その地域の名所が記された地図を見ながら制限時間内にどれだけ回れるかを競う自転車ロゲイニング大会、「ひのはらいど2017秋」が11月26日に東京都檜原村で開催され、14チーム・38人が参加。シクロツーリズム(自転車観光)による地域活性化を目指すイベントだ。
ロゲイニングとは地図を使って随所に設置されたチェックポイントを制限時間内に回る屋外競技だ。オリエンテーリングと似ているが、ポイント数が多いのですべてを回る必要がなく、回る順番も決められていないのが特徴。難易度によって得点が設定され、より高得点を獲得したチームが勝ちとなる。参加は2〜3人が1チームを組み、常に一緒に走ることが求められる。ポイントでは地図とともに配布された写真見本帳のとおりのアングルとポーズで撮影。それがポイント通過の証明となる。
今回の大会で設定されたチェックポイントは29。「東京で一番高い道路の標識」がある風張峠の100点を最高に、攻略が難しいほど高得点が設定される。また村内の食事処で着席してランチを取ると50点がもらえる。制限時間は5時間で、どれだけ効率よくポイントを回っていくかが勝敗のカギ。制限時間を超えると1分につき減点20。5分遅れれば風張峠を制した100点が消える。交通ルールも順守で、「村内には信号が5つもあるので、赤信号で停車することを想定して余裕をもってゴールを目指したほうがいい」と事前に主催者側からアドバイスがあった。
順位にこだわらず楽しく走れればいいというチームもいる。それでも「チェックポイントの石仏が小さすぎて見つからず、村の人に声をかけて教えてもらった」などと、通常では味わえない旅情も満喫。「檜原村の見どころはこんなに多いんだと初めて知った」という参加者もいた。
成績発表と表彰式のあとには、将棋の感想戦のように優勝チームが戦略と成果をコメントした。「最高得点の風張峠をねらうと脚力を消耗してしまうのでそこは捨てて、中程度の得点を集めたました。50点もらえる食事はすぐに出てくるラーメン屋にしました。3人の足並みがそろっていたのが優勝の要因です」と語った。
「若い人たちが考えたイベント。たくさんのサイクリストが檜原村の魅力を知ってくれたらうれしいです」と同村観光協会の幡野庄一会長。大会は春と秋に定期開催され、次回は来春。詳細はホームページで。http://hinoharide.tokyo