カベンディッシュ通算16勝目【ジロ・デ・イタリア第3S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月8日、ハンガリーのカポシュバール〜バラトンフュレド間の201kmで第3ステージが行われ、マーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)がゴール勝負を制して優勝。首位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)はその座を守った。

2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©LaPresse

9年ぶりの出場でグランツール通算53勝、歴代3位

9年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場したカベンディッシュ。大会通算16勝目であると同時に、グランツールでは通算53勝目。これはエディ・メルクスの65勝、マリオ・チポッリーニの57勝に続く歴代3位の記録となる。

ジロ・デ・イタリアでカベンディッシュが初勝利してから、13年と360日という歳月が流れた。ジーノ・バルタリの持つ15年と9日には及ばないが、これは1935年から1950年と第二次世界大戦をはさんでのものだ。

また36歳と11カ月17日という年齢での勝利は、2011年に37歳で勝ったアレッサンドロ・ペタッキに次ぐもの。

ハンガリー最終日となる第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

強力アシストがいるから言い訳はできない

「この感覚はジロ・デ・イタリアで初勝利したときと同じだ。このレースが大好きで、この成績に満足している。ジロ・デ・イタリアは今でもボクにとってかけがえのないものだ」とカベンディッシュ。

「間違いなく、ボクのチームは自分に自信を与えてくれている。最高のアシスト陣を持っているから、言い訳はできない。マチュー・ファンデルプールが行くのを感じたので、早めに行かなくてはならなくて、とても長いスプリントだった」

「ハンガリーでのジロ・デ・イタリアは素晴らしかった。群衆は驚異的だった。ボクは自転車に乗っている多くの人々、多くの自転車ルートを見ることができた。人々はグランデパルテンツァ(開幕地)を愛していた。ボクにとってここにいることは特権だったし、ここで優勝できたことは特別な意味がある」

カベンディッシュを先頭にゴールラインを目指す ©Marco Alpozzi/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)
□マリアビアンカ(新人賞) マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

第3ステージでもマリアローザを守ったファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

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カベンディッシュ復活賞ならず…受賞はスカイ・ブラウン

スポーツ界のアカデミー賞と呼ばれているローレウス世界スポーツ賞2022の全13部門の受賞者が2022年4月24日に発表され、最優秀男子選手はF1のマックス・フェルスタッペン(オランダ)、同女子は陸上のエレイン・トンプソンヘラ(ジャマイカ)が選ばれた。

ローレウス年間最優秀復活選手部門:スカイ・ブラウン(スケートボード・英国) ©Ulrik Pedersen/NurPhoto via Getty Images

世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスの主催。2021年のスポーツシーンにおいて最も優れた功績を残した個人や団体を表彰した。

最優秀復活選手賞は大怪我を経て東京五輪で銅のブラウン

カムバックを果たした選手に送られる最優秀復活選手部門は、日本にもルーツを持つスケートボードのスカイ・ブラウン(英国)。自転車ロードレースのマーク・カベンディッシュ(英国)も最優秀候補選手だったが、受賞できなかった。

ブラウンは2020年6月、練習中に頭から転倒し、頭蓋骨と左手首などの骨折という大けがを負った。病院に運ばれたときには意識がなかったという重傷ながら、東京オリンピックに出場できるまでに回復。女子スケートボードパークで3位となり、13歳28日という若さで、銅メダルを獲得。英国史上最年少 メダリストとなった。

日本から最優秀アクションスポーツ選手部門にノミネートされていた堀米雄斗・西矢椛、最優秀障害者選手部門にノミネートされていた国枝慎吾、スポーツ・フォー・グッド部門にノミネートされていたNPO法人モンキーマジックは受賞ならず。

ローレウス年間最優秀男子選手部門:マックス・フェルスタッペン(F1・オランダ) ©Clive Rose/Getty Images

【受賞一覧】
・ローレウス年間最優秀男子選手部門:マックス・フェルスタッペン(F1・オランダ)
・ローレウス年間最優秀女子選手部門:エレイン・トンプソンヘラ(陸上・ジャマイカ)
・ローレウス年間最優秀チーム部門:サッカー男子イタリア代表(サッカー・イタリア)
・ローレウス年間最優秀成長選手部門:エマ・ラドゥカヌ(テニス・英国)
・ローレウス年間最優秀復活選手部門:スカイ・ブラウン(スケートボード・英国)
・ローレウス年間最優秀障害者選手部門:マルセル・フグ(車いす陸上・スイス)
・ローレウス年間最優秀アクションスポーツ選手部門:ベサニー・シュリーバー(BMX・英国)
・ローレウス生涯功労賞:トム・ブレイディ(アメリカン・フットボール・米国)
・ローレウス・アカデミー偉業達成賞:ロベルト・レヴァンドフスキ(サッカー・ポーランド)
・ローレウス・スポーツ・アイコン賞:バレンティーノ・ロッシ(オートバイ・イタリア)
・ローレウス・スポーツ・フォー・グッド賞:Lost Boyz Inc.(米国)
・ローレウス・スポーツ・フォー・グッド・ソサエティ賞:レアル・マドリード財団(スペイン)
・ローレウス年間アスリート支援者賞:ゲーラルド・アサモア「ブラックイーグルス」(ドイツ)

ローレウス年間最優秀女子選手部門:エレイン・トンプソン=ヘラ(陸上・ジャマイカ) ©Michael Steele/Getty Images

ローレウス世界スポーツ賞は4月24日にスペイン・セビリアでオンライン発表

スポーツ界のアカデミー賞と言われるローレウス世界スポーツ賞2022が4月24日(日)、スペインのセビリアでオンライン開催される。女子スキー選手のリンゼイ・ボンが司会を務める。

史上最高の女子スキー選手の一人、リンゼイ・ボン

2000年から始まったローレウス世界スポーツ賞は毎年、すべてのスポーツで卓越した成績を残した個人およびチームを選出。スポーツ界のレジェンドで構成されたローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミーのメンバー71名の投票で決定する。

新型コロナウイルス感染症により不安な状況が続くことから、各部門の受賞者はバーチャル形式の授賞式により発表される。

復活賞の最終候補に自転車ロードのカベンディッシュ

1200名を超える世界の一流スポーツジャーナリストやニュースキャスターによるノミネーションパネルから選出された候補者には、トム・ブレイディ、ロベルト・レバンドフスキ、マックス・フェルスタッペン、エレイン・トンプソンヘラ、エマ・マキーオン、エマ・ラドゥカヌ、ペドリ、シモーネ・バイルズ、スカイ・ブラウン、マーク・カベンディッシュ、トーマス・デーリー、マルク・マルケス、ディーデ・デフロート、マルセル・フグ、カリッサ・ムーア、西矢椛といった選手が名を連ねる。

2022ローレウス世界スポーツ賞の最終候補

ローレウス年間最優秀チーム賞の候補チームには、欧州選手権で優勝を果たしたサッカー男子イタリア代表チーム、コパ・アメリカで優勝を果たしたリオネル・メッシ擁するサッカー男子アルゼンチン代表チーム、そしてチャンピオンズリーグ優勝を手にしたFCバルセロナ・フェミニの3チームが選ばれている。

●ローレウス世界スポーツ賞のホームページ

カベンディッシュ…ツール・ド・フランス最多34勝の足跡

2021ツール・ド・フランスでドゥクーニンク・クイックステップのマーク・カベンディッシュ(英国)が、大会最多勝利記録の34勝に並んだ。36歳のベテランスプリンターがついに、自転車競技史上最強と呼ばれたエディ・メルクスの大記録に並んだ。

カベンディッシュのいつものサムアップ ©A.S.O. Charly Lopez

アシスト陣に感謝の言葉をかけてまわる謙虚さも

カベンディッシュは2007年にドイツのTモバイルでプロデビューし、ツール・ド・フランスにも出場したが未勝利。しかし2008年の第5ステージで大会初勝利を挙げると、その年は合計4勝。2009年の大会はなんと6勝。さらに2009年から4年連続で最終日のシャンゼリゼで勝利している。

2008年、マーク・カベンディッシュが第5ステージでツール・ド・フランス区間初勝利 ©ASO / POOL

34勝という記録は、あまりの強さゆえに「カンニバル=人食い鬼」と呼ばれたベルギーのメルクスが持っていた。ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで最多5回の総合優勝、世界選手権プロ3勝、アマ1勝という偉大な実績を誇る。

1964年に開催された東京五輪でもベルギー代表として参戦しているメルクスは常に勝利にこだわり、どんなレースでも2位以下に甘んじることを好まなかった。平たんステージでも山岳でも勝利しているので、平たんスプリンターのカベンディッシュとはまた違ったタイプだった。

カベンディッシュが第10ステージで優勝 ©A.S.O. Charly Lopez

カベンディッシュは2016年の30勝目から5年間勝てなかった。チームを転々としたが、発射台となるアシスト勢に恵まれなかった。たび重なる落車骨折と、ここ5年は感染症に悩み、成績不振でうつ病も発症。契約金はいくらでもいいと移籍した現チームで、優秀なアシスト陣を得てかつての勝ちパターンがよみがえった。

残り150mまでチームメートにけん引されれば、最後のスプリント勝利で負けることはない。2021年大会の第4ステージで5年ぶりに勝つと、第61013ステージと勝ち星を重ねた。ゴール後はそれぞれのチームメートの母国語を使って感謝の言葉を送った。

2014年は母国である英国で開幕したが、第1ステージで落車骨折してリタイア ©A.S.O.
2017ツール・ド・フランスで落車骨折。その翌日のスタート地に姿を見せたマーク・カベンディッシュ

先達の慰霊碑の前でヘルメットを脱いだ

一方、上り坂が苦手で、山岳ステージではチームメートにけん引されて連日制限時間間際でゴール。そんな中でカベンディッシュは第11ステージで思わぬ行動を取った。この日は1970年の大会で英国の元世界チャンピオン、トム・シンプソンが昏倒して急死したモンバントゥーがコースだった。

上り坂に苦しんでいたカベンディッシュだが、頂上1km手前にあるシンプソンの慰霊碑の前でヘルメットを脱いで一礼をする。じつはメルクスも、当時はヘルメットではなく帽子だったが、同じ行動を取ったことが伝説として語られている。

カベンディッシュが大会最多タイとなる34勝目。2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

マン島出身で「マン島超特急」と呼ばれた全盛期の力はない。東京五輪が2020年に開催されていたら、トラック種目で新採用されたマディソンで金メダルを獲得して有終の美を飾る計画もあった。リオ五輪ではオムニアムで銀メダルを獲得しているが、その複合競技で若手の体力に対抗するのはもはや限界。2人でペアを組むマディソンに活路を見出したが、コロナ禍で大会は延期。

東京五輪はタイムオーバーとなっただけに、カベンディッシュが最後のターゲットとしたのがツール・ド・フランスでの記録更新である。ツール・ド・フランスは第19ステージ、そして最終日パリ・シャンゼリゼの第21ステージが得意とする平たんコースだった。1つでも勝てば前人未踏の新記録となったが、他選手に阻まれた。

それでもなんと10年ぶりにポイント賞のマイヨベールを獲得。数々の栄冠に新たな勲章を加えた。

2017ツール・ド・フランスさいたまで日本のファンと交流するマーク・カベンディッシュ ©Yuzuru SUNADA

東京五輪で注目はカベンディッシュが開発したアイウエア

カベンディッシュは東京五輪の英国代表から外れたが、カベンディッシュが開発に携わったアイウエアが2020東京五輪で注目されそうだ。米国オークリー社の最新モデル、ケイトーが金色の24Kカラーになり、五輪決勝種目に登場する同社契約選手全員が着用する。細部までくっきりと見える特殊レンズを採用し、路面の石やボールなどを見やすくなったという。

プリズム24Kレンズのオークリー ケイトー
オークリーが東京五輪用に24Kレンズのケイトーを発売

🇫🇷ツール・ド・フランス2021特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

カベンディッシュ、メルクスに並ぶ34勝目【ツール・ド・フランス13S】

第108回ツール・ド・フランスは7月9日、ニーム〜カルカッソンヌ間の219.9kmで第13ステージが行われ、ドゥクーニンク・クイックステップのマーク・カベンディッシュ(英国)が大集団のゴール勝負を制し、今大会4勝目を挙げた。大会通算34勝目で、自転車競技史上最強と言われたエディ・メルクス(ベルギー)の最多記録に並んだ。

カベンディッシュが大会最多タイとなる34勝目。2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

首位に立つUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はタイム差なしの同一集団でゴールし、マイヨジョーヌを難なく守った。

ニームの円形闘技場前がスタート地点 ©A.S.O. Charly Lopez
2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
ティム・デクレルクが先頭を行く ©A.S.O. Pauline Ballet
ニームからカルカッソンヌへ ©A.S.O. Charly Lopez
南仏を行く第13ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
第13ステージでもカベンディッシュを擁するドゥクーニンク・クイックステップがペースメーク ©A.S.O. Aurélien Vialatte
2021ツール・ド・フランス第13ステージはオクシタニー地域圏へ ©A.S.O. Aurélien Vialatte
マイヨジョーヌのポガチャルが第13ステージを走る ©A.S.O. Aurélien Vialatte
2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte
2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte
カベンディッシュ、ゴール直後に尽き果てる ©A.S.O. Pauline Ballet
カベンディッシュがマイヨベールを守った ©A.S.O. Aurélien Vialatte

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)マーク・カベンディッシュ(英国、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2021ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

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🇫🇷ツール・ド・フランス2021特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

オークリーが東京五輪用に24Kレンズのケイトーを発売

2020東京大会の決勝で金メダルを争うチームオークリーのアスリート全員が、Prizm(プリズム)24Kレンズ採用のOakley Kato(オークリー ケイトー)を着用する。プリズム24Kレンズ採用のオークリー ケイトーは、 公式オンラインストアとオークリーの一部店舗で販売開始。

プリズム24Kレンズのオークリー ケイトー

ツール・ド・フランス最多勝に王手のカベンディッシュが開発

スポーツパフォーマンスの限界をさらに押し上げるという明確なビジョンのもとデザインされたケイトー。2020東京ではプリズム24Kレンズのケイトーを着用することで、秘められたポテンシャルを最大限引き出すという。

オークリー ケイトー

顔の輪郭に沿うレンズスタイルがアイマスクのように絶妙にフィットするケイト―は、フレームがなく、レンズの角度の上下3段階調整機能に加え、かつてないほど自然なフィット感を可能にする複数のノーズパッドが付属。さらに、色調やコントラストを強調することで、細部までくっきりとした視界を実現するプリズムレンズテクノロジーが採用されている。

オークリー ケイトーには、独自に開発した最新イノベーションPhysioMorphic Geometry(フィジオモルフィック ジオメトリー)が採用された。オークリーがこれまで生み出してきた数々のイノベーションを継承しつつ、この最新のイノベーションではアスリートの実体験や自然の法則から着想を得ることで自由な発想のデザイン、開発が可能になった。 

自転車ロード選手のマーク・カベンディッシュ(英国)もその開発に関わったという。

【主な特徴】
●デザイン:限界まで顔に近い距離でフィットするよう設計された革新的なレンズスタイル。視野範囲が広くなり、フレームもさらにずれにくく、耐衝撃性が強化された。 

●レンズ:テクノロジーの進化によって生み出された最新イノベーション「PhysioMorphic Geometry(フィジオモルフィック ジオメトリー)」により、フレームレスでも従来のフレームの同様の強度を持たせた、オークリー史上最も広い顔を覆うようなレンズが実現した。 

●調節可能なレンズ角度:上下3段階にレンズの角度が調整可能で、顔に合わせてレンズをさらにぴったりとフィットさせ、かけ心地を調整できる。 

●ノーズパッド:厚さと形状の異なる3つのノーズパッドが付属。レンズの滑り落ちを防止するだけでなく、フィット感を微調整できる。 

●プリズムレンズテクノロジー:色調やコントラストを強調することで、細部までくっきりとした視界を実現するプリズムレンズテクノロジーが採用されている。 

お客様問い合わせ先:ルックスオティカジャパン 0120-009-146
●オークリーのホームページ