【ジロ・デ・イタリア】ガンナ6回目のTT優勝、総合はポガチャル独走状態

第107回ジロ・デ・イタリアは5月18日、カスティリオーネデッレスティビエーレ〜デセンザナデルガルダ・チューダー間の31.2kmで第14ステージとして個人タイムトライアルが行われ、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がトップタイムで優勝した。

ガンナがトップタイムで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ガンナはジロ・デ・イタリア通算7勝目で、このうち個人タイムトライアルは6勝。2021年最終日の第21ステージ以来の勝利となる。

ロンバルディア平原で行われた個人タイムトライアル ©Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は29秒遅れの2位。総合2位に浮上したゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差は3分41秒となり、13区間連続で首位を守った。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ) ©Fabio Ferrari/LaPresse

五輪のタイムトライアルを考える前にジロ・デ・イタリアを完走したい

「タイムトライアルがあるときは、ガンナが勝つといいのにとみんなってくれる。気分がよくなってよく眠れる助けにはなるけど、簡単そうに見えて難しい」とガンナ。

「今日は沿道でたくさんの人が応援してくれた。距離は32kmしかなかったけど、ミラノ〜サンレモと同じくらいの長さに感じた。パリ五輪のタイムトライアルのことを考える前にこのジロ・デ・イタリアを完走したい」

ガンナがトップタイムで優勝 ©LaPresse

勝負を決めるのは最終日前日のモンテグラッパだ

「フィリッポ・ガンナのタイムチェックを見ると、彼は終盤にペースアップたが、僕は逆の作戦。最初の部分の方が自分には合っていた。最初はとても楽しかったのですが、後半は自分の力を維持して自爆しないようにした」とポガチャル。

「勝負を決めるのは最終日前日、最後の残酷な登りであるモンテグラッパだ。今日みたいにタイムを出せるなら攻撃的に走る。後悔するよりも安全に順位を守れるほうがいい。山岳ステージに突入する前に総合でのタイム差が確保できると、さらにいい走りができそうで、自信にもなる」

マリアローザを守ったポガチャル ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

コルナゴの創業者エルネスト・コルナゴ(左)とポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】ポイント賞トップのミランが区間3勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月17日、リッチオーネ〜チェント間の179kmで第13ステージが行われ、リドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)がゴールスプリント勝負を制して優勝。第4、第11ステージに続く今大会3勝目、大会通算4勝目。

ジョナサン・ミランがステージ3勝目 ©Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は首位を守った。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は依然2分40秒。

2024ジロ・デ・イタリア第13ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse
マリアチクラミーノを着るジョナサン・ミラン ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

バーレーンビクトリアスのアントニオ・ティベーリが新人賞1位 ©Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】アラフィリップがグランツール全勝利

第107回ジロ・デ・イタリアは5月16日、マルチンシキュロ〜ファーノ間の193kmで第12ステージが行われ、スーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が独走勝利した。アラフィリップはツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャを」加えたグランツールの全てでステージ優勝したことになる。

ジュリアン・アラフィリップが第12ステージで独走 ©Marco Alpozzi/Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は首位を守った。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は依然2分40秒。

集団を抜け出したアラフィリップとミルコ・マエストリ ©Marco Alpozzi/Lapresse

他の選手の後ろに付くより前に進んだほうが好きだ

「今日のことは一生忘れないだろう。僕にとって本当に重要な勝利だし、いい意味で大きな勝利でもある」とアラフィリップ。

「最初は少人数のグループで先行したが、連携があまりよくなかったので、ミルコ・マエストリとアタックした。作戦とは異なったので、ダビデ・ブラマーティ監督は立ち止まって待つように伝えてきたが、ノーと言った。他の人を追いかけるよりも、先行するのがいいからだ。だからこの勝利はより特別なものとなる。ジロ・デ・イタリアが始まってからステージ優勝を目指していたが、初日はポガチャルとナルバエスについていく脚がなかった。でも信じてプッシュし続けた」

第12ステージでマリアローザのポガチャルを牽引するUAEエミレーツ勢 ©Lapresse
ジュリアン・アラフィリップが第12ステージ優勝 ©Lapresse
ポガチャルが11区間連続でマリアローザを着用 ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

自転車選びのアドバイザーを目指す資格取得講習、エントリー受付中

一般社団法人自転車協会が第11回となるSBAA PLUS新規資格取得講習2024(個人&団体)のエントリーを2024年4月25日から5月22日まで行う。講習期間は2024年5月29日から6月12日まで、試験は2024年6月13日から20日までの期間に開催する。

自転車協会では、安全・安心なスポーツ用自転車の供給販売を通してスポー ツ用自転車市場の健全な発展を目的としたSBAAマーク制度を2007年よりスタートした。2024年4月1日現在、SBAA PLUS資格者881名が在籍する店舗は全国45都道府県にあり、199社が特別賛助会員として参加する。

この制度は、スポーツ用自転車を取り扱う販売事業者で一定の資格要件を満たし、かつ同会主催の講習会修了後試験に合格し、特別賛助会員に入会した場合にSBAA PLUSの資格(SBAA PLUSマークを貼付できること)が取得できる制度。今回で11回目の開催となる。スポーツ用自転車の安全で安心な利用を消費者に正しく理解してもらい、その楽しみを伝える担い手となる人材にとって必要な資格だ。

2021年5月に閣議決定された「第2次自転車活用推進計画」では、身体に合った自転車選びをアドバイスする人材としてSBAA PLUS認定者が取り上げられ、自転車協会では国も推奨している認定資格制度としての普及の波をさらに広げていくため、認知拡大や資格の魅力・価値の向上を図る施策を実施。

11回目となる新規資格取得のための講習・試験を、インターネットを活用した学習形態であるeラーニングを採用し、全国どこからでも受講することができる。

●自転車協会のホームページ

【ジロ・デ・イタリア】ポイント賞トップのミランが2勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月15日、フォイアーノディバルフォルトーレ〜フランカビッラアルマーレ間の207kmで第11ステージが行われ、リドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)がゴール勝負を制し、第4ステージに続く今大会2勝目、大会通算3勝目を飾った。

ミランがジロ・デ・イタリア第11ステージ優勝 ©Massimo Paolone/Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は首位を守った。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は依然2分40秒。

2024ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Lapresse

ミランは2023年大会のポイント賞獲得者。プロ通算10勝で、そのうち3勝がジロ・デ・イタリア。

「勝ったと言うのは簡単だけど、それは氷山の見える部分に過ぎないほどさまざまな駆け引きがあった。チームメイトが僕のために素晴らしい仕事をしてくれたことに感謝している」とミラン。

2024ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Lapresse
2024ジロ・デ・イタリア第11ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

ポガチャルが第11ステージもマリアローザを守った ©Lapresse

世界のサイクルシティにさいたま市…自転車レーベルは2台

その町が自転車にとって優しい環境であるかをツール・ド・フランスが認定する「ビル・ア・ベロ」。4回目となる2024年は24の自治体が申請し、このうち20自治体が自転車環境推進策を評価された。日本では初めてさいたま市が自転車レーベル2台を獲得した。

星ではなく自転車マーク ©A.S.O.

イメージはミシュランの星の数、パリは最高レーベルの自転車4台

ビル・ア・ベロを英訳するとサイクルシティ。自転車レーベルとはミシュランの星の数と同じような評価レベルで、最高ランクが4(台)となる。

2021年に創設されたビル・ア・ベロレーベル制度は、自転車の利用を促進する市町村の取り組みを評価して、今回を含めて155の町や都市が表彰された。立候補できるのはこれまでにツール・ド・フランスとツール・ド・フランスファムのスタートあるいはフィニッシュとなった町。今回からクリテリウム・デュ・ツール・ド・フランスを開催した町も対象となった。これにより10カ国・1100万人の市民が自転車に優しい町の恩恵を受けることになる。

さいたま市のレーベルは自転車2台で、フランスのニースやモンペリエは3台。2024ツール・ド・フランス開幕地となるイタリアのピアチェンツァ、ピネロロ、リミニも受賞した。

パリで除幕式のひもを引くアンヌ・イダルゴ市町(右から3人目)とプリュドム(左から2人目) ©A.S.O.

最高評価の自転車4台はパリやオランダのロッテルダム、デンマークのコペンハーゲンなど限られた都市で、高品質な自転車環境ネットワークの整備に成功した場所。一方で過疎化が進む小さな町、住民1328人のエボーレバンなど日常利用だけでなくスポーツやレジャーでの活用に積極的な町も登録されている。

ビル・ア・ベロ