【GARMIN ForeAthlete 935 インプレ前編】ラン用最上級モデルは登山や自転車などマルチに使える

ランニング用ウォッチのForeAthlete(フォアアスリート)シリーズに光学式心拍計とGPS機器を搭載し、ランニングフォームを解析するランニングダイナミクスポッドを付属したForeAthlete 935が登場した。ランのみならず、自転車、水泳、トライアスロンなどさまざまなスポーツで使える。

左右の接地バランスや上下動などランニングフォームの解析ができる
本機右側のランニングダイナミクスポッド(加速度センサー)が付属する

GPSと心拍計の付いたフラッグシップモデル

シリーズのフラッグシップモデルとなり、価格は5万7800円(以下すべて税別)で、単品価格8400円のランニングダイナミクスポッドが付属する。ベルトのカラーは今回使用したイエローのほかにブラックがあり、それぞれ4000円でキット販売もされている。マルチスポーツ対応プレミアムGPSウォッチのfenix 5(フェニックス・ファイブ)のベルトが流用でき、ブラウン(レザー)、グレー(ステンレス)、ブラック、ダークブルー、レッド、ブルーに交換できる。

ランニングをメイン用途としたForeAthleteシリーズは一部を除き3ケタの品番がつけられている。200番台が中級グレード、600番、700番、900番と数字が大きくなるにつれて上位モデルとなる。数字の2ケタ台の「3」は各グレードの現時点における最先端モデルという意味。そして1ケタ台に「5」がつけば光学式心拍機能を搭載しているという証拠だ。

ランニング時の上下動比。紫色のカラーゲージが最も優秀(歩いて撮影しています)
Connect IQアプリで好みの機能やウォッチフェイスをインストールしてカスタマイズできる
トレーニングやレース実績はデバイス上でも確認できるが、詳細はスマホやパソコンで見たほうがいい
有酸素/無酸素運動トレーニング効果が数値で表示されるので継続的練習の目安になる
ラップは距離ごと/時間ごとの自動設定や手動など自由に設定できる
実走ルートを画面でチェック。スマホやパソコンに取り込めば詳細表示も可能
有酸素/無酸素運動トレーニング効果。最大数値は5.0なので1.7というのは走り込み不足だ

2016年春に発売されたForeAthlete 235Jは光学式心拍計を備えた有酸素系スポーツをカバーしたモデル。これの心拍計が付いていないモデルがForeAthlete 230Jとなる。ForeAthlete 735XT JはForeAthlete 235Jにアドバンスドランニングダイナミクス機能とバーチャルペーサー、ストレススコア、乳酸閾値(にゅうさんいきち)を追加したモデル。いずれも本体サイズと重量はほぼ同じ。ディスプレイの大きさと表示も同じ。5ボタン仕様の操作方法はほぼ共通だ。

ForeAthlete630Jはアドバンスドランニングダイナミクスなどの搭載機能があるが、光学式心拍機能とスイムモードがない。ただし別売のハートレートセンサーを購入すれば心拍計機能が稼働するし、本体とハートレートセンサーがセットになったキットも販売されている。タッチパネルディスプレイを採用したモデルでもある。

鎌倉のトレイルを散策してスマホアプリに取得データを取り込んでみた
ランのみならず自転車、登山、ハイキング、室内トレーニングなどに使える
心拍計のよさは心拍ゾーン比をグラフ化することで運動強度がチェックできることだ
ライフログバンドとしても活用できる。この日は自転車に乗ったので3683キロカロリーを消費

フォームの確認ができる機器が標準搭載

それではシリーズのトップグレードに位置づけられるForeAthlete 935はどんな機能が追加されたか。それはパフォーマンスの分析に活用できる重要なランニングデータを、オプション機器を追加購入することなく測定できるようになったことだ。ピッチ、歩幅、接地時間とバランス、上下動や上下動比を測定し、自分のフォームを把握することができる。ランニング時に身体がどれくらいの幅(cm)で上下動しているか、ピッチや左右の足の接地時間を数値で確認することで、無駄な体力消耗や足への負担が大きいフォームを改善して、レースで最大限の能力を発揮できるようになる。

じつはこれまでのデバイスにもアドバンスドランニングダイナミクス機能が実装されていて、接地時間バランス、歩幅、上下動比などを数値化して、無駄のない力で走れるようにするトレーニングをサポートしてくれていた。ただし別売のハートレートセンサー HRM-Runや HRM-Triを追加投入する必要があった。ForeAthlete 935は歩幅や上下動を計測するランニングダイナミクスポッドが付属されているのが特徴なのである。同機能に関してはインプレ中編で詳細をチェックしていきたい。

1週間のトレーニング負荷は最適。オーバーワークにならずフィットネスができる

アスリートレベルをテストするVO2 Max(最大酸素摂取量)、カラダにかかった負荷を調べるストレススコア(別売のベルト式心拍計が必要)、スタミナをチェックする乳酸閾値(にゅうさんいきち)などの機能も搭載。乳酸閾値は、運動がある強度に達するとスピードが維持できないレベルのことで、一般に「バテる」と言われる限界値のこと。運動能力を高めるにはこの値をアップさせればいいわけで、トレーニングの1つの指針となる。

電池消費量は心拍計測機能がついているだけにある程度の消耗は仕方ないが、日常的に腕時計として使用するなら2週間に一度の充電で使用できる。GPSと心拍計測をオンにしたときは最大21時間。フル充電で臨めばウルトラマラソンやアイアンマントライアスロンでも大丈夫。1日2〜3時間のランやサイクリング練習をこなしても1充電で1週間は持続するはずだ。 付属のチャージングケーブルはGARMIN社の最新デバイスの共通仕様。パソコンのUSBポートから、一般的なACアダプターがあれば家庭用コンセントから簡単に充電できる。チャージングケーブルは専用なので遠征先に忘れないように。

丹沢の塔ノ岳までの登山実績。高度計が内蔵されているので登山やハイキングに使える
塔ノ岳登山の獲得標高、歩行ペース、心拍数、気温の推移がグラフ化される
サイクリングにも使える。木々に覆われた林道ながら完ぺきに移動したルートを記録している
サイクリングの記録。有酸素運動トレーニング効果4.8は最高レベルのフィットネスだ
サイクリング中のデータ。上りになれば速度が落ちて心拍が上がる。いい想い出にもなる
サイクリング途中にコンビニに寄ったのだが、みごとにその動きが捕捉されている

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