【ヒマラヤ未踏峰に挑む】Episode 4/スリリングな悪路を走行してアンナプルナ拠点へ

日本山岳会学生部プンギ遠征隊は活動6日目の9月11日、「キャラバン」と呼ばれる陸路移動の2日目。初日は首都カトマンズから大型バスを使ってベシサハールまで移動したが、ここからコトまでジープ3台で6時間ほどかかる旅となった。

ベシサハールからコトまではこんな道が続く

崖際の未舗装路を6時間かけてアンナプルナ直近のコトへ

キャラバン2日目。距離自体はカトマンズ〜ベシサハール間の方が長いですが、そこから先は道がかなりの悪路で舗装はもちろんされていません。部分的に道が細くなり崖ギリギリを走るなんてシーンもありました。

ベシサハールのホテルからジープまで大量の荷物を運ぶ
3台のジープに隊員5人と荷物を分乗して出発
編集部がGoogle上でキャラバンを含めた移動ルートを作成

運転手がなぜかそれなりに広い道でも崖側を走るので意味が分からなかったです。ただ日本では見られない規模の大渓谷を横目にジープで走るのはすごく楽しく、あっと言う間でした。また走れば走るほど、街より「村」という言葉が相応しい景色へと変わりました。

100mを超える大滝。わりと頻繁にこの規模の滝があり、全て未登
道路の横に滝が流れてる箇所も

この先は電波がなくなる可能性も…エピソードは続けられるか?

到着したコトはネパールに来て一番快適な村です。アンナプルナサーキットがありそれなりにトレッキング客が多いからか電波の繋がりもよく、フリーWIFIまで完備されていました。また部屋も小さなロッジで、ほのかに木の香りがします。なによりシーツや部屋のなかの全てに清潔感があります。気温も2600mあるため寒冷で、朝方は冷え込みますがとても過ごしやすいです。この村で1日停滞して順化を図りつつ休憩します。

コトの村
牛や馬、鶏もいるがやっぱり野良犬がいる

遠征7日目の9月12日は停滞日で、朝から3000mまで散歩に行く予定でしたが、朝から雨が降っているためお昼まで延期になりました。この後晴れたら行ってきます。

コトの宿。右の青い建物3棟で、2人・2人・1人で泊まる
部屋の中は清潔で快適

コトを過ぎると通信のための電波がなくなることが想定されます。

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中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

【ヒマラヤ未踏峰に挑む】Episode 3/エアコン壊れたバスで10時間…砂埃と排気ガスで窓も開けられず

日本山岳会学生部プンギ遠征隊は活動5日目の9月10日、空路を使って到着したネパールの首都カトマンズからいよいよヒマラヤ山脈に向かって「キャラバン」と呼ぶ陸路移動を開始。初日は大型バスを使った移動だが、ツラい10時間の旅となった。

キャラバンday1、僕らのバス


カトマンズからベシサハール(標高823m)へ

キャラバンday1はバス。エージェントから8人、僕ら5人の13人が乗り込んだ。エアコンは壊れており扇風機だけ。窓を開けたいけど砂埃と排気ガスがひどくて開けられないです。

カトマンズからベシサハールまでは本来7時間ほどですが、渋滞もあり10時間でした。舗装されてはいるもののガタガタしており、暑さもあって辛かったです。

バス移動中のお昼休憩

またこちらの大型自動車はなぜかクラクションの音が「パラリラパラリラ」と昔の暴走族のような音になってます。それが10分に一回は周りから流れてくるのでうるさいです。

梱包された荷物
カトマンズからベシサハール(標高823m)へ。距離は178kmほどだが、環境が整備されていなく厳しい移動となった

今日はゆっくり休んで明日に備えようと思います。明日からは移動車両がジープ3台となり、標高2610mのコトを目指します。

ベシサハールに到着

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【ヒマラヤ未踏峰に挑む】Episode 2/カトマンズで値切ったり、ATMで焦ったり

日本山岳会学生部プンギ遠征隊は2024年9月5日、羽田空港を出発してネパールのカトマンズへ。到着翌日からの3日間は手続きと準備に追われます。

エージェント会社の屋上でパッキング
エージェント会社の屋上でパッキング
パッキング完了。キャラバン準備終了

ボダナートで転生6回目の僧侶に祈祷してもらうという不思議

ずっとキャラバン(大量の物資を登山の拠点まで運ぶこと)に向けた食料や装備の買い出しをして、それをパッキング。また、日本に向けて手紙を書き、それを送付することなどをやっていました。

タメル地区

カトマンズにある、高さ約36mのネパール最大のチベット仏教の巨大仏塔、ボダナートで祈祷をしてもらいました。この日の僧侶は転生6回目だそうです。ダライラマは14回らしいです。なんか不思議でした。

ボダナートでプジャ(祈祷)

カトマンズの中心地にあるタメル地区は基本的に、ヘンプ製品屋、偽山道具屋、レストラン、呪具屋、変な楽器と玉売りで構成されています。

タメル地区
路地には野良犬が

販売されるものはまず金額が決まってないので、「いくらか」を聞きます。基本的に高く言われるので何度か値切るといいです。相場を知るために複数店舗を回ることも重要です。実際にポストカードを買おうとしたら、前の店では1枚10ルピーだったのに、100ルピーを求められたことがあります。「高い!」と言って店を出ました。

移動はタクシー&バイク

またATMも厄介です。基本的にクレカを入れて引き出すのですが、町中にあるATMではそれぞれ手数料と最大引き出し金額が違います。手数料は500〜700ルピーの間で、最大引き出し金額は5000〜40000ルピーまで幅があります。できるだけ安い手数料で多くのお金を引き出すために、街中のATMにクレカを差し込む必要があるのです。

タメル地区

これが結構面倒です。またATM自体怪しく古いので、カードがちゃんと戻ってくるのか毎回ビクビクしてます。メーカーによっては、キャンセルボタンを押してから5分以上画面がフリーズして、ようやくカードが出てくるなんてこともあります。最初は知らなくて焦りました。

これが恐怖のATM
エージェント会社の屋上にて

明日からいよいよキャラバン出発です。カトマンズを離れます。

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中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

【ヒマラヤ未踏峰に挑む】Episode 1/カトマンズでまずは手続きと準備

日本山岳会学生部プンギ遠征隊が2024年9月5日、羽田空港を出発してネパールのカトマンズへ。プンギは標高6524mの未踏峰で、いまだその頂に立った人間はいない。いよいよ活動開始した5人の隊員からの現地情報を随時掲載。

カトマンズのタメル地区
9月5日に羽田空港を出発

一つひとつは汚いが俯瞰して見ることが大切!?

初日はSIMの購入と円→ルピーの両替、ネパール観光局へ登山許可を取りに行って、その後エージェント会社への顔出しとお金を払いに行きました。

機内食はスパイシーなカレー。おかわりはできませんでした
ヒマラヤのゲートウェイとなるカトマンズに到着
ネパールの首都カトマンズにて

初日の感想としては、かなりごちゃごちゃした国だなって印象です。そこらへんに野良犬はいますし、道も綺麗に舗装はされてません。信号機すらなくてクラクションが鳴り響いてます。

タメル地区は宿や登山用品店などがたくさんある
スマホショップでまずは通信のためのSIM購入

ただ混沌とした中に不思議と美しさを感じます。街並みは壁の色がバラバラですが、そこに味があって、交通も阿吽の呼吸で譲り譲られをやってます。日本のように映えさせようと意図しては作れない不思議な統一感と美しさを持ったのがネパールだと思います。

一つひとつは汚いんですけど、俯瞰して見ると綺麗です。

ネパール観光局へ
トレッキング会社で打ち合わせ
トレッキング会社に払ったお金。円とドルとルピー

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【連載第5弾】ヒマラヤ未踏峰プンギ出発直前!隊員の近況報告と意気込み

ナマステ。PHUNGI遠征隊の芦沢太陽です。

夏の暑さも峠を越え、いよいよ出発の時が来ました。

ヒマラヤの未踏の頂に挑戦するという夢を抱いて大学山岳部の門を叩き、さまざまな山々を登って経験を重ねてきました。

夢はいつしか現実的な目標へと変わり、数々の訓練や試練を乗り越え、この瞬間を迎えることができるのは、自分自身の努力と応援していただいている方々のおかげです。

立教大学で団体装備の確認

自然の偉大さを再確認したい。感謝の気持ちを胸に

標高が上がるにつれて、厳しい環境が待ち受けていることは承知していますが、それでもなお挑戦する魅力がヒマラヤにはあります。この登山は、山岳部で培った経験と技術、自然の偉大さを再確認する最高の機会です。困難があっても、私たちは互いに励まし合い、無事に山頂に立つことを目標にしています。ここまで支えてくれた方々への感謝の気持ちを胸に、一歩一歩確実に前進していきます。

冒頭で意気込みを語らせていただきましたが、今回は出発前としては連載最後ということで隊員の近況報告をしていこうと思います!

プンギ遠征隊メンバー近況報告

井之上巧磨(総隊長・青山学院大学体育会山岳部4年)

夏の間は吉田ルートにて富士山ガイドのお仕事をずっとしていました。多くのツアーをガイドさせていただき、お客さんの挑戦をサポートしながら、自分自身も成長させていただきました。また週3、4ほどで富士山に登っていたため、3700mまでの順応も済み、コンディションは凄くいいです。いよいよ僕の長年の夢であり目標であった海外遠征が始まります。気合いを入れて頑張ります!

吉田ルート富士山ガイド中の井之上巧磨

●山梨県 富士山 吉田口八合目・太子舘のホームページ

尾高涼也(登攀隊長・東京大学運動会スキー山岳部4年)

夏の間はのんびり富士山で働き、合間でお鉢を走ったりしてトレーニングをしていました。

とりあえず、初めての遠征、楽しんで登って来たいと思います!

吉田ルートで富士山ガイド中の尾高涼哉

●山梨県 富士山 吉田口八合目・太子舘のホームページ

中沢将大(装備・立教大学体育会山岳部4年)

私は富士山頂上小屋で7月から8月にかけて、合計で4週間ほどアルバイトをしていました。

小屋の社長に1日のうち1時間、トレーニング時間を特別に設けてもらい、毎日のようにお鉢を走ったり、8号目まで下りて登り返したり、坂ダッシュしたりと、高所で動ける体を作ることができました。

朝は早く、大変なこともありますが、小屋にいると、富士山ガイドをしている井上と尾高がお店にお客さんを連れて来てくれることも多々あり、なんだか楽しく最後まで働くことができました。

山小屋勤務での休憩時間に見事な影富士と中沢将大

●富士山頂・山口屋のホームページ

横道文哉(渉外、会計・立教大学体育会山岳部4年)

8月の頭に無事、第一志望から内定を得ることができ、心置きなく遠征に集中することができるようになりました。内定後すぐに、北アルプス槍ヶ岳近くの殺生ヒュッテにて10日間ほどアルバイトをし、富士山勢には及びませんが、2800mでの順応もできました。

ここで未踏峰プンギにしっかりと立ち向かえる下地の最終調整ができたと思います。ここまで来られたご縁を大事に次の世代に続くような遠征ができるように全力で頑張りたいと思います!

殺生ヒュッテで勤務中の横道文哉(右)

●殺生ヒュッテ(中房温泉)のホームページ

芦沢太陽(保険、会計・中央大学学友会体育連盟山岳部3年)

この夏は都内の古書店でアルバイトをするかたわら、時間を見つけて富士山に登って高所順応をしたり、所属している山岳部の夏合宿で剱岳の登攀をしていました。

先日、出発前最後のアルバイトを終え、今は装備品の最終調整をしています。ネパールの街やヒマラヤの氷河など、実際のフィールドを想像しながらの準備は難しくも面白いです。

次につながる遠征にできるように、自分の体で体験する多くのことを日本に持ち帰ってきます。

高所順応のために登った富士山山頂での芦沢太陽

おわりに

出発が間近に迫り、気の引き締まる思いで準備を進めています。
帰国後はPRESSPORTSでの連載はもちろん、各地での報告会の開催や映像コンテンツの制作なども予定しています。
未踏峰PHUNGI(6524m)の初登頂を目指して、安全に最大限配慮しつつ隊員一同、精一杯頑張ります!応援よろしくお願いします!

隊員名簿

芦沢太陽 (あしざわたいよう)
役職:会計(保険、国内)
所属:中央大学山岳部(部内学年3年 主将)
実績:前穂北尾根(11月)、常念山脈蝶ヶ岳-燕岳(3月)、爺ヶ岳南尾根

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【連載第4弾】ヒマラヤ未踏峰プンギ遠征までの陰の道のり

記事の連載が就職活動のピークもあり、滞っていて申し訳ありません。どうも、未踏峰遠征隊で渉外・会計・記録を務めております、横道文哉です。基本的には隊員全員に仕事を分配して作業をしていますが、ネパールのトレッキング会社への交渉や航空券の手配、VISAや予算案の作成など、渡航にあたっての主要な手続きは主体となって行っております。私は幸運ながらも機会に恵まれ、今回の遠征は2回目となりますが、1回目の遠征の手続き業務は目立った情報もなく手探りの状況であったため、難航した記憶があります(笑)。そこで、今回はこれから未踏峰遠征に限らず、ネパールに海外遠征を企画しようとしている人たちも参考になるような、ヒマラヤ遠征の手続きのあれこれについて、紹介したいと思います。

目指すのは未踏峰プンギ

予算案の作成。物価は実際どうなのか

ヒマラヤ遠征にはお金がかかります。しかし、どこで節約できるのか、相場を知っておくと無駄な支出を抑えられるので2024年の大まかなネパールの物価について紹介したいと思います。

宿泊費(カドマンズ):衛生面を無視できるのであれば、一泊500npr程度、約500円前後でドミトリーなどで過ごすことができます。しかし、そこから遠征に向かう場合、体調不良などは避けたいと思う人がほとんどだと思うので、AgodaやBooking.comなどを参照してもらえるとわかるのですが、タメル地区で1500円~2500円程度で綺麗な部屋に泊まれるので、そちらをお勧めします。

1泊1人500円のドミトリー

食費(カトマンズ): とても安い!!という訳でもなく、外国人宿街のタメル地区であれば500npr前後した覚えがあります。いかに日本が安くておいしいかというのを思い知らされました。ネパール料理も向き不向きはあると思いますが、ダルバートやチョウメンなど日本人の舌に合いやすい食事も多く、首都であるという点において、ピザやケバフなどさまざまなレストランがある印象が強かったです。朝食は無難にホテルで済ませるのが得策だと思います。

カトマンズの食事はとても安い!というわけでもない

宿泊費(トレッキング):ツインルームで500~2000npr、エベレスト街道は高くなる傾向もあるのでもう少し予算を多めに取ることを推奨します。

食費(トレッキング):泊まるロッジにもよるが、朝食200nprから、昼食、夕食はおおよそ500nprでお腹いっぱいにダルバートが食べられたりする。以下の画像を参照されたい。

ロールワリンでのロッジの価格表

交渉はここから! トレッキング会社編

ネパールにおけるヒマラヤ遠征において、登山手続きや特定地域入域許可取得手続き、BCや頂上まで案内してくれるガイド・スタッフの手配(給料、保険、ヘリ保険、装備)は必須である。昨年、ガイドからネパールにおける無許可登山による外国人遭難者の増加により、BCまでのガイドの同伴が義務になったような話を聞くと、諸手続きをアレンジしてくれるトレッキング会社との契約は避けられないと考えてもいいだろう。

ネパールにおいて登山産業は大きな財源でもあり、富裕層の商業登山も増えた影響で行く山によってその価格は変わるものの、予算の大半はこのトレッキング会社への費用になることが多い。 日本では基本的にモノの値段が決まっていることが多いが、海外では値引き文化が強く根付いている。そのため、言われた金額を2つ返事で返してしまうと、相当な金額を損する場合があるので、トレッキング会社と契約をする際に高額な金額を提示された場合には、予算に応じて値引き交渉をすることを勧める。

タメル地区でトレッキング会社に電話

基本的に全ての行程を至れり尽くせりな環境で行えるパッケージプランを最初に提示されることが多いだろう。予算に余裕があり、残金を計算しながらトレッキングをしたくない人にはお勧めのプランである。まだ学生であるからか、私は少々割高な印象を持つことが多い。そのため、トレッキングにおける宿泊費と食費を全て自分たちで払う場合の方が大幅な減額を望めるので、まずにそのような交渉をするのがいいと考える。ただ交渉において、過度な値引きは禁物である。トレッキング会社と良好な関係も登頂成功率に関わってくるのは言わずもがな。交渉学における相手のBATNAを見極めることも重要であるが、サービスが雑になる可能性があるため、値引きはほどほどにするべきだろう。以下に交渉テクニックをいくつか抜粋して紹介する。

0.パッケージプランではなく、カトマンズやトレッキング中に発生する宿泊費、食費を自己負担にしたいことを伝える。

1.先に強気な値段を提示する。(序盤に提示した双方の金額の中間あたりで落ち着くことが多い。)

2.同時並行で進めている他社の見積もりを引け合いに出して、より安い金額を求める。

3. 他の遠征隊を紹介する。

4. トレッキング費用に出せる金額を伝える(うまく行かない場合の最後の一押しの値引き)。

トレッキング会社の選定は山岳会や所属団体のOBOGからの紹介や他登山隊の報告書から選ぶといいだろう。

航空券、実は穴場なあの航空会社

日本からネパールへの直行便の数は少なく(ネパール航空など)、高額になる傾向がある。そのため、サービスもよく意外と安い、キャセイパシフィック航空とシンガポール航空を紹介したい。

キャセイパシフィック航空は香港の航空会社であり、香港乗り換えで首都カトマンズに向かうことができる。優良航空会社の1つであり、サービスもよく選択肢の1つに組み込むべきであろう。

キャセイパシフィック航空の機内食。香港→カトマンズの食事だからか少し辛かった

シンガポール航空は毎年の航空会社格付においてANAやJALを差し引いて上位に位置する航空会社であり、エコノミークラスであっても席がふかふかであったり、食事が美味しいなど、サービスがトップクラスな航空会社であることがうかがえる。なによりも衝撃なのが、その価格がキャセイパシフィック航空と同様に他の航空会社よりも安価にあることである。さらに、学生登山隊にぜひ紹介したい学割制度がシンガポール航空にあり、今回のプンギ遠征隊は平均往復10万円という価格で航空券を購入することに成功している。学割制度は航空券が2割引きで購入することができ、預け荷物も40kgまで上限が高いことも魅力の一つである。さらに1回限りになるが、片道の航空券の変更手数料が無料という、遠征期間が変動する可能性にある登山隊にとってはとてもうれしい特典がある(注意点として航空券の差額は払わないといけない)。

コロナ禍も明け、海外渡航が簡単になったからこそヒマラヤ遠征を目標にしている大学山岳部は多いと考える。しかし、影に隠れがちな手続きのノウハウ不足は学生にとって困難な壁の一つでもあると考える。そこで、この記事を通して社会人登山隊ももちろんであるが大学山岳部の遠征手続きの助けになればうれしい限りである。

隊員名簿

横道文哉(よこみちふみや)
役職:渉外(輸送)、会計(海外)、記録(メイン)
所属:立教大学体育会山岳部(部内学年4年 副将)
実績:槍ヶ岳西稜(無雪)、屏風岩雲稜ルート(無雪)、槍ヶ岳中崎尾根(12月)、      
Ramadung Peak(5925m) 5555m敗退、裏同心ルンゼ(1月)

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