山本元喜がニュージーランド・サイクルクラシック第2Sでアタック

KINAN Cycling Teamが出場中のニュージーランド サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)は1月16日に第2ステージを実施。細かいアップダウンやワインディングが続くルートを進んだ1日で、山本元喜が逃げにトライ。レースを先行した5人に加わり、あわや逃げ切りかと思わせる好走。フィニッシュでは中島康晴が10位に食い込んだほか、他の選手たちも問題なくステージを完了。日増しにチーム状態が上がっている。

ニュージーランド・サイクルクラシック第2ステージで積極的な走りを見せた山本元喜 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

上りフィニッシュが設定された前日の第1ステージでは、トマ・ルバがトップと11秒差の19位。山本大喜も同タイムで26位と続き、上位陣が見える位置で終えた。地元ニュージーランド勢を中心に主導権争いが繰り広げられる中で、KINAN勢も逃げを狙ってのアタックや、集団内での位置取り争いなど、攻めの姿勢を見せている。

続く第2ステージは、前日同様に大会拠点都市のマスタートンを発着とする121km。スタートしてすぐに南に針路をとり、15km地点を過ぎたところから1周約30kmの周回コースへ。これを3周したのち、来た道を引き返す形でマスタートンへと戻る。周回コース1・3周目にそれぞれ中間スプリントポイントと山岳ポイントが設けられるほか、この地域特有の細かなアップダウンやワインディングがレース展開にどう作用するかも見ものに。全体のレイアウト的にはスプリンター有利の1日と予想されるが、小雨が降ったり止んだりの天候の中、プロトンの進行スピードや風向き次第で流れが大きく変わることも考えられた。

やはり前日同様にアタックとキャッチの繰り返しとなったレース序盤。効果的なアタックには山本元や新城らが絡んでいき、逃げのチャンスをうかがっていく。17km地点に設定されたこの日1回目の中間スプリントポイント通過した直後には、次々と集団からアタックがかかり、やがて15人の先頭グループが形成される。ここに新城と椿大志が合流し、逃げのムードが高まるかに思われた。

しかし、これもリーダーチームのブラックスポークプロサイクリングアカデミーが容認せず、10kmほど進んだところで吸収。激しい出入りが連続しながら、残り距離を減らしていった。

そんなレースの情勢が一変したのは、36.5km地点に置かれたこの日1つ目の山岳ポイント通過直後のこと。アタックのチェックに動いた山本元が前方に残る形となって、そのまま逃げの態勢へと移っていく。先行するのは5選手。メイン集団が落ち着いたこともあり、その差は徐々に広がっていった。

最大で3分近いリードを得た先頭5人は快調に飛ばす。3周回目に入って、山本元はこの2回目となる中間スプリントで3位、山岳ポイントでは2位でそれぞれ通過。各ポイント争いのスプリントにも積極的に参加していった。

一方で、メイン集団もこの間に先頭グループを射程圏内にとらえ、徐々にタイム差を縮めていく。終盤に入ると追撃ムードが高まっていき、逃げ切りを許さない構え。粘りを見せた山本元も結果的に集団へと戻ることとなり、一団となってフィニッシュへと向かうことになった。

レースは最後、集団スプリントによる勝負となり、KINAN勢では中島が上位進出に挑んで10位でフィニッシュ。他のメンバーも問題なく走り切り、順調にステージを終えている。

大会2日目までを終えて、山本大が総合でチーム最上位の22位。トマが27位で続き、それぞれトップとの総合タイム差は21秒となっている。また、この日中間スプリントで上位通過した山本元が1秒のボーナスタイムを獲得した関係で28秒差の34位に浮上。この先のステージでさらなるチャンスを求めていく。

17日に行われる第3ステージは、マスタートンからマーティンバラまでの127km。スタートからしばしワンウェイルートを進み、おおよそ中間地点から1周7kmの周回コースへ。これを9周回してフィニッシュを迎える。前半に唯一の山岳ポイントが控えるが、以降は平坦基調。第2ステージ同様に、スプリントや要所でのアタックからチャンスが生まれる1日となりそうだ。

ニュージーランド サイクルクラシック2020 第2ステージ(121km)結果
1 キャンベル・スチュワート(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム)2時間36分15秒
2 ニコラス・ケルゴゾウ(ニュージーランド、コープランドベーカリーズチーム) +0秒
3 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 
4 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) 
5 リアム・ウォルシュ(オーストラリア、フトゥーロプロサイクリング) 
6 チェン・チェンリャン(台湾、メミル・CCNプロサイクリング) 
10 中島康晴(KINAN Cycling Team) 
34 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
51 新城雄大(KINAN Cycling Team)
64 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
70 山本元喜(KINAN Cycling Team) 
101 椿大志(KINAN Cycling Team) +1分13秒

個人総合
1 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チームブリッジレーン) 5時間25分46秒
2 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) +0秒
3 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +1秒
4 キャンベル・スチュワート(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム)+7秒
5 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +11秒
6 エイデン・トゥーヴェイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +13秒
22 山本大喜(KINAN Cycling Team) +21秒
27 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
34 山本元喜(KINAN Cycling Team) +28秒
52 新城雄大(KINAN Cycling Team) +29秒
79 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分11秒
89 椿大志(KINAN Cycling Team) +1分42秒

ポイント賞
1 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 16pts
12 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts  

山岳賞
1 ボリス・クラーク(ニュージーランド、ユーロサイクリングトリップス・CMI) 10pts
4 山本元喜(KINAN Cycling Team) 4pts

チーム総合
1 ブラックスポークプロサイクリングアカデミー 16時間17分56秒
9 KINAN Cycling Team +33秒

山本元喜

山本元喜のコメント

「集団のペースが緩んだタイミングでスルスルと前に出たら、そのまま逃げグループができた感じだった。それまで何度か逃げを狙ってアタックはしていたが、(逃げが決まった)その局面だけ見れば正直狙っていたわけではなかった。それでも、逃げている間は集団とのタイム差が広がったこともあって、逃げ切りのチャンスに賭けてみんなしっかり踏んでいた。

もがく感覚を養いたいと思っていたので、山岳賞や中間スプリントにもトライをした。レースは全体的にペースが速く、シーズン真っ只中のニュージーランド勢やオーストラリア勢が中心になっているが、自分としても冬場にしっかりトレーニングを積めた分、感覚的にはよいイメージで走ることができている。

逃げで得られた収穫が大きいので、あとは最終日まで確実に走り切ることを意識しながら、その中で最善の形に組み立てていければと思う。チャンスがあれば総合も狙っていきたいが、ナーバスにはならずに今できることに集中して取り組んでいきたい」

大坂なおみとラグビー日本代表がスポーツ界のアカデミー賞にノミネート

ローレウス・ワールドスポーツ賞2020の年間最優秀女子選手部門にテニスの大坂なおみが、年間最優秀成長部門にラグビー日本代表チームがノミネートされた。世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスが主催するもので、スポーツ界のアカデミー賞と言われる。最終結果は2月17日にドイツのベルリンで発表される。

ブレークスルー部門にノミネートされたラグビー日本代表チーム

同賞は7部門が設定され、1000を超える世界中のスポーツジャーナリストの投票によりそれぞれのノミネートが決定した。68人のローレウス・ワールドスポーツアカデミーメンバーによる投票が行われ、受賞者を決定。ベルリンで発表と表彰が行われる。

●ローレウス・ワールドスポーツ賞の7部門とは
ローレウス年間最優秀男子選手部門
ローレウス年間最優秀女子選手部門
ローレウス年間最優秀チーム部門
ローレウス年間最優秀成長部門
ローレウス年間最優秀復活部門
ローレウス年間最優秀障害者スポーツ選手部門
ローレウス年間最優秀アクションスポーツ選手部門

大坂と争うのは体操バイルズ、陸上フェリックスなど

大坂なおみは2019年、年間最優秀成長賞を受賞しているが、今回は女子アスリートの頂点となる年間最優秀女子選手部門にノミネートされた。また、ラグビー界のレジェンドであり、ローレウス・ワールドスポーツアカデミー会長のショーン・フィッツパトリックが称賛しているラグビー日本代表チームが年間最優秀成長部門にノミネートされた。

最優秀女子選手部門には大坂のほか、3度目の受賞をねらう体操のシモーネ・バイルズ、陸上界のスターであるアリソン・フェリックスとシェリーアン・フレーザープライス、FIFA女子ワールドカップの最優秀選手賞と得点王の二冠に輝いたミーガン・ラピノー、そして若きスーパースキーヤーとしてミカエラ・シフリンがノミネートされている。

女子の最優秀選手部門にノミネートされた大坂なおみ

羽生結弦も2019最優秀復活部門にノミネートされていた

年に一度、スポーツシーンにおいて最も優れた功績を残した個人や団体を称えるローレウス・ワールドスポーツ賞は記念すべき20回目を迎え、今日ではスポーツ界において最も名誉あるアワードの一つと称されているという。2019年はフィギュアスケートの羽生結弦がローレウス年間最優秀復活部門、大坂なおみがロ―レウス年間最優秀成長部門にノミネートされ、大坂が日本人で初めての受賞を果たした。

ラグビー日本代表チームは2019年のラグビーワールドカップでの活躍が評価され、ローレウス年間最優秀成長部門にノミネートされた。強豪スコットランドを相手に4トライをあげ、28対21で破り、決勝トーナメント出場を果たして世界を驚かせた。準々決勝では南アフリカに敗れたものの、試合後も多くのファンがスタジアムに残り、彼らの健闘を称えた。

ラグビーW杯開催中に六本木で行われたトークショー。田中史朗(中央)とフィッツパトリック会長(右から2番目)

元オールブラックスのレジェンド、フィッツパトリックも、「今回のラグビーワールドカップは衝撃的であり、興奮に満ちていた。開催国である日本の活躍は誰もが称賛するだろう。日本代表の選手たちは非常にエキサイティングで素晴らしいラグビーを見せ、日本ラグビー史上初めての決勝トーナメント進出という快挙で驚かせてくれた。フィールド外でも、運営者とファンらがこのワールドカップを忘れられないものにしてくれた」と絶賛。

「日本代表がシックスネイションズかザ・ラグビーチャンピオンシップに参戦するのでは、という話も耳にするほど盛り上がっている。スポーツの未来に興奮を抱かせてくれる話だ。彼らの素晴らしいパフォーマンスを祝福したい。彼らは個人にとっても、国にとっても、スポーツがいかに特別であるかということを具現化してくれた。ロ―レウス年間最優秀成長部門にとてもふさわしい候補だと思う」と語っている。

同部門には、今回最年少ノミネートの一人である15歳のテニスプレイヤー、ココ・ガウフ、同じくテニス界より初出場で見事全米オープン優勝を果たしたカナダの19歳ビアンカ・アンドレスク、コロンビア人として初めてツール・ド・フランスを制した22歳のエガン・ベルナルなどがノミネートされている。

エガン・ベルナルはブレークスルー賞をめぐってラグビー日本代表と争うことに

男子最優秀賞候補は F1ハミルトン、ナダル、メッシなど

ローレウス年間最優秀男子部門のノミネートには、6度目のF1世界チャン ピオンに輝いたルイス・ハミルトン、オートバイレーサーのマルク・マルケス、これまでローレウスで3度の受賞経験を持つスペインのテニス選手ラファエル・ナダル、自身6度目のFIFA年間最優秀選手賞を受賞したFCバルセロナのリオネル・メッシ、非公認ながらマラソンで史上初となる2時間の壁を破ったケニアのエリウド・キプチョゲ、そしてマスターズで15回目のメジャー制覇を果たしたゴルフ界のレジェンド、タイガー・ウッズという豪華な顔ぶ れ。

最優秀男子部門の候補となったエリウド・キプチョゲ

ローレウス年間最優秀チーム部門
ルイス・ハミルトンが所属するメルセデスAMGペトロナスF1チームがノミネート。このほか、FIFA女子ワールドカップで優勝したサッカー米国女子代表チーム、UEFAチャンピオンズリーグ優勝のリバプールFC、ラグビーワールドカップのチャンピオンとなったラグビー南アフリカ代表、カナダのチームとして初めてNBAチャンピオンとなったトロント・ラプターズ、FIBAワールドカップで2度目の優勝を果たしたバスケットボールスペイン男子代表チームがノミネートされている。

最優秀チーム部門の候補となったラグビー南アフリカ代表

ローレウス年間最優秀復活部門
さまざまなハードルを乗り越えた真の精神、固い決意と粘り強さを象徴する選手や団体が対象の部門。2020年のノミネートリストには、2018年マカオGPでの大クラッシュで重傷を負いながら、一年後の2019年11月に同レースで復帰を飾ったドイツの19歳F3ドライバー、ソフィア・フローシュ、白血病を克服しラグビーワールドカップでオーストラリア代表に復帰したクリスチャン・リアリーファノ、精巣ガンを乗り越えた米国の水泳選手ネイサン・エイドリアンの名が挙がっている。

ローレウス年間最優秀障害者スポーツ選手部門
2019年世界最速の女性パラリンピアンとなったキューバのオマーラ・ドゥランド、チェルノブイリ原発事故の影響で、生まれながらに障害を持つ米国のスキーヤー兼サイクリスト、オクサナ・マスターズなど素晴らしい活躍をみせた6名のパラアスリートがにノミネートされた。

ローレウス年間最優秀アクションスポーツ選手部門
ワールドサーフリーグ優勝のイタロ・フェレイラとカリッサ・ムーア、2019年同部門を受賞したスノーボード世界チャンピオンのクロエ・キム、そして今回最年少ノミネートとなる11歳のブラジル出身スケートボーダー、ライサ・リールが名を連ねている。また、スケートボードの世界チャンピオンナイジャ・ヒューストンと、カナダのスノーボードスターでXゲーム・スロープスタイルの金メダリスト、マーク・マクモリスもノミネート。

●ローレウス・ワールドスポーツ賞の発表サイト

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レッドブル・アイスクロス横浜のチケットをゲットしよう

アイスホッケー、ダウンヒルスキー、スノーボードクロスの要素を取り入れたレッドブル・アイスクロスが2020年2月15日(土)に横浜で開催される。2018〜2019シーズンに続いて2回目の日本開催。ど迫力のダウンヒル競技は駅から歩いて行ける立地条件下で開催されるので、チケットは好評発売中。

横浜を象徴するビル群を背に猛スピードで駆け抜ける選⼿たち © Armin Walcher / Red Bull Content Pool

ATSX 1000 / Red Bull Ice Cross World Championship Yokohama 2020
ATSX 1000 / レッドブル・アイスクロス・ワールドチャンピオンシップ横浜2020
略称:レッドブル・アイスクロス横浜
会場:臨港パーク特設会場(神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1)
日時:2020年2月15日(土)
OPEN 15:00
START 18:00
※雨天決行・荒天中止
※予告なく変更になる場合も
内容:アイスクロス世界選手権(Red Bull Ice Cross World Championship)のATSX1000クラスの大会
●オフィシャルサイト
主催:レッドブル・ジャパン
後援:横浜市
協賛:BFGoodrich、SUBARU、FAVRE-LEUBA

日本初開催のレッドブル・クラッシュドアイスも海外大会と同様に最高の盛り上がりを見せた © Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

横浜大会のチケットを入手するには

●販売窓口
席種
SSエリア:観覧デッキからスタートや会場を見渡せるVIPエリア
Sエリア:コース至近のエキサイティングエリア
Aエリア:一般観戦エリア
AエリアU-18:18歳以下限定(入場時に年齢確認を行う場合あり)
料金(税込み)
SSエリア:1万円
Sエリア:6000円
Aエリア一般:4000円
AエリアU-18:2000円
備考=未就学児無料(保護者同伴に限り)。すべて立ち見席
チケット問い合わせ先:ローソンチケットインフォメーション
電話:0570-000-777(10:00~18:00)

レッドブル・アイスクロス開幕…鈴木雅仁が海外連戦

アイスホッケー、ダウンヒルスキー、スノーボードクロスの要素を取り入れたアイスクロス競技。今シーズンの開幕を飾るATSX 500初戦が2019年12月28日にオーストリアで、ATSX 500第2戦が2020年1月11日にフランスで開催された。元プロアイスホッケー選手の鈴木雅仁(36歳、北海道出身)が両大会に出場した。

フランスのプラルーで開催されたレッドブル・アイスクロスATSX 500 ©Andreas Schaad/Red Bull Content Pool

ATSX主催の世界選手権Red Bull Ice Cross World Championshipは、大会規模と獲得ポイントでATSX 100、ATSX 250、ATSX 500、ATSX 1000の4クラスに分かれる。開幕戦は、ATSX 500をオーストリア・ユーデンブルクの山中に全長380m、高低差30mの特設 コースを設けて行い 、男子は2014年ワールドチャンピオンのダラーゴ兄弟の兄マルコ・ダラーゴ(オーストリア)、女子は アナイース・モーランド(スイス)が優勝した。

フランスのスキーリゾート、プラルーでは自然のゲレンデをベースとしてコース設営された ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

続く第2戦もATSX 500を、大会史上最高となる標高2000mの地、フランス・アルプス南側のスキーリゾート、プラルー のゲレンデにコースを設けて開催した。レースは、男子が今大会からシーズン参加のキャメロン・ナーズ(米国、世界王者3回)が、女子はジャクリーン・レジェール(カナダ、世界王者2回)が優勝した。

次戦はATSX500を1月18日に米国ウィスコンシン州のモンデュラックで開催。最高峰ATSX 1000の今シーズン初戦は2月15日に横浜で開催される。

初戦ユーデンブルク大会で純白ジャージを着用して滑る鈴木雅仁 ©Sebastian Marko/Red Bull Content Pool

2月の横浜大会に照準…元プロアイスホッケー選手の

ATSX 500の初戦と第2戦に、日本からは2019年シーズンからアイスクロスに挑戦している元プロアイスホッケー選手の鈴木が出場し、ユーデンブルク大会では28位、プラルー大会では29位と健闘した。両大会を終えて鈴木は、「開幕戦のRound Of 32で2位、さらには1位を狙っていたのですが、前の選手の後ろで路面状況が見えず転んでしまいました。2戦目は気温が暖かく、コースの一部で氷の代わりにプラスチックパネルを使っている場所があり、そこのコントロールが難しく転んでしまい残念です。今年で参加2年目なのでステップアップし、横浜大会に向けて頑張りたいと思います」と語った。

長年にわたってこの競技に参加し、自身の初表彰台と初優勝を狙う山本純子は1月18日の次戦ATSX 500モンデュラック大会からシーズンに参加する。

プラルー大会で上り坂を飛び越えるキャメロン・ナーズ ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

ATSX 500 / Red Bull Ice Cross World Championship Judenburg
会場:ユーデンブルク(オーストリア)
日程:2019年12月28日(土)
備考:コース全長:380m、高低差30m

ATSX 500 / Red Bull Ice Cross World Championship Praloup
会場:プラルー(フランス)
日程:2020年1月11日(土)
備考:コース全長:350m、開催地の標高:約2000m(大会史上最高)

レッドブル・アイスクロス フランス・プラルー大会 ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

アイスクロスってなんだ?

アイスホッケー、ダウンヒルスキー、そしてスキークロスやスノーボードクロスの要素を取り入れた競技。アイスホッケーのプロテクターを付けた恐れ知らずの選手たちが、コース途中に設置されたヘアピンカーブやバンクコーナー、連続バンプや段差などの障害物をかわしながら高低差のある全長最大約700mの氷の特設コースを滑り降りるレース。
コースは自然の地形やスキー場、さらには街中に特設会場を設置して行われる。
カテゴリーは男子、女子、ジュニアの3つで、レースは1ヒート4名ごとに行い、最高時速は約80kmにも達する。
各ヒートの上位2名が次のレースに勝ち進み、決勝レースも4名で競われる。コースの難易度と獲得できるポイントによって大会はATSX 100、ATSX 250、ATSX 500、ATSX 1000の4クラスに分かれている。20年間に競技の人気は拡大し、これまで51カ国から1000人以上が大会に参加しているが、彼らを見るために多くの熱烈なファンが会場に詰めかける。

ニュージーランド・サイクルクラシック開幕…キナンが参戦

KINAN Cycling Teamの2020年初戦、ニュージーランド サイクルクラシックが1月15日に開幕。同国の首都ウェリントン近郊のマスタートンを発着とする122kmで争われた第1ステージは、トマ・ルバがチーム最上位の19位。山本大喜も26位と続き、上位陣が見える位置でフィニッシュ。選手たちは終始前線が見える位置でレースを進めながら、この先のステージへとつなげている。

ニュージーランド・サイクルクラシック第1ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

チームにとって2年連続となるニュージーランドでのシーズンイン。2019年のこの大会では、総合・ステージそれぞれで上位争いに加わり、最終的にトマが個人総合5位で終えた。2020年も前回同様に、長いシーズンを見据えて勢いをつけるべく、日本とは季節が反対の南半球でのスピードレース出場を選択。トマと山本大のほか、山本元喜、椿大志、中島康晴、新城雄大の6人で挑む。

大会は同国唯一のUCI(国際自転車競技連合)公認のステージレースで、2020年で33回目。過去にはロビー・マキュアン(オーストラリア)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、現ユンボ・ヴィズマ所属)といった世界的ライダーもこの大会で優勝を経験。レースカテゴリーはUCIオセアニアツアー2.2ながら、例年スピードと駆け引きに富んだレースとなるのが特徴だ。

今回は、同国北島に位置するマスタートンを拠点に、全5ステージで構成。第1ステージはこの街を発着とする122kmに設定された。スタートからしばらく北向きに進行し、山岳ポイントを含む周回をめぐってからは、行きとは進路を逆走。おおむね行って戻ってのルートだが、フィニッシュ前1kmから続く上りがこのステージのカギとなる。特に最終局面は道幅が狭いこともあり、ポジショニングも重要な要素となってくる。

こうして迎えたレースは、これまでと同様にリアルスタートから激しい出入りの連続。逃げのチャンスと見るや山本元や新城が乗じて、集団に対してリードを奪おうと試みる。なかなか決定打とはならずも、前方をキープして重要な局面に備えていく。

アタックとキャッチの繰り返しは1時間以上続き、44km地点に設けられた山岳ポイントをきっかけに10人以上の逃げが一度は決まることとなる。ここにトマが加わり、さらには山本大が集団からのブリッジに成功。強力な先頭グループが形成されたかに思われたが、メイン集団はこの状況を許さず。結局トマと山本大は引き戻され、その後3人の飛び出しを容認して、レースは落ち着きを見せた。

以降は逃げグループを2分程度の差にとどめつつ、スプリントを狙うチームがメイン集団をコントロール。徐々にその差を縮めながらフィニッシュに向けて各チームとも準備を進めていく。残り4kmで逃げる選手たちを捕まえると、いよいよ最終局面へ。

激しい主導権争いから残り1kmを切ってフィニッシュへと続く上り。最後はポジショニングとパワー勝負。メイン集団がいくつにも割れる中、KINAN勢はトマと山本大がトップから11秒差で、それぞれ19位と26位。その後も大差なく続々とステージを完了させて、続くステージへと駒を進めた。

まずはトラブルなく最初のステージを終えて、次へとつなげた選手たち。レース勘を戻して、さらに戦えるチーム状態へと整えていく。翌15日に行われる第2ステージもマスタートンを発着。今度は南に針路をとって、山岳・中間スプリント両ポイントを通過した後、同地へと向かってレース後半は北上。全体的には平坦基調で、ハイスピードの展開となることが予想される。レース距離は121kmに設定されている。

2020 ニュージーランドサイクルクラシック 第1ステージ(122km)結果
1 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) 2時間49分41秒
2 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +0秒
3 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +1秒
4 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +3秒
5 エイデン・トゥーヴェイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 
6 ルーク・マッジウェイ(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) 
19 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +11秒
26 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
43 山本元喜(KINAN Cycling Team) +19秒
49 椿大志(KINAN Cycling Team) 
53 新城雄大(KINAN Cycling Team)
78 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分1秒

個人総合
1 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) 2時間49分31秒
2 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +4秒
3 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +4秒
4 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +13秒
5 エイデン・トゥーヴェイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 
6 ルーク・マッジウェイ(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) 
19 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +21秒
26 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
44 山本元喜(KINAN Cycling Team) +29秒
50 椿大志(KINAN Cycling Team) 
54 新城雄大(KINAN Cycling Team)
78 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分11秒

ポイント賞
1 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 11pts

山岳賞
1 マーカス・カリー(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) 6pts

チーム総合
1 ブラックスポークプロサイクリングアカデミー 8時間29分11秒
9 KINAN Cycling Team +33秒

山本大喜

山本大喜のコメント
「逃げはなかなか決まらないだろうと思っていたので、個人的には落ち着いてレースに入ることを心掛けた。上りでトマたちが飛び出していったのを見て、自分もブリッジを試みて合流することができた。そのまま逃げられる感触はあったが、強いメンバーがそろっていたこともあって思ったように協調することができなかった。ただ、あの動きを見逃していたら逃げ切られていた可能性もあったので、しっかり対応できたことはよかったと思う。

まずは気持ちよく1ステージを終えられた。上りも軽くて、走りの感覚はとても良い。総合成績を意識しているので、明日以降も無駄な動きをなくして、勝負どころでしっかり対応できるようにしたい」

サッカー日本代表のいい話がスポーツ賞にノミネート…投票受付中

世界に最も大きなインパクトを与えたスポーツの瞬間を世界中のスポーツファンが選ぶ「ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020」に、2018年サッカー日本代表チームが敗戦後に行った素晴らしいモーメントがノミネートされた。2月16日まで特設サイトで一般投票が受け付けられている。

ローレウス・スポーティング・モーメントにノミネートされたスポーツ伝説

世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスが「ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020」の一般投票を特設サイト(英語表示のみ)で開始した。
●ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020特設サイト

この一般投票結果によって受賞者が決まり、2月17日にドイツ・ベルリンにて開催されるローレウス・ワールドスポーツアワード2020で発表と表彰が行われる。

ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020とは

過去20年間のスポーツシーンにおいて、これまでになかった新しい方法や他にはない素晴らしい方法で、スポーツが人々に団結力をもたらし、世界中に大きなインパクトを与えた瞬間(モーメント)を表彰する。

フェアプレーやスポーツマンシップ、ヒューマニティ、逆境の克服、献身さ、スポーツを通じた団結力など、新しい時代におけるスポーツの真の価値を象徴する20の瞬間がノミネートされている。

敗戦後に見せた日本チームの素晴らしいモーメントとは

2018年に行われたFIFAワールドカップにおいて、サッカー日本代表チームがアディショナルタイムでの逆転負けを喫した後に、ロッカールームをきれいに清掃し、さらに現地の言葉で感謝のメモを残して会場を後にするという一連の行為が『Message of Respect』としてノミネートされている。評価の対象となったモーメントは下記Twitterの動画でチェックできる。

投票は3つのラウンドに分かれ、ファイナルラウンドで最も票を集めた候補が、ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020を受賞する。

【『ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020』ノミネート一覧】
(アルファベット順)
1.『A Golden Promise』 2008年 マティアス・シュタイナー(ウエイトリフティング)
2.『Ability of the Mind』 2002年 ナタリー・デュトワ(競泳)
3.『Age is Just a Number』 2019/2020年 スカイ・ブラウン(スケートボード)
4.『Brothers in Arms』 2016年 アリステア・ブラウンリー、ジョナサン・ブラウンリー(トライアスロン)
5.『Carried on the Shoulders of a Nation』 2011年 サチン・テンドルカール(クリケット)
6.『Challenge of Fate』 2018年 シャー・ボーユー(登山家)※2019年ローレウス・スポーティング・モーメント賞受賞
7.『Equal Play, Equal Pay』 2007年 女子プロテニス選手
8.『Global Citizens』 2016年 オリンピック難民選手団
9.『Eternal Champions』 2017年 シャペコエンセ(サッカー)※2018年ローレウス・スポーティング・モーメント賞受賞
10.『The Handshake』 2005年 フレディ・フリントフ(クリケット)
11.『Hand of Fair Play』 2012年 ミロスラフ・クローゼ(サッカー)
12.『Houston Strong』 2017年 J.J.ワット(アメリカンフットボール)※2018年ローレウス・スポーツ・インスピレーション賞受賞
13.『Giving Back』 2016年 エリザベス・マークス(競泳)
14.『Like Father Like Son』 2017年 ミック・シューマッハ(モーターレース)
15.『Message of Respect』 2018年 男子サッカー日本代表チーム
16.『One Moment, One Nation』 2000年 キャシー・フリーマン(陸上)
17.『Riding the Wave』 2014年 べサニー・ハミルトン(サーフィン)
18.『Running the World』 2019年 ニック・バター(陸上)
19.『Sporting Kids』 2016年 U12バルセロナチーム(サッカー)※2017年ローレウス・スポーティング・モーメント賞受賞
20.『Zanardi at the Wheel』 2016年 アレッサンドロ・ザナルディ(ハンドサイクリスト)