【ブエルタ・ア・エスパーニャ第18S】ケルンファルマ3勝目…ベラーデ初優勝

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月5日、ビトリア=ガステイスからマエストゥイスキ自然公園までの179.5kmで第18ステージが行われ、エキポケルンファルマのウルコ・ベラーデ(スペイン)が逃げ集団の中から最後に抜け出して初優勝。格下のカテゴリーから主催者推薦で参戦している同チームは、パブロ・カストリーリョの2勝を合わせて3勝目。地元スペイン選手のステージ優勝は4となり、2019年以降の同大会での最多記録となった。

ベラーデがケルンファルマに3勝目をもたらす ©Unipublic Sprint Cycling Agency

総合成績ではベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)が首位を守った。

2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
この日は逃げ切り勝利のラストチャンスだ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
バスク地方を走る第18ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオスグレナディアーズ)

2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

ヒマラヤの未踏峰プンギ挑む学生隊が現地に向けて出発

日本山岳会学生部プンギ遠征隊が2024年9月5日、ヒマラヤにある未踏峰「プンギ」に挑戦するため羽田国際空港を出発。シンガポール経由でネパールのカトマンズに向かった。

中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

メンバーは、総隊長・井之上巧磨(青山学院大学体育会山岳部)、登攀隊長・尾高涼哉(東京大学運動会スキー山岳部)、装備全般・中沢将大(立教大学体育会山岳部)、渉外・会計・記録・横道文哉(立教大学体育会山岳部)、会計・芦沢太陽(中央大学山岳部)の5人。

プンギはネパールのアンナプルナ山域、ペリヒマール山群に属する標高6524mの未踏峰。同山には2022年秋に、日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊が南西尾根から初トライするが、6150mで敗退。未だその頂に立った者はいない。

遠征期間は2024年9月5日から10月31日までの58日間。5日目にカトマンズからキャラバンを開始。徐々に高度を上げていき15日目に標高4700mのBCへ。C1(5000m)、C2(5500m)、HC(6200m)を経て26日目にファーストアタックを計画している。

9月5日朝のシンガポール航空便で日本を離れる

【ブエルタ・ア・エスパーニャ第17S】グローブスがスプリント勝負で3勝目

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月4日、モヌメント・フアン・デ・カスティージョ アルヌエロ〜サンタンデール間の143kmで第17ステージが行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのカーデン・グローブス(オーストラリア)がゴール勝負を制して、今大会3勝目、大会通算7勝目を挙げた。

La Vuelta 2024 – 79th Edition – 17th stage – Monument Juan de Castillo. Arnuero > Santander 141,5 km – 04/09/2024 – GROVES Kaden (ALPECIN-DECEUNINCK)

総合成績ではベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)が首位を守った。

グローブスがスプリントを制して優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオスグレナディアーズ)

2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli

【ブエルタ・ア・エスパーニャ第16S】ファンアールト負傷棄権…区間Vはソレル

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは休息日明けの9月3日、イルアンコからラゴス・デ・コバドンガ山頂までの181.3kmで第16ステージが行われ、ポイント賞と山岳賞の1位で、規定によってポイント賞ジャージを着用しているワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)が下り坂で落車して負傷。そのままリタイアを余儀なくされた。

下り坂の落車後にチームカーの荷台に座り込んでしまったファンアールト ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli

ステージ優勝争いはUAEチームエミレーツのマルク・ソレル(スペイン)が残り4.5kmで仕掛けて優勝。2020、2022年に続くステージ3勝目を挙げた。

ポイント賞ジャージを着用したファンアールト。山岳賞もトップだ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

真紅のリーダージャージ、マイヨ・ロホを争う戦いは総合3位エンリク・マス(モビスター)が残り60km地点で戦いを開始。最終的に総合4位リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)と総合2位プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とともに、首位ベン・オコーナー(デカトロンAG2Rラモンディアル)に58秒差をつけてゴール。オコーナーは総合成績でログリッチに5秒差まで詰め寄られたが、なんとか首位を守った。

積極的に走るファンアールト ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオスグレナディアーズ)

逃げている選手もビックリの建造物 ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
マルク・ソレルが2年ぶり3度目の優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

マジで! マイヨロホを着たタラマエが2025シーズンは日本で走る

アンテルマルシェ・ワンティのレイン・タラマエ(エストニア)が2025年は日本のキナンレーシングと契約し、日本をはじめとするアジア圏のロードレース大会で走ることになった。 

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージで独走勝利したタラマエ ©Photo Gomez Sport

「アジアのレースや雰囲気を心から堪能したいと思っていて、37歳となった今こそが絶好の機会だと感じている。このタイミングを逃すともう遅いかも。今までとは違うシステムや場所を発見しながら、この先数年はレースを楽しみたいと思う。なにができるのか、考えるだけでワクワクする」とタラマエ。

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージで首位に躍り出たタラマエ ©Photo Gomez Sport

タラマエは2008年のプロデビュー以来、ロードレースの本場欧州の第一線で駆けてきたワールドクラスのトップライダー。世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスでは2011年の個人総合11位を最高に、過去8回出場。ツール・ド・フランスと同規模のステージレース、ジロ・デ・イタリアでは2016年にステージ1勝、同じくブエルタ・ア・エスパーニャでは2011年と2021年にそれぞれ1勝。また、2021ブエルタ・ア・エスパーニャでは2日間総合1位の位置にいた。 

2023クリテリウム・デュ・ドーフィネを走るタラマエ ©A.S.O Billy Ceusters

プロキャリア17年を数え、37歳を迎え、新たなチャレンジとして日本とアジアを中心に転戦するKINAN Racing Teamでのキャリアを決意。2025年シーズンからKINANファミリーの一員として、自身ならびにチームのレベルアップに貢献する強い意志を示した。 

2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージで独走し。区間勝利とともに総合1位のマイヨロホを獲得したタラマエ ©Charly López

タラマエの魅力は、急峻な山々をハイスピードで駆け抜けるクライマーとしての資質と、いまなお自国の王者に君臨し続ける個人タイムトライアルの走力。同時に、平坦路でのスピードにも自信を持ち、オールラウンドに戦える脚質であらゆるレース展開に対応。KINAN Racing Teamでも山岳コースを中心に活躍の場を見出しつつ、アジアのレース特有のタフな展開にも適応できる。 

現在2024ブエルタ・ア・エスパーニャに参戦していて、欧州でのキャリアの集大成に位置づけて臨んでいるという。 

2021ブエルタ・ア・エスパーニャで2日間総合1位ののマイヨロホを着用したタラマエ ©PHOTOGOMEZSPORT2021

「ジャパンカップとツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに1度ずつ出場したが、日本で自転車競技が大きな人気であることに驚いた。日本の雰囲気・文化・自然もとても気に入っている。日本でトレーニングライドに励み、レースに出場し、ファンやチームと力を合わせる日がやってくるのを心から楽しみにしている。新たなスタートであるだけでなく、初心に戻って走れることを確信している」とタラマエ。

【ブエルタ・ア・エスパーニャ第15S】ログリッチが痛恨の20秒ペナルティ

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月1日、インフィエスト〜バルグランデ=パハーレス クイトゥ・ネグル間の142.9kmで第15ステージが行われ、4度目の総合優勝を目指すプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がリーダージャージのマイヨロホを着用するベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)に38秒差をつけてゴール。しかしレース途中の違反行為で20秒のペナルティを受け、総合成績のタイム差は1分03秒差にしか詰まらなかった。

大会最高地点クイトゥ・ネグルにゴールしたログリッチ ©Unipublic Cxcling Jose Carlos Diaz

ログリッチは最後の3kmで動き出し、ライバル選手に差をつけた。ところが最後の激坂クイトゥ・ネグルに上り始める前、シングルチェーンリングをセットした激坂対応のロードバイクにログリッチが乗り換えた後、チームのサポートカーの後ろについて集団復帰したことがドラフティング(空気抵抗軽減)違反とみなされた。

オコーナーに38秒差をつけてゴールしたログリッチだが、20秒のペナルティを受けて、オコーナーとのタイム差は18秒しか縮まらなかった。

ミケル・ランダを擁するティーレックス・クイックステップがメイン集団を牽引 ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli

ステージ優勝は、エキポケルンファルマのパブロ・カストリーリョ(スペイン)がアレクサンドル・ウラソフ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とパベル・シヴァコフ(UAEチームエミレーツ)による3選手の競り合いを制し、第12ステージに続く2勝目を挙げた。

マイヨロホのオコーナー ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
ステージ2勝目のパブロ・カストリーリョ ©Unipublic Sprint Cycling Agency

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
マイヨベルデ(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)マイヨルナレス(山岳賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)
□マイヨブランコ(新人賞)フロリアン・リポビッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

プリモシュ・ログリッチ ©Unipublic Cxcling Jose Carlos Diaz