マシューズが大会通算3勝目…ジロ・デ・イタリア第3ステージ

第106回ジロ・デ・イタリアは5月8日、バスト〜メルフィ間の216kmで第3ステージが行われ、チームジェイコ・アルウラーのマイケル・マシューズ(オーストラリア)がゴール勝負を制して優勝。2014年と2015年の勝利時続く大会通算3勝目を挙げた。

マシューズがゴール勝負でジロ・デ・イタリア通算3勝目 ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)は首位のマリアローザを守った。

2023ジロ・デ・イタリア第3ステージでマリアローザを着用して走るエヴェネプール ©Fabio Ferrari / LaPresse
2023ジロ・デ・イタリア第3ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
マシューズが2023ジロ・デ・イタリア第3ステージで優勝 ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse
山岳賞ジャージを獲得したティボー・ピノ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
□マリアビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

エヴェネプールが第3ステージでもマリアローザを守った ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

第2ステージにもどる≪≪   ≫≫第4ステージにすすむ

福田穣が2年連続世界チャンピオン…追いつかれるまで逃げ続けるラン

ウィングスフォーライフ財団が日本時間の5月7日20時、全世界で一斉にスタートするランニングイベント「Wings for Life World Run(ウィングスフォーライフ・ワールドラン)」を開催。日本の福田穣が2022年に続き男子の世界チャンピオンに輝いた。

東京の明治神宮外苑大会がスタート ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成が目的

開催10回目となる2023年は192の国籍、計20万6728人が参加。 世界158カ国で同時にスタートし、福田が4時間11分後に69.01km地点で世界で最後にキャッチャーカーに追いつかれた。今回のイベントで集まった寄付金580万ユーロ(約8億7600万円)の全額は脊髄損傷の治療法発見のために使われる。

アプリの中でキャッチャーカーに追われる ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

ランニング後、福田は「Wings for Life World Runは、自分が走ることで走れない人のためになる素晴らしいレース。自分が好きな走るっていうことで人に勇気を与えられるから自分にとってとても特別なものです」と語った。

「今大会は2カ月前に怪我をし、思うように練習できなかったのでタフなレースになることは想定できました。しかし、勝ちたい気持ちがとても強かったので前に進めました」

福田穣が2年連続で世界チャンピオンに ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

Wings for Life World Runは通常のランニングイベントとどう違うか

世界中のランナーが一斉にスタートするだけでなくゴールがない。スタート30分後にキャッチャーカーと呼ばれる追跡車がスタートから走り出し、参加者たちを追いかける。アプリではバーチャルのキャッチャーカーを表示。キャッチャーカーは最初ゆっくり走り、所定の時間ごとにスピードを上げていく。キャッチャーカーに抜かれた参加者はレース終了となり、世界で最後まで残った男女に世界チャンピオンの称号が贈られる。

レッドブルアスリートでモータードライバーの笹原右京とMTBライダーの西窪友海も ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

大会は2014年に スタートし、2015年に渡邊裕子(56.33 km)、2016年に吉田香織(65.71 km) そして、2022年に福田穣(64.43km)が世界チャンピオンとなった。今大会は2連覇の福田(69.01km)とポーランドのKasia Szkodaさん(55.07km)が世界チャンピオンに輝いた。

モータードライバーの笹原右京も参加 ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

日本からはスマホアプリを使って普段のコースを走るアプリランと、アプリラン参加者が会場に集って走るアプリラン・イベント(全国6カ所で開催)に合計3200人が参加。 アンバサダーとして、現役時代に試合で脊髄を損傷し、それが原因で引退した元プロ野 球選手の赤星憲広さんが大会に参加した。

元プロ野球選手で脊髄損傷により引退した赤星憲広さんが大会アンバサダー ©Suguru Saito for Wings for Life World Run

赤星さんはイベントについて「選手時代から車椅子の寄贈活動を続けてきましたが、皆さん『自分の足でもう一度立ってみたい』 『もう一回歩いてみたい』と仰っています。脊髄損傷を負った人の多くは回復を諦めておりますので回復への期待感があるだけでも全く違います。脊髄損傷の治療方法発見を目指しているWings for Life World Runに、このように参加させてもらってることは感謝しかありません。これから僕の役割は大きいなと思っています」とコメントした。

車いすYouTuberの渋谷真子さんは明治神宮外苑会場でアスカ製の WPAL-G(ウーパル)を使って歩行しながら大会に参加した。事後、渋谷さんは「外を歩くことができてすごく楽しかったです。本当にしんどかったですけど、皆さんすれ違う度に『頑張れ頑張れ』って言ってくださったので頑張れました。普段の生活ではない頑張り、体験ができてすごくよかったと思いました」と語った。

女優でマラソンランナーとしても知られる福島和可菜がアプリ内の日本語ナレーションを務めた ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

ミランがゴール勝負を制してジロ・デ・イタリア初優勝

第106回ジロ・デ・イタリアは5月7日、テラーモ〜サンサルボ間の平坦な201kmで第2ステージが行われ、バーレーン・ヴィクトリアスのジョナサン・ミラン(イタリア)が初優勝。同選手はトラック競技のオリンピック金メダリスト。

2023ジロ・デ・イタリア第2ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)は同タイムの26位でゴールして首位のマリアローザを守った。

ジロ・デ・イタリア第2ステージを出発する。青いジャージが山岳賞のゲイガンハート、白いジャージが新人賞のブランドン・マクナルティ ©LaPresse
ジョナサン・ミランが第2ステージのゴール勝負で優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

22歳のミランはワールドツアー大会初優勝。今季はサウジツアーに続く2勝目。

ジョナサン・ミランが第2ステージのゴール勝負で優勝 ©Fabio Ferrari / LaPresse
ジロ・デ・イタリア第2ステージでマリアローザを守ったエヴェネプール ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ポール・ラペラ(フランス、AG2Rシトロエン)
□マリアビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

2023ジロ・デ・イタリア第2ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

第1ステージにもどる≪≪   ≫≫第3ステージにすすむ

ジロ・デ・イタリアが山岳賞で集計ミス…首位はマクナルティではなくゲイガンハート

ジロ・デ・イタリアは第2ステージが行われた5月7日、前日の第1ステージの山岳賞において、入力ミスにより、リーダージャージのマリアアッズーラがブランドン・マクナルティ(米国、UAEチームエミレーツ)に誤って割り当てられたと明かした。正式な受賞者はイネオス・グレナディアーズのテイオ・ゲイガンハート(英国)。

ジロ・デ・イタリア第2ステージを出発する。青いジャージが山岳賞のゲイガンハート、白いジャージが新人賞のブランドン・マクナルティ ©LaPresse

大会主催者は2回目のチェック時に、マリアアッズーラはベストタイムを記録したゲイガンハートに割り当てられることを確認。すでに第1ステージの表彰式は行われていて、マクナルティがマリアアッズーラを着用した。

第2ステージのスタートでは正規の獲得者であるゲイガンハートがマリアアッズーラを着てスタート。

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がマリアローザを含めた3つのジャージを獲得しているため、新人賞で3位につけるマクナルティがマリアビアンカを着ることになった。

コミッセールによる正式な修正は、第2ステージがゴールしてから行われるという。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアアッズーラ(山岳賞)テイオ・ゲイガンハート(英国、イネオス・グレナディアーズ)
□マリアビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ジロ・デ・イタリア腕時計…グランツールシリーズの先陣で発売

スウェーデンの時計メーカー、ブルブル(Bravur)がジロ・デ・イタリアをイメージしたモデル、「ラ・コルサローザIII」を大会開幕日の5月6日に発売した。グランツール・クロノグラフシリーズの最新作。

ラ・コルサローザⅢ

13を逆さまにして不吉を回避するとともに出走間隔やパスタ調理に役立つ

これまでで最も大胆なエディションで、ステルスブラックのケース、印象的なグレーの文字盤、カットアウト、マリアローザをイメージするピンク、発光時間インデックスが特徴。

13の数字を逆さまにすることで不吉なことを回避する

世界最大かつ最も権威のある自転車レースである3つのグランツールに敬意を表して、同じ名前のクロノグラフウォッチシリーズを展開させている。各レースのリーダージャージがイメージカラーとして採用されている。

ラ・コルサローザⅢ

ジロ・デ・イタリアバージョンはまぎれもないピンクのアクセントに加えて、3時位置のサブダイヤルには、象徴的な山岳賞ジャージとポイント賞ジャージを暗示するパープルとブルーのフィールドがつく。

このサブダイヤルにあるサイクリング関連としては、不吉なことを回避するときのおまじないである「逆さまの13」。15分を知らせるのに便利でスタート間隔やパスタの調理時に役立つ。

ラ・コルサローザIIIは、スウェーデンのバスタッドで手作りされ、テストによって最高品質が保証される。腕時計の心臓部分はスイス製。5月6日から公式サイトで発売。価格は2590ユーロ(約39万1000円)。

ラ・コルサローザⅢの裏側

●bravurwatchesのホームページ

エヴェネプールがいきなりマリアローザ…ジロ・デ・イタリア開幕

第106回ジロ・デ・イタリアが5月6日にコスタデイトラボッキで開幕。初日の第1ステージは 距離19.6kmの個人タイムトライアルで、スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)がトップタイムを叩き出し、首位のマリアローザを獲得した。

レムコ・エヴェネプールがジロ・デ・イタリア第1ステージの個人タイムトライアルでトップタイム ©Fabio Ferrari / LaPresse

エヴェネプールは、ジロ・デ・イタリアのステージで優勝した50人目のベルギー選手。ベルギー選手の最多勝利はエディ・メルクスの25勝。

マリアローザを着用した最後のベルギー選手は2001年。アブルッツォ地方のモンテジルヴァーノからペスカーラまでの第1ステージでも優勝したリック・フェルブルッヘ。その前は、1978年に総合優勝したヨハン・デミュインク。

ロードレースでマリアローザを制した最後の世界チャンピオンは、2010年5月9日にユトレヒトで開催されたジロ・デ・イタリアでのカデル・エバンス(オーストラリア)。それ以前は1996年にパッソポルドイでのアブラアム・オラーノ(スペイン)。

イタリアTTチャンピオンのフィリッポ・ガンナは22秒遅れの2位 ©Fabio Ferrari / LaPresse

優勝を争うログリッチに初日だけで43秒差をつけたエヴェネプール

ジロ・デ・イタリア初挑戦のエヴェネプールは、タイムトライアルのベルギーチャンピオンジャージ姿でオープニングステージを勝ち取った。時速55.2kmという驚異的なペースで走り、イタリアチャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)を含む他のスペシャリストを、ルートの平坦な部分やオルトナへの上り坂を含めたあらゆる地形で上回った。

アルメイダが29秒遅れで3位に ©Fabio Ferrari / LaPresse

総合優勝を争うライバルであるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は、19.6kmのコースで43秒遅れ。エヴェネプールはキャリアの中で初めてマリアローザを獲得した。

優勝候補のエヴェネプールがジロ・デ・イタリア初日でいきなり首位 ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

アルカンシエルを常に着たいがマリアローザも心地よい

「2022ブエルタ・ア・エスパーニャ以来、すべてのタイムトライアルでフロント60のギヤを使用している。取り扱うのは簡単ではないが、そのセッティングに満足していて、大きな自信を与えてくれる」とエヴェネプール。

「レース前は、ライバルの優勝候補に対して15秒を獲得できれば、素晴らしいスタートになると思っていた。多ければ多いほどよく、グランツールを有利に戦っていくことができる。ログリッチとの43秒はブエルタ・ア・エスパーニャと同じだが、距離はそのときよりも短い。今日勝てて少しびっくりしたが、このコースは長いストレートと短い上り坂があってフィニッシュするので自分によく合っていた。常にアルカンシエルを着ていたいが、マリアローザは素晴らしい変化。このジャージを着て毎日楽しみたい」

ジロ・デ・イタリア第1ステージでマリアローザを獲得したエヴェネプール ©Massimo Paolone / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マリアアッズーラ(山岳賞)テイオ・ゲイガンハート(英国、イネオス・グレナディアーズ)
□マリアビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

≫≫第2ステージにすすむ