そして、この日選手を苦しめたのは30度を越える気温。JCL TEAM UKYOも他チーム同様、補給所や車での給水とは別に先回りして選手に水分補給のフォローに向かうなど忙しくなる。レースも100kmを超えるとエスケープグループから2名がドロップし、3名でラスト6kmのスプリントポイントを通過。追走するプロトンは射程圏内に彼らを捉え、いよいよ最後の登りでの勝負が近づいてきた。
この動きに対応するため、JCL TEAM UKYOはレイモン・クレダーと武山晃輔が総合成績に可能性がある山本や小石、クライミングに優れたベンジャミ・プラデスをフォローし、集団前方のポジションをキープ。
ハイスピードの展開で、アスタナカザクスタンとUAEエミレーツのトレインが先頭付近で目立つ中、残り10kmでレースを振出しに戻したプロトンは一気に活性化、8%勾配が4km続く頂上ゴールへ向けペースが上がった。JCL TEAM UKYOもこの勝負に加わるフォーメーションを組んだが、ここでプラデスがメカトラブルに陥る。
ツール・ド・フランスを主催するASOが晩冬に中東で開催するステージレース、ツアー・オブ・オマーンが2月11日に開幕。日本登録のUCIチーム、JCL TEAM UKYOがサウジツアー、マスカットクラシックに引き続いて参戦する。大会は15日までの全5区間。
第1ステージはアルハズム城をスタートして下り基調にマスカット国際空港にゴールする147.5kmで行われた。途中、60kmと101km地点にスプリントポイント、92km地点に山岳ポイントが設けられ、ボーナスタイムや敢闘賞を狙った攻撃も予想された。JCL TEAM UKYOは前日のマスカットクラシックでの選手の疲労を考慮し、山本大喜の総合上位獲得、そしてこの第1ステージをスプリンターのレイモン・クレダーで勝負する作戦でスタートした。
レースはスタート直後から3名の逃げが発生。トレンガヌのジェロイェン、ブルゴスBHのロドリゴ、オマーンナショナルチームのサイドのリードは最大で2分40秒まで開いた。プロトンがこの逃げを容認して距離を保っているため、JCL TEAM UKYOは後半に備えて待機。
結果、勝負を制したのはSoudal-QUICK STEPのティム・メルリール。JCL TEAM UKYOはプラデスが12位、岡が17位、クレダーが20位でフィニッシュ。チームとしては上位20名に3名を送り込む結果となったが、クレダーの勝負を叶えられなかったこともあり、レースを走り終えた選手たちは一様に悔しい表情。レースを終えて入念に修正点を話し合い、第2ステージへ希望を繋ぐ。
レースはクライマックス、峠を越えて大きく下った先の登り返しでいよいよゴールスプリントへ。30数名が一気に広がりスプリントを開始、大きく手を開きゴールを獲ったのはアルケア・サムシックのイエンセ・ビールマンス。このスプリントでJCL TEAM UKYOはプラデスがタイム差なしの32位、山本は少し遅れて39位でゴールした。この日逃げ続けた石橋は11分遅れて86位、メンバー全員が完走を果たした。
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