EFエデュケーションファースト・ドラパックpowered byキャノンデール。2017年はキャノンデール・ドラパックというチーム名で活躍していた米国チーム。リゴベルト・ウラン(コロンビア)らの主力選手をそのままに、2018年は新スポンサーを獲得してシーズンインした。昨シーズン後半はチーム運営上の財政難から一時はクラウドファンディングにより一般から資金を募ったが、無事にメインのスポンサーが決まったというわけだ。
左からダグ・エリス(共同創業者)、リゴベルト・ウラン、エディ・ハルト(EF北米CEO)、セプ・バンマルク、ジョナサン・ボーターズ(共同創業者)
ところでこの「EFエデュケーションファースト・ドラパックpowered byキャノンデール」という長いチーム名。どんな企業が名乗りを挙げたのだろうか?
EF Education First(以下EF)は留学・語学教育事業を展開する世界最大規模の私立教育機関で、日本法人イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンもある。ドラパックは投資会社。キャノンデールは米国の自転車ブランドだ。チームを実際に運営するのは元プロロード選手だったジョナサン・ボーターズが持つスリップストリームという会社。これが母体となって新スポンサーを獲得し、チーム名にしたという流れである。
旧キャノンデール・ドラパックは、2017年8月に来季のチーム存続が困難であることを表明。その後、「#SaveArgyle」を合言葉にクラウドファンディングを実施し、56万米ドルを超える一般サポーターの支援を集めていたが、チームのミッションとEFが掲げるミッションが共通であるとの判断から、2017年9月にEFが2018年から数年間の契約でタイトルスポンサーになることを発表した。
1965年にスウェーデンで創業されたEFは、世界53カ国、500カ所を超える直営語学学校と事業拠点をベースに語学留学・語学学習支援事業を展開するほか、ボーディングスクールやMBAスクールを有する私立教育機関。50年以上にわたる教育支援分野のノウハウを生かし、ネパールでの教育復興支援事業やさまざまな教育機関、官公庁、自治体、企業に対するグローバル教育、人材育成、語学トレーニング支援事業、さらには「教育によって世界をひらく」というミッションのもと世界に挑戦するアスリートへの支援も行っている。
今回のチームへのスポンサー契約締結について、EFでは以下を主な理由として説明している。
They’re international. (国際色豊かなチームであること)
They’re globetrotter. (チームは世界中を旅するグローブトロッターであること)
They’re starts. (勝者だけではなくチーム全員がスターであること)
They’re loved. (世界中のファンに愛されるチームであること)
They’re good company. (可能性を信じて最良を目指す良き会社、スポンサー企業に支えられていること)
また、EFエデュケーション・ファースト北米地域CEOのエドワード・ハルトは「サイクリングがさまざまなバックグラウンドを持つ人々を平和的に結び付けている事実は、”教育を通じて世界を広げ、文化的多様性が人々を結びつける“というEFの信念と深く共鳴します。また、#SaveArgyleキャンペーンを通じてチームが世界中のファンに支えられていることを知り、これほど人々に愛されているチームをサポートできることは大変名誉なこと」 とコメントした。
チームの所属選手は25人。ウランをはじめ、フランスのピエール・ローラン、ベルギーのセプ・バンマルクらが所属する。ツール・ド・フランスをはじめとした主要レースの出場権を持っていることから、2018年も注目すべきチームだ。
イー・エフ・エデュケーション・ファースト
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