メルクスはマイヨジョーヌ、ポイント賞のマイヨベール、山岳賞の赤玉ジャージの3賞を独占したほか、チーム優勝、ステージ6勝と手がつけられないほどの強さを見せつけた。その強さゆえに「カンニバル」というニックネームが定着したのである。

ブリュッセルで行われた第1ステージでマイヨジョーヌのテウニッセンを祝福するメルクス ©ASO Pauline BALLET

1969年のメルクルの初優勝をたたえるために第106回大会はベルギーで開幕する。「母国の英雄に与える名誉は700万ユーロ(約9億円)の投資の価値がある」とブリュッセル市が、さらに関連する公的機関が400万ユーロ(約5億円)を主催者に支払って開幕誘致を実現した。ブリュッセルでレースが行われた3日間は市の負担によってすべての公共機関が無料になった。

ベルギーはフラマン地方とワロン地方に分かれ、主要都市間は独自の歴史に誇りを持つあまり敵対的になりがちだ。そんな国民性の中で、メルクスは常に「私はどこの出身とかじゃなくて、ベルギー人だ」とコメントしてきた。一時はプロ選手として活躍した息子に「アクセル」という地域を特定できない名前を付けたのもそんな考えがあったからだという。

ベルギーのフィリップ国王も「国の輝きに貢献し、私たちに無数の喜びと時間を与えてくれた」と最大の賛辞を送っている。

現在メルクスはブリュッセルに住み、日課としている散歩を欠かさないなど静かな生活をしているという。往年のファンは今でも、観光局が命名したエディ・メルクス広場やお気に入りのレストランに行けばメルクスに会えるのではという期待を込めてブリュッセルを訪問する。

最終日のシャンゼリゼでは2019開幕地ブリュッセルから2020年のニースにバトンリレー ©ASO Pauline BALLET

●国籍別の総合優勝回数(2019年まで)
フランス:36勝
ベルギー:18勝
スペイン:12勝
イタリア:10勝
英国:6勝
ルクセンブルク:5勝
米国:3勝
オランダ:2勝
スイス:2勝
ドイツ:1勝
オーストラリア:1勝
デンマーク:1勝
アイルランド:1勝
コロンビア:1勝

1986年に米国が優勝する以前は欧州大陸勢が優勝の常連だったが、2011年に南半球初のオーストラリア選手優勝、近年は英国勢が圧倒。優勝回数1位のフランスは1985年が最後、同2位のベルギー勢は1976年を最後に総合優勝から遠ざかっている。

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カネに糸目をつけないツール・ド・フランスVIP観戦ツアー

想像を絶する規模で開催されるツール・ド・フランス。主催者はそれを商材としてさまざまなサービスを提供している。特別待遇で観戦できるVIPツアーは民間企業の接待にも使える内容。一方で競技の底辺拡大のため、開催地からの協力金を得て、子どもたちが無料で楽しめるイベント会場も用意する。

空の上からツール・ド・フランスを観戦しよう ©A.S.O. Thomas MAHEUX

ヘリコプターツアー

交通規制エリアを通行できる関係車両でも、ツール・ド・フランスを追うのはとても大変だ。一般車などの大渋滞があり、チームカーさえ動くことができないケースも多い。だからヘリコプターに乗って上空からレースを見ようというVIPツアーを主催者が用意している。

まずはスタート地点に設営された関係者用施設「ビラージュ」でひとときを過ごす。協賛各社がブース出展し、フランス経済の社交が演じられる特別のエリアだ。地元特産物がふるまわれ、「ご当地ワイン」コーナーではワインも味わえる。選手が顔を出すこともある。

ヘリコプターを使ってツール・ド・フランス観戦 ©A.S.O. Alex BROADWAY

スタート後はオフィシャルカーに同乗。お昼時にはレースからフルスピードで先行し、快適な木陰に陣取って後部トランクに積み込まれたランチトレーを味わう。ゲスト用のシャンパンやワインも用意されているはずだ。そしてコース途中に待機していたヘリコプターに乗り込み、約20分のフライトで上空からレースを追う。

最後はゴール地点に設営された特別エリアでゴールシーンを特等席から観戦。1ステージにつき3人限定。気になる料金はおみやげ付き、6500ユーロ(約85万円)。

ゴール地点には特別観覧席が用意されている

ルレ・エタップ

真夏のフランスは乾燥して暑い。そのためコース途中には「宿場町」という意味の「ルレ・エタップ」という憩いの場を主催者が用意している。こちらも大会協賛社やVIP用。

提供されるのは車両駐車証で、これには同乗者として3人までお客さんを連れてきていいという。

ルレ・エタップに到着したらまずアペリティフ(食前酒)が提供され、着席形式のランチが用意される。選手の1時間間にやってくる広告キャラバン隊から優先的なもてなしを受け、最優先席から選手らが走ってくるのを観戦することができる。

企業単位での申し込みが想定されているようで、料金は10人1セットで3000ユーロ(約40万円)、全日程をカバーする場合は10人1セットで6000ユーロ(約80万円)。どちらもおみやげ付き。

シャンゼリゼの特別観覧席

シャンゼリゼにはさまざまな観覧席が設けられている ©A.S.O. Pauline BALLET

最終日のパリはさらに豪華だ。7月14日のフランス革命記念式典の時にマクロン大統領が着席した特設スタンド「エリゼ」の座席も販売されている。最終日のフィニッシュラインの真横で、これほどの特等席はない。シャンゼリゼの反対側には大型映像スクリーンが設置され、レース展開も把握できる。入場時間は午後3時から9時までなので、表彰式も観覧可。10人1セットで2800ユーロ(約37万円)。

シャンゼリゼにはこれ以外に有名レストランで100人規模のランチパーティー付き観戦など多様なツアーがあり、どれも華やか。チームスポンサーなどがスペースを貸し切って来年の契約交渉などを行う場として利用されるようだ。

ファンパークは無料

ファンパークはウキウキしちゃう ©A.S.O. Pauline BALLET

一方で、地元の子どもたちが気軽に自転車に乗る楽しさを味わえるような仕掛けも用意されている。今年は開幕地のブリュッセル、休息地のアルビとニームで「ファンパーク」が限定オープン。開催時期は3日間。自転車に乗って凹凸のある走路に挑戦したり、テレビ連動の固定式ローラー台のペダルを回して出場選手の視野をVR体験したり。こちらは無料開放。

VR(フランス語ではRV) ©A.S.O. Alex BROADWAY
パンプトラックで自転車の推進力を体感する ©A.S.O. Thomas MAHEUX
大人がデモ体験していますがキッズ用です ©A.S.O. Thomas MAHEUX

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通勤・通学に最適なコミューターE-BIKE「EX-CROSS e」新発売

ミヤタサイクルは、通勤・通学に最適なコミューターE-BIKE「EX-CROSS e」を9月に新発売する。販売価格は16万円(税別)。サイズは420。カラーはブラック(OK21)とミラーシルバー(OS76)。全国ミヤタE-BIKE取扱店で販売。年間販売予定台数2000台。

EX-CROSS e(ブラック)

SR SUNTOUR 製電動アシストユニット「HESC(Human Electro Synergy Components) E-BIKE SYSTEM」の小型軽量で高出力な後輪インホイルタイプユニットを搭載し、ストップ &ゴーの多い街中でもストレスのない軽快なライディングを実現。

また 27×1-1/2 インチタイヤと外装8段変速を採用し、スポーティな走りにも対応。 バッテリーから直接給電するLEDバッテリーライトや幅広バスケット、スタンド、サークルロ ックを標準装備。さらにチェーンケース、前後ドロヨケも装備しているので、通勤通学や日常の移動手段として使える。

SR SUNTOUR製電動アシストユニットは小型軽量で高出力な後輪インホイルタイプ

○小型軽量で高出力な後輪インホイルタイプ
・最大トルク 60Nm、最大出力 400W の小型で高トルクのインホイルモーターを採用
・フリー機構を内蔵し、モーターの抵抗を感じることなく自然なペダリング感覚を実現
・チェーンを介さず後輪を直接駆動させるので、チェーンやギアへのストレスを低減
・不具合時も車輪からモーターを解体することなく内部のみを交換可能な高メンテナンス設計

バッテリーの最大アシスト航続距離はエコモードで100km

○安全かつパワフルな乗り味を実現する3つのセンサーと独自開発のアシスト制御ソフト
・正確なトルクを検出するトルクセンサー
・ケイデンスの読み取りによるアシスト補正
・速度の読み取りによる出力漸減

前後ドロヨケを標準装備
雨天時にも安心の油圧式ディスクブレーキ
ズボンの裾を汚さないチェーンケース
バッテリー給電式のLEDライト

○走行性能
・平坦地での発進から上り坂途中からの発進までスムーズで自然な発進と加速
・右左折や U ターンからの加速でも安定したパワーフィーリングが滑らかな走行を実現
・巡航走行中もペダル踏力に合わせたモーター出力によりアシストのぎくしゃく感を最小限に
・ペダルを強く踏めばしっかり答えてくれるアシストパワーによる高い登坂能力
・走行目的に合わせて NO~CLIMB の 4 つのアシストモードを選択可能

EX-CROSS e(ミラーシルバー)

●ミヤタサイクルのホームページ

オージーケーカブトが自転車用アイウエア301シリーズ発売

Kabutoに蓄積されたノウハウを活かして、サイクルスポーツはもちろん、ランニング、トレッキング、テニス、ゴルフなどさまざまなスポーツシーンで安心、安全、快適に使用できるジャパンフィットアイウエア「301」シリーズが新発売される。

301D(フローズングレー)

301シリーズのバリエーションは、防風・防塵・遮光で眼を守る「DOCK(ドック)」付きモデル「301D」、DOCKに高性能調光レンズをセットした「301DPH」、ハイスペックレンズ(NXTレンズ)を採用した「301」の全3モデル。使用環境に応じた選択が可能。

301D(マットブラック)

◆301D *2019年8月上旬発売予定
価格:¥10,000(+消費税)
・カラー:マットブラック/フローズングレー
・付属レンズカラー(可視光線透過率):防曇ライトスモーク(可視光線透過率54%)
・紫外線透過率0.1%以下(全カラー共通)
・特殊レンズコーティング:両面防曇コーティング
・レンズカーブ:6カーブ
・付属品:kabutoソフトケース1、kabutoレンズクロス1

301DPH(マットブラック)
301DPH(フローズングレー)

◆301DPH *2019年8月上旬発売予定

価格:¥15,000(+消費税)
・カラー:マットブラック/フローズングレー
・付属レンズカラー(可視光線透過率):防曇クリア調光(81%〜17%)
・紫外線透過率0.1%以下(全カラー共通)
・特殊レンズコーティング:両面防曇コーティング
・レンズカーブ:6カーブ(注意)調光レンズは使用環境により調光濃度や調光スピードがことなります。また、経年劣化により色変化しにくくなる特性があります。
・付属品:kabutoソフトケース1、kabutoレンズクロス1

301(マットブラック)

◆301 *2019年8月上旬発売予定
価格:¥13,500(+消費税)
・カラー:マットブラック/マットホワイト
・標準付属レンズカラー(可視光線透過率):NXTスペクトルスモーク(30%)、撥水ライトピンク(78%)
・紫外線透過率0.1%以下(全カラー共通)
・特殊レンズコーティング:両面撥水コーティング(撥水ライトピンクのみ)
・レンズカーブ:8カーブ
・プリズム作用を減少させ視界の歪みによる違和感を少なくするディセンター設計。
・付属品:kabutoソフトケース1、kabutoレンズクロス1

301シリーズの特徴

Kabutoに蓄積されたノウハウを活かして、サイクルスポーツはもちろん、ランニング、トレッキング、テニス、ゴルフなどのスポーツシーンで安心、安全、快適に使える、JAPAN FIT アイウエアが「301シリーズ」。

Kabutoは長年サイクルスポーツ用のアイウエアを提案し続けてきた。そしてそこから多くを学んできた。アイウエアの使用環境として考えるとき、サイクルスポーツは非常に過酷なものだ。

301(ホワイト)

例えば長時間の連続使用。競技であれ趣味であれ、サイクリストは8時間、10時間と走り続けることがある。そんな中でもストレスなくかけ続けられるアイウエア、めまぐるしく変化する環境に対応できるアイウエアが必要とされる。

例えば速度。一般のサイクリストでも下りでは自動車と同じくらいの速度は出る。それがプロのレースともなれば時速100kmを超えることもある。そんな速度域で風や塵などからしっかりと眼を保護するアイウエアであることが求められる。

Kabutoが新発売する「301シリーズ」は、そんな過酷なサイクルスポーツで使用するために培ってきたさまざまなノウハウを活かして開発された、オールスポーツ対応モデル。

また、視力矯正が必要な人は、眼鏡店で度付きレンズを入れることも可能。特にDOCK付きタイプを選択すれば、よりリーズナブルに度付きにすることができる。

一昔前からQOL(クオリティーオブライフ)という言葉が意識されるようになった。この「生活の質」を向上するために、スポーツや屋外での活動がとてもいい効果をもたらすと考える。そして生き生きとアグレッシブに活動するための、このアイウエアがその一助になれば幸いだという。

●オージーケーカブトのホームページ

エタップ・デュ・ツール…本場の過酷さが分かる一般参加レース

エタップ・デュ・ツールはツール・ド・フランスの1ステージを走る一般参加レースだ。7月21日にフランスで開催され、日本を含む1万2760人のサイクリストがアルプスの山岳ステージに挑戦した。世界最高峰のレースの過酷さを実体験できるイベントで、主催はツール・ド・フランスと同じ運営会社ASO。プロ選手のスゴさが身をもって痛感できるはずだ。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

世界トップクラスのプロ選手が走るツール・ド・フランスでは最終日前日の7月27日に開催されるアルベールビル~バルトランス間の第20ステー ジ。2019年で29回目を迎えたエタップ・デュ・ツールはこの過酷なステージが採用され、本番の6日前に一般参加レースとして開催された。エントリー数は1万5000人。世界中から憧れの大舞台に挑戦するために集まり、プロ選手に先駆けてこのコースに挑んだ。

本番レースの距離は130km。エタップ・デュ・ツールはパレード区間も競技距離となるため135km。つまり6日後にマイヨジョーヌを確定させる最後の勝負どころとスタートからゴールまでまったく同じコースを走るのである。その途中には標高1968mのコルメドロズラン、1190mのロンジュフォワの丘があり、最後は距離33.5km、平均勾配5.5%の上り坂を走って標高2365mのバルトランスにゴールする。

ツール・ド・フランス第20ステージは崩落の恐れで距離短縮

エントリー数は1万5000人。スタートに備えてブロックごとに整列する ©A.S.O. Aurélien Valatte

出場者は一般愛好家といっても相当練習している人たちばかりだ。日本からは北京五輪代表の元プロ選手、宮澤崇史さんも参加。最後は脚をつりながらも制限時間ギリギリで完走を果たした。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

男子部門の優勝は4時間47分24秒でセドリック・デュボワさん。女子は5時間25分36秒でエドウィジュ・パテルさん(ともにフランス)。

「優勝を決めるためにゴールまで長い距離を残してアタックした。後続の選手たちが追ってきたところでスピードアップした。最後はちょっと差をつけられたかな」とプロ選手並みの作戦でトップフィニッシュしたデュボワさん。

セドリック・デュボワが独走で優勝 ©A.S.O. Aurélien Valatte

女子のパテルさんは残り15kmでパンクしたが、修理する時間を惜しんでそのまま走り続け、女子1位でゴールしたというのだから根性ある。

コースの沿道では住民のみならず、すでにツール・ド・フランス最終日前日の応援のために場所を確保しているバカンス客が大声援を送っていた。乗る人も見る人も自転車の楽しみ方を知っているのがさすが本場だと感じた。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

●エタップ・デュ・ツールは日本からの参加も可能
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