過去100年のベストアスリートにS・ウィリアムズとアリ…羽生結弦が6位

国際スポーツプレス協会(AIPS)が1924年から2024年までの100年間におけるベストアスリートを投票により決定し、発表した。パリのユネスコ本部で行われたAIPS100周年記念式典で発表された画期的な表彰で、パリ五輪の真っただ中に、米国のテニス界のレジェンド、セリーナ・ウィリアムズと米国のボクサー、モハメド・アリが今世紀最高のアスリートとして表彰された。

テニスのセレーナ・ウィリアムズ(左)とボクシングのモハメド・アリ

この名誉ある栄誉は、2024年7月2日から26日までAIPS Mediaのウェブサイト(www.aipsmedia.com)で開催された広範なオンライン投票によるもの。投票には世界137カ国から913人のスポーツジャーナリストが参加した。このイニシアチブは、AIPSが1924年から2024年までの100周年を祝うにあたり、アスリートが前世紀に世界のスポーツ文化に与えた深い影響を祝うもの。

TOP 10 FEMALE ATHLETES OF THE CENTURY:

1. Serena Williams (USA), Tennis
2. Nadia Comăneci (Romania), Gymnastics
3. Simone Biles (USA), Gymnastics
4. Nawal El Moutawakel (Morocco), Athletics
5. Steffi Graf (Germany), Tennis
6. Yelena Isinbayeva (Russia), Gymnastics
7. Marta Vieira Da Silva (Brazil), Football
8. Tirunesh Dibaba (Ethiopia), Athletics
9. Fanny Blankers-Koen (The Netherlands), Athletics
10. Margaret Abbott (USA), Golf

TOP 10 MALE ATHLETES OF THE CENTURY:

1. Muhammad Ali (USA), Boxing
2. Usain Bolt (Jamaica), Athletics
3. Michael Jordan (USA), Basketball
4. Edson Arantes do “Pelé” Nascimento (Brazil), Football
5. Roger Federer (Switzerland), Tennis
6. Yuzuru Hanyu (Japan), Figure Skating
7. Michael Phelps (USA), Swimming
8. Diego Maradona (Argentina), Football
9. Franz Beckenbauer (Germany), Football
10. Zinedine Zidane (France), Football

●国際スポーツプレス協会の詳細ページ

東京2025世界陸上の競技日程決定…男女35km競歩で開幕し最後は男子4×100m リレー

2025年9月13日から21日まで開催される東京2025世界陸上競技選手権大会の競技日程が、7月31日(日本時間8月1日)に、フランスのパリで開催されたワールドアスレティックス(WA、世界陸連)のカウンシル会議で決まった。

世界陸上の競技日程(クリックすると拡大します)

9日間の大会では、第1日(9月13日)の朝8時にスタートする女子35km競歩・男子35km競歩 (同時スタートで実施)で幕を開け、最終日となる第9日(9月21日)の最後を男子4×100mリレー決勝で締めくくる。49種目(女子24種目、男子24種目、男女混合1種目)の競技が実施される。

世界陸上の競技日程(クリックすると拡大します)

●東京2025世界陸上のホームページ

【連載第2弾】ヒマラヤの未踏峰プンギに挑む国内トレーニング

みなさん、こんにちは。初めまして、未踏峰遠征隊の尾高涼哉です。今回は、これまで、国内で行ってきたトレーニングを紹介したいと思います! 前回の記事もぜひご覧ください!

素早いロープ扱い、チームワーク、対応能力が求められる

今回目指す未踏峰であるプンギでは、おそらく、ほぼ確実に、高さ数百mの垂壁は出てきません。その点では、山頂にたどり着くには、高度なクライミング能力よりも、高所でラッセルを行う体力や、雪稜通過技術の方が求められる可能性が高いでしょう。

しかし、一方で、かなり傾斜の強い、氷化した雪面や、稜線上で露出した岩頭など、ロープを使うシチュエーションはいくつか考えられます。そうしたことを踏まえると、ロープの扱いに習熟し、それを使いながら素早く行動できることは非常に重要で、ほぼ必須条件と言えます。また、チームワークの強化や、2カ月一緒に遠征してもストレスが溜まらないように、メンバー同士が「仲良く」なるという点から、可能な限り、日数を増やして一緒に山にいるようにしました。

2023年秋は山でのクライミングに焦点を合わせ、数回のトレーニング山行を行い、冬には、劔などある程度スケールがあって体力が求められる山や、登攀能力が求められる山へ行き、自分たちの対応能力の幅を広げることに注力しました。

北岳バットレス 第四尾根(2023/9/30-10/1, メンバー:尾高, 井之上)
瑞牆 山河微笑(2023/10/2, メンバー:尾高, 井之上)
錫杖 注文の多い料理店, 見張り塔からずっと(2023/10/12, メンバー:尾高, 井之上,中沢)
屏風岩 雲稜ルート(2023/10/16-17, メンバー:尾高, 井之上, 横道)
八ヶ岳 定着合宿(2024/1/5-9, メンバー: 尾高, 井之上, 中沢, 横道, 芦沢)
         中山尾根(井之上,尾高)
         阿弥陀北稜(横道,芦沢,青山)
         大同心大滝(井之上, 尾高)
         赤岳主稜(横道,芦沢,青山)
         南沢大滝(尾高,井之上,沼田)
         赤岳主稜(横道,青山)
         裏同心ルンゼ・小同心クラック(芦沢,沼田)
         阿弥陀北西稜(井之上,尾高)
         南沢小滝(横道,芦沢)
蓮華岳 東尾根(2024/2/2-3,メンバー: 尾高, 井之上,中沢,横道)
層雲峡 銀河の滝(2024/2/9,メンバー: 尾高, 井之上)
剱岳 早月尾根(2024/2/13-17, メンバー: 井之上,尾高,中沢,芦沢,横道)
旭岳東稜(2024/2/27-28, メンバー: 井之上,尾高,中沢)

以下、山行をピックアップして紹介します!

錫杖岳(注文の多い料理店、見張り塔からずっと)

2023/10/12-13
メンバー: 尾高、井之上、中沢(注文のみ)

注文の多い料理店は現代的で快適なクライミング。スムーズに登ることができた。見張り塔はピッチ数が多く、核心の5.9のピッチは濡れていたが、問題なく完登。

屏風岩雲稜ルート

2023/10/16-17
メンバー: 尾高、井之上、横道

核心は朝イチの極寒渡渉(靴を脱いで裸足で川を渡る)。10月半ばと時期が遅かったため水温が低く、叫びながら渡渉した。1日目は4ピッチ(1ピッチは大体50mほど)ロープを延ばし、T4テラスにて幕営。リード(一番最初に登る人)は空荷でセカンド以降は荷物を担いで登った。井之上は3人分の幕営具が入ったザック(30kgぐらい)を担いでユマーリングした。T4テラスは蝶ヶ岳などの山並みが見渡せる上、貸切であったためとても快適。

本格的な登攀は2日目から。夜間に降雨があったため、壁が乾くのを待ってから出発。それぞれ担当したピッチを安定した登りで登り切った。5P目終了点より懸垂下降(ロープを使った下降方法)で帰る。しかし、下山が遅れていたため、上高地に着いたのは20時半頃。とっくにバスもタクシーもない。仕方ないので、車を停めていた沢渡まで歩く。沢渡に着いたのは23時前。松本でラーメンを食べて帰った。

八ヶ岳

2024/1/5-9

行くメンバーもルートも入山日もバラバラで、各自登りたいルートを登った。

大同心大滝

2024/1/5
メンバー: 尾高、井之上

裏同心ルンゼを登るつもりで適当なトレースを辿っていくと、デカい氷瀑の基部へ着く。早速登り始めるが、普通に悪い。上部はほぼバーティカルであった。2人で交代しながらなんとかトップアウト。氷瀑から滴る水で全身ずぶ濡れになった上に、それがカチカチに凍り、まるで氷の鎧を纏っているようだった。結局、下山後に調べたところ、裏同心大滝だと思っていた氷瀑は、大同心大滝だった。

阿弥陀北西稜

2024/1/9
メンバー: 尾高、井之上

トポの図が分かりづらく、アプローチにやや手こずる。適当な沢から尾根へと上がり、簡単な岩稜を進むと1ピッチ目へ。核心は3ピッチ目だと思っていたが、1ピッチ、50mいっぱいロープを延ばすと、核心下へたどり着いてしまう。目論見とは違い、井之上が核心を担当することとなった。残念なような、少しホッとするような。

ビレイをセットし、やや緊張した面持ちで井之上が登り始める。私は井之上が登り終えるまでは、しばらくビレイをしながら待機だ。

北西面を登っているので、もう昼前に近いのに、全く陽が当たらない。標高3000m近い稜線で風も相当強いので猛烈に寒い。ビレイジャケットのフードを被り、口を覆ってなんとか耐える。正月の穂高で指先が軽い凍傷になったことを思い出し、まだ少し違和感の残る指先を絶えず動かして血流を送る。ただ、そんな状況でも、空は快晴、陽に照らされた赤岳の壮麗な姿が見える。綺麗だなと思う。

そんなこんなで、井之上が登り始めて数十分経っただろうか、ロープが全く出なくなった。いろいろ試してみてはいるが、なかなか難しいようだ。やがて選手交代のコール。井之上がいったん降りて、クライマーを私に交代する。正直、途中から若干覚悟しており、このままいたら、寒さで気が狂いそうだったので、むしろありがたかった。

ビレイジャケットを脱いで、登り始める。寒さで震えるが、壁を登っているといい具合に温まってくる。全身の感覚が研ぎ澄まされるような、鋭い冬の寒さは嫌いではない。

やがて、井之上が止まったセクションへ。ここはサイドホールドを使ったバランシーなムーブでなんとか突破。そこから先、左上するラインはホールドがなくて悪そう。どうにも行き詰まってしまったのでテンション。ムーブを探る。結局右上ラインに活路を求める。適当に雪をほじくってみたところ、アックスの先端が引っかかりそうなエッジを発見! そこから右側に繋げればなんとか行けそうだ。プロテクションも安定しているので思い切ってエッジにアックスでフッキングする。そして、アックス先端の刃の角度をずらさないようにして、凍った草付きへアックスを叩き込む。止まった。先端しか刺さっていないので、抜けそうで怖いが、信じて、体重をかける。抜けない、しっかり効いている。もう片方のアックスも草付きへ決めて、体を持ち上げてトップアウト。そして終了点へ。久方ぶりの陽光に照らされる。井之上も無事フォローで登ってきて、簡単なコンテで山頂へ。少し山頂で行動食を取り、下降した。

早月尾根

2024/2/13-17
メンバー: 井之上、尾高、中沢、横道、芦沢

メンバー全員が揃う数少ない山行。ルートのスケールもプンギに近く、本番のタクティクスなどを確認するため、冬の剱岳早月尾根へ向かった。

1日目
冬の剱岳は、まず長い林道から始まる。当然他の入山者などいるはずもないので、林道からひたすらラッセル。10kmほど林道を歩き、登山口の馬場島に到着。この日は、少し上がって松尾平で幕営した。

2日目
この日はひたすらラッセル。標高2000m付近で3時間程度かけて雪洞を掘り、翌日の降雨に備える。

3日目
雨。雪洞内で1日過ごす。

4日目
早月小屋まで上がり、AC(アタックキャンプ)を設営。井之上、中沢、芦沢は偵察兼ルート工作へ。

5日目
いよいよ山頂へ向け、アタック。よく締まった雪を順調に進んでいく。途中2回ほどロープを出し、無事山頂へ立った。下降は早く、その日の夜に車を停めてある伊折ゲートへ下山。

剱岳に登る。写真中央部に2人が登ってるのが見える
2月の早月尾根合宿にて。左から時計回りに井之上、芦沢、尾高、横道、中沢

隊員名簿

尾高涼哉 (おだかりょうや)
役職:登攀隊長、装備サブ
所属:東京大学運動会スキー山岳部(部内学年4年 主将)
実績:屏風岩雲稜ルート(無雪)、錫杖岳注文/見張り棟(無雪)、河又小作人5.11cRP、南ア主稜線縦走(2月-3月)、南岳西尾根(12月)、錫杖岳3ルンゼ(1月)

ヒマラヤ未踏峰に挑む特集サイト(Contents一覧)

中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

男子U17とU19の夏休み期間中の欧州ロードレース遠征参加者募集

自転車ロードレースの未来をけん引していく若手選手に本場欧州での経験を積んでもらい、次世代の芽を育てていく活動として、iRC TIRE サイクリングアカデミーが男子ユース選手(U17、U19)の夏休み期間中の欧州遠征の参加者を募集している。

iRC TIRE サイクリングアカデミー

国内のレースでは失敗を恐れてアタックすることなくレースを終えている選手が多数いる。しかしそのような「習慣」は選手の将来的な成長を阻む。自分で課題を考え、失敗を恐れずに実行する。そして結果を見て検証を行い、次の課題とする。

サイクリングアカデミーを通し、競技選手としてのみならず、異なる文化、考え方などを学んでほしいと願って企画されたプロジェクトだ。故高木秀彰氏のサポート、アイ・アール・シー井上ゴム工業の特別協賛を得て、ロード・トゥ・ラブニール(RTA)と提携。

2024年iRC TIREサイクリングアカデミー

参加可能カテゴリー 
U17 (2008年1月1日~2009年12月31日)
U19 (2006年1月1日~2007年12月31日)

日程
遠征の期間は7月18日~8月28日までの期間を前期、中期、後期の3つのグループに分け、参加者から参加期間の要望を聞き、スケジュールを調整する。詳細の日程についてはチケットが確定するまで決められない。飛行機のトランジットなどがあるので集団での行動(同一便)になる。

参加レース
参加するレースは未定だが、2週間で4レースを予定。

参加費(参考代金)
40~50万円
以下のものを含む:約2週間の生活費、活動費、サイクリングジャージ(半袖ジャージのみ)、航空運賃代金実費(20~25万円前後)。遠征の時期によりチケット代金が大幅に変わるが、可能な限り効率的に低予算で実現。

参加人数
前期グループ U17とU19合計4~6名
中期グループ U17とU19合計4~6名
後期グループ U17とU19合計4~6名

申し込み期限
5月19日 申請書送付依頼期限 5月22日 申請書紙送付期限(メールにて)
サイクリングアカデミーへの参加は「申請書」により申し込みをした後に、選考を行い誓約書へ記入・送付。そののちに選考を行い正式にメンバーが決定。申請書の送付の段階ではまだ参加は決定しない。

●iRC TIREサイクリングアカデミーの詳細ページ

【連載開始】ヒマラヤにある未踏峰プンギに日本の学生隊が挑戦

日本山岳会学生部プンギ遠征隊が2024年9月からヒマラヤにある未踏峰「プンギ」に挑戦する。プンギはネパールのアンナプルナ山域、ペリヒマール山群に属する標高6524mの未踏峰。同山には2022年秋に、日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊が南西尾根から初トライするが、6150mで敗退。未だその頂に立った者はいない。(文:井之上巧磨)

プンギ本峰。写真提供:ヒマラヤキャンプ登山隊2022プンギ

大学4年間で培った技術と経験、体力と精神力を

日本山岳会プンギ遠征隊のメンバーは5人。登攀隊長が東京大学運動会スキー山岳部の尾高涼哉(4年)、隊員が立教大学体育会山岳部より中沢将大(4年)、横道文哉(4年)、中央大学体育会山岳部より芦沢太陽(3年)。そして総隊長を青山学院大学体育会山岳部の井之上巧磨(4年)が務める。

それぞれ違った所属からなる本遠征隊ではあるが、それぞれ所属する大学山岳部は、これまでの活動でもあくまでその山を未踏に見立てて登るという行為をしてきた。合宿の立案から始まり、偵察、そのルートの必要技術要素の抽出、技術の習得、そして必要十分以上の荷物を持った実践とその後の反省。

これらのサイクルは、便利な技術があればほとんどが省ける過程であるだろう。しかしながら、その山が未踏なのだとしたら必要なサイクルである。この4年間を通し、我々が培ってきた技術と経験。そして体力と精神力を活かしてプンギに挑戦したい。

2月の早月尾根合宿にて。左から時計回りに井之上、芦沢、尾高、横道、中沢

便利な現代だからこそ、本来の登山の形を体現したい

日本山岳会プンギ遠征隊は2つの目的を本遠征に掲げている。1つ目が「本来の登山の形の体現」である。

近年さまざまな技術が発展したことで、登山は身近なアクティビティに変容してきた。行ったことのない山/ルートでも写真付きの詳細な情報を得ることができ、GPSは自分の居場所を正確に確実に教えてくれる。それは我々の活動をより安全にし、自然という不確定な環境下での確定要素を増やしてきたと思う。

しかし登山のもつ本来の側面には、未知なる山・場所・ルートを既知なるものへと変える探検的精神を含んだ営みも存在しているのではないだろうか。探検的精神を含んだ登山には、人類社会の境界を先へと推し進め、またその行為を通して人間の可能性を広げるという意味で意義があり、いつの時代にも必要な営みだと考える。

我々遠征隊は未踏峰を登ることで、この便利な現代において、本来の登山の形を体現したいと強く思う。

剱岳に登る。写真中央部に2人が登ってるのが見える

この時代にも山に青春を捧げる若者がいることを発信したい

2つ目は「大学山岳部の存在とその活動を広めたい」ことである。

数十年前に存在した大学山岳部全盛期の時代は過去のこととなり、大学山岳部はその存在や活動を世間に知られていないという現状がある。年々部員数は減少し、廃部となる大学も存在する。今回の遠征には4つの大学山岳部からメンバーが集まっている。この遠征を通して、大学山岳部の活動や文化、この時代にも山に青春を捧げる若者がいることを世間に発信していきたい。

まず人々に知ってもらうことは、大学山岳部を盛り上げていく第一歩であると考える。またこの遠征を見た次の世代が仲間として入部したり、後輩たちを応援する人が増えたら、もう一つの大きな意義となりえるのではないかと考える。

屏風岩雲稜ルートに張られたロープを登る横道。この地点で東京タワーより高い

目標となるプンギは大まかに南尾根、北西尾根、北東尾根、東尾根の4つの尾根から構成されている。今回遠征隊が考えているルートは、2022年ヒマラヤキャンプ登山隊が挑戦した際と同じ南西尾根である。

プンギは北峰、本峰、南峰という順に峰が連なっていて、遠征隊はまず西尾根上5500mのコルにキャンプを張り、その後南峰に登頂。そこから尾根上を本峰に向けトラバース(横移動)するという計画である。 ヒマラヤキャンプ登山隊の撮った写真には、南峰直下に急斜面らしきものが確認でき、南峰〜頂上間も切り立っていることが推察される。

この挑戦の費用は、渡航費や登山料など合わせて521万円。隊員の個人負担はもちろん、それ ぞれの大学や山岳部OB会、日本山岳会、一般からの寄付を募ってまかなう予定である。

北海道の層雲峡でアイスクライミング。大学山岳部ではこれまであまりアイスクライミングに触れて来なかったが、未踏峰でさまざまなシチュエーションに対応できるようになるため練習した

隊員名簿

井之上巧磨(いのうえたくま)
役職:総隊長、食料サブ
所属:青山学院大学体育会山岳部(部内学年4年 主将)
実績:上高地-親不知(無雪)、屏風岩雲稜ルート(無雪)、錫杖岳注文/見張り棟(無雪)、マイモーズの悪場、モチコシ沢、中崎尾根末端-槍ヶ岳(12月)、阿弥陀北西稜

ヒマラヤ未踏峰に挑む特集サイト(Contents一覧)

中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

⚫️日本山岳会
⚫️青山学院大学体育会山岳部 HP SNS
⚫️東京大学運動会スキー山岳部 HP SNS
⚫️立教大学体育会山岳部 HP SNS
⚫️中央大学体育会山岳部 HP SNS

五輪イヤーのドーピング、重量挙げ・陸上競技、国別ではインドとロシア

2024年最初の四半期(1〜3月)において各競技、各国スポーツ選手のドーピング(不正薬物使用)と不正行為の件数がどれだけ公表されたかをThe Movement for a Credible Cycling(MPCC)が2024年5月4日に明らかにした。

MPCCのスポーツ別・国別不正件数

競技が公平に行われるかを監視する役割の国際機関

オリンピックイヤーとなる2024年は多くのスポーツにおいてトップ選手に注目が集まる。各国・地域の競技団体とNOC(オリンピック委員会)も五輪代表候補選手のパフォーマンスを後押しする。スポーツ選手を継続的にサポートしてきたスポンサーや、自国のアスリートのメダル獲得に期待するファンも圧倒的に多い。リスペクトや友情といった五輪の価値観を五輪出場選手が表現してくれると同時に、競技の公平性を保証するためにアンチドーピングコントロールを強化する必要性もある。

ここ数カ月間、世界アンチドーピング機構(WADA)、独立不正防止機関のアスレティックス・インテグリティ・ユニット(AIU)、国際検査機関(ITA)はアンチドーピング対策に高いレベルで対応するための取り組みを強化してきた。

チュニジア、ベネズエラ、ナイジェリアなどの国のアンチドーピング機関が世界アンチドーピング規定に準拠していないと指摘し、南アフリカでの検査を担当する一部研究所を暫定的に停止させた。

2024年の初めには、スペインアンチドーピング機関(CELAD)が、禁止物質・方法を治療目的で使用したいアスリートが申請するTUEを事後に追加したり、2005年にWADAによって禁止された静脈内治療を行なったり、一部選手の出場停止を白紙にするなどの問題があり、スキャンダルになった。

インドの数値が大幅に増加したのは理由がある

3月31日時点での各スポーツの不正行為数が発表されている。陸上競技と筋力系スポーツがトップを占め、ウェイトリフティングでは40件、陸上競技では39件、パワーリフティングでは27件のドーピングや不正行為が明らかになっている。ただし、モスクワのLIMSデータ(検査情報管理システム)の分析後に16件の症例が公表されたため、重量挙げの数字は修正される可能性がある。

国別で見ると、インドでの出場停止数が49と大幅な増加が懸念される。2023年10月と11月にゴアでナショナルゲームズが開催され、実施された検査数が多かったという見解もある。

フランスの出場停止数は10人、同国を代表するフェンシング選手のイサオラ・ティバスの陽性反応と、やり投げのチャンピオンであるアレクシー・アレイの出場停止処分が明らかになった。

自転車競技部門では、第1四半期にドーピングやスポーツ不正行為が6件発生した。2件は詐欺事件ともいえ、女子コンチネンタルチームCynisca Cyclingが2023年7月9日、チームマネージャーがチームメカニックを5人目の選手として登録し、他の4選手に嘘をつくように指示。レースに出場できる選手人数にして出場しようとした。

ワールドツアーチームのリドル・トレックから離れる途中だったアントワン・トルホークとデカトロンAG2Rラモンディアルのフランク・ボナムールの不正が発覚。デカトロンチームはルールを厳格に適用し、同選手を即座に出場停止処分とし、最終的に3月26日に解雇した。

クリーンな自転車競技を目指す団体「MPCC=信頼ある自転車競技のための運動」公式リリースより。

●MPCCのホームページ