まったく新しい衝撃吸収技術を備えたボントレガーのヘルメット

トレック・ジャパンは2019年3月20日、サイクリングヘルメットの安全性を飛躍的に高める衝撃吸収技術WaveCel(ウェーブセル)を搭載したヘルメット2モデルを、ボントレガーブランドから発売した。WaveCelとは、ヘルメットの内側に設置されたまったく新しい衝撃吸収技術のことで、製品は世界で初めてWaveCelを搭載したもの。

■サイクリングヘルメットにおけるプロテクション
一般的なEPSフォーム(発泡スチロール)のヘルメットは、主に頭部に垂直にかかる衝撃を吸収し、頭蓋骨骨折を防ぐことを想定して開発されている。しかし現実世界では、サイクリング中に転倒した場合、頭部が斜め方向で地面に衝突し、回転やひねりの力によって脳が揺さぶられることで、脳震とうや後遺症につながる脳障害が発生する。

こういった脳へのダメージの多くは、頭蓋骨骨折を伴わず、頭蓋骨の内部で発生することがわかっている。トレックは、このダメージを最小化することこそがサイクリングヘルメットに求められる最も重要な性能であると考え、より安全なヘルメットを提供するため、外部研究機関と綿密に連携しながらヘルメットの開発を進めてきた。

■WaveCelの機能
WaveCelは、頭部にかかる斜めの衝撃を吸収することを目的に開発された。衝撃を受けると、WaveCelのレイヤーが独立して動き、セル構造が変形し、つぶれた後に横方向へ滑り、頭部にかかる衝撃を積極的に吸収する。WaveCelは、一般的なサイクリングでの転倒を想定した実験において、軽度の脳障害の発生を1.2%に抑える。

なお、従来のEPSフォームヘルメットにおいては、同条件での実験で、軽度の脳障害の発生が58.2%、WaveCelと同じく斜めの衝撃を吸収するために開発されたスリップライナー「MIPS(ミップス)」を搭載したヘルメットにおいても、34.2%にとどまる。WaveCelは他製品と比べ、圧倒的なプロテクションパフォーマンスを提供する。実験は、標準的なEPSフォームのヘルメットと、WaveCelを取り付けた同一のヘルメットを、秒速6.2m、斜め45度の衝突で生じるAIS スコア2の怪我(脳震とう~軽度の脳障害)の発生確率を比較。

■WaveCelの今後の展開
トレックは、米APEXバイオメディカルが開始したWaveCelの技術研究に初期段階から協力してきた。今回発売されるヘルメットは、世界初のWaveCelが搭載された製品となる。今後、他のスポーツやアクティビティ用のヘルメットにおいて、WaveCelの技術が搭載された製品が発売予定。

■トレック・バイシクル アメリカ本社 ジョン・バーク社長のコメント
「より多くの人にバイクに乗ってもらうには、ライドをより安全で身近なものにしなければならない。WaveCelは、今までデザインされた中で最も発達したヘルメットテクノロジー。これを搭載したヘルメットこそが、ライドをより安全にし、誰でも楽しめるものにする」

Bontrager XXX WaveCel ロード ヘルメット
Bontrager XXX WaveCel ロード ヘルメット

■ボントレガー WaveCel ヘルメット ラインアップ
XXX WaveCel Road Helmet(トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット)
・エアロダイナミクスや軽量性を重視したハイエンドモデル。
・価格:3万1481円(税別)
・サイズ:S/M、M/L・カラー:Black, White, Red, Visibility Yellow, Azule, Purple Phase

Bontrager Specter WaveCel ロードヘルメット
Bontrager Specter WaveCel ロードヘルメット


Specter WaveCel Road Helmet(スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット)
・日常的なサイクリングを目的としたミドルグレードモデル
・価格:1万9444円(税別)
・サイズ:M、L・カラー:Black, White, Red, Visibility Yellow