サム・ベネットが2勝目…ジロ・デ・イタリア第12ステージでイモラサーキットを制す

第101回ジロ・デ・イタリアは5月17日、オジモ〜イモラ間の214kmで第12ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット(アイルランド)が残り400mから単独で抜け出し、第7ステージに続く2勝目を挙げた。総合成績ではミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)が首位を守った。

ジロ・デ・イタリア第12ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

モータースポーツでおなじみのイモラサーキットがゴールとなったステージ。レース終盤は土砂降りになり、そのなかをバーレーン・メリダのマテイ・モホリッチ(スロベニア)とモビスターのカルロス・ベタンクール(コロンビア)が抜け出してゴールを目指した。しかし追走集団も徐々に差を詰め、捕らえかけたところでベネットが単独でアタック。2人を追い抜くと後続にわずかの差をつけてゴールまで逃げ切った。

ジロ・デ・イタリア第12ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse
イモラサーキットのゴールを制したサム・ベネット © Fabio Ferrari – LaPresse

「モホリッチとベタンクールがすぐのところに見えたので単独でアタックした。2人に体力がどれだけ残っているか分からず、ゴールまでの残り距離も把握していなかったが、勝利をものにしたかった。ラッキーなことにボクは他の選手よりもいい脚が残っていた」とベネット。

ポイント賞のマリアチクラミーノを着るスプリンター、エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)は横風の影響で分断された後方集団にいて、一時はメイン集団に復帰したものの最後は再び脱落。ゴール勝負に加われなかった。

「ビビアーニが後方に置いていかれたと聞いた。そして再び戻ったとも聞いた。彼がどこにいるのか分からなかったので、集団スプリントに挑むよりもロングスパートをしかけたほうがいいと判断した。今後はマリアチクラミーノを獲得できるように走りたい」とベネット。

Foto Fabio Ferrari – LaPresse

「英国人にとっては得意とする天候だった。そしてアイルランドのベネットにとってもね」と悪天候にもかかわらずマリアローザを守ったイェーツ。
「こんなに荒れたコンディションになるとはみんな思ってなかったと思うし、ボクもその1人だった。最後はうまくまとめられてホッとしている」

イェーツがジロ・デ・イタリア第12ステージでマリアローザを守った © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●ダイジェスト動画

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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ツアー・オブ・ジャパンに松田祥位、草場啓吾らヤングジャパン

5月20日に開幕する8日間のステージレース、ツアー・オブ・ジャパンに日本代表として若手主体の6選手が出場する。5月17日に日本自転車競技連盟が発表した。

アジア選手権男子U23個人タイムトライアルで3位になった松田祥位 ©Kenji NAKAMURA/JCF

松田祥位(EQADS)=2017世界選手権タイムトライアル(ジュニア)20位。2018アジア選手権チームTT優勝。トラック3kmでジュニア日本記録を更新した逸材。初出場/18歳
草場啓吾(日本大)=2017国体ロードチャンピオン。出場2回目/21歳
武山晃輔(日本大)=2017インカレ&学生選手権チャンピオン。初出場/20歳
冨尾大地(鹿屋体育大)=2017ツール・ド・北海道山岳賞。初出場/21歳
中川拳(早稲田大)=初出場/20歳
佐藤健(日本大)=初出場/18歳
監督は日本自転車競技連盟ロード強化コーチの浅田顕。
「目標は各ステージの成績。高校を卒業したばかりの若手を含む初出場の選手ばかりなので、チャレンジャーとしてできることを追求しつつ、東京まで走り切ることで世界へつなげたい」という。

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ツアー・オブ・ジャパンに国内ラストレースとなるNIPPOのクネゴ出場

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ツアー・オブ・ジャパンに国内ラストレースとなるNIPPOのクネゴ出場

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが5月20日(日)に大阪府堺市で開幕する国内最高峰のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.1)」に参戦する。同大会がチームにとって待ち望んだ日本での今季初戦となる。

ツアー・オブ・ジャパンに出場するNIPPO・ヴィーニファンティーニの6選手

2018年で21回目の開催を迎えたツアー・オブ・ジャパンは、大阪から東京まで8日間かけて、本州を横断するようにして連日熱戦を繰り広げていく。8日間の総走行距離は764kmと長くはないが、総獲得標高は約1万3000mと非常に厳しいもので、登りに大きな比重が置かれたステージレースとなる。

特に第6ステージの富士山須走口五合目にフィニッシュするヒルクライムステージをはじめ、第5ステージの南信州、第7ステージの伊豆は厳しい登坂区間が設定され、個人総合成績を決定づけるだけでなく、レース展開によってはサバイバルレースの様相となる。

2018年ツアー・オブ・ジャパン
5/20(日)第1ステージ 【堺】2.6㎞(個人タイムトライアル)
5/21(月)第2ステージ 【京都】 105.0㎞
5/22(火)第3ステージ 【いなべ】 127.0㎞
5/23(水)第4ステージ 【美濃】 139.4㎞
5/24(木)第5ステージ 【南信州】 123.6㎞
5/25(金)第6ステージ 【富士山】 32.9km
5/26(土)第7ステージ 【伊豆】 120.8㎞
5/27(日)第8ステージ 【東京】 112.7㎞

出場チームは、新城幸也をエースとしたバーレーン・メリダが唯一のUCIプロチームとして出場。以前、チームNIPPOで活躍したグレガ・ボレ(スロベニア)もエントリーしていて、新城と強力なタッグで優勝候補に挙げられる。プロコンチネンタルチームはNIPPO・ヴィーニファンティーニのほかに、現在ジロ・デ・イタリアにも参戦しているイスラエルサイクリングアカデミーが初出場。コンチネンタルチームは、オーストラリアのベネロング・スイスウェルネスやアメリカのチームイルミネートが海外勢の有力どころ。

NIPPO・ヴィーニファンティーニは2017年の同大会で区間3勝とポイント賞を獲得したマルコ・カノラを軸にしたメンバー構成となり、外国人選手は6月をもって競技の第一線からの引退を表明しているクライマーのダミアノ・クネゴ、初来日となるオールラウンダーのシモーネ・ポンツィが出場。来日回数の多いクネゴだが同大会にはポンツィとともに初出場となる。


登坂能力に優れる日本人トリオ、初山翔、伊藤雅和、中根英登がチーム力を大きく底上げしている。初山は2017年の大会にブリヂストンアンカーから出場し、全ステージで逃げに乗る活躍をみせ、日本人選手としては快挙となる山岳賞を獲得した。また伊藤と中根も2017年に引き続いての出場となるが、伊藤は2017年の南信州ステージの落車で大腿骨骨折の大ケガを負い、好調なシーズンが一転、辛い治療やリハビリに直面することに。今大会でのリベンジを誓う。中根は2017年、カノラの区間3勝に大きく貢献。南信州ステージの終盤、先行していた選手を追走して吸収し、集団ゴールスプリントの展開に持ち込むなど、素晴らしい走りを披露した。

3選手ともに充実したオフトレーニングや、ヨーロッパやアジアの国際レースでの実戦を重ねての参戦となり、2017年よりもさらにレベルアップした走りで、チーム一丸となって勝利をねらう。

初山翔

初山翔のコメント
今年はチームも変わり、ツアー・オブ・ジャパンの見え方も去年までに比べるとだいぶ変わると思う。それでも日本最大級のレースで、ベストのパフォーマンスを出したいと思う気持ちだけは変わらない。

伊藤雅和

伊藤雅和のコメント
今年もツアー・オブ・ジャパンに選出され、出場することができてうれしく思います。去年大腿骨を骨折した思い出深いレースで、1年後にしっかり帰ってこられてうれしいです。今年もかなりいいメンバーで挑むことになるし、自分もしっかり調整してきたので、チームの歯車になって全員で成績を出していきたいと思います!

中根英登

中根英登のコメント
チームのスケジュールやトレーニングメニューのおかげで昨年より確実に自分自身の力を付けることができている。ツアー・オブ・ジャパンは他のレースとは違う厳しさ、難しさがあると感じているが、必ずいい結果につなげたい。チーム一丸となって勝ちにいきます。応援よろしくお願いします!

大門宏監督のコメント
日本人メンバーは個々の総合力を重視して選んだ。イタリア人メンバーもそうだが、一人ひとりの持ち味を引き出すことが、監督として自分に課せられた役割。責務を全うしたい。カノラは昨年日本で走った全ての大会で活躍しただけにマークは厳しくなるのは避けられないが、マークされることをポジティブにとらえながら、少しでも有利な展開に持ち込みたい。
ツアー・オブ・ジャパン初参加をシーズン初めから楽しみしていたクネゴだが、先週末から体調が優れず心配していた。リザーブ(補欠)に入れ検査を繰り返しながら体調を見守っていたが、昨晩ドクターからも許可がおり、来日を決めた。彼は来月いっぱいで引退することを公表しているので、日本では現役で走る最後の大会となる。昔から応援していただいている大勢のファンとともに、初めてのツアー・オブ・ジャパンを思う存分楽しませたい。

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カジュアル系のフリージーに最新春夏モデル…パールイズミが発売

パールイズミは2018年春夏新商品として「サイクルプリントジャージ」、「ランブルジャージ」、「フリージーポタージャージ」、「スリークォーター」、「バイカーズパンツ」をサイクルショップやスポーツ用品店で発売する。

「サイクルプリントジャージ」は個性豊かで細部にまでこだわった、街乗りにぴったりなプリントデザイン。通常のサイクルジャージよりもゆったりフィットで楽な着心地ながら、最高水準のUVカット性能を誇る生地を採用して性能も抜群。長めの後ろ丈で自転車乗車時の前傾姿勢でも背中が出ずに快適。

サイクルプリントジャージ(クラシック)=9800円、バイカーズパンツ=1万1800円(ともに税別)

「ランブルジャージ」は着こなしやすい杢柄のカジュアルなデザインのジャージ。吸汗速乾とUVカット機能といったサイクルウエアの基本性能も兼ね備え、右ソデとバックポケットの千鳥柄は再帰反射になっているので被視認性も確保する。街乗りからツーリング、普段着としても使えそうだ。
「フリージーポタージャージ」は杢柄のシンプルなデザインでパンツにも合わせやすいジャージ。吸汗速乾とUVカット機能といったサイクルウエアの基本性能も兼ね備え、右ソデとバックポケットのラインが再帰反射になっているので、普段着としてはもちろん本格的なツーリングにも活躍するアイテム。

「スリークォーター」は七分丈タイプで涼しく快適に街乗りを楽しめるパンツ。コットン素材のような自然で優しいはき心地、シンプルなカラーリングなのでコーディネートの幅が広がる。自転車専用設計によりペダリングもスムーズ、長時間のライドも快適。右サイドには収納に便利なファスナー付きポケットが付いている。
「バイカーズパンツ」はヒザ下が取り外せて七分丈にもなるロングパンツ。コットン素材のような自然で優しいはき心地で普段着としても使える便利なアイテム。クランクによる汚れを防止するため、スソはスナップで調節可能。右サイドには収納に便利なファスナー付きポケットが付いている。

一部カラーには、丈は通常サイズのまま、幅だけを3.5サイズ大きくしたワイドサイズも用意される。

サイクルプリントジャージ(クリスタル)=9800円、スリークォーター=1万円(ともに税別)

サイクルプリントジャージ(ブロックツイル)=9800円、スリークォーター=1万円(ともに税別)

●パールイズミのホームページ

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谷真海がITU世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会で2連覇

パラトライアスリートの谷真海が5月12日に開催されたITU世界パラトライアスロンシリーズ(2018/横浜)に出場し、PTS4クラスで2017年に続いて2連覇を飾った。2020東京オリンピック・パラリンピックの招致プレゼンテーションで大役を務めた谷(当時は旧姓佐藤)は出産を契機に陸上競技からトライアスロンに転向。東京パラリンピック出場を目指す。ブリヂストンサイクルが谷にロードバイクの機材サポートを行っている。

ITU世界パラトライアスロンシリーズ2018/横浜でバイクパートを走る谷真海 © ブリヂストンサイクル㈱

「守りに入らないレースをしようと心に決めていて、途中で力を抜かないことを意識し最後まで走り切ったので、苦しかったです」と谷。
「バイクパートの強化には時間がかかると思っていて、まだスピード維持の面で課題があると感じています。いろいろなことが大会では起こるので、いかに焦らず、あきらめずに走るかということに尽きると思います」

パラトライアスロンはスイム0.75km、バイク20km、ラン5kmの3種目を継続して行い、総距離25.75kmの合計タイムを競う。スイムからバイク、バイクからランへ移る「トランジション」にかかった時間も合計タイムに含まれ、障がいの種類と程度でクラス分けされ、そのクラスで競技の順位を競う。

ブリヂストンのトライアスロンバイクで疾駆する谷真海 © ブリヂストンサイクル㈱

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ZIPPの454 NSWホイールセットに待望のチューブラーリムバージョン

ZIPPの革新的な生体模倣技術から生み出された454 NSWホイールセットに、待望のチューブラーリムバージョンが登場する。平地巡航にとどまらず登りもこなせ、ダウンヒルでも強い耐熱特性と耐久性を持つ454 NSWは、カチューシャ・アルペシン、キャニオンスラムレーシングなど、トッププロチームが使用する。

454 NSW・チューブラーディスクブレーキ仕様

454 NSWチューブラーの優れた空力特性と横風からの安定性は、あらゆる風の影響下でもライダーが必要とする信頼性の高いエアロバランスを提供。ホイール形状とリムハイトに最適化されたディンプルパターンと、ディスクブレーキまたは業界最高の全天候型リムブレーキトラックにより、454 NSWチューブラーは最高のエアロ性能とブレーキングを実現する。

454 NSW・チューブラーリムブレーキ仕様
454 NSW・チューブラーリムブレーキ仕様
454 NSW・チューブラーリムブレーキ仕様のリヤハブ

454 NSW・チューブラーはリムブレーキ仕様、ディスクブレーキ仕様ともにフロント23万8600円、リヤ29万500円。

●インターマックスのホームページ

454 NSW・チューブラーディスクブレーキ仕様のフロントハブ
454 NSW・チューブラーディスクブレーキ仕様のリヤハブ

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