コーイがティレーノ〜アドリアティコ第4S優勝、ガンナ首位堅持

イタリア半島の西側に広がるティレニア海と東側のアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第60回ティレーノ〜アドリアティコは3月13日、ノルチャ〜トラサッコ間の190kmで第4ステージが行われ、チームヴィスマ・リースアバイクのオラフ・コーイ(オランダ)がゴール勝負を制して優勝。総合成績ではイネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)が首位を守った。

オラフ・コーイがティレーノ~アドリアティコ第4ステージ優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

第4ステージは非常に波乱に満ちたもので、ガンナやUAEチームエミレーツ・XRGのフアン・アユソ(スペイン)といった総合優勝を争う有力選手がブレイクアウェイに加わり、エシェロンと呼ばれる集団の分断が見られたが、最終的には縮小された集団スプリントに。先頭グループに追いついてきたコーイが勝利を修めた。

チューダー・プロサイクリングチームのリック・プルイマースが2位、アルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルポールが3位でオランダ勢が上位を独占した。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージは雨模様 ©Fabio Ferrari/LaPresse

初日で首位に立ったガンナはこの日も素晴らしいコンディションを示した。チームメイトのローレンス・デプルス(ベルギー)、グルパマ・FDJのカンタン・パシェ(フランス)、アユソとそれをアシストするイサーク・デルトロ(メキシコ)とフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア)とブレイクを試み、7位に入った。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

この大会に起用されたメンバーが先頭集団に連れて行ってくれた

「みんながステージの前半が本当に厳しく、最後の部分にチャンスがあることを知っていたので、動きがなかった中盤が終わると自分がこなせる上りのペースでコントロールを試みた。登りの頂上では、集団がスプリットして遅れを取ってしまったので少し追いかけた。ゴールまでに合流できて、スプリントのためにまだ体力を残していた」とコーイ。

「自分で追いかけることはせず、ついていったが、こんな厳しい日には自分が十分かどうかわからないものだ。運がよかった。このレースにはオールラウンドなメンバーで臨んでいる。最初のステージではエドアルド・アッフィニのような選手がいたらよかったが、今日のようなステージでは、ティレーノ・アドリアティコのために起用された選手たちがいてよかった。彼らが私を戻してくれた。この美しいレースでステージを勝つことが目標だった」

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

明日赤信号になったら、ミラノ〜サンレモに向けての回復を考える

「今日はステージを勝ちたかった。昨日と今日は頑張りどころだと思っていて、首位を守ることができた。最後の上り坂ではマチュー・ファンデルポールに痛めつけられて痙攣してしまったので、勝利のためにスプリントすることができなかった。もしジョナタン・ミランのような狡猾さがあれば、他の選手を打ち負かすことができたかもしれない」とガンナ。

「身体が大きいのでティレーノ〜アドリアティコ総合成績やこの日のレースで勝つのは難しい。おそらく5kgか6kg減量する必要がある。しかし、私たちはここにいて、毎日チームが上位にいることを示している。明日赤信号になったら、ミラノ〜サンレモに向けての回復を考える時だ」

初日から首位を守るフィリッポ・ガンナ ©Massimo Paolone/LaPresse

ティレーノ〜アドリアティコ日程
3月10日 第1ステージ リド・ディ・カマイオーレ 11.5km(個人タイムトライアル)
3月11日 第2ステージ カマイオーレ〜フォッローニカ 192km
3月12日 第3ステージ フォッローニカ〜コルフィオリート(フォリーニョ) 239km★★
3月13日 第4ステージ ノルチャ〜トラサッコ 190km★★★
3月14日 第5ステージ アスコリピチェノ〜ペルゴーラ 205km★
3月15日 第6ステージ カルトチェート〜フロンティニャーノ(ウッシータ) 163km★★★
3月16日 第7ステージ ポルト・ポテンザ・ピチェーナ〜サンベネデット・デル・トロント 147km
★は難易度
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トラックネーションズカップの日本勢は世界&アジア王者として参戦

自転車トラックネーションズカップが2025年3月14日から16日までトルコのコンヤで開催され、日本代表は男子チームパシュートを皮切りに、世界チャンピオンとアジアチャンピオンの多くのタイトルホルダーが参戦する。

自転車トラックネーションズカップ日本代表 ©JCF

短距離エリート
長迫吉拓(ブリヂストンサイクリング)
太田海也(楽天Kドリームス/JPCU岡山)
中野慎詞(楽天Kドリームス/JPCU青森)
山﨑賢人(楽天Kドリームス/JPCU長崎)
小原佑太(楽天Kドリームス/JPCU青森)
佐藤水菜(楽天Kドリームス/JPCU神奈川)
酒井亜樹(楽天Kドリームス)
仲澤春香(楽天Kドリームス/JPCU福井)

中距離エリート
窪木一茂(Aisan Racing Team/JPCU福島)
橋本英也 (KINAN Racing Team/JPCU岐阜)
兒島直樹(ブリヂストンサイクリング)
松田祥位(ブリヂストンサイクリング)
内野艶和(楽天Kドリームス/JPCU福岡)
池田瑞紀(楽天Kドリームス/早稲田大)
垣田真穂(楽天Kドリームス/早稲田大)

●自転車トラックネーションズカップ・トルコ大会のホームページ

自転車激戦区の目黒にサイクルベースあさひ目黒山手通り店が殴り込み


快適な自転車ライフを提供するあさひは、2025年3月14日に「サイクルベースあさひ目黒山手通り店」を東京都目黒区にオープンする。 

目黒山手通り店は小型の店舗ながら、シティサイクルをはじめ、幼児・子供用、電動アシスト自転車など幅広いカテゴリーから人気のモデルを選りすぐって展示するほか、「ネットで注文・お店で受取り」サービスを通じて一人ひとりのニーズに応ええう。また、修理・点検については通常の店舗と変わりないサービスを提供。 

目黒山手通り店のオープンを記念して3月14日(金)から4月13日(日)までの期間、電動アシスト自転車やスポーツサイクルなどがお得に購入できるオープニングセールを開催。同期間中、目黒山手通り店近隣の碑文谷店、西五反田店、池尻店でも協賛セールを実施。 

セールは、サイクルベースあさひ公式アプリに登録している人を対象。 

サイクルベースあさひ目黒山手通り店 

住所:〒153-0063 東京都目黒区目黒3-4-8 
営業:10時~20時 
5月21日から2月20日の期間の平日の営業時間は11時~20時 
定休日:年末年始、棚卸日(2月と8月に各1日) 
TEL:03-6451-0448 
駐車場:あり 
アクセス:電車:JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「目黒」駅から西へ徒歩約13分 
バス:東急バス「田道小学校入口」停留所から南東へ徒歩約3分 
車 :東京都道317号環状六号線(山手通り)沿い「大鳥神社交差点」交差点から北へ約260m
店舗情報:https://store.cb-asahi.co.jp/detail/1079 

オープニングセールの情報は以下のページ内で 
セール情報:https://www.cb-asahi.co.jp/contents/category/campaign/renewal_sale/
実施期間:2025年3月14日(金) ※オープン日~ 2025年4月13日

ヴィンゲゴーが首位、アルメイダが区間優勝…パリ〜ニース第4ステージ

第83回パリ〜ニースは3月12日、ヴィシ〜ラ・ロジュ・デ・ガルド間の163.4kmで第4ステージが行われ、UAEチームエミレーツ・XRGのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が優勝。チームヴィスマ・リースアバイクのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が1秒遅れの2位に入り、チームメートのマッテオ・ジョーゲンソン(米国)から首位の座を譲り受けた。

アルメイダがヴィンゲゴーを逆転してパリ〜ニース第4ステージ優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

この日はレース途中から雹(ひょう)が降り始め、路面が滑りやすくなったことでレース中断。天候がなんとか回復してその後のレースを再開することになった。

最後の登りで、ヴィンゲゴーがアタックして残り2kmを単独で走り始めた。しかしリードはわずか10秒ほどで、残り1kmのフラムルージュで5秒差。アルメイダが後方からスパートして、最後の100mで全力疾走し、パリ〜ニースで初の勝利を修めた。

パリ〜ニース第4ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters

パリ〜ニースで優勝できるとしたら、それは私だけの力ではない

「とてもうれしい。ステージ中は特に雪が降って、紆余曲折があり、本当に難しい1日だった。私たちは決してあきらめなかったし、この勝利に値したと思う」とアルメイダ。

「体調はよかったが、寒さに弱いのでそのせいで苦しんだ。登りは実際に選択できるほど急ではなかった。ヨナス・ヴィンゲゴーが適切なタイミングで攻撃し、私はベストな位置にいなかったが、全力を尽くしたので結果には非常に満足している。障害は常に存在するが、昨日は昨日、今日は新たなチャンス。私たちはチームとして負けるし、チームとして勝つ。パリ〜ニースで優勝できるとしたら、それは私だけの力ではない」

パリ〜ニース第4ステージで飛び出した8人の先頭集団 ©A.S.O. Billy Ceusters
パリ〜ニース第4ステージはみぞれも一時降る悪天候に ©A.S.O. Billy Ceusters

総合トップに立ったが、負けてしまったので失望のほうが大きい

「複雑な気持ちだ。いや、実際のところ、私はほとんどが失望している。最後の25mまではリードしていたが、最後には負けてしまい、アルメイダが勝利に値した」とヴィンゲゴー。

「僕たちはみんな震えていたから、そんな状況でレースをするべきではなかったと思う。しかし、結局、誰もがこの時期に苦しんできた。調子はよかったし、リードしていた時は勝てると思ったのだが、残念ながら負けてしまった。マッテオが総合順位でまだ2位を維持しているのはいいことだ」

パリ〜ニース第4ステージでヴィンゲゴーがアタック ©A.S.O. Billy Ceusters
パリ〜ニース第4ステージでヴィンゲゴーがジョーゲンソンからリーダージャージを譲り受ける ©A.S.O. Billy Ceusters

第83回パリ〜ニース日程
3月9日 第1ステージ ル・ペレ・アンイヴリーヌ〜ル・ペレ・アンイヴリーヌ 156.1km
3月10日 第2ステージ モンテソン〜ベルガルド 183.9km
3月11日 第3ステージ シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニクール〜ヌヴェール 28.4km)チームタイムトライアル)
3月12日 第4ステージ ヴィシ〜ラ・ロジュ・デ・ガルド 163.4km
3月13日 第5ステージ サンジュスト・アンシュヴァレ〜ラ・コートサンタンドレ 203.3km
3月14日 第6ステージ サンジュスト・アンサンタルバン〜ベールレタン 209.8km
3月15日 第7ステージ ニース〜オロン 147.8km
3月16日 第8ステージ ニース〜ニース 119.9km
(クリックすると各ステージのレポートに飛びます)

ヴェンドラーメがティレーノ~アドリアティコ第3Sで初優勝

イタリア半島の西側に広がるティレニア海と東側のアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第60回ティレーノ〜アドリアティコは3月12日、フォッローニカ〜コルフィオリート間の239kmで第3ステージが行われ、デカトロン・AG2Rラモンディアールのアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア)がゴール勝負を制して初優勝。

ベンドラーメがティレーノ~アドリアティコ第3ステージ優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

初日に首位に立ち、リーダージャージを着るイネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)が、コルフィオリートのゴールに向かう下り坂で攻撃。ヴェンドラーメがこれに反応した集団の先頭でフィニッシュし、初のステージ勝利を修めた。

2位はQ36.5プロサイクリングチームのトーマス・ピドコック(英国)。ガンナは区間10位で首位のマリア・アッズーラを堅持した。

2025ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ジロ・デ・イタリアに続く地元イタリアでの勝利がうれしい

「雨が降ると気分がよくなる。バイクレースには理想的な日ではないけど、それが私たちの仕事であり、こうした条件でも走る。このステージはスプリントフィニッシュの可能性があるとマークしていて、計画通り望んでいた通りに終わった」とヴェンドラーメ。

「最後の登りを最初のグループで通過し、その後は賢くバイクを操ることが必要だった。残り300mで道が狭くなることを知っていたので、スプリントを予測した。冷静でいることが重要だった。これまであまり勝っていないが、ジロ・デ・イタリアで2ステージ、フランスで数レースを勝った。これはジロ・デ・イタリアを除く私の初めてのイタリアでのプロ勝利だ。私はチームに対して信念を貫き、役に立つことが示せた」(ヴェンドラーメ)

2025ティレーノ~アドリアティコ第3ステージを走るガンナ(右から2番目) ©Fabio Ferrari/LaPresse

区間勝利できなかったが、総合成績をねらっていきたい

「誰も手を貸してくれない長い1日だった。選手たちは厳しい天候条件を考慮し、できるだけ早くゴールに到達するために走った。マチュー・ファンデルプールとステージ勝利を目指して競り合いになり、自分のアクションを完結できなかったことに失望している。勝ちたかった。私のミスかもしれないが、早すぎたかもしれない。しかし調子はよく、それを確かめたかった。いいテストだった。これから数日間、日差しを期待している。ローレンス・デプルスと一緒に総合成績を狙うことも試みていく」(ガンナ)

首位を守ったガンナ ©Massimo Paolone/LaPresse

ティレーノ〜アドリアティコ日程
3月10日 第1ステージ リド・ディ・カマイオーレ 11.5km(個人タイムトライアル)
3月11日 第2ステージ カマイオーレ〜フォッローニカ 192km
3月12日 第3ステージ フォッローニカ〜コルフィオリート(フォリーニョ) 239km★★
3月13日 第4ステージ ノルチャ〜トラサッコ 190km★★★
3月14日 第5ステージ アスコリピチェノ〜ペルゴーラ 205km★
3月15日 第6ステージ カルトチェート〜フロンティニャーノ(ウッシータ) 163km★★★
3月16日 第7ステージ ポルト・ポテンザ・ピチェーナ〜サンベネデット・デル・トロント 147km
★は難易度
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ツール・ド・フランス初日でも採用されるチームタイムトライアル規定を解説

第83回パリ〜ニースは3月11日、シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニクール〜ヌヴェール間で第3ステージとして距離28.4kmのチームタイムトライアルが行われ、チームヴィスマ・リースアバイクのマッテオ・ジョーゲンソン(米国)が最後はチームの隊列から飛び出してトップタイムでゴール。同チームが第3ステージの優勝者となった。

パリ〜ニース第3ステージのチームタイムトライアルはヴィスマ・リースアバイクが優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

ジョーゲンソンは前年の覇者。チームに第3ステージの優勝をもたらすとともに、この日の自分自身のフィニッシュタイムを前日までの成績に加えて全選手の中で最も所要時間が少なかったことで総合1位に。マイヨジョーヌ・エ・ブランはスーダル・クイックステップのティム・メルリール(ベルギー)から同選手に移った。

チームエースのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)もジョーゲンソンのすぐ後ろ、タイム差なしでゴールし、自身の所要タイムの累計で総合2位に浮上した。首位ジョーゲンソンとのタイム差は6秒で、この6秒はジョーゲンソンが前日までに獲得したボータスタイムのもの。

パリ〜ニース第3ステージはチームタイムトライアル。国際レーシングサーキットをスタートした ©A.S.O. Billy Ceusters

新チームTTは先頭選手のゴールタイムで優劣…各選手の総合成績はそれぞれのゴールタイムを反映

チームタイムトライアルは1チームごとに全選手が一斉にスタートし、チームの4番目(大会の1チームあたりの出場選手数によって異なる)にフィニッシュラインを通過した選手の所要タイムでステージの着順が決められた。この4番目の選手と一緒にゴールしたチームメート全員がそのタイムを個人総合成績上で反映される。途中でチームの隊列から脱落した選手は各選手が実際に要した時間がそれぞれに反映された。

2023年のパリ〜ニースで新ルールのチームタイムトライアルが採用された。所属選手が一斉にスタートするのは同じだが、トップフィニッシュした選手の所要時間でステージ成績が決められる。つまりこのステージの優勝を狙う場合は、わずか1人だけでも最速タイムでゴールさせればいい。距離およそ25kmのコースで前半に長い距離を牽引する選手たち、中盤を担当する選手たちがいて、最後まで力を温存して独走になってから全力でゴールを目指す選手と分担作戦を練る。

一方、個人総合成績としては選手1人ひとりの所要時間を計算し、それを反映させることになった。これが大きな内容変更ポイントだ。総合優勝を狙う選手は独走で無駄に足を使いたくないので1番先にフィニッシュする役目を担うことはめったにない。それでも最後の最後まで1番手についていって可能な限りタイムロスせずにレースを終えたい。チームとしての戦略に影響する部分だ。

パリ〜ニース第3ステージのチームタイムトライアルを走るティム・メルリール(先頭から3人目) ©A.S.O. Billy Ceusters

どうしてチームタイムトライアルが新ルールになったか?

チームタイムトライアルの国際規定が一律変更されたのではなく、パリ〜ニースがレースを面白くするために導入したもの。面白ければ当然、主催者が同じツール・ド・フランスにも適用される。スペインのバルセルナで行われる2026年大会の第1ステージは距離19.7kmのチームタイムトライアルであり、この方式を採用することが決まっているようだ。

要はトラック種目のチームスプリントのように、1周目を先頭で走る選手、2周目を先頭で走る選手、そしてフィニッシュの計測ラインまで3周回を走る選手という役割分担が生じる。もちろん距離は25km前後と長距離になり、チームあたりの選手数も多くなるので戦略としては複雑となり、さらには全日程で争われる個人総合成績も絡んでくるのだから、このステージだけで見どころは満載。

パリ〜ニース第3ステージのチームタイムトライアル ©A.S.O. Billy Ceusters

優勝のヴィスマはアッフィニ発射台、カンペナールツ2段ロケット役

それではどうしてパリ〜ニースは新ルールを考えたのか? チームタイムトライアルはリタイア選手ができるだけ少ない大会序盤、ともすると初日に設定されるケースが多い。そしてこれまでは4番目の選手と一緒にゴールした選手全員に、個人総合成績の所要時間が割り振られるので、特定のチームが総合成績の上位を独占してしまうのだ。そして2位チームもまたずらりと続く。3位チームも。

パリ〜ニース第3ステージを制したヴィスマ・リースアバイクの作戦は、タイムトライアル欧州チャンピオンのエドアルド・アッフィニが前半に爆走。総合成績でどんなに遅れてもいいので、アッフィニはお役御免となって脱落する。中盤からは長い独走が得意なヴィクトル・カンペナールツがガンガン行った。ローテーションを多用して終盤までできるだけ多くの人数で走り、最後はトップタイムを目指してジョーゲンソンが最終ロケット。総合成績のためにヴィンゲゴーも行けるところまで一緒に行った。それが見事に的中した。

パリ〜ニース第3ステージのチームタイムトライアルはヴィスマ・リースアバイクが優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

第83回パリ〜ニース日程
3月9日 第1ステージ ル・ペレ・アンイヴリーヌ〜ル・ペレ・アンイヴリーヌ 156.1km
3月10日 第2ステージ モンテソン〜ベルガルド 183.9km
3月11日 第3ステージ シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニクール〜ヌヴェール 28.4km)チームタイムトライアル)
3月12日 第4ステージ ヴィシ〜ラ・ロジュ・デ・ガルド 163.4km
3月13日 第5ステージ サンジュスト・アンシュヴァレ〜ラ・コートサンタンドレ 203.3km
3月14日 第6ステージ サンジュスト・アンサンタルバン〜ベールレタン 209.8km
3月15日 第7ステージ ニース〜オロン 147.8km
3月16日 第8ステージ ニース〜ニース 119.9km
(クリックすると各ステージのレポートに飛びます)