運河沿いのサイクリングロードが気持ちよくて、ちょっと走りすぎてしまいました。引き返すために現在位置を確認すると、出発したシャンブルドット(民宿)まで相当の距離であることが発覚。道を間違えました。牧草地の丘陵をひとつ越えてスタートした村に帰る必要がありました。

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いままで走ってきた道は思っていた以上に長かった
朝はもやがかかって、薄い月も幻想的に浮かんでいましたが、走っているうちに太陽が高い位置に昇り、気温も上昇していました。朝ご飯はまだ食べていなく、給水も持っていなかったので、長い牧草地の上り坂で「無事にたどり着けるかな」とちょっと弱気に(心配性なんです)。


でも不安になってもなんとかならなかったことは一度もないんですよね。これまでひたすら前しか見ずに走り続けてきたよなとつくづくと感じ、不意に立ち止まっていま来た道をながめてみようと思いました。そんな感情はこれまで一度も持ったことがないのに…。

180度振り返って見たものはなんの変哲もない光景でしたが、ここまで走ってきた距離は自分が考えていたよりも長くて、それに比べればゴールまではそんなにないな。そう思うと霧が晴れたように足取りも軽くなり、スタートの村にあっという間に到着することができたのです。

ボクがランニングを始めたのはツール・ド・フランス対策でした。まだ30歳も若かったのに、取材の後半で疲労困ぱいになるんです。23日間を無事に取材できるだけの体力をつけようとラン練習を始めました。伸びしろがあるので年々成績は向上していますが、ツール・ド・フランスを楽に取材するために必要なのは体力じゃなくて経験値だなと数年前に気づきましたw

フランスのサイクリングコースはランニングもできる
フランスの広大な大地には長距離のサイクリングコースがはりめぐらされています。平坦な地方は運河沿いにコースが整備されていて、快適に走ることができます。この日見つけたのは西フランスの都市ナントと、ブルターニュ半島の最西端にあって「地の果て」と呼ばれるブレストを結ぶ運河沿い。
川の流れはほとんどありませんが、1kmに満たない間隔で閘門(水面に高低差のある場所で、2つの門によって水面を昇降させて船を行き来させるための装置)があって、建物の壁に距離表示が貼られています。よく整備されたルートは自転車以外にも、ここは馬や徒歩でも利用できると案内されていました。

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