欧州ロードシーズンが一段落し、2019年11月からはバンクと呼ばれる自転車競技場で開催されるトラックの国際大会が始まる。ワールドカップは年を越えて1月末まで全6戦。そしてフィナーレは世界選手権だ。この7大会はすべて2020東京五輪の国別出場枠がかけられた極めて重要な大会。日本勢も決死の覚悟で全レースに挑む。
東京五輪で開催される自転車競技は4つあるが、このうちトラックだけ開催国出場枠が設定されていない。そのため国際ランキングによって与えられる出場枠をつかむしかない。この争いは丸2年にわたって行われていて、その決着を見るのがこの冬なのである。
例えば日本のお家芸である男子ケイリンの場合、原則はケイリンの国別ランキング上位7カ国に1枠が与えられる。最新ランキングをチェックすると、日本は6956.5点で1位。2位オランダの5662.5点を上回っている。
一方、五輪では全体の競技者数を制限するという原則があって、3人で走るチームスプリントの上位8カ国に入れば一気に3選手を送り込め、ここで出場枠を得た選手はケイリンやスプリントにも出場できるという特例がある。日本にとってこのルールはねらい目。ただし当該ランキングは現在12位。11月からの大会で好成績を連発する必要がある。
こうして手中にする出場枠に対し、次のステップはだれが日本代表になるか。選考基準は「世界選手権とワールドカップで最高の成績を修めた選手」。11月1日に開幕するワールドカップには脇本雄太、河端朋之、新田祐大ら競輪選手、女子は小林優香、太田りゆが一致団結して国別ランキングのために戦うが、それは同時に五輪代表を争うシビアなレースでもある。
●トラック国際大会の競技日程
2019年
11月1〜3日 ワールドカップ第1戦(ベラルーシ・ミンスク)
11月8〜11日 ワールドカップ第2戦(英国・グラスゴー)
11月29日〜12月1日 ワールドカップ第3戦(中国・香港)
12月6〜8日 ワールドカップ第4戦(ニュージーランド・ケンブリッジ)
12月13〜15日 ワールドカップ第5戦(オーストラリア・ブリスベーン)
2020年
1月24〜26日 ワールドカップ第6戦(カナダ・ミルトン)
2月26日〜3月1日 世界選手権(ドイツ・ベルリン)
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