ティレーノ〜アドリアティコ開幕…初日はガンナがトップタイム

イタリア半島の西側に広がるティレニア海と東側のアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第60回ティレーノ〜アドリアティコが3月10日に開幕。第1ステージはリド・ディ・カマイオーレで11.5kmの個人タイムトライアルが行われ、イネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)が優勝した。ガンナが首位となって、第2ステージに挑む。

イタリアのタイムトライアルチャンピオン、ガンナがティレーノ~アドリアティコ第1ステージ優勝 ©LaPresse

2024年の総合2位、UAEチームエミレーツ・XRGのフアン・アユソ(スペイン)が23秒遅れの2位。

前年2位のアユソも23秒遅れの2位で好位置につけた ©Fabio Ferrari/LaPresse
総合1位の青ジャージ、マリアアッズーラを着用したガンナ ©LaPresse

感情も手伝って強いアユソを打ち負かすことができた

「レースの前半ではチームが設定した時速を維持することに注力した。トップタイムでいることを途中で伝えてもらい、、特に最後の1kmは全力を尽くした。ティレーノ〜アドリアティコに9年間出場してきたので、少し経験がある。終盤には感情も私を押し上げ、昨年ここで勝った強力なライダー、フアン・アユソを打ち負かす助けになった」とガンナ。

「2024年は厳しいシーズンだった。2年前のミラノ〜サンレモで2位になったときの最高の状態をもたらしたトレーニングを繰り返そうとした。明日はスプリンターのステージで、世界最強のスプリンター、ジョナサン・ミランが昨年のティレーノ〜アドリアティコでの成果を確認したいと思っている。無駄なストレスを避けるためにトラブルを避けるようにし、来月も再びうまくやりたいと思っている」

22歳のアユソが新人賞ジャージを獲得 ©LaPresse

期待していた調子ではないけどまずまずの成績を修めた

「フィリッポ・ガンナは今日素晴らしかったので、彼におめでとうと言いたい。私の方は折り返してからの終盤に少しパワーが足りなかったと思う。期待していたほどの脚力はなかったが、それでも非常にいい結果を得た」とアユソ。

「総合優勝を争うアントニオ・ティベーリやデレク・ジーも非常にいいタイムトライアルをした。彼らとの差は小さい。今後数日間、興味深いレースになるだろう。私は上位に留まるように努力する。天候次第で厳しい日々になる。おそらく多くの雨が降るので、たとえ平坦なステージでも雨と寒さの中で自転車に6時間乗った後に、トリッキーなフィナーレがある非常に長いステージもある。そして、金曜日と土曜日には厳しいステージが待っている」

ティレーノ〜アドリアティコ日程
3月10日 第1ステージ リド・ディ・カマイオーレ 11.5km(個人タイムトライアル)
3月11日 第2ステージ カマイオーレ〜フォッローニカ 192km
3月12日 第3ステージ フォッローニカ〜コルフィオリート(フォリーニョ) 239km★★
3月13日 第4ステージ ノルチャ〜トラサッコ 190km★★★
3月14日 第5ステージ アスコリピチェノ〜ペルゴーラ 205km★
3月15日 第6ステージ カルトチェート〜フロンティニャーノ(ウッシータ) 163km★★★
3月16日 第7ステージ ポルト・ポテンザ・ピチェーナ〜サンベネデット・デル・トロント 147km
★は難易度

欧州王者メルリールが初日を制してパリ〜ニースの首位に

第83回パリ〜ニースが3月9日から16日まで8日間の日程で開催される。ヨーロッパで行われる今シーズン最初の重要なステージレースで、初日の第1ステージはスーダル・クイックステップのティム・メルリール(ベルギー)がゴール勝負を制して優勝。総合成績で首位に立った。

ティム・メルリールがパリ〜ニース第1ステージ優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters
前年の覇者ジョーゲンソン(左)とヴィンゲゴー ©A.S.O. Billy Ceusters

パリ〜ニースの黄色いジャージを獲得したのも、ライオンをもらったのも2回目

「ステージレースで勝利からスタートするのはいつもうれしい。パリ〜ニースで優勝できたことをとても誇りに思う。ヴィスマチームは集団を非常にナーバスにし始め、登りではジュリアン・アラフィリップによる攻撃もいくつかあった。集団は非常に緊張していたが、私たちは先頭に立つために再編成しました。他の選手も差を縮め、ベルト・ファンレルベルへが完璧なリードをしてくれた」とメルリール。

「今回でパリ〜ニースの黄色いジャージを獲得するのは2回目、そして小さなライオンを獲得するのも2回目。だから、もちろんそれを維持しようと努力したい。明日は可能かもしれないが、それ以降は首位を守るのが難しくなる。いずれにせよ、明日また運試しをしてみようと思う。昨年は私にとって非常にいい年だったし、同じレベルにいると思うが、私が世界最高のスプリンターであるかどうかは私が決めることではない。私はできるだけ多く勝ち、チャンスをつかむように努める。今後数日間の天気がどうなるか。今日のように寒すぎなければ完璧なんだけど」(メルリール)

チューダーに移籍したジュリアン・アラフィリップ ©A.S.O. Billy Ceusters
2025パリ〜ニース第1ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters
春まだ浅いパリ〜ニース第1ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters
ティム・メルリールがまずは第1ステージでマイヨジョーヌを着用 ©A.S.O. Billy Ceusters

第83回パリ〜ニース日程
3月9日 第1ステージ ル・ペレ・アンイヴリーヌ〜ル・ペレ・アンイヴリーヌ 156.1km
3月10日 第2ステージ モンテソン〜ベルガルド 183.9km
3月11日 第3ステージ シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニクール〜ヌヴェール 28.4km)チームタイムトライアル)
3月12日 第4ステージ ヴィシ〜ラ・ロジュ・デ・ガルド 163.4km
3月13日 第5ステージ サンジュスト・アンシュヴァレ〜ラ・コートサンタンドレ 203.3km
3月14日 第6ステージ サンジュスト・アンサンタルバン〜ベールレタン 209.8km
3月15日 第7ステージ ニース〜オロン 147.8km
3月16日 第8ステージ ニース〜ニース 119.9km

フォレリングがかつてのボスを振り切ってストラーデ・ビアンケ優勝

FDJスエズのデミ・フォレリング(オランダ)が3月8日にイタリアで開催された第11回ストラーデ・ビアンケウイメンで、SDワーク・プロタイムのアンナ・ファンデルブレッゲン(オランダ)を振り切って優勝を達成した。

フォレリングがかつての監督で、現役復帰したファンデルブレッゲンに差をつける ©LaPresse

フォレリングはSDワークスから今季FDJスエズに移籍。ワンデークラシックで初勝利を収め、SDワークスとしての大会4連勝の記録をストップさせた。2位はフォレリングの監督をを3年間務めたファンデルブレッゲン。元世界チャンピオンは今シーズンに現役復帰した。

ストラーデ・ビアンケウイメン ©LaPresse

フォレリングはライバルたちとともにゴールのシエナに到達し、厳しいサンタ・カタリーナ通りの最後の登りでアタックした。フランスのポーリーン・フェランプレボ(ビスマ・リースアバイク)が3位に入った。

ストラーデ・ビアンケウイメンを制したフォレリング ©LaPresse

「私はとても幸せです。自分がいい状態にあることは分かっていましたが、勝つことは別のことです。プレッシャーがあるとチームメイトや家族、友人のためにそれを成し遂げたいと思います」とフォレリング。

「アンナ・ファンデルブレッゲンとレースをするのは楽しいです。始めた頃の日々を思い出させます。年月が経つにつれてどれだけ成長したかを思い出させます。私はかなり遅れて後ろにいましたが、チームメイトが追いかけていたので終わったとは思いませんでした。ジュリエット・ラブースは、砂利のセクションで非常に強いリードを与えてくれました。チェーンが外れましたが、すぐに全開で戻りました。下り坂で攻撃するのは賢明でした。そして、アンナとの最後の戦いは素晴らしかったです」

ストラーデ・ビアンケウイメンを制したフォレリング。左は2位ファンデルブレッゲン、右は3位フェランプレボ ©LaPresse

ポガチャルが下り坂の落車から復帰しストラーデ・ビアンケ連覇

UAEチームエミレーツXRGのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が3月8日にイタリアで開催された第19回ストラーデ・ビアンケで残り18kmから独走を決めて、2年連続3度目の優勝を達成した。

ストラーデ・ビアンケを連覇したポガチャル ©LaPresse

落車後にピドコックがボクを待ってくれた

ポガチャルは、Q36.5プロサイクリングのトム・ピドコック(英国)とイネオス・グレナディアーズのコナー・スウィフト(英国)とトップグループを形成。残り50km地点の下り坂でクラッシュしてコース外の草地まで滑ったが、すぐにレース復帰。シエナのピアッツァ・デル・カンポでのゴールまで18kmを単独で走った。時速40.7kmは新記録。世界チャンピオンのジャージを着用してこのレースに勝ったのも史上初。

これぞストラーデ・ビアンケ、白い道 ©LaPresse
ピドコック(先頭)とポガチャルの戦い ©LaPresse

「クラッシュしたとき、頭の中が少しパニックだったが、立ち上がって自転車に乗車すると、レースに勝つためにチームが多くの努力をしてくれたので最後までやり遂げようとした」とポガチャル。

落車でパンツを破きながら単独で逃げるポガチャル ©POOL Luca Bettini/SprintCycling/LaPresse

「トム・ピドコックと合流したとき彼にごめんと言った。クラッシュは私のせいで、一緒に逃げていた彼らを巻き込む可能性があったからだ。ボクは運がいい男だと思います。トムがボクをどれだけ待ってくれたのかは分からないけど、追いつこうとしたとき彼は待ってくれた。まだゴールまで長い道のりがあったし、彼は一緒に走るがいいと思ったのかもしれない。私たちはお互いを尊重している。今日は本当に素晴らしいレースだった。このような状況や慌ただしいレースでも」

ストラーデ・ビアンケ、ポガチャルがゴールのシエナの坂を駆け上がる ©LaPresse

「トムはオリンピックのMTBチャンピオンであり、シクロクロスの世界チャンピオンだ。私には合わないレースだ。コレ・ピンツットの最初の登りで攻撃しようと思っていたが、クラッシュしてしまった。他の区間はトムにより適していた。ストラーデ・ビアンケはお気に入りのレースの一つで、チームが努力してくれたのに完走できなかったら残念だった」

ジャージを脱がなくてもトイレができるLivのバックル採用ショーツ

自転車愛好家が着用する肩ひも付きパンツ(ビブショーツ)はお腹周りの締め付けがなく、快適性やフィット感に優れる。その一方で、とりわけ女性がトイレ休憩をする時に、上半身に着たジャージを脱がないとビブショーツが降ろせないという事態に。

マグネットバックルを採用した新デザインでジャージを着たまま脱着できる

そんな手間から敬遠する女性が多かった。この手間を解決するべく開発されたのがジャイアントの女性ブランド、LivのSupreme Pit Stop Bib Shortsだ。背面にマグネットバックルを採用した新デザインのビブストラップにより、上半身のジャージを着たまま簡単かつスムーズにショーツを脱着できるようになった。

Liv Supreme Pit Stop Bib Shorts

Liv Supreme Pit Stop Bib Shortsは1万8150円。

マグネットバックルを背中に装備

●Livの詳細ページ

チネリとオークリーのコラボアイウエアは傷までもデザインの一点もの

イタリアの自転車フレームブランド、チネリと、アイウエアのオークリーが初のコラボレーション。サイクリングを「未知の発見がある旅」へと変える限定アイテムとして「ラッチパネル チネリ」と「アイジャケット リダックス チネリ」の2モデルをリリースした。

テイラー・フィニーが愛用するラッチパネル チネリ

デザインはサイクリングへの情熱、挑戦、そして疲労からインスピレーションを受けた。それぞれ異なる傷が施されたRace Worn(レースウォーン)というデザイン加工が特徴で、どれひとつとして同じデザインがないすべてが一点もの。

コラボレーションでは、ヨーロッパで開催される自転車ロードレースの三大大会グランツールで両ブランドが培ってきた歴史を背景に、競争よりも創造性と喜びを重んじる未来を 「プロトピア(理想に向かって進化し続ける社会)」という視点で捉えた。

そのビジョンを体現している元プロロードレーサーでのテイラー・フィニーが携わっている。フィニーは、かつてアスリートとしてパフォーマンス重視のサイクリングを貫いていたが、現在では自然との繋がりやサイクリングを通して得られる未知なる発見を見出すスタイルの持ち主として知られている。

アイジャケット リダックス チネリ
LATCH PANEL CINELLI(ラッチパネル チネリ)39,270円
さまざまな冒険に対応に対応するこのモデルは、フルフレームのシールドレンズと特徴的なラッチヒンジを搭載。サイドシールドは取り外し可能で、眩しさや外部からの視線を遮断することができる。目を引く、Race Worn加工が施されたブラックフレームにはプリズムロードブラックレンズが採用され、路面のコントラストを際立たせる。
EYE JACKET REDUX CINELLI(アイジャケット リダックス チネリ)32,450円
大胆なシルエットにオフホワイトのRace Wornデザインとプリズムグレーレンズが組み合わせられ、サイクリングのオフロードの冒険をサポート。両モデルともに、オリジナルのマイクロバッグとボックススリーブが付属。

コラボレーションによる限定アイテムは、オークリーストア渋谷店、原宿店、大阪心斎橋店、オークリーの公式オンラインストア、国外におけるCINELLIの一部の店舗と公式オンラインストアで2025年2月28日より販売。

このコラボレーションの発表を記念して、オークリーの哲学と「オフ・ザ・グリッド」な考えを表現した特別仕様の非売品のグラベルバイク「Raceworn Nemo Gravel Bike(レースウォーン ネモ グラベルバイク)」がチネリのミラノ本社で特別に組み立てられた。日本ではオークリーストア渋谷店で特別に期間限定で展示される。