平成生まれの新競技バンクリーグで地域活性を目指す

バンク、あるいは競輪場などと呼ばれる自転車競技場を走るときは変速機やブレーキを装備しないトラック競技専用車を使うのだが、ロードレースのトップ選手らがロードバイクに乗ってバトルする平成生まれの新競技「バンクリーグ」が注目されている。選手育成や競技場を持つ地域の活性化、ファン層の拡大などをねらっている。

宇都宮競輪場でナイター開催されたバンクリーグ

東京五輪代表の増田成幸も参戦

栃木県の宇都宮競輪場で11月14日、「バンクリーグ」の2020年第2戦が開催された。出場チームはシマノやキナンなど国内実業団のトップクラスばかり。地元となる宇都宮ブリッツェンの出場4選手の中には、東京五輪自転車ロード代表の増田成幸もいる。出場選手が使用するのは、変速機のついたロードバイクだ。山岳コースを含めた一般道を走るための機材でバンクを走るのが最大の特徴である。

自転車ファンの拡大と地域振興などを目的として、自転車競技場を利用した新レース「バンクリーグ」が立ち上がったのは2018年。2019年は愛知県名古屋市、三重県松阪市、広島市、宇都宮市で開催された。コロナ禍で今季は8月に名古屋で第1戦が行われ、この宇都宮が最終戦となった。

数時間におよぶ通常のロードレースと異なり、1レースは数分で決着する

ルールは簡単だ。4人編成のチームが1対1で対戦する。一斉にスタートして3、5、7、9、11周目の決勝ラインを1着で通過した選手のチームに1点が与えられる。3点先取したチームが勝利となるが、今季から1回得点した選手は再度得点を得られないというルールに変わり、面白さを高めた。チームの総力で争うようになったのだ。2グループに分かれて総当たり戦を行い、勝ち上がった2チームによって決勝戦が行われる。

会場では解説者がレース展開や各選手の思わくなどをトークしてくれるので、初めて観戦する人も競技の面白さがわかるように工夫されている。バンクの内側には特別席もあって、選手のスピードが間近で体感できるだけでなく、選手らと気楽に会話することも可能。欧州の冬場の自転車興行イベントのようにお酒や食事を楽しみながら熱戦を見ることもできる。

ホームチームとして熱い声援を受けた宇都宮ブリッツェン

またイケメングランプリと題したファン投票などを企画するなど、自転車好きがさらに楽しめるように、同時に新たなファン獲得を目指している。ロード選手はこのスポーツの運動効果としてスラリとした体つきが特徴で、しかも各チームにはイケメンが必ずいる。熱心な女性ファンが多いのもうなずける。会場にはチームグッズも販売され、こういったアイテム購入が「好きなチームや選手を後押し」する満足感につながっているようだ。

那須ブラーゼンの渡辺翔太郎がイケメングランプリを受賞

この日は、バンクリーグに先だって宇都宮ブリッツェンの育成選手たちが公開練習。アテネ五輪代表の鈴木真理(しんり)さんが、地域の子供たちを指導している。競輪場という施設を市民の財産として有効活用し、スポーツ文化の発信拠点にしたいというのもリーグのねらいだという。

宇都宮競輪場を走る小学生レーサーたち

「バンクリーグ」今後の展望は、将来的にサッカーや野球のようにホーム&アウェイ方式で国内各地の競輪場での開催を計画。レース会場は参加チームの「ホームバンク」となる競輪場を予定している。また各チームのファンをはじめ、開催地域の市民がふれあえる楽しいイベントを同時開催し、まったく新しい参加型サイクルイベントとして盛り上げていきたいという。

子供たちを始動する静木真理コーチ

増田が地元宇都宮のキッズにエール

東京五輪自転車ロード代表の増田が、レース途中に選手ウォーミングアップエリアを訪ねた地元キッズに、「よく食べて、午後9時には寝て、そして練習してください。勉強もしっかりとね」とアドバイスを送った。

東京五輪代表の増田(紺色のTシャツ)が子供たちにエール。その左の青い長袖姿が鈴木コーチ

宇都宮で自転車をやっている子供たちにとって、増田は憧れのスーパースター。緊張気味だったが、柔和な増田の雰囲気に救われ、改めて「練習も宿題も頑張ります」と気持ちを引き締めていた。

●バンクリーグのホームページ

田中克尚がキナンに…トラックのバンクリーグをメインに

田中克尚(たなかかつひさ)がKINAN Cycling Teamに6月1日付で加入した。トラック・短距離種目を専門とし、早稲田大自転車部時代はスプリント、チームスプリントで国内大会の上位入賞を数多く経験。2020年3月に同大学を卒業し、この春から三重県を拠点にエリートライダーとしての歩みを進めた。

田中克尚

KINAN Cycling Teamではトラックパートに属し、ベロドローム(自転車競技場・競輪場)のバンクを主戦場としてレース活動を行っていく。また、国内ロードレースチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」のメンバーとして登録し、そのスピードを生かして戦う見込みになっている。

「まだまだ実力不足ではありますが、KINAN Cycling Teamの短距離選手(スプリンター)として、バンクリーグではチームを勝利に導き、貢献できるよう努めてまいります。応援よろしくお願いします!」と田中。

田中克尚
田中克尚(たなかかつひさ)
1998年2月18日生まれ 岡山県出身 身長167cm・体重65kg
岡山県立岡山工高→早稲田大スポーツ科学部スポーツ科学科卒業
●主な戦績
・2017年
全日本学生個人選手権自転車競技大会 スプリント3位
JICF INTERNATIONAL TRACK CUP チームスプリント4位
国民体育大会 スプリント7位
・2018年
都道府県対抗自転車競技大会 スプリント2位
全日本大学対抗選手権自転車競技大会 スプリント5位、チームスプリント3位

●キナンのホームページ

自転車競技の新時代、バンクリーグが名古屋で開幕

令和うまれの新スポーツ「バンクリーグ」の初戦、Round 1が8月23日に愛知県の名古屋競輪場で行われた。KINAN Cycling Teamからは椿大志、大久保陣、山本大喜、福田真平、中島康晴、荒井佑太が出場。予選ラウンドを1勝1敗とし、決勝ラウンドへの進出を逃したものの、チームとして次戦への改善点が見つかるレースとなった。

バンクリーグ2019 Round 1・名古屋 ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

構想から数年、ついにバンクリーグの船出の時がやってきた。加藤康則ゼネラルマネージャーを発起人に始まったプロジェクトは、複数回のテスト走行を経て、2018年にプレイベントとして「トラックフェスティバル」を宇都宮競輪場で実施。それらの結果を踏まえて、バンクリーグのスタートに向け急ピッチで準備を進めてきた。

レース形式はバンクリーグオリジナルの「3ポイントゲーム」。このイベントは競輪場のバンクを使用し、4選手ずつで編成される2チームが出走し、3周目以降の奇数周の入りを先頭通過したチームに1ポイントが与えられる。3ポイントを先取したチームが勝利となる。ルールはシンプルで、チーム力や戦術を短時間で楽しむことができるあたりが大きな魅力だ。今節は6チームが参加し、3チームずつA・Bの2グループに分けて、総当たりの予選ラウンド実施。各グループ1位が決勝ラウンドに勝ち上がる。

晴れの第1回開催の会場となった名古屋競輪場には、遠方からの観客も多数駆けつけ、イベント開始前から大きな盛り上がり。レースに先立って行われた一般走行イベントでは、バンクリーグ参加選手が一般参加者とともに走行。角度のある走路に及び腰の参加者も見られたが、選手たちの誘いに笑顔を浮かべ、並走をするうちに徐々にバンク走行のコツをつかんでいった様子だった。

開会式では発起人の加藤康則GMがあいさつ ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

そして迎えたイベントのオープニング。開会式では発起人の加藤GMが挨拶に立ち、開催への感謝を述べた。予選グループの組み合わせ抽選には、チームを代表して荒井が臨み、愛三工業レーシングチームとシマノレーシングと戦うことが決まった。

愛三工業レーシングチームとの対戦となった予選ラウンド第1戦。椿、山本、福田、荒井のオーダーでの出走。数日前から意見を出し合って練り上げた作戦通りにレースを進行させ、現役競輪選手でもある福田、スプリンターの荒井を中心に危なげなく勝利をおさめた。

予選ラウンド第1戦は愛三工業対キナン ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

シマノレーシングとの対戦となった第2戦。愛三工業レーシングチーム戦からメンバーを入れ替え、椿、大久保、中島、荒井の布陣で挑んだ。トラック競技を専門にする選手を擁した相手のスピードに負けじと迫ったが、力及ばず3-0のストレートで敗戦となった。

これにより決勝進出は逃したが、レースを終えた選手たちはVIP席へと出向いてファンサービス。シマノレーシングとマトリックスパワータグの対戦となった決勝を、観客とともに観戦した。VIP席は走路内側のフィールド部分で観戦を楽しめるもので、選手入退場時のハイタッチや、レースの息づかいが感じられる距離感が魅力。事前発売で完売となった。ロードレースとは異なる景色のナイターイベントに、ファンは選手と写真を撮ったり、シーズン後半のレース展望について話をしたりと、普段では得られないスペシャルな時間を楽しんでいた。

レースを終えた選手たちは観客席へと出向いてファンサービス ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

レース後の閉会式では、バンクリーグをよりよいものにしていくために常にブラッシュアップしていくと話した加藤GM。選手からも、対戦相手の特性に合わせた戦略など作戦の幅を広げ、レースを重ねるごとによりアグレッシブな戦いが展開されるのではないかという声が聞こえてきた。

華やかな船出となったバンクリーグ。Round 2は8月30日、三重県・松阪競輪場で開催される。(Text:清水翠、Edit:福光俊介)

●キナンサイクリングのホームページ

バンクリーグ名古屋ラウンドが8月23日に開催へ

国内最高峰の自転車ロードレース「Jプロツアー」に参加するチームを中心に、リーグの発展と自転車ファンの拡大、地域振興を目的として立ち上げたトラックを利用した新しいサイクルレース、「バンクリーグ」の最初の大会が8月23日(金)、名古屋競輪場で開催される。

ロード選手がトラックを走るバンクリーグ
2019年より本格始動する自転車トラックレース対抗戦
自転車競技の発展と振興を目的に、UCIコンチネンタルチームを中心としたプロチームによるトラックレース対抗戦。国内各競技場での開催により、ロードレースの枠を超え各種サイクルスポーツのファン層拡大を図るとともに、「観戦型スポーツ」としての魅力の向上、さらにはそれを発信していくツールとして、出場チームが全力で取り組んでいきたいという。
バンクリーグの特徴
選手が使用するのはロードバイクだ
ルールはシンプルで分かりやすく、接戦が予想されるバンクリーグオリジナルの「3ポイントゲーム」を採用 。プロレーサーの走りをバンク間近で観戦、体感。レースだけでなく、ファンと開催地域の人々とがふれあうことのできるさまざまな催しをレース前やレース中に企画。これまでにない「参加型サイクルイベント」。会場ではフード・ドリンクの販売、バンクリーグオリジナルグッズの販売。

バンクリーグオリジナル「3ポイントゲーム」

チーム同士の対戦型で、各チームからの出走人数は3~4人を予定。スタートから2周をニュートラル周回とし、3周回目からポイント周回を設定。以降は隔周(3, 5, 7, 9, 11周)をポイント周回とする。
ポイント周回では、1位通過した選手の所属チームにポイントが付与され、3点先取したチームが勝利。
最小で7周回、最大で11周回で競われるが、開催競輪場によって周長(1周あたりの距離)が異なり、レース展開や戦術に変化が生まれることが見込まれる。
バンクリーグ 名古屋round
開催日:8月23日  
開催地:名古屋競輪場(愛知県名古屋市中村区中村町字高畑68)  

タイムテーブル:  
17:00〜 開場  
18:00〜 オープニングセレモニー  
18:15〜 予選レース  
19:45〜 ハーフタイムイベント(競輪選手が登場予定)  
20:15〜 決勝  
20:30〜 エンディングセレモニー  

※レース進行状況により、時間が変動する場合あり
ファンと開催地域の人々がふれあうことのできる、さまざまな催しを企画
名古屋round 参加チーム
・宇都宮ブリッツェン(栃木県)  
・那須ブラーゼン(栃木県)  
・チーム ブリヂストンサイクリング(静岡県)  
・マトリックスパワータグ(大阪府)  
・シマノレーシング(大阪府)  
・KINAN Cycling Team(和歌山県・三重県・愛知県)
名古屋round チケット情報
■バンクリーグ自由席 
●前売券  
通常価格 1,800円  
会員価格 1,500円  
こども価格 900円  
こども会員価格 500円  

●当日券  
通常価格 2,000円  
こども価格 1,000円  

■VIPエリアチケット 
●前売券  
通常価格 4,800円  
会員価格 4,500円  
こども価格 2,400円  
こども会員価格 2,000円  

●当日券  
通常価格 5,000円  
こども価格 2,500円
※前売券特典:バンクリーグ2019オリジナル チーム・選手缶バッチ付
※VIPエリアチケット特典:バンク内VIPエリアから観戦可能、ウェルカムフード&ワンドリンクサービス
※会員価格:バンクリーグ会員(一般財団法人日本サイクルスポーツ振興会運営)へ登録(無料)すると、会員価格で購入が可能。
場外フード・ドリンク・イベントコーナー
■フードカー 
人気の「名古屋めし」を中心にバンクリーグを「食べながら、飲みながら」楽しんでいただけるフード、ドリンクコーナーを16時よりオープンいたします。  

■バンプトラック無料試乗コーナー 
こども達にBMX競技の楽しさを体験してもらえる、パンプトラックを用意。どなたでも気軽に参加していただけます。  

■チームカー展示コーナー 
参加6チームのチームカーをイベントスペースに特別展示いたします。選手とバイクともに各地を転戦しているレースカーを間近で見るチャンスです。フォトスポットとしても楽しめます!

2019年シーズン開催日程
Round 1 8月23日(金) 名古屋競輪場
Round 2 8月30日(金) 松阪競輪場(三重県)
Round 3 9月23日(祝・月) 広島競輪場
Round 4 10月21日(月) 宇都宮競輪場(栃木県)

■バンクリーグ2019「完全制覇」シーズンパックチケット 
4大会すべてをこの目で見届けたい!というファンのための限定チケット。名古屋・松阪・広島・宇都宮全てのチケットを特別価格でセット販売いたします。あわせて、前半の2大会(名古屋・松阪)のパックチケットの販売いたします。  

●シーズンパック(自由席)  
4大会 自由席パック 会員価格4,000円  

●シーズンパック(VIP席)  
4大会 VIP席パック 会員価格15,000円  

●TOKAIパック(自由席)  
名古屋・松阪2大会 自由席パック 会員価格2,500円  

●TOKAIパック(VIP席)  
名古屋・松阪2大会 VIP席パック 会員価格8,500円

■「集まれサイクリスト! 選手と走ろう」バンク走行会参加権付きチケット 
4大会直前のバンク内を走行体験できるバンク走行会の参加権をセットにしたチケットです。1日を通じてバンクリーグを満喫したいサイクリストには最適なチケットです。途中、選手の参加も予定されていますのでどうぞご期待ください。  

●バンク走行会参加権付き(自由席)  
会員価格 3,000円  
こども会員価格 1,500円

バンクリーグ概要・ルール・開催日程・参加予定チームが明らかに

2019年から本格始動するトラックを利用したサイクルレース「バンクリーグ」のプレスカンファレンス(公式記者発表)が4月10日に日本写真判定本社で行われた。イベント関係者に加え、出場予定チームから選手・監督が出席。イベントの理念・概要の説明に加え、選手・監督からきたる本番への意気込みやレース展望が話され、新たなスポーツイベントとしての可能性を発信していく場となった。

「バンクリーグ」発足を正式発表

バンクリーグの目指すところ

・ロードレースシーンの向上、チームの育成強化
・出場チームには「ホームバンク」を設定。国内各地を転戦しながら、各チームが“ホームチーム”としてライバルチームを迎え撃つレースシステムに
・バンク周囲のライティングやスクリーンを利用した華やかな演出、バイクパフォーマーによる演舞など、“魅せる”イベントに
・フードやドリンク、グッズ販売などを充実させ、ファンや開催地域の人々とがふれあうことのできる空間づくり
・観戦料やグッズ販売などの売り上げによるホームチームの収益化
・ファンにとって、競輪場での観戦やグッズ購入が「好きなチームを後押し」する第一歩に
・競輪場の有効活用、地域活性化への取り組み
・競輪とロードレース、その他競技種目、自転車競技全般の融合
・ロードレース、ならびに選手・チームのブランディング
・競輪選手のブランドイメージの改善
・競輪場施設を市民の財産と感じてもらう・競輪場をスポーツ文化の発信拠点に、さらにはチームとファンとの交流拠点にする

選手が使用するのはロードバイクだ

バンクリーグ概要

●3ポイントゲーム
チーム同士の対戦型で、各チームからの出走人数は3~4人を予定。スタートから2周をニュートラル周回とし、3周回目からポイント周回を設定。以降は隔周(3, 5, 7, 9, 11…周)をポイント周回とする。 ポイント周回では、1位通過した選手の所属チームにポイントが付与され、3点先取したチームが勝利。 最小で7周回、最大で11周回で競われるが、開催競輪場によって周長(1周あたりの距離)が異なり、レース展開や戦術に変化が生まれることが見込まれる。 なお、選手が使用するバイクはロードバイクを採用する(今後変更の可能性あり)。
●順位決定システム
2019年は「キックオフシーズン」であることから、各ラウンドごとに優勝チームを決定する。優勝決定方法については、ラウンドごとの出場チームが異なる見通しであるため、チーム数に応じてトーナメント形式・総当たり形式・リーグ形式といった対応を行っていく。 将来構想として、各ラウンドごとの優勝チーム決定に加えて、年間総合ランキングなどの順位決定システムの導入を予定。加盟チームの増加を見越したレギュレーション設定を進めていく。
●ホーム&アウェー形式(将来構想)
将来構想として、加盟チームすべてに「ホームバンク」を設定し、ホームチームが主役となるラウンドシステムの整備を進めている。 ホストとしてライバルチームを迎え撃つだけでなく、開催地ならではのおもてなしや、全国各地から集まるファンと地域の人々との交流が図られることを理想とする。 そして、観戦料やグッズ販売などの売り上げをホームチームの収益となることを目指していく。観戦者やグッズ購入者にとって、「好きなチームを後押し」する第一歩にしていただく。
ファンと開催地域の人々がふれあうことのできる、さまざまな催しを企画
●ファンと開催地域の人々とがふれあうことのできる、さまざまな催しを企画
バイクパフォーマーによる演舞や、スクリーンを用いた派手な演出などで会場を盛り上げる。また、レース中には実況や解説も充実の内容でお届け。運が良ければ、選手や監督が自ら実況席に座ってレース解説…といったシーンに遭遇することも!? その他、観客席と一体となってのプログラム企画中。これまでにない、「参加型サイクルイベント」としての盛り上げを図っていく。
●フードやドリンク、チームグッズ・バンクリーグオリジナルグッズの販売を予定
開催地の特産品を使ったフードや開催競輪場オリジナルメニュー、出場チームのオフィシャルグッズなど、心も体も満たされるラインナップに。 バンクリーグオリジナルグッズの販売も予定されており、早い段階での正式発表を目指している。
バンクリーグ参加チーム(予定・順不同)
・宇都宮ブリッツェン(栃木県)  
・那須ブラーゼン(栃木県)  
・チーム ブリヂストンサイクリング(静岡県)  
・マトリックスパワータグ(大阪府)  
・シマノレーシング(大阪府)  
・KINAN Cycling Team(和歌山県・三重県・愛知県)  
・愛三工業レーシングチーム(愛知県)  
・チームUKYO(東京都)
2019年シーズン開催日程
Round 1 8月23日(金) 開催地調整中(400mバンクを予定)
Round 2 8月30日(金) 松阪競輪場(三重県・400mバンク)
Round 3 9月23日(祝・月) 広島競輪場(広島県・400mバンク)
Round 4 10月21日(祝・月) 開催地調整中(500mバンクを予定) 
※開催地調整中のRoundについては、決定次第発表
※観戦チケットの販売についても現在調整中。

発起人 加藤康則キナンゼネラルマネージャーは

加藤康則・KINAN Cycling Team ゼネラルマネージャー

「バンクリーグの立ち上げに際し、日本競輪選手会、各競輪場関係者のみなさまにさまざまなご協力をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
われわれサイクルロードレース関係者は、公益財団法人JKAからの補助金があってはじめてレースを走ることができている点を改めて認識しなくてはなりません。バンクリーグの盛り上がりがサイクルロードレースのみならず、自転車競技全般へと広がり、それがサイクルスポーツ観戦の文化発展に一石を投じ、さらには競輪とロードの業界間の懸け橋となり、どちらも競技として飛躍・向上していければ、これほど幸せなことはありません。
バンクリーグ開催の実現に向けて、テストライドを含めてご協力くださったチーム関係者・選手のみなさま、何度もテストを実施した一宮競輪場の関係者・選手会のみなさま、本当にありがとうございました。この日を迎えられたことは、本当にみなさまのおかげです」

出場予定チーム監督代表挨拶 安原昌弘・マトリックスパワータグ監督

出場予定チーム監督代表として安原昌弘・マトリックスパワータグ監督がコメント

「昨年8月にトラックフェスティバルとしてリハーサルイベントが行われましたが、その数年前から発起人の加藤さんとはテストを重ねに重ね、選手たちにも協力してもらって、誰もが見て楽しめるもの、分かりやすいルールを目指してきました。いよいよ、バンクリーグとしてお見せできるところまでやってきました。選手・監督、みんなが開幕を心待ちにしています。
普段、われわれが走っているロードレースはエキサイティングで、見ていてもおもしろいスポーツだと思います。ただ、バンクリーグは野球やサッカーなどと同様に“スタジアムスポーツ”として、ひと味違った楽しみ方ができることでしょう。レースの合間の演出もきっと喜んでいただけるはずです。お酒を飲みながら、ちょっとばかり選手を野次ってみたりしながらレースを観戦してみてください。
ときどき、私も実況席でマイクを執って、選手の走りよりも熱い話をしたいと思いますので、そちらもご期待ください!」

出場予定チーム 監督ミニトークセッション
加藤発起人の進行のもと、出場予定チームの監督たちが本番に向けた意気込みやレース展望をディスカッション。その気になる中身とは…。各チーム監督のコメントを抜粋。
愛三工業レーシングチーム 西谷泰治テクニカルディレクター
「われわれのチームにはトラック出身のスピードに長ける選手が数名在籍していますが、バンクリーグに限ってはトラック競技で身につけたスキルや戦術が必ずしも反映されるとは限らないと感じています。トラックの中距離種目であれば個々の戦いとなる側面が大きいですが、バンクリーグはチーム対戦形式である点で大きな違いが生まれてくると考えています。作戦を立てるのが難しいですが、まずは昨年のトラックフェスティバルでの戦い方をベースに組み立ててみようと思います」
宇都宮ブリッツェン 清水裕輔監督
「昨年のトラックフェスティバルは宇都宮開催で、チームにとってホームであったこと、さらには宇都宮競輪場が500mバンクだったことで、ロードメインの選手たちにとってもコーナーリングや番手争いで他の周長(333mや400mなど)のバンクほど難易度が高くはなかったのかなと振り返っています。今後333mや400mのバンクで開催されるようになっていくと、トラック競技経験者がより有利になると思います。ですので、チームとしてはロードのスピードを生かしながら、バンクに合った走り方を身につけていきたいと考えています」
KINAN Cycling Team 石田哲也監督
「これまで総合系ライダーを多くそろえてきたチーム編成ですが、2019年からは平地系ライダーも多く獲得し、バンクリーグへも万全の態勢で臨むことができます。ロードをメインとしたスピード強化の過程で、バンクリーグでも上手く戦っていけたらと思っています」
シマノレーシング 野寺秀徳監督
「私たちは1973年発足の歴史と伝統を誇るチームです。これまでの歩みの中で、多くのオリンピック選手、そして多くのトラック選手を輩出してきました。最近はロードメインのチーム体制になりましたが、かつてトラック最強を誇ったOBの方々からも叱咤激励をいただきながら活動をしています。それは、多くのチームが強化を進める中にあって、シマノレーシングが存在感を見せていけるかどうかという意味でもあります。チームには高校・大学でトラックをメインに走ってきた選手が多く、彼らはいまもトラックへの意欲が強いです。昨年のトラックフェスティバルには出場しておらず、今年が初参戦となりますが、ユニークなルールの中でいかにして戦うか、まずはトラック経験者のモチベーションをベースに勝負へ挑みたいと思っています」
那須ブラーゼン 岩井航太ゼネラルマネージャー
「トラックフェスティバルでは地脚の面で他チームに劣ってしまったのですが、3ポイントゲームとなってよりスピードが試される戦いになると予想しています。うまくレースを展開して、イベント全体の盛り上がりに寄与できるよう取り組んでいきたいと思います」
チーム ブリヂストンサイクリング 六峰亘監督
「トラックの日本代表選手が多数所属していますので、彼らを軸にメンバー編成して臨みたいと考えています。必然的に優勝が期待されると思いますが、まずは選手たちが持ち味を発揮すること、さらには短期決戦の中でロード選手の奇策に注意を払いながら戦うこと、そして目標として全勝優勝を掲げて走りたいと思います」
マトリックスパワータグ 安原昌弘監督
「トラック競技を専門的に見ていけば、チーム ブリヂストンサイクリングが圧倒的に有利。ただ、KINAN Cycling Team・加藤GMと私とで何度もテストをしてきたように、われわれ2人はルールを変えられる権限を持っているわけです(場内笑い)。冗談はさておき、レースではロードバイクを使用するので、ロードメインの選手たちにも勝機はあるのではないかと感じています。はじめのうちは選手・チームともに楽しく取り組むでしょうけれど、将来的にバンクリーグメインのチームが生まれているかもしれません。それくらい選手・監督、関係者みんながバンクリーグにガチなのです。みんなの本気度も含めて、見る人たちには楽しんでほしいですね」

バンクリーグ〜トラックを利用した新しいレースが2019年本格始動

国内最高峰の自転車ロードレース「Jプロツアー」に参加するチームを中心に、自転車ファンの拡大と地域振興などを目的として、トラックを利用した新しいサイクルレース「バンクリーグ」が立ち上がった。同リーグの本格始動を目指して、2019年から参加チームによる国内各地競輪場でのテストレースを現在計画している。

宇都宮で開催されたTRACK FESTIVAL ’18 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

8月24日には栃木県の宇都宮競輪場で「トラックフェスティバル’18」(宇都宮市後援)と称して初のテストイベントが行われた。宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ブリヂストンサイクリング、マトリックスパワータグ、キナンサイクリング、愛三工業レーシングの6チームが参加。

競技は周回ごとに先頭通過チームが1ポイント獲得し、5ポイント先取したチームが勝ちとなる「ファイブポイントゲーム」で実施された。

■来場者:のべ1000人(一般席950人、VIP席50人)
■YouTube LIVE視聴者数:1678
■SHOW ROOM 当日視聴数:3133人

8月24日に宇都宮競輪場でトラックフェスティバル’18と称して初のテストイベントを開催

競輪場で行うメリット
・競輪場をスポーツ文化の発信拠点にする
・競輪とサイクルスポーツ、自転車競技の融合
・競輪選手のブランドイメージの改善
・競輪場施設を市民の財産と感じてもらうこと
・競輪場の有効活用、地域活性化への取り組み
・自転車競技の向上、チームの育成強化
「バンクリーグ」が競輪界とロード界の未来につながる架け橋になる

バンクリーグ今後の展望
2019年以降のテストレース開催を踏まえて、将来的にはサッカーや野球のようにホーム&アウェイ方式にて国内各地の競輪場での開催を計画。レース会場は参加チームの「ホームバンク」となる競輪場を予定している。

また各チームのファンをはじめ、開催地域の市民がふれあえる楽しいイベントを同時開催し、まったく新しい参加型サイクルイベントとして盛り上げていきたいという。

バンクリーグの詳細、実施競技「ファイブポイントゲーム」のルールなどは公式ウェブサイトで確認できる。