ポガチャルがラ・フレーシュ・ワロンヌで圧巻のラストスパート

ベルギーの伝統レース、ラ・フレーシュ・ワロンヌが4月19日に行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が最後のユイの丘でメイン集団を抜け出して優勝した。

ポガチャルを擁するUAEエミレーツがユイの丘でメイン集団の戦闘を引っ張る ©A.S.O. Billy Ceusters

同日に行われた女子のラ・フレーシュ・ワロンヌファムはSDワークスのデミ・フォレリンク(オランダ)が優勝した。

ラ・フレーシュ・ワロンヌは距離194.2kmで争われた ©A.S.O. Maxime Delobel

2023年のツール・デ・フランドルを圧倒的なパワーで制したポガチャルに対して、だれが待ったをかけるか? レースは後半戦でユイの壁を頂点とする周回コースに入り、3回目のユイの壁がフィニッシュとなる。ポガチャルにとっては得意とするコースレイアウトだ。

ラ・フレーシュ・ワロンヌのユイの丘を上る第1集団 ©A.S.O. Maxime Delobel

結果から言うとだれもポガチャルに待ったをかけることはできなかった。UAEエミレーツは、最後の上りまでポガチャルが位置するメイン集団を牽引し続け、スロベニアのリーダーはこのクラシックでの初勝利を得るために、最後の最後でスパートした。

ユイの丘で逃げた選手らを追うUAEエミレーツのアシスト勢 ©A.S.O. Billy Ceusters

エルブをスタートしてユイの壁にゴールする距離194.2kmで争われた第87回大会。173選手がスタートした。UAEエミレーツとトム・ピドコックを擁するイネオスグレナディアーズが、64 kmで最大となる3分50秒差で逃げる第1集団を警戒。メイン集団の先頭で先頭交代した。レースが1回目のユイの壁を通過する時(119.8km)にその差は1分15秒に縮まった。

ユイの丘のバトル ©A.S.O. Billy Ceusters

2回目のユイの壁(157.1km)でその差は57秒に。新たに2選手が残り31kmで後続から合流したが、メイングループは残り25kmで25秒差まで接近。

結局残り1kmで逃げていた選手はすべて吸収され、最後の力勝負に。残り250mでロマン・バルデが最初に攻撃を仕かけましたが、すぐにポガチャルに追い抜かれた。

ポガチャルがユイの丘で抜け出してラ・フレーシュ・ワロンヌを制した ©A.S.O. Billy Ceusters
ラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝のポガチャルが2位マティアス・スケルモースと握手 ©A.S.O. Billy Ceusters
ラ・フレーシュ・ワロンヌ優勝のポガチャル。左は2位マティアス・スケルモース、右は3位ミケル・ランダ ©A.S.O. Maxime Delobel
ラ・フレーシュ・ワロンヌファム ©A.S.O. Billy Ceusters
ラ・フレーシュ・ワロンヌファム ©A.S.O. Billy Ceusters
ラ・フレーシュ・ワロンヌファム ©A.S.O. Billy Ceusters
ユイの丘にさしかかるラ・フレーシュ・ワロンヌファム ©A.S.O. Billy Ceusters
ラ・フレーシュ・ワロンヌファムはデミ・フォレリンクが優勝。2位はリアンヌ・リペルト、3位はガイア・レアリーニ ©A.S.O. Billy Ceusters

ポガチャルがイル・ロンバルディアでマスを制して2連覇

第116回イル・ロンバルディアが10月8日にイタリア北部のコモ湖周辺で開催され、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)がモビスターのエンリク・マス(スペイン)との一騎打ちを制して2連覇した。距離253km。

イル・ロンバルディアはポガチャルとマスの一騎打ちに ©LaPresse

モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)とアスタナカザクスタンのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)はこの日が引退レース。バルベルデは6位、ニバリは24位に入った。

2022イル・ロンバルディア ©LaPresse

「ニバリとバルベルデは最後のレースに向けて非常にいい状態だった。ボクは彼らと道を共有できたことを幸運に思う」とポガチャル。

「ボクにとっても、1年じゅう一生懸命働いているチームライダー全員にとっても、重要な勝利だ。今日のコースは、チビリオの上りのほうが急勾配なので、昨年とは違うと感じた。自分のスプリントに自信を持っていたが、これほど長くてハードなレースの後で勝てるかはわからなかった。本当に疲れていたが、フィニッシュラインを見て、痛みを忘れた。

UAEツアーでは、シーズン序盤ですでに素晴らしいコンディションで過ごしていた。レースを比較するのは難しいけど、今日もストラーデビアンケでも、最高の一日を過ごした。このままキャリアを続け、オフにいい休息をとりながら一年中競争力を持ちたい」

2022イル・ロンバルディア ©LaPresse
サイクリストを祀るマドンナ・デル・ギザロ教会の横を通過するイル・ロンバルディアの出場選手 ©LaPresse
ポガチャルがマスを制してイル・ロンバルディア優勝 ©Marco Alpozzi / LaPresse
2022イル・ロンバルディア優勝のポガチャルを中央に、左が2位マス、右が3位ミケル・ランダ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●イル・ロンバルディアのホームページ

【ツール・ド・フランス現場雑感】ピレネー決戦2日目も完全なる決着はつかず

2022ツール・ド・フランスは7月20日、サンゴーダン〜ペラギュード間の距離130kmで第17ステージが行われ、2分22秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が首位ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)をわずかに抑えて優勝。今大会3勝目、大会通算9勝目。

マイヨジョーヌのビンゲゴーとマイヨブランのポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

ボーナスタイムは区間1位のポガチャルが10秒、区間2位のビンゲゴーが6秒獲得し、2人の総合差は2分22秒から2分18秒に詰まった。

2022ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

「アシスト陣が4人もリタイアして合計4人になったが、みな素晴らしい働きをしてくれたので、今日は勝利しかなかった」とポガチャル。

「ボクはまだ逆転優勝できると楽観視しているので、明日の最後の山岳ステージにかけてみたい」

第17ステージを走るビンゲゴー、セップ・クス、ブランドン・マクナルティ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ブランドン・マクナルティがポガチャルを最後の山岳でアシスト ©A.S.O. Charly Lopez
「ボクはまだ楽観的で優勝できると思う」とポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

朝は寒いくらいで拍子抜けのピレネー山脈で

スペイン国境にあるピレネー直下のパミエで目覚めました。北欧デンマークから徐々に南下し、次第に日が短くなってきたのを実感しています。今朝は7時になっても暗いのにビックリ。そして日中は42度の熱波だったのに、部屋の外に出たら着込まないと寒いくらいに冷えています。

チェーン系ホテルのプルミエクラス。朝食は寒くてもフランスを感じるためにテラスで

この日のラン練習はガーミン先生から「レスト」の指示でしたが、寝ぼけた頭を起こすために2kmだけ走って、シャワーを浴びて朝食へ。このプルミエクラスに1人で泊るときは身障者用の広いシングルルームになることが多く、そしてシャワー・トイレ兼用スペースもきれいなのでありがたいです。

あっという間に予約席を含めていっぱいになったレストラン。向かいにあるのがこの日のホテル

朝食はフランスを感じるためにいつもテラス席へ。ちょっと寒いので部屋着として愛用している作務衣を取りに戻っていたりしていると、ツイッターに辻啓カメラマンの「素敵なホテルですね(一緒です)」の書き込みが。

ほどなくシャワー直後の裸の姿がドアから出てきて、Tシャツ姿になって一緒のテーブルへ。若手ライターの小俣雄風太くんもテーブルについてくれました。

2022ツール・ド・フランス第17ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

バニェールドという単語がついたら、そこは湯治場

そしてこの日のホテルはバニェールドリュション。「バニェールド」というのは「湯治場」という意味です。ツール・ド・フランスの黎明期からよくゴールする湯治場ですが、この日のステージでは迂回コース途上にあったため、選手たちの姿はありません。

この街には映画「テルマエ・ロマエ」に登場しそうな大浴場があるのですが、現在閉鎖中でそのとなりに新館が建設されています。しばらくバニェールドリュションに行っても浴場には入れないです。

記念メダルの刻印。温泉街にあるものは日本もフランスも同じ

ホテルはあまり程度のいいものではなく、おそらくこんななところに安価で予約できたんで、当日までそのままにしていたんだなと思います。なんとフランステレビジョンがつかないという初体験。

次にバニェールドリュションに来ることがあったら、ホテルは別のところにすると思いますが、向かいにあるレストランは当たりでした。開店するとお客さんが次々と来店し、予約席も含めてすぐに満員に。ボクも早めにレストランに入ったので1人席をあてがってもらえてラッキーでした。

サイクリストのポスターも

さあ、もうすぐツール・ド・フランスも終りが見えてきました。明日は最後の山岳ステージです。

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【ツール・ド・フランス現場雑感】スイスの宿は快適な修道院

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月9日、ドル〜ローザンヌ(スイス)間の186.5kmで第8ステージが行われ、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)が集団によるゴールスプリント勝負を制して、今大会2勝目、大会通算8勝目を挙げた。

マティア・カッタネオとフレッド・ライトが逃げる ©A.S.O. Pauline Ballet

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はステージ3位でボーナスタイム4秒を獲得。総合2位、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)との差を35秒から39秒に広げた。

2022ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

序盤戦で4日間もマイヨジョーヌを着用したファンアールトだが、チームメートのビンゲゴーに総合優勝争いを託し、自らはスプリント力が試されるポイント賞と区間勝利に目標を移した。

「逃げた選手をチームが追いかけてくれ、最後はポイントを量産するために勝ちにいくことができた。ローザンヌは五輪本部がある町で、ここで勝つことは意味がある」とファンアールト。

2022ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
フレッド・ライト、マティア・カッタネオ、フレデリック・フリソンが第8ステージでリード ©A.S.O. Pauline Ballet
マイヨジョーヌのポガチャルが第8ステージを走る ©A.S.O. Pauline Ballet
フランスもいよいよ本格的な夏だ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ゴール勝負となった第8ステージで優勝したファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

ローザンヌ郊外の宿泊施設は修道院の修行場

ブザンソンのホテルは駅前でした。前日はそこから5分ほど歩いたところにある広大な無料駐車場にクルマを入れておきました。駐車違反を取られないかドキドキしないから安心ですよね。そしていくらかかるかの心配もありません。デンマークでの3日間の反省で得た教訓です。

外観も内装も新築のようにきれいに作られていて快適な1日を過ごすことができた

朝のラン練習はガーミン先生が85分のトレーニングを指示したので、「それ無理」とメニューを入れ替えました。その結果、もっとキツいスピード練習でしたw

ツール・ド・フランスはスイスへ。デンマークほどではないけれど物価が高いので、スイスでわざわざガソリン補給をしないように残量をチェック。国境の検問ですこしだけ渋滞していましたが、2つの列のうちボクが選んだほうは誰もいなくて、ノーチェック。難関を突破してスイスへ。

中庭を取り囲むように寝室がある。2人用もあるがほとんど1人用だ

この日のゴールは国際オリンピック委員会の本部があるローザンヌ。ところが通信環境があまりよくなく、仕事にならないと判断してホテルへ。もう一つ、前日にホテルのフロント対応時間などを再確認したら、午後6時までに来てほしいとあったので、早めに動くことにしました。それはプレスセンターで原稿を書いているとかなり微妙な時間だったからです。

ホテルまでは30ほどで着きましたが、レマン湖を望む丘を登っていき、アルプス山脈が一望できるところに立つ石造りの修道院宿泊施設でした。ストレスフルな外国、スイスではありますが、シゴト環境はまあまあです。

レセプションに近いテラスまでいかないとWi-Fiが繋がらない

こんなところが簡単にホテル予約サイトで取れてしまうのだから、いいのか悪いのか。夕食は、ルパ(晩さん)と呼ばれ、アルコールもなく質素なものでした。お願いすれば販売用冷蔵庫でビールは冷えていたんですが、たまにはアルコールを飲まない日も設定したほうがいいですよね。

食堂が開く直前にはミサの歌が部屋の外から聞こえました。

1人用の寝室。ベッドは狭いが心地よい。洗面器があるだけで、トイレ・シャワーは共同

あいかわらずeSIMが繋がりにくく、ホテルの無料Wi-Fiはレセプションルーム近くに行かないと届かないので、すこしだけやりにくかったですが、シャワー・トイレ別の狭いシングルベッドの部屋は新しくて快適。周囲の環境も心地良いものでした。

窓の向こうには標高2400m級のスイスアルプスが見える

ところで、EUでは遮断されて閲覧できないYahoo!から「普段使っていない環境からアクセスがあった」とメールが来たので、だれかにハッキングされているのでは心配で調べてみました。いくつかの検証をした結果、スイスは欧州経済区域じゃないのでYahoo!のページが開くようになったので、Yahoo!から連絡があったというオチに。

スイスに入国したことで自動検知されて、Yahoo!からアクセスを知らせるメールが届いたということらしいです。 ということで今日はYahoo!ニュースが閲覧できます。お部屋ではつながらないけど。

広大な麦畑側から修道院宿泊施設を振り返る

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【ツール・ド・フランス現場雑感】フランスにUberEatsが登場するもポガチャルの強さ変わらず

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月8日、トンブレーヌ〜ラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユ間の176.5kmで第7ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が2日連続で優勝。大会通算8勝目を挙げた。

マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル。第7ステージのスタート地点 ©A.S.O. Charly Lopez

ポガチャルが厳しい上り坂のゴール手前で抜け出し、2日連続の勝利。個人総合成績でもポガチャルは前日に獲得したマイヨジョーヌを守った。

広告キャラバン隊がやってきた ©A.S.O. Aurélien Vialatte

ポガチャルが逆転初優勝した場所で弱いわけがない

この最後の山岳はポガチャルが初の総合優勝をした2年前の大会では、最終日前日の個人タイムトライアルのコース。ポガチャルはここで首位に浮上しているだけに思い入れが強かった。

「2年前にここで勝ってから、ボクの人生が大きく変わったので忘れたことはない。しかも最後の上りまでチームメートがボクのために頑張ってくれたから、ここで負けるわけにはいかなかった」とポガチャル。

ツール・ド・フランスはフランス北東部のボージュ山地へ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2022ツール・ド・フランス第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
表彰式用のマイヨジョーヌを着せてもらうポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez
2年前にこの地で首位に立ったポガチャルが再びマイヨジョーヌ ©A.S.O. Hervé Tarrieu

ラ・プランシュのあとはいつものブザンソン。今回は中心部へ

メスのホテルで起きて、スマホのツイッターでフォロワーさんに「安倍晋三元首相が撃たれた」ということを教えてもらいました。こちらのテレビでも朝7時はトップニュースで報じられたようで、部屋でフランステレビジョンの午前9時のニュースを見て、事態の深刻さを痛感しました。

午前9時のニュースのトップは、熱波によりボルドー南にあるジロンド地方で山火事が大規模延焼中で、キャンプ場のバカンス客や地元民が避難を余儀なくされているというものでした。

スタート地点の停車位置は役割によってあらかじめマーキングされている

心がなかなか落ち着きませんが、ツール・ド・フランス取材完走のために心身ともにリレッシュな状態を維持するのが最優先。朝のランニング練習をしっかりとやって、シャワーでさっぱりとして朝食をしっかりと取って。

ニュートラルサポートをこなすシマノ。スタッフ7人で役割分担する

美観地区の外側に駐めたクルマまで荷物をガラガラいわせながら引きずっていき、クルマに乗り込んで「夏色のナンシー」へ。厳密に言うとその隣町のトンブレーンへ。スタート地点は地元の人たちがすでに詰めかけていて熱狂が伝わってきます。フランスも本格的な夏になりました。

敢闘賞のマスコット。1匹連れて帰ります

ゴール近くまでは赤色のN表示、いわゆる国道を通って南下。ここはいつもそうなんですが、激坂のラ・プランシュ・デ・ベルフィーユまではプレスセンターからのシャトルバスで行く必要があります。撮影をしないボクはシャトルには乗車せず、常に麓のプレスセンターに配置です。

スタート地点にかけつけた観客にお菓子がばらまかれる

ゴール後は1989年の初取材のときに訪れたと記憶しているブザンソンへ。ブザンソンには顔見知りのネコがいたんですが、3年前に3年ぶりに訪れたときには姿がありませんでした。そのためネコがいた郊外型ホテルに予約することはなく、初めて中心街に。ここなら街に繰り出して、自分に合ったレストランをいくつでも見つけることが可能です。

ブザンソンの夕暮れどき、レストランがにぎやかになってきた

人気のないイタリア料理店もUberEatsがひっきりなしに出入り

お外ごはんは結局、イタリア移民の経営するレストランでカルボナーラ。フランスに流れ着いたイタリア人が経験もなく始められるのが飲食店で、スナックみたいな味であまり期待できません。でもたまに食べたくなるんです。 そしてボクの選択したイタリアン、テラス席がこの界隈で一番空いてるんだけど、UberEatsがさっきから何度も。フランスを2年もご無沙汰しているといろいろ変わってる!

ブランソンのど真ん中にある広場の一角、右のイタリアンでお外ごはん

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【ツール・ド・フランス現場雑感】マイヨジョーヌを失う覚悟の奇襲作戦

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月7日、バンシュ(ベルギー)〜ロンウィー間の今大会最長距離となる220kmで第6ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が優勝。

マイヨジョーヌのファンアールトがまさかのアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

マイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)は序盤からかく乱作戦として先行したが、最後に捕まると大きく遅れた。総合成績でポガチャルが首位に立ち、はやくもマイヨジョーヌを着用した。

2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ポガチャルはベルギーの英雄エディ・メルクスの後継者なのか?

ポガチャルが少人数のゴール勝負を制して今大会初優勝。大会通算7勝目。総合成績でも首位に立ち、大会3連覇に向けて好調ぶりを見せつけた。

2022ツール・ド・フランスがベルギーに足を伸ばしたところで同国の新旧スーパースターが顔を合わせた。左がエディ・メルクス、右がファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

この日はファンアールトがアタックして単独で先行した。ポガチャルを擁するUAEエミレーツ勢を消耗させ、チームエースのビンゲゴーに有利な状況を作るためだ。ファンアールトは残り10kmで集団に吸収されると大きく後退。マイヨジョーヌを失ってもいい覚悟でかく乱作戦を展開したが、ポガチャルの異次元の強さにはかなわなかった。

2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ユンボ・ビスマの奇襲作戦にも慌てず、チームメートに牽引されるポガチャルが前方をうかがう ©A.S.O. Pauline Ballet

美観地区のホテルはクルマがアクセスできないので疲れる

第4ステージが終わった後のカレー、第5ステージのバランシエンヌ、そしてこの日のメス、ついでに明日のブザンソンと街のど真ん中のホテルを予約してしまいました。鉄道旅行やツアーなら街歩きができて最高なんですが、ツール・ド・フランス取材はクルマがあるのが基本なので、街の真ん中で駐車スペースを探すっていうのが意外と大変なんです。

ユネスコ文化遺産に登録されている巨大人形が練り歩くお祭りで知られるベルギーのバンシュ

とにかく街のど真ん中は駐車場が少ない。あっても有料となり、宿泊費以外にお金がかかります。このためツール・ド・フランス関係者は郊外にあって、広大な無料駐車場を持つホテル群(サントルオテリエ)をよく利用します。こちらの方のデメリットは、場所によっては夕食を食べるところがないということです。

街全体が大振りな石畳の道で、ホントに歩きにくい

この日はかなり大きな都市であるメスの中心部、その名もオテルドサントル(センターホテル)。午後8時までフロントが開いているというので安心しきっていました。

バランシエンヌのホテル。朝食会場の窓辺より

途中のスーパーマーケットを探して併設するガソリンスタンドへ。驚いたのはレギュラーガソリンより軽油のほうが高いことでした。

フランスではルクレールやカルフール、アンテルマルシェ、シュペールUなどの大手スーパーマーケットにはガソリンスタンドがあります。こういったスーパーのガソリンスタンドは市中よりかなりお安く、しかも24時間営業なのでツール・ド・フランス取材時は大助かりです。

2022年は燃料高騰が続き、軽油でも1リッター300円。レギュラーガソリンはそれよりわずかに安いんですが、やはり高いです。自転車で済ませることができたらクルマを使いたくないです。5000kmを移動する必要があるツール・ド・フランス取材では、エコ運転で乗り切っていくしかないです。

欧州は軒並み燃料高に見舞われている

ますますホテルのチェックインが遅くなる

スーパーに入る前にマクドナルドを発見したので、夕食を買い出していこうというアイデアに気づきました。ところがフランスの環状交差点は、日本人としてはグルグル回るので方向感覚を失いやすく、慣れていないとなかなか目的地にたどり着けず。

そのうち遠くまで回され、目標がわからなくなる状態に。それでも今夜はマックをお部屋で食べてくつろごうと決めてしまったので、何回かアタックしてようやく到達。そしてオーダーシステムがちょっと変わっていて、また時間ロス。

メスの美観地区にあるホテルより夕方の道路を見下ろす

かなり時間を費やしてしまってメスに着きましたが、ホテルはクルマが進入できない美観地区。しかたなくかなり手前に駐めていちばん大事な機材バッグとお財布だけ持ってホテルにたどり着いたらすでに8時を過ぎて玄関ドアが閉まっていました。

従業員に電話して玄関コードを教えてもらって、ボクの名前が貼ってあるキーを確保。

序盤戦のツール・ド・フランスで疲れてはいけないんですが、疲れ果てました。でもどんなに疲れていても、飲む前に路駐しているクルマをどこかに停めにいかないと。

メスの美観地区にあるホテルより夜の道路を見下ろす
ポガチャルが第6ステージでマイヨジョーヌを獲得 ©A.S.O. Pauline Ballet

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