第18ステージのクールシュベル、第19ステージのラ・プラーニュはアルプスのスキーリゾート。上り坂のどん詰まりにツール・ド・フランスがゴールするわけですから、すべてが終わったあとは上ってきた道を下ります。山頂ゴールのときは「このハリボテでアルプスの下り坂はアウトだろ」と感じる広告キャラバン隊の特殊車両などは上らせません。それでも関係車両は2000台以上。加えて路肩に駐車した観客のクルマ。

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憲兵隊の誘導でチームや関係車両が一気に下山
トップ選手やマイヨジョーヌがゴールして、表彰式が行なわれ、30分遅れのスプリンターたちのグルッペットがやってきて、選手回収車とファンドクルス(最後尾の警備車両)がゴールしたら下山の開始。

アスリートファーストなのでチーム関係車両が優先されるのが原則ですが、なんと広告キャラバン隊が最初に下山するときも。彼らは選手の1時間前から一番奥の原っぱに詰め込まれていたので、準備万端なのです。憲兵隊のバイクに先導されて、疲れ果てても開放感いっぱいでうれしそうに降りていきます。

選手バスとチームカーが降りると、そのあとがもうカオスです。取材者、大会関係者、施工班など。表彰式でゴールに残った選手はチームカーを1台だけ残しておき、憲兵隊のスペシャル先導でまっしぐらに飛び去っていきます。

こうして憲兵隊が「エバキュアシオン・コンボワ」と呼ばれる下山の隊列を仕切り、道路の地元憲兵隊が一般車両を停車させてツール・ド・フランス車両を優先。でも下り車線は一般車両が列をなしているので、上りの車線をものすごいスピードで逆走していき、これに何万ものサイクリストが加わります。いまだに慣れないですが、そうしないとどれだけ時間がかかるかわからないのです。

一度も交通事故を起こすことなくフランスを27周
この日は連泊ホテルに帰るだけなので不安もなく、ストレスを感じることもなく最後の下山を楽しみました。予約したレストランが10時までなのでのんびり食べるために早めに帰りたいなとは思いましたが。頑張った自分をホメるためにおひとり打ち上げしながらfacebookをアップしました。

さいわいにも一度も交通事故を起こすことなく、フランスを27周しました。アルプスが終わればもうこっちのもの。明日のコースとパリまでの位置関係をチェックしたら道中に予約したホテルまで500kmあるので、最後の頑張りどころとして安全運転していきます。ここでなにかあったらいい思い出でなくなっちゃうので。

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