Garmin Forerunnerはあえてセカンドグレードを選んだ、これだけの理由

Garmin(ガーミン)のGPSデバイスをシゴトとしてレビューしてきた筆者が、8年ぶりに新たなモデルを購入。ランニングをメインアクティビティとするForerunnerシリーズだが、新製品のトップモデルForerunner 970ではなくて、セカンドグレードに落ちたForerunner 965を選択。これにはいくつか理由がある。

Forerunner 965は今がお買いごろ

8年前のfenix購入時もセカンドグレードを選択

8年間使い続けてきたGarminデバイスがついにダメになりました。どこが故障したかというと、気圧計(高度が乱高下して法面距離が誤って計測される)、いちばん重要な右上ボタン(動作はするが押してもクリック感がない)、ベルトの劣化(スペアとして付属していた2本目もいよいよ)。

愛用していたのはマルチスポーツ対応プレミアムGPSウォッチのfenix(フェニックス)5シリーズのセカンドグレード、「fenix 5 Sapphire(ファイブ・サファイア)」です。じつは8年前もあえてフラッグシップにしませんでした。実機種の性能比較、カタログデータを読み解いた結果なのです。当時の記事にその理由を書いていて、多くの方の共感をいただきました。

8年前のフラッグシップモデルはfenix 5 Xだったが…

ということで久しぶりに購入したモデルは…。もうマルチスポーツはやらないだろうからランがメインでサイクリングや里山歩きもカバーできるForerunnerです。8年前もトップモデルではなく、セカンドグレードのほうがほぼすべてにおいていいのでそれを買いましたが、今回も新発売の970ではなくセカンドグレードとなった965。比較検討してみれば965のほうがいいことが次々と見えてきました。

パケージがシンプルになってお金をかけなくなったことがいい

価格をチェック!
Forerunner 970は12万1800円(税込み)
Forerunner 965は8万4800円(税込み)

970が発表される前は965がトップモデルでした。お気づきのようにForerunnerは数字の大きいほうがグレードの高いモデルとなります。エントリーモデルの265は6万800円〜、165は3万9800円〜となり、それはそれで手ごろないいモデルです。ところがここにきて新発売されたミドルグレードの570で価格の逆転が見られました。なんと965よりも5000円も高いのです。

その理由としては970と同様にさらに見やすくなったディスプレイと第5世代に進化した光学式心拍計、後述しますがスピーカー・マイクの搭載などが挙げられます。ただし客観的な立場で分析するならば現在のドル高円安の為替相場がかなり影響を与えた結果の価格設定であるはず。そういった意味で965はこれほどまでの円安でなかった時期の価格設定なので、それだけで割安感があります。またセカンドグレードに落ちたことでネット通販ではそれなりに値引きされ、獲得できるポイントを加味すると6万円ほどで手に入るようになりました。つまり970の半額なんです。

サファイアクリスタルガラスではないものの、Forerunner 965でも画面表示はとてもきれいだ

970は心電図アプリが売りだが、スポーツ心臓アスリートは?

Garmin Forerunner 970は心電図アプリに対応していて心房細動などの疾病の兆候を確認できるのですが、多くの有酸素系スポーツでトレーニングを継続しているアスリートは徐脈(1分間の平静時心拍が50以下)の傾向があります。じつは徐脈の場合はチェックできません。筆者自身も1分間の平静時心拍が46くらいなので、これでは心電図アプリが正確に作動しない可能性があり、この970の新機能に魅力を感じませんでした。

970のさらなる売りはスピーカー&マイクを内蔵していること。ただし腕に装着したデバイス単体で電話をかけたり受けたりするわけではなく、ポケットに入れたスマホと連動して通話する形式です。ランニングの練習中に通話することはあまり想定できず、バイク走行時は安全性を担保するために停車して会話するはずなので、アクティビティ中はネコに小判なイメージです。

寝ているときも装着したほうがいいので軽さや薄さも重要

筆者がフラッグシップでなくセカンドグレードにした最大のポイントは真っ先に言及した価格なのですが、もうひとつとして稼働時間が決め手となりました。

稼働時間をチェック!
Forerunner 970はGPSモード26時間、ウォッチモード15日間
Forerunner 965はGPSモード31時間、ウォッチモード23日間

また重量も965のほうが軽量です。無骨で大柄なfenix時代は就寝時に手首から外していましたが、最新デバイスは就寝時の睡眠の質や1日の身体バッテリー残量などが表示されるので、可能な限り着用していたほうが便利で楽しく、それを考慮するとわずかな軽さも見逃せません。いかがですか、Garmin Forerunner 965。お買い得だと思います。

次回は8年間の驚くべき進化をチェック。還暦を過ぎた筆者が充実したランニング練習をこなしていけるのも、アプリ連動のトレーニングメニューが提供してもらえること。専属コーチがいないので、Garminアプリの指示を地道にこなしています。

これまでのメニューでフルマラソンは選べなかったが、ついに登場。東京マラソンに向けて練習を積んでいます
ランニングメニューに筋トレが加わったのがうれしい