新城幸也やトレンティンが鷹匠に挑戦…ツール・ド・フランスさいたまイベント

バーレーン・メリダの新城幸也や欧州チャンピオンであるマッテオ・トレンティンをはじめとしたミッチェルトン・スコット選手が、11月3日に城下町岩槻鷹狩り行列ミニイベントに参加。選手たちが放鷹術を体験することになった。

ヨーロッパチャンピオンのマッテオ・トレンティン(イタリア)を中央に、左が2位マチュー・ファンデルポール(オランダ)、右が3位ワウト・バンアールト(ベルギー)

11月4日(日)に開催する「J:COM presents 2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の大会前日に、新城とミッチェルトン・スコットのトレンティン、ロジャー・クルーゲ、カルロス・ベロナ、ルカ・メツゲッツが「第6回城下町岩槻鷹狩り行列〜クレセントモールミニイベント」に参加する。イベントでは、鷹匠による実演のもと選手たちが放鷹術体験を行う。会場は岩槻駅東口クレセントモールで、3日の10時から。

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井上亮がアタック一発で独走勝利…KINAN AACA CUP 2018 最終戦

キナンサイクリングがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は、10月27日に2018年シーズンの最終戦にあたる第11戦を実施。メインレースの1-1カテゴリーは、前半に形成された4選手による逃げグループが着々とリードを広げ、そのまま優勝争いへ。最終周回に入り、残り3kmを切ったタイミングでアタックを決めた井上亮(Magellan Systems Japan)が独走に持ち込んで優勝を決めた。

井上亮がアタック一発で独走勝利 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

今シーズンは悪天候による2度の中止があり、急きょ10月の追加開催が決定。新たにレース機会が設けられたことも幸いし、トップの1-1からビギナーでも参戦できる1-4カテゴリー、さらには個人TTと、多くのライダーがエントリー。東海地区のロードレースシーンのレベルアップを主目的としつつも、プロ・アマ、年齢・性別を問わずチャレンジできるレースが今回も繰り広げられた。

シリーズ主会場の長良川沿いのコースで実施されたレースに、キナンからは椿大志、塚本一樹、中西健児、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の7選手が出走。11月上旬に控える国際レース、ツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)を視野に調整段階にある国内プロチームからは、マトリックスパワータグも参戦。安原昌弘監督自ら“選手”としてレースに臨むなど、注目度の高い一戦となった。

前夜から降り続いた雨はスタート時に上がったものの、北からの風が強まり、周回前半が向かい風、後半は追い風というコースコンディション。それも関係してか、レース序盤は集団内での出入りが繰り返される状態。追い風を利用してスピードに乗せるも、向かい風区間で集団に戻されるなど、逃げ狙いの選手たちが悪戦苦闘する姿が目立つ。一時、椿を含む4選手がリードしたが、これも逃げグループ形成までは至らなかった。

その流れに変化が生まれたのは、6周回目。力のある4選手が集団から飛び出すと、後続との差を徐々に広げていく。リードする4人は、井上のほか、安原大貴(マトリックスパワータグ)、筧五郎(ロードレース男子部)、さらにキナンから中島。その差は最大で1分50秒近くにまで拡大した。

快調に飛ばす4人に対し、後続ではレース中盤に入って追走狙いの動きが散発。単独でのアタック、数人単位での追走グループ形成など、次々と選手たちが追撃を試みるがいずれも局面打開にはつながらない。

協調体制を保った先頭の4人は、後続とのタイム差を維持し、やがて逃げ切りが濃厚となる。十分なリードを持って残り1周を迎えると、最終周回の鐘と同時に安原がアタック。これを筧のみがチェックできず、優勝争いは3選手にゆだねられる。アタックを繰り返す安原に中島がすかさず対応。少し遅れて井上が追いつくといった構図。

そして、決定打は追い風となる周回後半に入った直後に訪れた。安原・中島が見合う隙を突いて井上がアタック。反応が遅れた2人を置き去りに、追い風を生かした井上がスピードに乗せる。プロ選手が多く参戦し、ハイレベルとなったレースを制したのは、最後の最後に独走に持ち込んだ井上だった。その後ろでは安原が中島を引き離し、井上を追い上げるも届かず。中島は3位、メイン集団から抜け出した選手たちによる追走は、ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が単独となり、最終的に4位でフィニッシュした。

優勝した井上は2018年の全日本選手権ロードレースで8位に入った実力者。普段はエンデューロなどで力を培っているといい、「これまで目立ったリザルトはなかったが、今回優勝できてうれしい」と笑顔。今後も実力派ホビーレーサーとして注目を集めそうだ。

中止分も含め、全11戦で争われた2018年のシリーズ総合成績では、中島が前節で年間1位を確定させていて、今回の3位で獲得した分も合わせてポイントを伸ばしている。年間総合表彰は、12月16日に開催されるサイクルエンデューロイベント「ヴェロフェスタ2018 in モリコロパーク」内で行われる。

そのほか、この日はキナンのサプライヤー企業のブースも複数出展。YONEXブースでは先ごろ発表されたエアロロードアイク「AEROFLIGHT」、MINOURAブースでは新作ハイブリッドローラー「FG542」といったニューモデルの展示が行われた。スポーツサプリメントの「ATHLETUNE」ブースではアイテム紹介のほか、各カテゴリーでの優勝の副賞出品などで協賛。

また、キナンの選手が講師を務める「レーススキルアップ講座」では、中西をメインに体幹トレーニングをテーマに実施。レベル向上を目指すサイクリスト以外にも、ファミリーでの参加など、誰もが気兼ねなく取り組むことのできるメニューを体験した。

アレハンドロ・バルベルデが2018最優秀自転車選手賞のベロドールを初受賞

スペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が2018年の自転車最優秀選手として「ベロドール」を初めて受賞した。38歳で世界選手権ロードを初めて制したのをはじめ、ツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャで積極果敢な走りを見せた。

アルカンシエルを着用したアレハンドロ・バルベルデ © Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto

ベロドール(Vélo d’Or)。ベロは自転車、オールは金という意味のフランス語で、直訳すれば「金の自転車」。サッカーの「バロンドール」がフランスのサッカー専門誌「フットボール」が企画した最優秀選手賞であることは知られているが、「ベロドール」は自転車専門誌「ベロマガジン」の企画。そしてこの両誌はフランスのメディアグループ「ASO」が発売元となる。

ASOはツール・ド・フランス主催組織であり、ブエルタ・ア・エスパーニャの運営にも参画する。そのためベロドール賞をツール・ド・フランス総合優勝者が受賞することが多いのだが、バルベルデに限ってはグランツールでの総合優勝争いから世界チャンピオンを目指す戦いまで常にキーとなる選手で居続け、だれも異論は唱えない。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージを走るバルベルデ © Luis Ángel Gómez

同賞は1992年に始まったが、それ以前にも同じような最優秀選手賞は存在した。「シュペールプレスティージュ・ペルノー」という名称で、1958年から1988年までシーズン最優秀選手を選出して表彰した。ペルノーはパスティス酒のメーカーで、スポーツイベントに酒造会社が協賛できなくなったことで同賞も消滅。その後はUCI(国際自転車競技連合)がロードレースW杯の総合優勝者を最優秀選手とした時代があり、現在のベロドールにいたる。また1958年をさかのぼればツール・ド・フランス創始者のアンリ・デグランジュの名前を冠した最優秀賞もあった。

アルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデ © LaPresse -GM D’Alberto

過去のベロドール受賞者
1992 ミゲール・インデュライン(スペイン)
1993 ミゲール・インデュライン(スペイン)②
1994 トニー・ロミンゲル(スイス)
1995 ローラン・ジャラベール(フランス)
1996 ヨハン・ムセウ(ベルギー)
1997 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)
1998 マルコ・パンターニ(イタリア)
2002 マリオ・チポッリーニ(イタリア)
2005 トム・ボーネン(ベルギー)
2006 パオロ・ベッティーニ(イタリア)
2007 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2008 アルベルト・コンタドール(スペイン)②
2009 アルベルト・コンタドール(スペイン)③
2010 ファビアン・カンチェラーラ(スイス)
2011 フィリップ・ジルベール(ベルギー)
2012 ブラッドリー・ウィギンス(英国)
2013 クリストファー・フルーム(英国)
2014 アルベルト・コンタドール(スペイン)④
2015 クリストファー・フルーム(英国)②
2016 ペテル・サガン(スロバキア)
2017 クリストファー・フルーム(英国)③
2018 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
1999、2000、2001、2003、2004受賞のランス・アームストロングは薬物使用のためはく奪。丸囲み数字は複数受賞数

アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)

プロジェクトKが新型カーボンロードフレーム、015PhantomDuoを発売

サイクルコミュニティーProject-K(千葉県市原市)は、新型カーボン製ロードフレーム、015 PhantomDuo(ファントム デュオ)の販売を開始する。

015PhantomDuo

015 PhantomDuo
素材 カーボンファイバー(T700)
重量 フレーム:1080g フォーク:390g
展開サイズ XS(390) S(460) M(490) L(520) XL(550)
BBサイズ BB86
内容品 フレーム+フォーク+シートピラー+交換エンドほかアクセサリー類
価格 16万円(税別)

フレーム+フォーク+シートピラー+交換エンドなどアクセサリー含めて16万円(税別)

前後エンドを交換すれば12mmスルーアクスルと従来のクイック方式が選択できる
ディスクブレーキとスルーアクスル過渡期の現在において多様な組み合わせができる

特徴
1:空気抵抗の軽減を目的としたエアロフレーム形状。前方からの空気の流れだけではなく、斜め前方からの空気の流れを考慮したフレーム形状を採用している
2:ディスクブレーキとキャリパーブレーキ(RはBB下ダイレクトマウント方式)を選んで組み立てることが可能
3:前後エンドを交換することにより12mmスルーアクスル(12X100 12X142)と 従来のクイック方式(9X100 10X135)の選択が可能。これにより、ディスクブレーキおよびスルーアクスル過渡期の現在において、多様な組み合わせでバイクを組み立てることが可能に
4:メカニカルシフト&Di2・EPSコンパチブル
5:カラー・デザインオーダー可(アップチャージあり、応相談)

●サイクルコミュニティーProject-K

015PhantomDuo

「生まれ故郷がゴール」バルデ、「リスクと可能性が共存」ラトゥールが2019コースを分析

フランスのAG2Rラモンディアルに所属するロマン・バルデとピエール・ラトゥールが2019ツール・ド・フランスのコース発表を受けて、それぞれの見解を発表した。

2018ツール・ド・フランス新人王のピエール・ラトゥール

●ピエール・ラトゥール
200km以上の長いステージが多く、難易度の高いステージもある。全般的に峠も多い。つなぎとなるステージも長距離で、なにが起こるか分からない。チャンスを失うリスクもあるし、夢をつかむ可能性もある。ファンにとっては興味深いコースになったが、毎日注意を怠らないで走らないとすべてを失ってしまいそうだ。

●ロマン・バルデ
とても美しいコースで、印刷物で地図を見る限りではとても難しい。そこそこの難易度の山岳が中程度の山岳ステージにあるけど、かなりトリッキーなのでどんな結果になるかは不確かだ。
イゾアール、ツールマレー、ガリビエ、イズランといった標高の高い神秘的な峠が集められた。有力選手の間であっという間にタイム差が開いていきそうな予感がする。
タイムトライアルはレースの早い段階に設定されていて、最終日前日に設定された前回のように総合成績を確定させるものではなくなった。

ロマン・バルデ

うれしいのはボクがいつも使っていた道をレースが通過すること。とりわけ生まれ故郷のブリウドにゴールするなんて、熱心なサイクリストが多いこのオーベルニュ地方の大きな喜びだ。2年前もそうだったけど、ボクの庭でレースをするんだからいいパーティーになりそうだ。

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アスタナが2018シーズンをフィニッシュ…33勝、表彰壇上に62回

アスタナチームが10月21日に開催されたツアー・オブ・広西の最終日をもって2018シーズンを終えた。シーズン通算で33勝。そして表彰台に合計62回登壇することになり、まずまずのシーズンとなった。

ツアー・オブ・オマーンではアレクセイ・ルツェンコが総合優勝 © Luca Bettini/BettiniPhoto

アスタナチームとしての優勝は30。アジア競技大会にカザフスタンのナショナルチームとして出場し、優勝したアレクセイ・ルツェンコらの3勝を加える。

最も輝かしい優勝は7月のツール・ド・フランス。第14ステージをオマル・フライレ(スペイン)が、第15ステージをマグヌス・ニールセン(デンマーク)が連勝したこと。ツール・ド・ロマンディではヤコブ・フルサング(デンマーク)とフライレがステージ優勝した。またコロンビアのミゲルアンヘル・ロペスがジロ・デ・イタリアで総合3位、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位と躍進した。

UCIワールドツアーではチームランキング6位。またUCIアジアツアーランキングでもカザフスタンの1位を後押しした。