第108回ジロ・デ・イタリアは最終日となる2025年6月1日、ローマを発着とする141kmで第21ステージが行われ、チーム ヴィスマ・リースアバイクのサイモン・イェーツ(英国)が初の総合優勝を決めた。総合2位はイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ・XRG)、同3位はリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)。

ローマの最終フィニッシュはオラフ・コーイが制覇
サーキットレースとなった最終日はサイモン・イェーツのチームメート、オラフ・コーイ(オランダ)がスプリント勝負を制し、第12ステージに続く2勝目、大会通算3勝目を挙げた。コーイを先導したのは、エドアルド・アッフィニ(イタリア)とワウト・ファンアールト(ベルギー)で、最後のステージでサイモン・イェーツの総合優勝を最高の形で祝福した。

サイモン・イェーツは、最終日前日のコッレ・デッレ・フィネストレでのアタックにより、2018年のブエルタ・ア・エスパーニャに続いてグランツールを制した。新人賞を獲得したデルトロとカラパスが表彰台に。リドル・トレックのマッズ・ピーダスン(デンマーク)は第1ステージから最終日までポイント争いの首位を守り、XDS・アスタナ チームのロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア)は他のすべての選手に圧倒的な差をつけて山岳賞を獲得した。


あのフィネストレ峠で逆転する計画があった
「プロになって以来、最高のレースで勝つことを夢見てきた。グランツールはまさにこのスポーツの頂点だ。2018年のジロ・デ・イタリアでなにが起こったかはみんな知っている。イタリアではいい時も悪い時もあったけど、このレースは私を何度も呼び続け、ついに優勝することができた」とイェーツ。
サイモン・イェーツは2018ジロ・デ・イタリア第6ステージで首位に立ち、マリアローザを着用して区間2勝を挙げて総合優勝に向かっていた。ところが最終日2日前の第19ステージでクリストファー・フルームの大逃げにより首位を陥落。総合優勝をさらわれていた。38分51秒も遅れてフィニッシュしたが、大ブレーキを起こしたのがフィネストレ峠だった。イェーツはコースが発表されてすぐに、このフィネストレ峠でリベンジすることを目標に準備してきたという。▼過去記事はこちら

「今回のジロ・デ・イタリアの間、私はもっと遠くを見ていた。レースで勝つのは簡単なことではないと思っていた。でも、最終日前日も仲間たちは私に挑戦するように励ましてくれた。私もそれを信じ、大変な1日だったがやり遂げた。フィネストレ峠で抜け出すアイデアがあった。自分の脚は強いと分かっていたので、一人で自分の努力に集中したかった。爆発的なスピードが求められる他のステージよりも、長く持続的な走りでライバルに差をつけることが求められた。他のステージはより戦術的なものになった。昨日のステージは比較的シンプル。このジロ・デ・イタリアで、私は再び自分自身を見つけることができた。今年は私の年だ。これまでのような不運に見舞われることはないん。今日は信じられないようなスタートになった。バチカン市国に立ち寄ることになったと気づいた時だ。教皇の祝福を受けたことは、私だけでなく、すべてのライダーにとって忘れられない瞬間となった」


●4賞ジャージ
■マリアローザ(個人総合成績)サイモン・イェーツ(英国、チーム ヴィスマ・リースアバイク)
■マリアチクラミーノ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
■マリアアッズーラ(山岳賞)ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDS・アスタナチーム)
□マリアビアンカ(新人賞)イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ・XRG)
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