スポーツ界のアカデミー賞といわれるローレウス・ワールドスポーツアワード2020が2月17日(日本時間18日未明)にドイツのベルリンで発表され、最優秀成長部門にノミネートされていたラグビー日本男子代表は受賞を逃した。ツール・ド・フランスを22歳で初制覇したコロンビアのエガン・ベルナルが受賞した。
ローレウス・ワールドスポーツアワードを自転車選手が受賞したのは現在の記録のうえでは唯一となる。米国のランス・アームストロングが2003年に最優秀男子賞を、2000年にカムバック賞を受賞したが、現在はドーピングで記録抹消されている。
2019年に同賞を獲得した女子テニスの大坂なおみは最優秀女子選手部門にノミネートされていたが、女子体操のシモーネ・バイルズ(米国)が2年連続3度目の受賞を果たした。
最優秀男子選手部門はF1チャンピオンのルイス・ハミルトン(英国)、サッカーのリオネル・メッシ(アルゼンチン)が史上初の同時受賞。
最優秀チーム部門では日本で開催されたラグビーワールドカップを制した南アフリカ男子代表が選ばれた。
世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスが2019年のスポーツシーンにおいて、最も優れた功績を残した個人や団体を表彰した。
セレモニーのホストを俳優のヒュー・グラントが務め、過去から現在に至るまでの世代を超えたスポーツ界のレジェンドやスターたちに加え、ワン・ダイレクションのメンバーでシンガーソングライターのリアム・ペインによるステージパフォーマンスも行われ、セレモニーは華々しく彩られた。
■受賞一覧
・ローレウス年間最優秀男子選手部門:ルイス・ハミルトン、リオネル・メッシ ※史上初の2名同時受賞
・ローレウス年間最優秀女子選手部門:シモーネ・バイルズ
・ローレウス年間最優秀チーム部門:ラグビー南アフリカ男子代表
・ローレウス年間最優秀成長部門:エガン・ベルナル
・ローレウス年間最優秀復活部門:ソフィア・フローシュ
・ローレウス年間最優秀障害者スポーツ部門:オクサナ・マスターズ
・ローレウス年間最優秀アクションスポーツ部門:クロエ・キム
・ローレウス・スポーティング・モーメント賞2000-2020:「Carried on the Shoulder of a Nation」サチン・テンドルカール
・ローレウス生涯功労賞:ダーク・ノヴィツキー
・ローレウス・アカデミー偉業達成賞:スペインバスケットボール連盟
・ローレウス・スポーツ・フォー・グッド賞:サウス・ブロンクス・ユナイテッド
■ローレウス年間最優秀男子選手部門
F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(英国)と、世界最高のサッカー選手リオネル・メッシ(アルゼンチン)が史上初のダブル受賞を果たした。F1世界選手権で6度目の優勝を飾り、タイトル獲得数2位となったハミルトンと、6度目のFIFA年間最優秀選手賞に輝いたメッシの活躍は甲乙つけがたいものであり、メンバーによる最終投票で、過去20年の歴史において初めて同数となり、史上初のダブル受賞に。
■ローレウス年間最優秀女子選手部門
シモーネ・バイルズ(米国)が2年連続、4年間で3度目の受賞。2019年、22歳のバイルズは世界選手権女子個人総合で5度目の優勝のほか、驚異の金メダル5個を獲得した。また、米国の団体総合5連覇にも大きく貢献した。これまで世界選手権で計25個のメダルを獲得していて、史上最多メダル獲得数を誇る体操選手。
■ローレウス年間最優秀チーム部門
2019年ワールドカップ優勝を果たしたラグビー南アフリカ男子代表が、リバプールやサッカー米国女子代表をしのぎ、2008年以来2度目の受賞。南アフリカラグビー代表史上初の黒人キャプテンとなったシヤ・コリシが、決勝の地横浜でウェブ・エリス・カップのトロフィーを掲げたシーンは、世界にインパクトを与えた印象的な瞬間であり、大会3度目の優勝を果たした功績も評価された。チームの勝利により南アフリカ全体が一つになり、スポーツが世界を変えることができることが証明された。
■ローレウス年間最優秀成長部門
3週間におよぶツール・ド・フランスのフィナーレとなったシャンゼリゼ通りを黄色のジャージで駆け抜け、わずか2度目の出場ながら優勝した22歳のエガン・ベルナル(コロンビア)が受賞。戦後のツール・ド・フランスの歴史の中で最年少優勝者となった。この世界的に有名なサイクリングレースでの優勝はコロンビア人初であり、国中にいいニュースをもたらした。
■ローレウス年間最優秀復活部門
F3ドライバーのソフィア・フローシュ(ドイツ)は、マカオのサーキットを時速267kmで走行中、車のコントロールを失いガードレールに衝突。背骨を骨折する重傷を負い、11時間の手術と数カ月におよぶリハビ 生活を余儀なくされた。この事故からわずか1年後の2019年11月、18歳のフローシュはコックピットに復帰し、マカオ・グランプリ再出場を果たした。
■ローレウス年間最優秀障害者スポーツ部門
チェルノブイリ原発事故の影響により、生まれながらに四肢障害を持ち、米国人の里親に育てられたオクサナ・マスターズ(米国)が、2019年の素晴らしい成績が認められ受賞した。パラノルディックスキー世界選手権で金メダル5個、銀メダル1個を獲得。さらに、クロスカントリーではワールドカップ総合優勝を成し遂げた。また、パラサイクリングロード世界選手権のロードレースとタイムトライアルH5で銀メダルを獲得した。
■ローレウス年間最優秀アクションスポーツ部門
スノーボードの天才と称されるクロエ・キム(米国)が2年連続受賞。2019年よりさらに躍進の一年となり、世界選手権ハーフパイプとXゲームズ・スーパーパイプで金メダルを獲得した。19歳ながらすでにXゲームズの金メダル5個、オリンピック金メダル1個、世界選手権の金メダル1個を獲得。
■ローレウス・スポーティング・モーメント賞 2000-2020
過去20年間のスポーツシーンにおいて、これまでになかった新しい方法や他にはない素晴らしい方法で、スポーツが人々に団結力をもたらし、世界中に大きなインパクトを与えた瞬間(モーメント)を表彰する賞。世界中のスポーツファンの投票により、長年国を背負い、インド代表チームをけん引して戦い続けたクリケット選手、サチン・テンドルカール(インド)の「Carried on the Shoulders of a Nation」が選ばれた。テンドルカールの6度にわたる挑戦の末、2011年ICCワールドカップでついに優勝。 史上2度目、かつインドにとって初のホームでのワールドカップ優勝は歴史的な勝利となった。
■ローレウス生涯功労賞
ドイツのバスケットボールスター、ダーク・ノヴィツキーはバスケットボール界への貢献が評価され、ローレウス生涯功労賞を受賞した。かつてヨーロッパNo.1のバスケットボール選手であったノヴィツキーは、21年間のキャリアすべてをダラス・マーベリックスに捧げプレイした。2018-19シーズン終了後に引退し、通算3万1000 得点、1万リバウンド、3000アシスト、1000スティール、1000ブロック、1000スリーポイントシュートを超える成績を残した唯一の選手として、歴史にその名を刻んでいる。
■ローレウス・アカデミー偉業達成賞
スペインバスケットボール連盟に、史上初となる4度目の ローレウス・アカデミー偉業達成賞を授与した。スペインのバスケットボールは目覚ましく成長を遂げ、男子代表チームは中国で開催された2019年FIBAワールドカップで優勝し、2020年に開催されるオリン ピックでも優勝が期待されている。また女子代表チームは、バスケットボール欧州選手権の直近4大会で3度優勝を修め、ヨーロッパのバスケットボールにおいて確固たる地位を確立している。
■ローレウス・スポーツフォーグッド賞
ニューヨークのサッカーチーム「サウス・ブロンクス・ユナイテッド 」が受賞した。サッカーを通じ、貧困地域出身の若者の生活向上を目的に、若者が学校やキャリア、地域社会で成果をあげられるよう支援しているプログラム。
ローレウス公式ウェブサイト
ローレウス・ワールドスポーツアワードのページ
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ハッシュタグは #Laureus20
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