キナンがいなべ市の小学校で自転車安全教室

KINAN Cycling Teamは6月20日、三重県いなべ市の小学校2校を訪問。中西健児アカデミーコーチを筆頭に、椿大志、雨乞竜己を講師にウィーラースクール(自転車安全教室)を実施した。

キナンがいなべ市で自転車安全教室 ©︎KINAN Cycling Team / Tomohiro TANAKA

このウィーラースクールは、5月21日に開催されたツアー・オブ・ジャパンいなべステージの関連事業として、同ステージをホストとして戦うKINAN Cycling Teamが参画する各種取り組みの一環として行われている。この日は午前中員弁西小へ、午後には員弁東小へとおもむいた。

スクールでは、事前に小学校の近くで撮影した写真を用いて、交通安全のルールなどをクイズ形式で確認。進行役を務めた中西アカデミーコーチと児童たちとの掛け合いで盛り上がりつつ、安全で楽しい自転車の乗り方を学んでいった。

その後行った実技では、参加児童全員が自転車操縦に挑戦。正面を見ながら走行して一本橋のコース取りをし、一時停止を示すライン上で完全停止。この課題には、日頃から自転車走行に慣れている児童でも難しさを感じていた様子。

チャレンジを繰り返していくごとに、仲間をみんなで応援するムードが高まっていき、はじめのうちは緊張していた児童もやがてスキルアップ。なかにはスピードに乗せたままスムーズにすべての課題をクリアしていく児童の姿も見られたほか、椿・雨乞両選手の的確なアドバイスによって走りのコツをつかんだ児童も多数いて、日々のサイクリングへの応用が期待できるものとなった。

そして、両校ともにメインイベントとして「おそのり競争」で大盛り上がり。数m先のフィニッシュラインまで、バランスを保ちながらいかにしてゆっくり進めるかを競うゲームは、大きなハンデを背負った選手たちと児童との真剣勝負。体育館には応援の声が鳴り響いた。

スクールの締めには、交通ルールを記載したプリントを児童たちへ配布。交通安全の「お守り」としてもらうべく、選手たちからのメッセージも記された。それを手に選手たちとの記念撮影でプログラムはお開きとなった。

この日のウィーラースクールは、員弁西小が4~5年生121人、員弁東小が4~6年生129人が参加。両校ともKINAN Cycling Teamとのかかわりは深く、員弁西小は2年ぶり、員弁東小は2018年に続く訪問でもあった。

KINAN Cycling Teamのホームタウンであるいなべ市内での地域貢献活動は今後も継続的に行っていくことが決まっていて、6月中には他の小学校で、7月には中学校での交通安全教室を行うことになっている。(Text: 田中国大、Edit: 福光俊介)

●キナンサイクリングのホームページ

キナンの山本大喜は骨折で全日本選手権を欠場

KINAN Cycling Teamの山本大喜(まさき)は左大腿骨大転子骨折により、エントリーしていた全日本選手権タイムトライアル(6月27日)とロードレース(6月30日)を欠場する。チームが6月14日に明らかにした。

キナンの山本大喜

山本は6月2日に行われたツール・ド・熊野の第3ステージで、10.5km周回4周目の下りコーナーでオーバースピードで進入し、スリップして落車。その後、レースを再開しメイン集団への復帰を目指したが、左脚付け根を強打した影響によりレース途中でリタイアしていた。

レース翌日の初診では骨の異常は発見されなかったが、落車から10日以上経っても痛みが引かないため、再診したところ「左大腿骨大転子骨折」であることが判明した。幸い、骨のズレは認められなかったため、今後は保存治療を行い、1カ月をメドにリハビリとトレーニングを開始。9月頃のレース復帰を目指していく見通しとなっている。

山本はこの負傷により、エントリーしていた全日本選手権タイムトライアルとロードレース(6月30日)を欠場する。

山本大喜のコメント
「今回の怪我でたくさんの方に心配や、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。骨は折れてしまいましたが、心は折れていないので、安心してください!
 少しの間、レースから離れることになりますが、必ず一回り成長した山本大喜になって帰ってくるので、楽しみに待っていてください!
引き続き、KINAN Cycling Teamの応援をよろしくお願いします!」

●キナンのホームページ

トマ・ルバが熊野ステージ優勝…総合はアウラールが維持

第21回ツール・ド・熊野は6月1日、三重県熊野市の山岳コース109.3kmで第2ステージが開催され、キナンサイクリングチームのトマ・ルバ(フランス)がステージ優勝。総合成績ではオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)が首位を守った。

キナンのトマ・ルバが第21回ツール・ド・熊野第2ステージで優勝 ©︎Tour de Kumano 2019

ツール・ド・熊野3日目の第2ステージは、三重県熊野市で109.3kmのロードレース。「熊野山岳コース」と名付けられている通り、厳しい登りが連続する。日本最大級の棚田である「丸山千枚田」の中を縫うように登る2級山岳、曲がりくねった細い山道が続く1級山岳の札立峠、さらに丸山千枚田をもう1回登り、計3回の山越えをする。ツール・ド・熊野の最難関ステージにして、大会を象徴するステージでもある。

天候は晴れ。レースの進行と共に日差しが強くなったが、木立の中の札立峠は薄暗い道が続く。

リアルスタートが切られるとアタックが繰り返されるが、なかなか逃げが容認されない時間が続く。10名ほどの集団が先行する場面もあったが、差が30秒以上開く前にメイン集団が吸収していく。約30kmを走って1回目の丸山千枚田の登りに入ると、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が中腹から単独で先行し、山岳賞ポイントを先頭通過する。この登りでバラバラになった集団は、丸山千枚田からの下りとその後の平地区間でまとまり、40人前後の集団となる。

抜け出す動きが無いまま1級山岳に指定される札立峠の登りへ入ると、リーダージャージのアウラール擁するマトリックスパワータグと、キナンサイクリングチーム、チーム右京の攻防が始まる。

登り口からベンジャミ・プラデス(チーム右京)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)の2人が先行。それをフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)を先頭に集団が追走し、ほどなく吸収する。その後マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)とサム・クローム(チーム右京)の2人が新たに先行。さらにクロームと入れ替わってプラデスとアウラールがガルシアと合流し、3人の先頭集団で登っていく。  

丸山千枚田を行く第21回ツール・ド・熊野第2ステージ ©︎Tour de Kumano 2019

山岳賞の頂上まで数km残したところでガルシアが加速。そのまま単独で登り続け、頂上を先頭通過する。これでガルシアは2級山岳と1級山岳を先頭通過し、山岳賞争いトップに立つ。

札立峠からの下りに入り、先行していたガルシア、プラデス、アウラールらを集団が吸収。そこからトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がアタックして単独先行。ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)も飛び出し、ルバを追う。

20人ほどまで絞られた集団は再びマトリックスパワータグがコントロール。先行するルバとの差が2分まで開いたところで2回目の丸山千枚田への登りに入る。頂上の山岳賞はルバが先頭通過、40秒ほど遅れてモレの順に通過して下りへ。残り10km付近、モレがルバに追いつき、先頭は2人となる。後方集団との差は1分30秒。勝負はルバとモレの2人に絞られた。

フィニッシュまで残り200mの登り、先頭で姿を現したのはルバ。追いすがるモレを確認することなく勝利を確信し、ガッツポーズを何度も繰り返した。

個人総合順位争いの後方集団は、アウラールを先頭にフィニッシュ。4秒のボーナスタイムを自ら勝ち取り、2位岡篤志(宇都宮ブリッツェン)との差をわずかに広げた。

オールイス・アウラールを擁するマトリックスパワータグがペースメーク ©︎Tour de Kumano 2019
第2ステージ優勝:トマ・ルバ コメント
札立峠の登りでチームメイトの山本大喜が遅れたので、彼を待って集団に復帰させた。その後集団内のチームメイトの力を温存させるためにアタックした。1人が追走してきたので力を使いすぎないようにセーブして最後の勝負に備えた。勝てて本当に嬉しい。チームとして個人総合優勝を狙うのはとても難しくなったけれど、トップ10ないし表彰台を確保出来れば最高だと思う。明日も今日のようにステージ優勝を狙っていきたい。

京産大の吉岡衛がKINAN AACA CUP 2019 第5戦で優勝

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のサイクルロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は、5月5日に今シーズンの第5戦を実施。102kmで争われた1-1カテゴリーは小集団スプリントによる優勝争いとなり、吉岡衛(京都産業大)がプロ選手らを破る金星。終始有力選手の果敢なアタックが目立つ活発なレースとなった。

KINAN AACA CUP 2019 第5戦を制した京産大の吉岡衛©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

おおよそ月1回のペースで東海各県のレースコースを転戦するシリーズ戦。今節は主会場でもある国営木曽三川公園長良川サービスセンター内のコースで開催。メインレースである1-1カテゴリーは5.1kmの周回コースを20周する102km。コースは全体的にフラットながら、各所に鋭角コーナーが待ち受けコーナーリングや立ち上がりでのテクニックが要求されるほか、シリーズ開幕以来選手たちを苦しめてきた北風が季節の変化により南風に。周回後半が強い向かい風となり、これまでとは違ったレース展開になることが予想された。

今節にあたり、ホストのKINAN Cycling Teamから7選手が出走。紅白戦ならぬ“紺・白戦”としてジャージカラーを変えて各色別チームとしてスタートラインにつくこととなった。「白組」には山本元喜、椿大志、山本大喜、荒井佑太、「紺組」には大久保陣、雨乞竜己、新城雄大を振り分け、それぞれ勝利を目指した。

75選手が出走した1-1カテゴリーは、2周目に高山恭彰(MAX SPEED 97)、水野貴行(FIETS GROEN)、新城の3選手が集団から抜け出し逃げの態勢に。さらに森崎英登(Yamanakako Cyclisme Formation)、山本大も合流し、5人の先行でレース前半が進行した。

先頭の5人は着々とリードを広げ、メイン集団に対して最大で40秒ほどまで差を開ける。だがメイン集団はそれ以上のタイム差は許さず、レースが半ばに差しかかるころにはアタックが散発し活性化。ペースが上がると先頭5人との差は徐々に縮まっていく。リードを保ちたい先頭グループだったが、人数が4人に減ったことも関係してか逃げ続けることは難しい情勢となり、いったん集団へと戻ることに。10周目にレースはふりだしに戻った。

ここから再びアタックの応酬へと移る。数人単位での飛び出しが起きては集団が反応する流れが繰り返され、簡単には逃げは決まらないムード。そんなこう着状態が破られたのは12周目。追い風を利用して14人が集団からの抜け出しに成功。力のある選手がそろったこともあり、そのまま集団を置き去りにしてスピードアップ。KINAN勢からは白組の山本元、山本大、紺組の大久保、新城がジョイン。さらに、椿を含む5人の追走グループも数周回を経て先頭に追い付くことに成功。その後もメイン集団では前方へのブリッジを狙う動きがたびたび見られるが、19人に膨らんだ先頭グループへのジャンプアップは難しい。先行する19選手がそのまま優勝争いへと移っていくムードが高まっていった。

先頭グループも残り周回を減らすにつれ活性化。残り3周では山田拓海(飯田風越高)ら4選手が飛び出したほか、山本大、山本元が交互にアタック。残り2周で山本大が再びアタックすると、松井大悟が反応。その後松井選手に代わって水野が山本大と逃げの態勢に入るなど、出入りは激しくなる一方。いずれも決定打には至らなかったが、アタックの応酬は最終周回まで続いた。

残り2kmでの新城のアタックがチェックされると、勝負はスプリントにゆだねられることに。最終コーナーを前に2選手が早めに仕掛け、大久保が追随。そのまま最後のコーナーを抜けフィニッシュをめがけたスプリントが始まると、この日一番の伸びを見せたのが吉岡。最後はバイク1台分の差をつけて快勝。絞り込みのタフなレースを制した。

2番手で最後の直線に飛び込んだ大久保は2位。レース序盤から逃げを狙って再三アタックを繰り返したほか、最終コーナー直前のポジションアップで脚を使ったことが響き、得意のスプリントであと一歩伸びを欠いた。

キッズレースも行われた ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

各種カテゴリーのレースやキッズスクールも盛況

参加選手の脚力やレーススキルに合わせた4つのカテゴリー分けのほか、今節は個人タイムトライアルも実施。山本大と新城がオープン参加し、会場を盛り上げた。

また、KINAN AACA CUPではすっかり恒例行事となっているキッズスクールは、今回も約20人のキッズライダーが参加。中西健児アカデミーコーチのもと、集団走行のトレーニングを実施。KINAN Cycling Teamの選手たちもゲスト講師として加わり、効率的な走り方をレクチャー。スクール後に行われたキッズレースでは先頭交代の先頭交代のローテーションや、小集団スプリントによる優勝争いが繰り広げられるなど、キッズスクールの効果がさっそく表れていた様子。

会場には、チームサプライヤーである「ATHLETUNE(株式会社隼)」をはじめとするブースが各種出展。ゴールデンウィーク真っただ中の会場をより華やかにした。

KINAN AACA CUPは次節、6月22日に今節と同じく国営木曽三川公園長良川サービスセンター前特設コースにて開催されることが決まっている。

スリランカTカップは中島康晴の連覇に挑むことなく欠場…テロ発生により決断

KINAN Cycling Teamは、スリランカ民主社会主義共和国において発生したテロ事件を受けて、出場を予定していた5月10~12日開催の「スリランカTカップ(UCIアジアツアー2.2)」への参加と同国への遠征をを取りやめる決定をした。
2018年開催のスリランカ Tカップでは中島康晴が個人総合優勝した

4月21日、コロンボ市、ニゴンボ市、バティカロア市などにおける爆発により、日本人を含む多数の死傷者が発生。チームは「犠牲者のご冥福をお祈りし、ご遺族に哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々に衷心よりお見舞い申し上げます」と発表。

重ねて、レース活動に関しては大会の欠場と公国への遠征取りやめを決断した。選手・スタッフの安全を最大限優先するべきであるとの判断によるもの。チームとしての決定後、主催者判断により大会の無期限延期となることが決まっている。

2018年のこの大会では、中島康晴が個人総合優勝を達成。2019年の大会へは、チャンピオンチームであると同時に、2018年のUCIアジアツアーチームランキング1位のチームとして高い評価を得て、2年連続での招待出場が決定していた。

連覇へ向けて、チームとして準備を進めていたが、その最中で発生した事態にレース出場・遠征の取りやめはやむを得ないものと判断した。新たなレースプログラムについては、今後チームから発表される。

「スリランカは、素晴らしいホスピタリティと人々の温かさを感じられる、チームとしてもとても思い入れの強い国であります。改めまして、KINAN Cycling Teamは、スリランカの人々がこの困難を乗り越えるにあたり、心からの連帯を表明します」とチーム発表。

中島康晴がツール・ド・台湾でポイント賞を獲得

台湾をおおよそ北から南に縦断したツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)は、3月21日に5日間の戦いに幕が下りた。この大会に初出場を果たしたKINAN Cycling Teamは、ポイント賞のグリーンジャージでスタートした中島康晴がその座を守り切り、賞を確定。最終ステージでも7位に入り、最後までアグレッシブな姿勢を崩さず大会を終えた。

ツール・ド・台湾でポイント賞を獲得した中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

平坦あり、山岳ありと、バリエーション豊かなコース設定で熱戦が展開された同大会。中島が第3ステージでポイント賞争いで首位に立ち、グリーンジャージに袖を通した。さらに、第4ステージでも得点を加算し、ここまでリードを守ってきた。

そして大会最終日。全5ステージの戦いは、21日に行われる192.8kmを残すのみとなった。ルートはおおよそ海沿いを走る設定で、中盤にかけては南シナ海沿いを往復する。クライマックスは、大鵬湾を囲うサーキットコースをおおよそ4周回。その間に2回設定されている中間スプリントは、総合成績のジャンプアップをかけたボーナスタイム争いや、ポイント賞を賭けたスプリンターたちの戦いなど、さまざまな要素が秘める。レースとしては平坦ステージにカテゴライズされ、定石であればスプリンターの競演となるところだが、個人総合が僅差での争いとなっていることもあり、あらゆる展開が想定された。

それらを受けてKINAN Cycling Teamとしては、中島のグリーンジャージを最優先しつつ、首位から総合タイム差16秒につけるトマ・ルバ、サルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシアによる順位のジャンプアップの可能性を模索していくこととなった。

迎えたレースは、スタート直後からアタックと集団による吸収との繰り返し。数人がリードを奪うも、そのほとんどに総合での上位進出の可能性を持つ選手たちが入るため、それを嫌うチームが追いかけ、やがてキャッチする流れに。KINAN勢も新城雄大が逃げにトライしたほか、トマも総合争いのライバルたちと協調して先行を図るが、いずれも実らない。

出入りの連続で激しさを増すプロトン内でアクシデントが発生。スタートから60kmほど進んだポイントで数人がクラッシュ。大久保陣が巻き込まれ、地面に叩きつけられてしまう。落車のダメージによりレース続行は難しいと判断し、大事をとってリタイアすることとなった。

残った5選手でのレースとなったKINAN勢は、70km付近でようやく形成された逃げグループには合流せず、集団内に待機。リーダーチームが逃げを容認し、集団のコントロールを始めたことでレースは落ち着きを見せる。逃げグループがコースを逸脱するハプニングがあり、一時レースがストップしたが、タイム差を維持して再スタート。その後は淡々と進んだ。

距離を追うにつれ集団が逃げグループとの差を着々と縮め、大鵬湾沿いの周回コースに入ったタイミングで先行していたメンバーは全員吸収。新たに1人がアタックし、独走を開始したが、集団は射程圏内にとどめながら進行する。

サーキット2周回目に入ると、中間スプリントに向けて集団は活性化。中島のポイント賞がかかるKINAN勢も隊列を組んで集団前方へとポジショニング。だが、ここはボーナスタイムを狙う総合上位陣がメインの争いに。ポイント獲得に状況を整えていた中島だったが、総合勢をリスペクトし自らのスプリントは行わず。続く3周回目に設定された中間スプリントも同様に総合上位陣の争いとなった。

しばらく続いた1人逃げは、最終周回でふりだしに。フィニッシュまでの約10kmは、スプリントに向けた主導権争いへと変化。KINAN勢もサルバドールやトマらが前方へと姿を見せ、中島のスプリントポジション固めに従事。最後を託された中島は、好位置へ自ら切れ込んで勝負に挑んだ。

残り約200mから左へとコーナーリングをしながらの変則レイアウトでの集団スプリント。中島はライバルたちの先着こそ許したが、7位でフィニッシュラインを通過。肝心のポイントは9点を獲得。

ポイント賞をかけて争った他選手の順位との総合により、中島は同賞を守り切ることに成功。グリーンジャージを確定。第3ステージで得たリーダージャージを最後まで奪われることなく戦い抜いた。

個人総合ではサルバドールがチーム最上位の13位。トマも15位に続き、それぞれUCIポイントを5点ずつ獲得。大会を通じては、第1ステージ3位の中島獲得分と合わせて13点をゲット。また、チーム総合ではトップと同タイムで3位としている。なお、途中リタイアの大久保は頭部に裂傷を負ったものの、処置の後にチームへと戻っている。

これまでステージレースでの総合成績や、山岳での走りでインパクトを残すことの多かったチームは、スプリンターの華ともいえるポイント賞争いでも結果を出し、新たな一面を今大会で披露。総合でも上位を狙える位置で5日間走り続けたことも含め、山岳・平坦と総合的に戦えるチームのスタイルが実ったといえそうだ。また、スプリントでは中島だけではなく、出場した6選手がそれぞれの役割を意識して奮闘。ポイント賞のグリーンジャージ獲得に至った最大の要因となった。

KINAN Cycling Teamは引き続き充実のレース活動を進める。次戦は3月22~24日のツール・ド・とちぎ(UCIアジアツアー2.2)。台湾で得た勢いのまま、国内UCI国際レースでも結果を求めていく。

中島康晴

中島康晴のコメント
「ポイント賞を獲得できてとてもうれしい。チームメートがジャージ獲得のために働いてくれて、それに応えることができてよかった。ただ、ステージ優勝がしたかったというのが正直なところ。

チームの総合系ライダーも自分のスプリントのために仕事をしてくれて、そうした姿勢がKINANはスプリントもできるということを他チームにアピールする材料になった。特に、グリーンジャージを着てからは集団内でもリスペクトしてもらっていることを実感できたし、なによりチームとしての戦術の幅が生まれると思う。今後のレースに向けて、大きなきっかけにできたと感じている。

昨シーズン、自分がスリランカ Tカップで個人総合優勝してからチームに勢いが生まれたといろいろな方に言っていただけた。今回も、このポイント賞を機にチームメートが続いてくれると信じている」