フルームが繰り上がり総合優勝…2011ブエルタ・ア・エスパーニャ

2011ブエルタ・ア・エスパーニャで13秒遅れの総合2位だった英国のクリストファー・フルーム(当時スカイ、現イネオス)が同大会の総合優勝者となった。総合1位だったフアンホセ・コボ(スペイン)が不正薬物使用の嫌疑に関して意義申し立てをしなかったことで失格が決定となり、フルームが繰り上がって優勝者となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャ最終日の表彰台。中央がコボ、右がフルーム、左がウィギンス ©Unipublic

これによりフルームは、2012年に総合優勝したブラッドリー・ウィギンスに代わってブエルタ・ア・エスパーニャを初めて制した英国選手となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャでフルームがアタック ©Unipublic

フルームのグランツール優勝はブエルタ・ア・エスパーニャ(2011、2017)、ジロ・デ・イタリア(2018)、ツール・ド・フランス(2013、2015、2016、2017)の合計7勝となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャのフルームとコボ ©Unipublic
リーダージャージのコボをフルームがマークする ©Unipublic
2011ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝したフルーム ©Unipublic

●ブエルタ・ア・エスパーニャのホームページ

トゥールーズ…これほどまで魅力的な町だとは

ツール・ド・フランス取材者日記。トゥールーズはピレネー山脈の玄関口なので、環状線なら毎年、ピレネーに向かうときに1回、ピレネーから帰ったときに1回、つまり2回は走る。だからこれまでのツール・ド・フランス取材で50回は訪問したことがあります。

キャピトル広場に面したレストランのテラス席。向こうに見えるのは荘厳な市庁舎

と、トゥールーズ観光局の担当者に豪語したら、「でもあなた、中心街は来たことないわよね」と見破られました。そんなお話から発展し、この日の宿はトゥールーズ観光局が提供してくれることに。ありがたい限りです。

トゥールーズがツール・ド・フランスを歓迎してくれた

そんな出会いがあったので、初めてトゥールーズの街中を歩いてまわったのですが、レンガ造りの建造物が落ち着いたピンク色をしていて、「バラ色の町」と呼ばれるほどの美しさを目撃。まだボクなんてフランスの知らないところがいっぱいあることを再確認させられました。

レンガ造りの建造物に見とれ、ガロンヌ川に出てみると夏の夕日を見ながら友だちや恋人とくつろぐ人たちが多くいました。路地を含めてとても魅力的で、おいしそうな飲食店が点在します。

レンガ造りの建物がバラ色に映える

名物にはフォアグラ、鴨のマグレ、カスレ、トゥールーズのソーセージ、ワインはフロントン、ガイヤック、アルマニャックなど。ロックフォールやピレネー産トムチーズ。スミレのお菓子などがあるそうです。

意外とインド料理が多かったのですが、せっかくなので地元料理のお店を探してウロウロ。路地裏にある小さなお店を見つけて外にあるテーブルで幸せな夕ごはんをいただいたのです。

キャピトル広場のファサード

コンパクトな中心街なので歩いてどこにでも行けるのが魅力。翌朝にはGPSデバイスを起動して前日に歩いたルートをデータ記録。こうして保存しておけばお店がどこにあったかも推測できるからです。

パリよりある意味スゴい町で、パリよりも落ち着いていて。温暖な気候で。街の雰囲気に南フランスの人々の真面目で温かい気質が表れていて、そんな魅力に満ちています。

ガロンヌ川とサンピエール橋

歴史遺産の街トゥールーズ

特別な歴史的建造物が残された街。16世紀に盛んに栽培された藍の染料用植物「パステル」の黄金時代に建てられた個人の豪邸や、レンガや石による装飾の宗教建築、素晴らしいモニュメントや産業施設から姿を変えた美術館の充実したコレクションなど、訪れる場所で次々と驚きがあります。

夜になると街はライトアップされ、建物のファサードやガロンヌ川、モニュメントが新たな顔を見せます。

オープンエアがとても気持ちよくて、どこで飲むか物色中
カップルばっかりだ
写真で紹介したところを翌日にジョギングでデータ取得。クリックするとリンクページに飛びます
夕暮れ時にはガロンヌ川岸にたくさんの人たちが集まっていた

2019年5月14日には成田〜トゥールーズ間で特別チャーター機の運航を実施されました。トゥールーズを中心としたオクシタニー地方の周遊プランやスペインのバスク地方との組み合わせたものなど9つのツアーが実施され、座席はすべて埋まるほど好評だったようで、今後も継続的なチャーター便の運航が期待できるようです。

キャピトル広場からサンローム通りに入り、さらにジェストという路地を入ったところにある

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カフェテリアを利用すれば夕ごはんはコスト1/3を実現

ツール・ド・フランス取材記者日記。アルビでのまさかの予約なし騒動を体験し、かなり郊外の宿にたどり着きました。この日は休息日なのでチームのプレスカンファレンスなどいろいろな動きが想定されたのですが、ここで無理すると長丁場に悪影響が生じるので、休息日はお休みすると割り切りました。

メイン料理のお皿の空きスペースにたっぷりと付け合わせ野菜を盛りつけた

いつものツール・ド・フランスでは休息日は500km以上の大移動があり、疲れ果てた末にプレスインタビューなどに出席するので、全日程の中でも一番忙しく、これまでの休息日にやすんだことはありません。今回の休息日2日はどちらもひとつの都市にとどまるので大移動はなし。ツール・ド・フランス取材で初めてまともなお休みをいただきました。

宿のご主人が「午前11時までいていいよ。でも畑の作業があるので、お会計はできればいま済ませてくれるかな」というので、清算して部屋に戻り、バスタブに日本から持ってきた「温泉のもと」を入れ、ゆっくりとお湯に入って疲れを癒しました。脚が多少重いと感じたので、この日はランニングもお休みしました。

とても居心地のいいビジネスマン向けレジデンス

ところでツール・ド・フランスってまだ折り返してないんだっけ?

ベッドの上でこの日のホテルをネット検索。翌日のゴールであるトゥールーズ近郊まで行ってしまったほうが、いろいろ便利かなと思ったので、環状線の近くにあるビジネスタイプのレジデンスに。田舎のホテルが続いたこと、スーパーなどが全くないエリアばかりだったことで、ちょっと近代的なところが恋しくなったのです。

この滞在型レジデンスは想像以上に快適。ガレージも予約したので安心完ぺき。部屋の中は学習教室みたいなので、シゴトに集中できました。休日なんですが、いくつかの原稿は出さないといけなかったので。こうしてすべての原稿を片付けて、開放感いっぱいの気分を楽しみながら歩いていけるスーパーマーケット「オシャン」へ。

部屋にはキッチンもあるんですが、夕食は買い出しするのではなく、カフェテリアのflunch(フランシュ)を見つけたので大喜びで店内へ。

サラダコーナーは選んだお皿の大きささで料金が変わる

連日のレストラン利用はお金もかかるし、フランス流の間の取り方にストレスを感じることもあるので、そういったときはショッピングモールのカフェテリアを利用することにしています。いつもならディナーは4500円ほどかかりますが、1500円に収まります。ただし安くあげるにはコツがあります。

最初にあるサラダコーナーは盛り付けるお皿の大きさで料金が異なりますが、無視しましょう。プラドショー(温かい皿=いわゆるメイン料理)を頼むと、付け合わせのレギューム(野菜)は取り放題放題なんです。

さまざまなお皿が並ぶが、こちらは有料

ということでワインを注ぐピッチャーの大きさを選んでメインをお願いすれば1500円で野菜不足が解消し、五大栄養素のバランスが取れたディナーになります。自分のペースでくつろいで、配膳をあとかたづけすればホテルに帰って寝るだけです。

ワインはカラフ(水差し)の大きさを選んで自分で注ぐというシステム

この日行ったカフェテリアはフランスならよくあるチェーン店で、たいてい大規模ショッピングモールに入っています。安価でくつろぎやすすぎて、毎日行かないようにしています。だって地方の味も楽しみたいので。

●フランシュ(カフェテリア)のホームページ

レギューム(付け合わせ)は温野菜やパスタ、お米もある

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フランス旅行800泊にして初体験の「予約なし」との門前払い

ツール・ド・フランスホテルトラブル。現地取材者日記は。小さな町の宿泊が続きます。前夜はビルヌーブアリエル、日本的に言うと「アリエル新町」といった小集落で快適に過ごしました。もちろん部屋やベッドはくたびれているんですが、きれいなシートなのでグッスリと寝ることができ、前日と同じテラス席に朝食をとるために着いたら、わざわざそこまで何往復もしながらコーヒーやパンを持ってきてくれました。

ブリウドとサンフルールの間にある小さな村のホテル。テラスにわざわざ朝食を持ってきてくれた

プラス1日のレースが余計に疲れを感じさせるというのに、さらに!

お会計をして、「もういっぱいコーヒー飲む?」とか「お水ある?」と気を遣ってくれる宿の若いお兄さんにお礼を言って、GPSを頼りに林間部をこの日のステージのゴール、アルビへ。

いつ行き止まりになるんだろうとか、崖崩れがあったら戻ることになるかな、なんて心配しながら、徐々に集落が多くなってきて一安心のルートでした。クルマ1台が走れるくらいの山道から、徐々に道幅が広くなってきて、最後に国道に出たときには「わらしべ長者」の思いでした。

アトミザールスプレーやスポーツマッサージオイルが取材陣に配付されてうれしい!

いつものツール・ド・フランスは序盤の9日間が終わって迎える月曜日は休息日なんですが、2019年は10日連続のレースです。今回は例外的に火曜日が最初の休息日となりました。アルビが月曜の第10ステージのゴール、そして水曜の第11ステージのスタートをホストするためだと思います。そしてこの余計な1日が疲れるんですよね。

月曜なので日本の人たちは週初めのお仕事かなと思っていましたが、SNSの書き込みがサイクリングしたとか。「もしかして今日、日本は海の日ですか?」と。それだったらボクの人生で一度も経験したことがない祝日です。

アルビの町のボランティアがおそろいのTシャツでおもてなし

ゴール後には連泊として予約しておいたホテルへ。バイパスを通っていけばすぐなんですが、ちょっと心がざわついたので、サルドプレスで仕上げるべき原稿を途中にして、ホテルで落ち着いてから書き上げることに。ちょっと不穏な感じがあったんです。ブリットホテルというチェーン系の新興ホテルが以前泊まって感じがよかったので、せっかくの連泊なので予約したんですが、ネット上ではなんか雰囲気が異なっていて、同じ名前の別ホテルなんじゃないかと。

サルドプレスの前に人間をダメにするソファがあったのでダメなってみた

不吉な予感が当たってしまった…すでに宿泊費を払っているのに

到着してみたら「予約なし」と門前払いです。よからぬことは当たりますね。あせる気持ちはあるんですが、こういう時に取り返しのつかない失敗をすることがあるんで落ち着いて対処するようにしました。

急きょ45km離れた村のホテルを探して泊まりました。フランスでは800泊しているんですが、こんなのは初めての経験。いずれにしてもちょっと疲れました…。本来ここで夕ごはん食べるつもりじゃなかったんですが、日本に二度来たことがあるという宿のご主人とそれを手伝う娘さんに歓迎され、雄大なテラス席で夕ごはんを食べて、なんとか元気を取り戻しました。

まさかこんな景色を見ながら夕ごはんを食べるなんて予定してなかったし

いちおうホテル予約サイトには初動のクレームを入れておき、支払い済み代金の回収をこれからやっていきます。お金さえ戻ればこっちのホテルのほうがよかったし。

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室屋義秀、年間王者に足踏み…レッドブル・エアレース第3戦

究極の三次元モータースポーツ Red Bull Air Race World Championship(レッドブル・ エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2019年シーズン第3戦の決勝が7月14日(日)にハンガリーのバラトン湖で開催された。

室屋義秀の総合優勝は最終戦にお預けとなった ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

日本から唯一出場する2017シーズン ワールドチャンピオンの室屋義秀は開幕戦から2連勝を飾り、今季で終了が決定したレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ最後の年間王者の座を確実にすべく奮闘したが、今大会はラウンド・オブ14で敗退、2ポイントのみ獲得となった。

室屋はラウンド・オブ14でマット・ホールと対戦して敗れ、12位に。対するホールはファイナル4までノーミスでフライトし、マーティン・ションカも退けて優勝。 チャンピオンをかけた戦いは千葉で9月7日(土)、8日(日)に開催する今シーズンおよびレッドブル・エアレース最後の大会で決まる。

マット・ホールが第3戦を制した ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool

初開催となったハンガリー有数の観光地バラトン湖のレーストラックは、シンプルながら、風などのコンディションを考慮すると多くのオプションがあり、ラインを決めるのが難しいコース。予選で室屋は1本目のフライトで58秒846を記録すると、2本目は予選ポイント獲得を目指して攻めた結果、進入スピード超過、オーバーG、クロッシング・ザ・トラックリミットラインで計3秒のペナルティが加算され、1本目が予選タイムに。

結果予選3位で1ポイント獲得のはずだったが、2本のフライトを終えた後になって1本目でもクロッシング・ザ・トラックリミットラインがあったということで1秒ペナルティが加算された結果予選9位となった。

オーストラリアのマット・ホールが優勝 ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

1本目終了時点でペナルティが告げられていれば、2本目の攻め方が違っていたことは明白で、裁定のタイミングに疑問を感じつつも室屋は気持ちを切り替えて決勝日のラウンド・オブ14に臨んだ。その対戦相手は強敵のホール。決勝当日の天気は風が徐々に強くなる予報で、室屋はそれを想定したコース取りでレースに臨んだが、飛んだタイミングでは風がぴたりと止んでしまい、その中でタイムが出ないラインを選択した室屋のタイムは当然ながら伸びず、その様子を上空で見た後でフライトしたホールは当日誰も選択していないラインをペナルティなくフライトし、室屋を退けた。

レース後に室屋は「今日は結果が伴いませんでしたが、ワールドチャンピオンシップに王手がかかっているのは間違いないので、次の千葉に向けて準備を進めるしかないですね」とコメントした。

●レッドブル・エアレース千葉大会の関連情報
●室屋義秀のホームページ

ツール・ド・フランスは毎日が締め切り。それなりに達成感はある

ツール・ド・フランス取材者日記。フランス中南部の中央山塊を縦走します。このあたりはとても過ごしやすい小さな宿泊施設が多いんですが、観光地として日本の人はほとんど足を運んだことがないエリア。スーパーマーケットもガソリンスタンドも少ないので、たまに余裕がなくなると不安になりがちです。

石畳の道は走りにくい。ねんざする前にさっさとやめました

標高は軽く1000mを超えるエリアなのでとても過ごしやすく、ネット予約サイトなどで郊外の宿泊施設を見つけて、レンタカーで旅をしてみるのもオススメだと思います。

で、前日にお世話になった滞在型レジデンス。朝はこの町をランニングしに出かけたんですが、大ぶりな石畳の道は走りづらく、ねんざをしたら笑い話にもならないので、いったん部屋に戻ってスマホを取りに行き、ゆっくりと走りながら田舎町を撮影。この日は革命記念日で、広場の朝市もパン屋さんもなんとなくうれしそうでした。

エコール・ジャンヌダルク(ジャンヌダルク小学校)は祭日なので休校です
大会期間中いつも一度だけマッサージオイルや洗剤などをもらえるのがありがたい

そしてレジデンスではチェックアウトの時も「電話してね」と約束したので、母屋からマダムを電話で呼び出してお別れ。

ゴールのブリウドは、いったん市街地に近づいてからおよそ25kmのループを走って、今度はブリウドのど真ん中にゴール。こういったコースの場合、憲兵隊にきちんと事情を説明して、直接ゴール方面に行かせてもらえないと、無駄に25kmを走ることになります。ツール・ド・フランスのコースは逆戻りできないんです。

フランス革命記念日でもブランジュリエ(パン屋さん)は朝早くからやっています

ただし今年はこれまでの経験を生かして無駄がないというか、憲兵隊にゴールまでのショートカットを聞いて、あっという間にサルドプレスへ。これは疲労が低減できます。これまでの集大成として過去の蓄積が生かせていると思いました。

フランスでは県によって死亡事故現場にそれと分かる目印が…

そして原稿を出したあとは、この日の宿に向かって再び田舎道を30分ほど。この日は郊外型のホテルなので、すぐに見つかり、しかもレストランも併設されているので午後8時にはテラス席へ。まだ明るいですが、ちょっと冷え込んできたのでしっかりと着込み、テラス席に一番乗り。ボクのシゴトは1日完結型なので、それなりにプレッシャーはあるんですが、開放感にあふれて夕食を楽しむことができるのです。

2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET

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