東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は8月11日に2018年第8戦を国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで開催。メインレースの1-1カテゴリーは、3人による優勝争いをキナンサイクリングの中島康晴が制し、今シーズンのシリーズ初勝利を挙げた。この日は高温により、出走約80選手中、完走したのは4人というサバイバルレースだった。
7月に新城市で予定されていた前節が大雨により中止となり、実質2カ月ぶりの開催となった今シリーズ。同地区のロードレースシーンのレベルアップを主目的としつつも、遠方からも参加者が集まり、プロ・アマ、そして年齢・性別を問わず混走できるレースとしても人気が高まっている。特に今節は、シーズン後半戦を視野に入れる選手たちが続々と参戦。当日エントリーも含めると、約80選手が長良川沿いのコースに挑んだ。ホストチームのキナンからは中島のほか、椿大志、塚本一樹、中西健児、雨乞竜己、新城雄大がエントリー。夏場のトレーニングの成果を確かめるべく、この日を迎えた。
正午にスタートが切られた1-1カテゴリーのレースは、5.1kmの周回コースを20周する102km。リアルスタート直後から数人単位でのアタックが散発し、キナン勢も塚本が積極的に前方をうかがう。それでも、完全に先行する形にはならず、しばらくは出入りの激しい流れが続いた。逃げが決まったのは6周目。12人が協調してペースアップを図るとプロトン(メイン集団)が前後に割れる。これを追った選手の一部が落車したことも関係し、先行した選手たちがそのまま後続を引き離し、先頭グループを形成。キナン勢から中島、中西、新城の3人が入り、レースをコントロールした。
この日の東海地方は各県で高温注意情報が発令し、レースコースも周辺も気温が40度を超える暑さに。その影響からか、メイン集団はペースが上がらず、ときおり追走狙いのアタックが生まれるものの、先頭グループへのブリッジまでには至らない。レースをリードする選手たちも徐々に人数が絞られていき、10選手となって中盤へと入った。
メイン集団に対して着実にリードを広げる先頭グループ。メンバーはキナン勢3人のほか、荒井佑太(Novice Cycling Team)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、谷口白羽(トヨタ車体)、森崎英登(マトリックスパワータグ)、三井海(岐阜第一高)、杉山陽帥(大阪大)、寺⽥吉騎(SPADE・ACE)。周回賞直後の11周目には寺田と中島が飛び出したが、2周回ほどリードしたのち残るメンバーが合流。こうした動きによって先頭グループの人数は少しずつ減っていき、サバイバルレースの様相となった。
後続とのタイム差が大きくなり、そのまま優勝争いへと移っていくことが濃厚になった先頭グループ。7人として残り5周を切ると、徐々に勝負を意識した仕掛けが見られるようになる。決定的な動きは残り3周回となったタイミング。コーナーの立ち上がりを利用して中島がアタックすると、これに反応できたのは寺田と中西のみ。残りのメンバーを置き去りにして、3人がそのままフィニッシュに向けて好ペースを維持した。
そのままの態勢で最終周回へ。先頭の3人はバックストレートに差しかかると互いを見合っての牽制状態に。勝負のタイミングを図りながら最後の局面へ。最終コーナーを前に寺田の動きからスプリントに突入した。ここで真価を発揮したのは中島。コーナーのイン側を突いて先頭に出ると、そのままフィニッシュまでまっしぐら。中西が追い込むが、スピードの違いを見せてトップでフィニッシュラインを通過。2位に中西、3位に寺田が続いた。
今シーズンのシリーズ初勝利を挙げた中島。最後はチームメート、そして高校生との争いになったが、ホストライダーとしての意地を見せる格好となった。この勝利により、シリーズのポイントランキングでも首位に浮上している。
中盤以降、先頭グループとのタイム差が広がった後続の選手たちは、レース後半にかけてタイムアウトが宣告され、最終的に完走者は4名という結果に。このシリーズ戦の魅力でもある激しいアタックの応酬に加えて、暑さも相まって、これまでにないサバイバルな戦いになった。
次節、第9戦は9月1日に今回と同じ、国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースにて開催されることが決定している。メインの1-1カテゴリーのレース距離も同様に、102kmで行われる。
KINAN AACA CUP 2018 第8戦1-1クラス(102km、5.1km×20周回)結果
1 中島康晴(KINAN Cycling Team)
2 中西健児(KINAN Cycling Team)
3 寺⽥吉騎(SPADE・ACE)
4 柴田雅之(那須ブラーゼン)
KINAN AACA CUP 2018 ポイントランキング(第8戦終了時)
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 1280pts
2 新城雄大(KINAN Cycling Team) 1088pts
3 中西健児(KINAN Cycling Team) 544pts
4 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 512pts
4 津田悠義(EQADS) 512pts
4 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 512pts
4 福田真平 512pts
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