イネオス移籍のフェランプレボがシクロクロス世界選手権欠場

MTBなど4つの世界タイトルを持つフランスのポーリーヌ・フェランプレボが2月5日に開催されるシクロクロス世界選手権を欠場することが明らかになった。シクロクロスでも第一人者である同選手は今季からイネオス・グレナディアーズに移籍。ケガからの回復が遅れ、4月からのMTBシーズンに向けて目標を修正することになった。

クロスカントリーオリンピック(XCO)の世界チャンピオンとなり、アルカンシエルを着用したフェランプレボ ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

フェランプレボは2022年12月26日のシクロクロスレースで右膝の下に深い切り傷を負った。

フェランプレボはマウンテンバイク競技のクロスカントリー、ショートトラック、マラソンで 3つ、グラベルで1つの合計4枚のアルカンシエルを獲得している。MTBクロスカントリーでは2015、2019、2020、2022年に世界チャンピオンに。2024年のパリ五輪MTBで金メダル獲得を目指している。

ファンアールトがW杯2勝目…ピドコックは世界選手権欠場

ベルギーのワウト・ファンアールト(ユンボ・ビスマ)が、1月8日にベルギーのゾンホーフェンで行われたシクロクロスワールドカップでライバルのマチュー・ファンデルプール(オランダ)に差をつけて優勝。2022-2023シリーズで2勝目。

ファンアールトが1月8日にベルギーのゾンホーフェンで行われたシクロクロスワールドカップで優勝した ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

砂区間でファンデルプールを突き放す

ゾンホーフェンの砂区間はワールドカップシリーズで最もテクニカルなコースの1つと言われるが、ファンアールトはほぼ完璧な走りを見せつけ、レース序盤から先行すると、後ろを確認することはほとんどなかった。

ライバルであるファンデルプールは、先行したファンアールトを早めにキャッチし、中盤戦でプレッシャーをかけようとした。しかし、ファンデルプールは深い砂のセクションでコースアウトするなどで、すぐにファンアールトに30秒以上遅れを取る。

ファンアールトは最後まで気を抜かず、2位ファンデルプールを80秒引き離して、地元のファンに手を振ってゴールした。ベルギーのローレンス・スウィークが3位。

ファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

28歳のファンアールトは、「ファンデルプールは突然ボクの前で転倒し、そのアクシデントで大きなギャップを作ることができた」。

「明日はチームキャンプに出発する。走りに磨きをさらにかけるためには、太陽の下で何マイルも走る必要がある」

ファンアールトがワールドカップで優勝 ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

ピドコックがシクロクロス世界連覇に固執せずロード練習に集中

英国のディフェンディングワールドチャンピオン、トム・ピドコックは今回のワールドカップレースに出場しなかった。シクロクロス世界選手権は2月5日にオランダのホーヘルハイデで開催されるが、ピドコックが欠場することが確認された。

ファンアールトがファンデルプールに1分38秒差をつけて圧勝

ベルギーのワウト・ファンアールトが、2023年1月5日にベルギーのコクスアイデで開催されたシクロクロスレース、X2oトロフィー第5戦で優勝した。ライバルのマチュー・ファンデルプール(オランダ)に1分38秒差をつけて圧倒した。

ファンアールトが1月5日にベルギーのコクスアイデで行われたシクロクロスで優勝 ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

ともにロードレースのツール・ド・フランスでも活躍するファンアールトとファンデルプール。2023年になってはやくも2回目の直接対決となった。1月3日の最初の戦いはオランダのファンデルプールに軍配。

ワウト・ファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

その2日後にコクスアイデで行われたX2oトロフィー第5戦で、地元ファンの声援に後押しされたファンアールトが有利にレースを展開し、優勝を収めた。ファンデルプールは1分38秒差の2位。ローレンス・スウィークが2分06秒遅れで3位。

ファンアールトが独走で優勝 ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

ピドコックがシクロクロス世界連覇に固執せずロード練習に集中

2022年のシクロクロス世界チャンピオン、2020東京五輪MTB金メダリスト、2022ツール・ド・フランス最難関のラルプデュエズ区間勝者であるトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)が、連覇のかかる2月5日のシクロクロス世界選手権をターゲットとしていないことが明らかになった。

ピドコックがラルプデュエズで独走する ©A.S.O. Pauline Ballet

シクロクロス世界選手権は2月5日にオランダのホーヘルハイデで開催されるが、3強と言われるマチュー・ファンデルプール(オランダ)、ワウト・ファンアールト(ベルギー)、ピドコックのうち、ピドコックの目標変更宣言により、ファンデルプールとファンアールトの一騎打ちの様相を呈してきた。

世界チャンピオンの虹色ジャージーを着用するピドコック ©Twila Federica Muzzi / Red Bull Content Pool
シクロクロスW杯第9戦を制したファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool
祖父レイモン・プリドールがなし得なかったマイヨジョーヌを獲得したファンデルプール ©A.S.O. Charly Lopez

冬場にシクロクロスで鍛えた選手はツール・ド・フランスでも強い

自転車を使った障害物競走、シクロクロスがシーズン真っ盛り。どんなに外気温が低くても体がしっかりと温まる冬場の自転車競技は、この時期の欧州が主戦場。全14戦のワールドカップシリーズが週末ごとに開催されている。12月11日にアイルランドのダブリンで行われた第9戦では、ワウト・ファンアールト(28)=ベルギー=がアクシデントを乗り越えて優勝した。

シクロクロスW杯第9戦を制したファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

不屈のベルギー魂でファンアールトがアクシデント克服

シケインと呼ばれる立板を飛び越えるセクション、激坂、階段、砂場など変化に富んだコースが設定される。これが自転車を使ったクロスカントリーレース、シクロクロスの舞台設定だ。エリート男子1時間、女子40分と競技時間こそ短いが、想像以上にハードで、あっという間に汗がしたたり落ちるほどの激しい運動量である。

12月24日に行われたワールドカップもファンアールトがピドコックを抑えて優勝した RedBull Content Pool // Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

緯度の高い欧州は冬になると日本よりも冷え込みが厳しい。そんな時期に「待ってました」とばかりに開催されるスポーツだ。夜の寒さで凍結した牧草地は太陽の上昇とともに泥地獄となり、選手たちの行く手を阻む。泥づまりで動かなくなった自転車は、ピットでの交換が認められる。選手をサポートするメカニックは、渡された泥だらけの自転車を素早く水洗いして次の交換に備える。

過酷な自然環境に強いと言われるベルギーやオランダ勢が強さを発揮する。第9戦で勝利したファンアールトはロードチームのユンボ・ビスマに所属し、2022年7月のツール・ド・フランスでは区間3勝、首位のマイヨジョーヌを4日間着用、そしてエースのビンゲゴーを鉄壁アシストして総合優勝に導いた。

シケインを走るピドコック。手前で自転車から飛び降り、クリアしてすぐに飛び乗る ©Twila Federica Muzzi / Red Bull Content Pool

今回の第9戦ではレース途中、ファンアールトは立ち往生を余儀なくされた。他選手をアシストするメカニックが不注意で落としたボロ布が変速機に絡まったのだ。ピットまで逆走で戻って自転車を交換し、先行していたトップに追いつき追い抜くとそのまま独走で優勝した。

「これがシクロクロスだよ。ゴールまで何が起こるかわからない。想像以上にハードなレースだったよ」

泥だらけの顔を拭い、新しいジャージーに着替えて登場した表彰台に、ファンアールトはアクシデントの原因となったボロ布を両手で広げながら不運をアピール。それでも「ダブリンの観客に熱いバトルを楽しんでもらえてよかった」と笑顔を見せた。

砂地獄を走るファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

現在開催中のシリーズは10月9日に開幕し、2023年1月22日の最終戦まで行われる。2月5日にはシーズン総決算として世界選手権がオランダのホーヘルハイデで開催される。第8戦ベルギー・アントワープで勝ったマチュー・ファンデルプール(オランダ)は2021ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを6日間着用した若手選手。世界選手権連覇に挑むトム・ピドコック(英国)は2022ツール・ド・フランス最難関のラルプデュエズで独走優勝している。冬場にハードレースで鍛え上げた選手たちは夏にも強いのだ。

シクロクロス専用バイクの特徴は

世界チャンピオンの虹色ジャージーを着用するピドコック ©Twila Federica Muzzi / Red Bull Content Pool

シクロクロスで使用する自転車はドロップハンドル装備のロードレース用とほぼ同じ。泥沼や砂地で埋まらないように極太タイヤを選択。車輪軸につけられたディスクブレーキは泥に干渉しにくいので有利になる。自転車を担ぐこともあるのでボトルは装備せず、給水なしで走り抜く。

ピドコックがシクロクロス世界チャンピオン…東京五輪MTBに続く二刀流

英国のトム・ピドコックが、1月30日(日本時間31日)に米国のファイエットビルで開催されたシクロクロス世界選手権エリート男子で英国選手として初優勝した。同選手は2020年大会の2位。東京五輪ではMTBクロスカントリーに出場して金メダル。二刀流を成就した。

トム・ピドコック。UCI XCCノベームニェスト・ナ・モラビエ(チェコ) 。2021年5月14日 ©Bartek Wolinski / RedBull Content Pool

直近の7年間において、シクロクロス世界選手権で4勝のマチュー・ファンデルポール(オランダ)、同3勝のワウト・ファンアールト(ベルギー)は欠場。ファンデルポールは東京五輪マウンテンバイクでの落車で痛めた傷が万全ではなく、「ロードシーズンのために治療に専念する」と断念。ファンアールトもロードシーズンでのタイトル獲得のためにシクロクロスシーズンを早めに切り上げた。

ピドコックはロードレースではジュニア時代にタイムトライアルで世界チャンピオンに。現在は英国の強豪イネオスグレナディアーズに所属する。2021年のロード世界選手権で6位に入賞した。

エリート女子はオランダのマリアンヌ・フォスが2006、2009、2010、2011、2012、2013、2014年に続き、8年ぶり8度目の世界チャンピオンになった。

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