米国イリノイ州内最大の都市、シカゴ市と関連の行政団体は、2019年を「イヤー・オブ・シカゴ・シアター」と定め、劇場芸術に関連したキャンペーンを同年を通じて実施することを発表した。米国国内でも初めての試みである同キャンペーンで、ダンス、オペラ、即興劇、人形劇など多岐におよぶ劇場芸術に関連したイベントを、シカゴ市内や近郊の文化施設、劇場、公園などで1年にわたり展開する。
シカゴ市とパートナー団体は、シカゴの劇場芸術を訴求する新たなブランディングを設定し、劇場芸術作品をサポートする追加補助金の確保、社会における一体性と公平に関する話し合いの促進、全ての市民や慈善団体、芸術やビジネス界のリーダーから劇場コミュニティーに対する支援の働きかけなど、広範なマーケティング活動を展開。また同キャンペーンでシカゴの劇場分布エリア(特に市の南部と西部地区)を拡大することも目的の一つとして掲げる。
現時点で予定されているイベントやプロモーションの概要
● 夏の期間、シカゴの中心市に位置するミレニアム・パークに、期間限定の劇場の設置と、劇場芸術に関する映画の上映
● シカゴ文化センターにて、劇場芸術をテーマとした公共プログラムと展示会の開催
● シカゴ市が運営する文化促進補助金プログラムから20万米ドル(約2,250万円)を確保し、シカゴ市内の劇場や非営利の劇場芸術プログラムに充当
● Expo72内にあるチケット販売所 Hot Tixと、シカゴ文化センター内のウェルカム・センターにて、劇場芸術作品の広告の掲示
● シカゴの劇場芸術の新たなブランディングを使ったマーケティング活動各種
シカゴ市では2017年から2018年に渡り、シカゴのパブリックアートと若々しい創造性を祝うプログラムを展開したが、その成功を受け「イヤー・オブ・シカゴ・シアター」の実施を決定した。
● シカゴ劇場連盟:ウェブサイト(ChicagoPlays.com)の刷新
● シカゴ・パーク・ディストリクト :夏の期間、2千以上の様々なイベントを実施する「ナイト・アウト・イン・ザ・パークス」の一環として、77のコニュニティー地区にて、劇場芸術をテーマとしたイベントを開催
● メトロポリタン・ピアー・アンド・エクスポジション・オーソリティー:所有するアメリカ国内最大のコンベンション・センターであるマコーミック・プレイスにて、様々な展示会開催中に劇場芸術に関する展示と、Hot Tixの期間限定ポップアップ・ストアーの設置
● シカゴ市航空局:シカゴ市内の空港にて劇場芸術作品の広告掲示
● シカゴ市観光局:毎年2月に開催される「シカゴ・シアター・ウィーク」用のマーケティング予算の拡大。シカゴ市の劇場文化の新ブランディングを使った大型観光プロモーションの実施
また、シカゴの活気ある劇場芸術コニュニティーの認知度を向上させ、シカゴを劇場芸術の鑑賞地としてマーケティングし、市内の劇場への観客動員数の断続的な増加を狙うべく、マーケティング会社であるFCBシカゴ社に依頼し、シカゴ市の劇場文化を表現する新たなブランディング、「シカゴ劇場は、シカゴの勇敢な魂そのもの」を設定した。この新ブランディングは、シカゴ市文化・特別イベント局、シカゴ市観光局、ブロードウェイ・イン・シカゴ、ワールド・ビジネス・シカゴ、そしてシカゴ劇場連盟が共同で開発したもの。
ストアフロント劇場と即興劇の誕生の地でもあるシカゴの市内とその郊外には、合計250以上の劇場がある。トニー賞を受賞した劇場が5つもあり、ニューヨーク以外で公演されるブロードウェイ作品の最大講演数を誇り、全米どの他の都市よりも数多いワールドプレミア上演を実施している。
「世界的に有名で、トニー賞を獲得しているような作品から、役者の息づかいまで間近に感じられる小劇場での作品に到るまで、劇場芸術はシカゴの文化を構成する上で欠かせない要素となっています。「イヤー・オブ・シカゴ・シアター」は、世界中からシカゴを訪れる観光客、そしてシカゴ市民を楽しませるための弛まぬ努力を続ける、シカゴで活躍する才能ある役者やプロデューサー、監督達を称えるものです」(シカゴ市のラーム・エマニュエル市長のコメント)
「シカゴを心底から愛するには、私たちの街が本来の表情を見せる劇場に足を運んでいただく必要があるでしょう。シカゴの劇場は、喜びから悩み、そしてその間に存在するあらゆる感情を表現するストーリーを語り、観客の心を強く揺さぶります。ブロードウェイ・ミュージカル、演劇、即興など様々な劇場作品を通じて、シカゴが持つエネルギーは劇場で生き生きと表現されます。250以上におよぶ多様な形式の劇場のどこかの観客席が常にあなたを待っています」(シカゴ市文化・特別イベント局の長官、マーク・ケリー氏のコメント)
「シカゴ市文化・特別イベント局から、市が主導となる今回プロジェクトのアイデアについて相談された時は大変嬉しく思いました。今回のプロジェクトを通じて、私達は、シカゴに住む全ての住民の方に劇場へ足を運んでもらえることを目指しています。そして、その文化資産の価値を再認識・評価し、観光客の皆様と共に、劇場文化こそがシカゴが他の都市と一線を画す要素であることを実感してもらいたいと思います」(シカゴ劇場連盟のエグゼクティブ・ディレクター、デボ・クラップのコメント)
■ シカゴ市文化・特別イベント局について
シカゴ市における芸術的、文化的活動をより豊かに、そして活性化することに取り組む団体。その活動範囲は、非営利芸術セクター、独立系の芸術家、営利目的の芸術ビジネスの発展の促進、「2012シカゴ文化プラン」に基づいた、シカゴ市内の文化的かつ経済的成長を導くための枠組みの提供、市の文化資産を国際的に訴求するマーケティング活動、市民や観光客と対象に高品質で、無償あるいは安価な文化プログラムを提供など多岐におよびます。
■ シカゴ劇場連盟について
シカゴの劇場産業を地域、国内そして国際的に訴求すべく、共同で販促、支援や提唱などを行う劇場の連合団体。シカゴ劇場連盟が運営する財団は、劇場や劇場の専門家を対象に、聴衆の育成と支援活動を行うことで、シカゴ市内における劇場芸術の活性化に取り組んでいます。シカゴ市内で公演される劇場作品リストは、シカゴ劇場連盟のウェブサイト、
■ シカゴ市観光局(Choose Chicago)について
シカゴ市を世界的な旅行地として販促すべく、営業とマーケティング活動を展開するシカゴ市の公的観光促進機関。シカゴの比類ない観光素材の魅力を訴求することで、地域経済の活性化を目指しています。詳細はシカゴ市観光局(Choose Chicago)ホームページ またはフェイスブックページ
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