カラパスがエクアドル選手として初優勝。ジロ・デ・イタリア第8ステージ

第101回ジロ・デ・イタリアは5月12日、プライアアマーレ〜モンテベルジーネ・ディ・メルコリアーノ間の209kmで第8ステージが行われ、新人賞ジャージを着るモビスターのリカルド・カラパスが初優勝。エクアドル選手がジロ・デ・イタリアを含むグランツール(三大ステージレース)で区間勝利したのは初めて。総合成績ではミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(英国)が首位を守った。

リカルド・カラパスがエクアドル選手として初優勝。ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「雨のためにレース終盤はみんなとてもナーバスになっていた。ちょっと混乱していたけど、ボクにとっては都合がよかった。有力選手ばかりの集団から10秒抜け出したときはみんががビックリしたと思うけど、ボクはいい状態の脚を持っていた。滑りやすい路面に注意しながらゴールを目指した」とカラパス。
「母国に自転車文化がないのはちょっとさみしい。この勝利がきっかけとなって、エクアドルの子どもたちが自転車に興味を持ってくれるとうれしい。ボクはジロ・デ・イタリアに初出場したエクアドル選手だと思うけど、子どものころはこんなハイレベルのレースでこの位置で走れるなんて考えられなかった。いまは新人賞のマリアビアンカをもっている。最終日のローマまではまだ長いが、できるだけ長くこのジャージを守り続けたい。

ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

この日のレースは序盤で7選手が第1集団を形成したが、マリアローザを持つミッチェルトン・スコット勢がメイン集団をコントロールして、終盤までにほとんどの選手を吸収。最後の上り坂になるとさらに逃げた選手らのタイム差は縮まり、残り1kmの手前でカラパスがアタック。先行していた選手を追い抜いてトップフィニッシュした。

優勝候補のクリストファー・フルーム(英国、スカイ)は上りコーナーで転倒したが、すぐに復帰してことなきを得た。グルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)は7秒遅れの区間3位でゴール。ボーナスタイム4秒を獲得して、総合成績を41秒遅れの4位に浮上させた。

ティボー・ピノがジロ・デ・イタリア第8ステージをゴール © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
雨中戦となったジロ・デ・イタリア第8ステージをゴールしたファビオ・アルー © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

3日連続でマリアローザを守ったイェーツ。英国勢がこれまで首位を堅持したのはマーク・カベンディッシュの4日間。
「想定していたよりも苦戦したのは雨のせい。でもドラマのような展開にはならなかった。ボクたちはいいリズムで、そしてスリップしないように安全に走ることができた」とイェーツ。
「3位までに入ってボーナスタイムを取りたかったけど、周囲を囲まれて抜け出せなかった。それでもとても調子がいいので、明日はまた違う展開ができると思う。フルームが落車で遅れたことは聞いたけど、彼のためになにかをする状況ではなかった。ゴール後にオーケーと言ってくれた」

ジロ・デ・イタリア第8ステージを終えて山岳賞ジャージを着るエステバン・チャベス © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

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●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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チャベスとサイモン・イェーツがワンツーフィニッシュ…ジロ・デ・イタリア第6ステージ

第101回ジロ・デ・イタリアは5月10日、カルタニセッタ〜エトナ間の164kmで第6ステージが行われ、ミッチェルトン・スコットのエステバン・チャベス(コロンビア)とサイモン・イェーツ(英国)がエトナ山の山頂ゴールにワンツーフィニッシュ。チャベスは2年ぶり2度目の区間勝利で、山岳賞ジャージを獲得。イェーツが総合成績で首位に立ち、初めてマリアローザを獲得した。英国勢がマリアローザを着用したのは4人目。

エステバン・チャベスとサイモン・イェーツがワンツーフィニッシュ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

この日は50km地点で28人の第1集団が形成されたが、この中にチャベスがいた。後続集団からも執拗にアタックが試みられ、最後のエトナ山の上りで次々と先行していた選手らを吸収。しかしチャベスだけが逃げ切った。残り1.5kmで後続集団からイェーツがアタックして、残り500mでチャベスに合流。最後はチャベスを先着させて同じチームの2人がゴールした。

ジロ・デ・イタリア第6ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

「ボクにとってもチームにとっても最高の1日となった。これまでのジロ・デ・イタリアのさまざまな思いを上りながら回想していた」とチャベス。2016年のジロ・デ・イタリアでは最終日の2日前までマリアローザを着用していた。最終日前日にビンチェンツォ・ニーバリに逆転され、52秒遅れの総合2位でフィニッシュ。2017年は腱炎などで失意のシーズンを過ごしたが、大好きなジロ・デ・イタリアにカムバックしてきた。
「最後に追いついてきたサイモンはこう声をかけてくれた。『カモン! キミがステージ優勝するんだ』とね」

サイモン・イェーツがジロ・デ・イタリア第6ステージでマリアローザ © Massimo Paolone – LaPresse

「チャベスは先頭集団で勝利に値するほどの走りを見せていた。彼が人数の多い第1集団にいてくれたおかげで、ボクはメイン集団の中でサドルに座っているだけでよかった。最後はマリアローザを取れると確信していた」とイェーツ。
「開幕時のイスラエルからこのジャージを獲得するために努力してきた。最終日のローマまでチームキャプテンとしてこれを守り抜く努力をしたい」

エトナ山を上るエステバン・チャベス © Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第6ステージ

●ダイジェスト動画

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
□マリアビアンカ(新人賞)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)

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