欧州選手権タイムトライアルでジョシュア・ターリング優勝

大陸別選手権の一つ、欧州選手権が9月20日にオランダのドレンテで開幕し、初日は各種目の個人タイムトライアルが行われ、エリート男子はイネオスグレナディアーズに所属するジョシュア・ターリング(英国)が優勝した。

欧州選手権エリート男子タイムトライアル優勝のジョシュア・ターリング(中央)。左は2位シュテファン・ビセガー、右は3位ファンアールト ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

大会はエリート男子ロードが行われる24日まで開催され、各種目の優勝者には欧州チャンピオンジャージが与えられる。

欧州選手権エリート男子タイムトライアル優勝のジョシュア・ターリング ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権エリート男子タイムトライアル3位のファンアールト ©Massimo Fulgenzi/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権U23女子タイムトライアル優勝のゾーエ・バックステッド(中央) ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権ジュニア女子タイムトライアル 優勝のフレデリカ・ベンチュレッリ ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権エリート女子タイムトライアル優勝のマルレン・ロイサー ©Massimo Fulgenzi/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権ジュニア男子タイムトライアル3位のサンテ・センチェンス ©Massimo Fulgenzi/SprintCyclingAgency©2023

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中根英登がジュニア・ユースアカデミーと中学生向けに特別授業

ジュニア・ユース世代の選手を対象とした自転車ロードレース講習会「第1回中根英登サイクリングアカデミー」が9月9日、愛知県新城市の新城総合公園で開催された。愛三工業レーシングチーム上級アドバイザーである中根英登が講師を務め、ゲストライダーとして同チーム所属の鈴木譲がライドサポートを担当した。

中根英登 ©三井至

JBCF新城クリテリウムと同じコースを利用し、座学講習と実技講習

座学講習では中根本人の経験を通じて「目標を持つことの大切さ」、「プロロードレース選手とは」、「海外で活動する上での語学・コミュニケーション能力の大切さ」を伝え、参加者からも参加者自身が抱えている課題や疑問についての質問に一つひとつ回答。

実技講習では実際にJBCFのレースが行われる新城市総合公園内特設コースを使い、コース取りやボトル補給といった基礎から、公道ではできない並走やローテーション走行などロードレースを走る上で絶対に必要なテクニカル部分の練習・アドバイスを実施した。

中根英登サイクリングアカデミー ©三井至

学んだことを今後のレース活動や人生の選択時にいかしてもらえれば(中根英登)

「東三河地域では、豊かな自然を活かし、市町村、観光関係団体と一体となってオールシーズン、オールエリアでスポーツが楽しめる地域として東三河スポーツツーリズムを推進しています。また新城市では2026年アジア競技大会自転車ロードレースの最有力候補地ということもありその取り組みの一環として、サイクリングの練習環境に恵まれた東三河地域の魅力をPRするためJBCFさんのレース開催と併せて開催する運びとなりました。

先日私が帯同した世界選手権のジュニアやU23、Tour de L’avenirなどを走っていた選手たちは今回のアカデミー参加選手らと近い年代であったので、午前の座学では高みを目指している同世代の選手らの話を交えながら選手や選手の親御さんとお話をすることができたので、とてもタイムリーな時期での開催となりました。

中根英登サイクリングアカデミー ©三井至

午後の実践トレーニングでは、クローズドサーキットでしか取り組めない並走練習や並走しながらボトルキャッチ、並走しながらスラローム走行、高速域でのローテーション走行を実施。自転車ロードレースを走る上で避けては通れないテクニックであるにも関わらず普段なかなかできないトレーニングを中心に実施しました。このような機会で学んだことを今後のレース活動や人生の選択をしていく時に少しでも助けになればと思いますし、同世代のサイクリストにも伝えていってもらえればと思っています。

現役選手である鈴木譲選手からも参加選手らへアドバイスをしていただいたおかげで、限られた時間の中でも選手たちの上達速度が速くてとても有意義な時間となりました」

中根英登サイクリングアカデミー ©三井至

第2回中根英登サイクリングアカデミーは11月19日

今回のアカデミーで取り組んだトレーニングを踏まえながら「第2回中根英登サイクリングアカデミー」が11月19日(日)に愛知県田原市の白谷海浜公園で開催予定。

第1回に参加していなくても参加可能。詳細が決まり次第改めて案内されるが、ジュニア・ユース世代におすすめ。

中根英登サイクリングアカデミーに関する問い合わせ先:中根英登サイクリングアカデミー開催事務局 担当:蜂須賀(tomoya.8sk@gmail.com(メールの返信は月~金 9時~18時)

新城市で2回目の公演授業…英語は苦手だった

9月16日は愛知県新城市で、新城市立東郷中のPTA家庭教育委員会から依頼を受けて全校生徒とその保護者、関係者合わせて約300名に向けて「挑戦する勇気」を演題とした特別講演授業に中根が登壇。

新城市立東郷中で特別授業 ©新城市役所

2022年末に愛知県新城市立八名中での特別授業をしたことがキッカケとなり今回新城市では2回目の公演授業となった。

中根がサッカー少年から全く別競技の自転車ロードレースに競技転向し世界で戦うトップアスリートへ駆け上がったことや、英語が大の苦手科目だったはずが英語や他の言語をもっとも必要とする世界へ飛び込んで成長したことを中心に、1時間の講演を実施。

中根からの問いかけに答える生徒が多く、また”自転車ロードレース”や”ツールドフランス”といった単語を知っている生徒が過半数以上を占めており生徒にとっても中根にとっても非常に有意義な時間となった。

地元・愛知県のチーム・「愛三工業レーシングチーム」が駆るロードバイクやジャージも展示し、生徒らの注目を集めた。スポーツ(自転車ロードレース)と語学学習の関係性の深さ・重要性を考える中根の思いから、中根がプロ選手を引退した後も協力的なイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンから、前週のアカデミー開催時と同様に全校生徒にポストカードが配られた。

新城市立東郷中で特別授業 ©新城市役所

自転車ロードレースに興味を持ったり競技にチャレンジしてくれれば

「自転車ロードレースやツールドフランスを知っている生徒さんが半数以上いたことにビックリしたと同時に非常にうれしく感じました。自分も漫画がキッカケで自転車ロードレースに挑戦することになりましたが、今の生徒さんたちにとっても漫画弱虫ペダルのお陰で自転車ロードレースを知っているとのこと。自転車競技に取り組んでいない子供や大人がスポーツとして”自転車ロードレース”があるということが認識されるだけでも、日本では非常に大事なことだと個人的に思っております。

愛三工業レーシングチームが駆るロードバイクやジャージも展示 ©新城市役所

勉学でもスポーツでも芸術でもなんでも挑戦することや他言語を学びいろいろな国の人とコミュニケーションを取ることで世界が広がること、また失敗談も話しながら、その中から自転車ロードレースについても興味を持ってくれて現地観戦や競技にチャレンジしてくれる生徒さんや親御さんが1人でも増えればとも願いつつ、今後もこのような依頼があれば協力していけたらと思います」

中根英登プロフィール

2012年より大学在学中にTeam Nippoにてヨーロッパでの活動を開始。大学を卒業した2013年より同チームや愛三工業レーシングチームに所属し、アジアやヨーロッパのUCIレースを中心に活動。2017年からはUCIプロコンチネンタルチーム(現UCIプロチーム)に所属、2021年にはEFエデュケーション・NIPPO(現EFエデュケーション・イージーポスト)に移籍し、日本人選手として6人目となるUCIワールドチーム所属選手となる。また、日本代表としてアジア大会や世界選手権に出場し、特にアジア大会ではチームメイトの銀メダル獲得をアシストしながら自身も5位入賞を果たす。2022年末に選手を引退し、愛三工業レーシングチームの上級アドバイザーや日本ナショナルチーム・コーチを務めながら、現在は地元愛知で若手選手へのトレーニングサポートや競技普及活動、ライドイベントやレース解説活動をおこなっている。

宮嶋歩菜と片桐悠がBMXフラットランド全日本チャンピオンに

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・フラットランドは世界チャンピオンやアジアアチャンピオンが集結するなど、日本一を決めるにふさわしい大会コンディションの中、2023年の日本チャンピオンが決定した。

宮嶋歩菜 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

片桐悠がフラットランド男子エリートの頂点に

2023シーズン前半に開催されたマイナビJapan Cupの結果から本大会への出場権を獲得した11名で争われた。2023年8月に開催された世界選手権で優勝した莊司ゆうをはじめとする、世界トップランクの選手が多数集結し、世界最高峰のバトルが繰り広げられた。

片桐悠 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

前日の予選からは上位8名が決勝へ勝ち上がり、今シーズン国内大会で優勝を重ねている片桐悠が予選からトップを譲らず初の全日本タイトル獲得となった。世界チャンピオンの莊司が2位、アジアチャンピオンの佐々木元が3位に入った。 世界の強豪を抑え、新たな若き日本チャンピオンが誕生した。

片桐悠(中央)と2位莊司ゆう(左)、3位佐々木元 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

優勝の片桐悠コメント
「今大会は初出場でしたが、マイナビJapan Cupの1戦目から優勝する気でやってきていたので今回優勝できたのが一番よかったです」

フラットランド男子エリート
優勝:片桐悠 所属:GLOW(89.50 点)
2位:莊司ゆう(87.00 点)
3位:佐々木元 所属:鎌ケ谷巧業 (86.75 点)

フラットランド女子エリートは中学生の宮嶋歩菜

5名で争われた女子エリート。男子同様に先日の世界選手権で表彰台を獲得している中川きららや、アジアチャンピオンを獲得した川口朔来が揃う中、宮嶋歩菜が予選、決勝ともにトップを守り抜き、自身初の全日本選手権優勝を勝ち取った。

宮嶋歩菜(中央)と2位中川きらら(左)、3位伊藤聖真 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には川口、3位には2022年に続き伊藤聖真が入った。

優勝の宮嶋歩菜コメント
「今回の優勝にはとてもビックリしています。予選はミスのない走りができましたが、決勝でも同じ走りを意識したことでプレッシャーとなり、ミスが出てしまったことが悔しかったです。もう少し攻めればもっといい結果が出たなど課題はありますが、優勝ができてうれしかったです」

フラットランド女子エリート
優勝:宮嶋歩菜 所属:大館市立比内中学校(81.75 点)
2位:中川きらら(77.25 点)
3位:伊藤聖真 所属:大和大学 (73.75 点)

中村輪夢5連覇、内藤寧々2年ぶり2度目…全日本BMX選手権パーク

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・パークで中村輪夢と内藤寧々が優勝した。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

全日本BMXフリースタイル選手権は2023年でパークが7回目、フラットランドは5回目を迎え、2022年同様に岡山県岡山市の特設会場(パークは岡山市役所、フラットランドはイオンモール岡山・未来スクエア)で開催された。パークは終始晴天に恵まれた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク男子エリートは中村輪夢が5連覇

パーク男子エリー決勝はその前日に行われた予選も含め、終始晴天の中で実施された。予選を勝ち上がった8名で行われた決勝では、大会4連覇中の中村が1本目のランをノーミスでこなしトップに立ち、その後若手が中村の出した90点台を狙うも届かず、中村は2本目のランを前に、大会5連覇、6度目の全日本タイトルを確定させた。

ウイニングランとなった2本目では、8月に開催された世界選手権で新技として披露した「バ ックフリップ・クワッドバースピン」などを成功させ、1本目のランを上回る94.60点を出し、日本一の走りを見せつけた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には2本目のランで挽回した溝垣丈司、3位には小澤楓が入り表彰台を獲得した。

優勝の中村輪夢コメント
「連覇を重ねることでプレッシャーが増し、本大会でも緊張感を持った中での決勝となりました。決勝1本目では理想とする走りができず悔しさは残りますが、2本目のランには満足しています。世界選手権や今大会も、まだ完成度に課題が残っているため、メインの目標としている来年のパリオリンピックに向けて練習を重ね、東京オリンピックのリベンジを果たしたいです」

パーク男子エリート
優勝:中村輪夢 所属:WingArc 1st(94.60 点)
2位:溝垣丈司 所属:湘南工科大学附属高等学校(80.19 点)
3位:小澤楓 所属:岐阜第一高等学校 (80.00 点)

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク女子エリートは出場選手全員が10代

次世代の若手選手でタイトル争いが行われたパーク女子エリートは、内藤寧々が1分間のルーティンをフルメイクさせ、2位に6点差をつけ日本チャンピオンを獲得した。内藤の全日本タイトル獲得は、2年ぶり2度目となる。

内藤寧々が2年ぶり2度目の優勝 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

表彰台には、最年少の15歳でエントリーした山本結花と杉尾咲空が初エリートカテゴリーで の表彰台を獲得した。

優勝の内藤寧々コメント
「今は優勝できてうれしい気持ちでいっぱいです。練習走行では確認したい項目をまとめられず、少し焦りが残る中での決勝だったのですが、決勝では自分の予想を上回る得点を出すことができました。今後はさらなる国際大会での経験を積み、海外の大会でも表彰台を獲得したいです」

パーク女子エリート
優勝:内藤寧々 所属:第一学院高等学校(60.40 点)
2位:山本結花 所属:龍谷富山高等学校(54.40 点)
3位:杉尾咲空 所属:細田学園高等学校/AIRWALK (47.00 点)

内藤寧々を中央に左が2位山本結花(龍谷富山高)、右が3位杉尾咲空(細田学園高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ユンボ・ビスマ勢がグランツール全制覇

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる2023年9月17日、サルスエラ競馬場〜マドリード間の101.5kmで第21ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が初優勝した。総合2位はヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)でユンボ・ビスマが表彰台を独占。

ユンボ・ビスマはグランツール全制覇をモチーフにした特製ジャージを着用した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

またログリッチは5月のジロ・デ・イタリア、ビンゲゴーは7月のツール・ド・フランス総合優勝者で、ユンボ・ビスマの所属選手がグランツール(三大ステージレース)で全勝。自転車競技史上初の快挙を達成した。

マドリードの最終ステージでグローブスが今大会3勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最終ステージの勝者はカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)で、今大会3勝目、大会通算4勝目。ポイント賞を獲得した。

左からポイント賞のグローブス、新人賞のアユソ、総合優勝のクス、山岳賞のエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

山岳賞はレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)。新人賞はフアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)。チーム賞はユンボ・ビスマ。

アシスト役だったクスが歴史に名を刻む総合優勝を手に入れた ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

たくさんの思い出と楽しい時間を過ごした(クス)

「今日はレース全体の中で最も苦しんだステージだったと思う。アングリルで苦しんだときよりも苦しんだ。だから今は終わってよかったと思っている。選手たちがアタックの準備をしているのを見たとき、速いステージになるだろうと感じていた」とクス。

チャンピオンバイクはサーベロ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「ブエルタ・ア・エスパーニャで勝ったからといって、ボクは何も変わらないと思っていた。ボクはこれからもボクだとね。でも全然違っていた。この勝利は人生を変えるようなものだ。たくさんの楽しい思い出とともにこの経験を振り返ると思う。まだ感情に沈み込んでいるので、かなり時間がかかると思う。

セップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

さあ、盛大なお祝いだよ。家族、友人がここにいる。本当に素晴らしく特別なことになる。チームメートやスタッフと一緒に、ここまでの3週間の物語を語れることがうれしい。たくさんの思い出と楽しい時間を過ごしたからね」

マドリードの表彰台に登場したエベネプール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
総合トップスリー、左から2位ビンゲゴー、1位クス、3位ログリッチのシャンパンファイト ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
チーム優勝も手中にしたユンボ・ビスマはチームスタッフも登壇して歓喜 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランスのビンゲゴー、ブエルタ・ア・エスパーニャのクス、ジロ・デ・イタリアのログリッチ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

第20ステージにもどる

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝に王手…ビンゲゴーとログリッチがアシスト役

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月16日、マンザナレスエルレアル〜グアダラマ間の208kmで第20ステージが行われ、総合1位のセップ・クス(米国)がチームメートで同2位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と一緒にゴールし、初の総合優勝を確実にした。

クスをアシストするビンゲゴー(左)とログリッチ(右) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

プリモシュとヨナスが仕事してくれるなんて想像できなかった(クス)

「とてもホッとしている。あともう少しだね。序盤は逃げた選手たちを完璧にコントロールできていた。ロベルト・ヘーシンクとディラン・ファンバーレがステージの90%を引っ張っていた」とクス。

セップ・クス。ツール・ド・フランスでの観客との接触で負傷した顔面の絆創膏もようやく外した ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「長くて大変な1日だったけど、彼らが1日中そこにいてくれた。彼らには本当に脱帽だ。彼らは素晴らしかった。そして、アッティラ・バルテルが最後の上りでいてくれて、プリモシュ・ログリッチが最後の上りと平地で私のために多くの仕事をしてくれた。ヨナス・ビンゲゴーもそうだった。それは私が想像したこともなかったことだ。2人のチームメイトと一緒に山岳ステージの最後の1kmであんなにリラックスできたのはとても特別な瞬間だった。本当に素晴らしいよ。まだ実感できていない」

プールス(右)がエベネプールを制して優勝。コボの薬物使用で繰り上がり勝利となった2011年第15ステージ以来の2勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

プールスが今度はリアルなステージ勝利

この日は最後の山岳レースとなり、山岳賞トップのレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)らが第1集団を形成。最後はバーレーンビクトリアスのワウト・プールス(オランダ)が抜け出し、猛追したエベネプールから間一髪で逃げ切った。

プールスは2011ブエルタ・ア・エスパーニャの第15ステージで2位だったが、このステージの勝者で総合1位でフィニッシュしたスペインのコボが、不正薬物使用で失格になったことで記録上の繰り上がり優勝。それ以来の勝利となった。

だれもがセップ・クスの活躍を喜んだ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
総合優勝を確実にする第20ステージのスタート前のクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
真紅のマイヨロホを着用するクス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
総合優勝を確実にしてビンゲゴー(右)と喜びを共有するクス ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

セップ・クスが総合2位ビンゲゴー(左)、同3位ログリッチ(右)に祝福されながらゴール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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