デフリンピック1年前特別イベントを渋谷区役所で12月9日まで開催中

デフリンピック気運醸成の常設展示が渋谷区役所本庁舎で11月16日に始まった。初日に行われた、「デフ卓球体験」では渋谷区役所本庁舎15Fにあるスペース428を会場として、卓球台を設置して、小中学生を対象に、擬似的にきこえにくい環境を作って卓球を体験した。期間は12月9日まで。

デフ卓球体験で耳栓・イヤーマフをして挑戦する平野早矢香さん

ゲストは、デフ卓球メダリスト亀澤理穂、山田瑞恵。そして現在はスポーツキャスターや解説など幅広く活動する平野早矢香さん、2024年夏のパリパラリンピックでの活躍も記憶に新しいパラ卓球 岩渕幸洋。

左から亀澤理穂、山田瑞恵、平野早矢香さん、岩渕幸洋

最初に山田がデフ卓球の特徴や魅力について話した。 デフ卓球のルールは、健聴(きこえる人)の卓球と同じ。しかし、台やラケットにボールが当たる音がきこえず、ボールの軌道を「見て」判断している ので、とても集中力が必要になる。

亀澤理穂、山田瑞恵

平野さん、岩渕が耳栓とイヤーマフを装着して、「デフ卓球体験」を体験した。つけた瞬間に音がきこえにくくなり、いつもと全く違う感覚に戸惑う2人。難なくラリーを続けているように見えたが、「打球音がきこえない分、しっかり狙った場所に入っているのかがすごくわかりにくい」と、通常プレーする時との違いを体感した。

子どもたちもデフ卓球に挑戦。卓球経験のない子どもたちも、選手にラケットの持ち方や打ち方を教わりながら体験。最後には、ボールを的に当てるゲームにもチャレンジ。選手のサポートを受けながら、子どもたちも小さな的にボールを当てようと頑張った。1人がボールを当てるたびに拍手が沸き起こり、会場が盛り上がった。

デフスポーツ競技特集コーナーではメダルなどの展示も

会期中、渋谷区役所本庁舎15Fの会場では、デフリンピックにまつわる常設展示を行っている。デフリンピック100年の歴史を振り返る年表展示や、各競技のデフアスリートのインタビューなど、見応えのある充実の内容。小さな子どもと一緒に、親子でくつろげる芝生の絵本コーナーも用意。子どもから大人まで楽しみながら学べるイベントだ。