英仏海峡の港町に来ると忘れられない記憶がよみがえります。1987年3月8日夜に起こったタイタニック号以来の北海海難事故。ボクが英国ドーバーに向かうために乗り込む予定だった大型フェリーが凍てつく海に沈んだのです。

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1987年3月、タイタニック号以来の北海海難事故
で、本当に記憶が曖昧で、あれは夢だったのではと思うようになったのでAIに聞いてみました。概要はこんな感じです。ベルギーのゼーブルッヘ港からドーバーに向かうタウンゼント・トーレセン社のMSヘラルド・オブ・フリー・エンタープライズ号が出港直後に転覆。乗客の多くが低体温症などで命を落としたと。


AIでもウィキペディアでも事故の詳細が確認できますが、ボクがなんで乗るはずだった船に乗り込まなかったかというと…、ドイツからベルギーの港に向かう電車の乗り換えを間違ったからです。
だって紀伊國屋書店で買ったトーマス・クック時刻表を片手に欧州を旅している大学5年生ですよ。ドイツがあまりにも寒くて、直接ベルギーの港まで行ったら早く到着しすぎるので、ここはいったん反対方向の電車に乗って暖を取り、5つ目の駅で下車して折り返そうと。

ツール・ド・フランスを追い続けられたのも幸せだった
じつはトーマス・クック時刻表って停車する全駅が掲載されているわけじゃないんですよね。見事にとんでもない駅で降りてしまい、当然終電は終わっていて。トイレの個室に隠れていたら警備員に見つかってドアを思い切り蹴飛ばされて氷点下の寒空のもとに。うずくまっていたら凍えそうなのでアウトバーンの草むらをひたすらシュツットガルトまで歩き…。

こうして数時間後に港に着いたらフェリーが沈んでいました。ボクの人生って本当に幸運の連続です。ツール・ド・フランスを30年以上も追いかけることになったのも最大のラッキーなことだと感じています。

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