ビンゲゴーがティレーノ~アドリアティコで初の総合優勝

ユンボ・リースアバイクのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が、イタリアで開催された7日間のステージレース、ティレーノ~アドリアティコ(3月4〜10日)で初めての総合優勝を遂げた。

ティレーノ~アドリアティコを制したビンゲゴーが栄冠の三槍「トライデント」を掲げた ©Gian Mattia D’Aberto/LaPresse

デンマーク勢の総合優勝は、1987・1992年のロルフ・セレンセン以来の2人目。ビンゲゴーは総合優勝者に与えられる青色のマリアアッズーラを最終日のゴール後の表彰台で着用した。

1分24秒遅れの総合2位はUAEエミレーツのフアン・アユソ(スペイン)、1分52秒遅れの3位はボーラ・ハンスグローエのジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)。

「とても難しい最終ステージでした。スプリンターたちは勝利のために一生懸命追いかけなければならなかったが、彼らはそれを成し遂げた。幸いなことに、チームは私をトラブルから守ってくれたので、この美しいジャージとこの美しいトロフィーを守ることができた」とビンゲゴー。

ティレーノ~アドリアティコ優勝のビンゲゴーを中央に、左が2位アユソ、右が3位ヒンドレー ©Gianmattia D’Alberto/LaPresse

トライデントはボクのような元漁師にはピッタリ…ビンゲゴー

「海の神が手にするトライデントはサイクリングで最も素晴らしく、最も象徴的なトロフィーの1つだ。私のような元漁師にはピッタリ。コレクションに加えることができて本当にうれしい。ティレーノ〜アドリアティコは、僕のキャリアの中で最大の勝利のひとつだ。2つのステージを制覇し、総合優勝を飾ることができてとてもうれしい。イタリアでのレースはほんとに好きだ。私はこの国、食べ物など基本的にすべて好き。1年後にジロ・デ・イタリアで優勝することも否定しない」

ミランがティレーノ~アドリアティコ第7ステージ優勝 ©Gianmattia D’Alberto/LaPresse

いつかはミラノ〜サンレモで勝つような選手になりたい…ミラン

最終ステージの優勝はリドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)で、ポイント賞のシクラメン色ジャージ、マリアチクラミーノを獲得した。

「ティレーノ〜アドリアティコは非常に優れたスプリンターが揃っているので、2つのステージ優勝とマリアチクラミーノを獲得することができて本当に満足している。チームメイトは素晴らしい仕事をしてくれたし、僕を引っ張ってくれるシモーネ・コンソーニらも素晴らしい仕事をしてくれた。彼は非の打ちどころがない」とミラン。

「ステージレースではミスを犯す瞬間が常にあるが、常に改善しようと努めている。第1ステージのスプリントでリードを奪われてしまったが、チームとしてよく走って2勝を挙げることができた。私たちは非常に強力なチームでミラノ〜サンレモから始まるクラシックのシーケンスを開始する。ヤスペル・ストゥイベンとマッズ・ペーダズンは素晴らしいコンディションで、彼らをできる限りサポートするつもりだ。私はミラノ〜サンレモがとても好きだ。いつの日か優勝できるかどうかは時が経てばわかるだろう」

ビンゲゴーがティレーノ~アドリアティコ初優勝に王手

イタリアで開催される7日間のステージレース、ティレーノ~アドリアティコは3月9日に第6ステージが行われ、ユンボ・リースアバイクのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が優勝。最終日は平坦ステージで、初の総合優勝に王手をかけた。

ビンゲゴーがアタックし、アユソとヒンドレーが必死に食らいつく ©Fabio Ferrari/LaPresse

ビンゲゴーは前日に大会初勝利を挙げ、首位に躍り出た。この日は総合2位フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)、同3位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)の2選手に対し、残り6km地点でアタック。その差をつけて独走でゴールした。

ヨナス・ビンゲゴー。2024ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Gian Mattia D’Aberto/LaPresse

尊敬するコンタドールと同様にティレーノ~アドリアティコに勝っておきたい

「ボクたちは常に勝ちたい。今日は総合成績で上位にいるリチャル・カラパスが動いたので、逃げの後ろを走って気をつけなければいけなかった。チャンスがあればステージ優勝を狙っていた」とビンゲゴー。

「サイクリングシーズンはツール・ド・フランスだけではない。いくつかのレースに勝っておきたい。2023年も3月は調子がよかったが、その後はいろいろな要因であまり調子が上がらなかった。2年前の3月は体調を崩したが、7月に向けて体力アップすることができた。私はいつもアルベルト・コンタドールを尊敬していた。彼のレースのやり方とスタイルはボクにインスピレーションを与えてくれたので、彼が2014年にやったようにティレーノ〜アドリアティコで優勝したい」

ティレーノ~アドリアティコ第6ステージを制したビンゲゴー ©LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ優勝に前進したビンゲゴー ©Gian Mattia D’Aberto/LaPresse

ビンゲゴーがティレーノ~アドリアティコ第5ステージを制して首位に

イタリアで開催される7日間のステージレース、ティレーノ~アドリアティコは3月8日に第5ステージが行われ、ユンボ・リースアバイクのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が独走で優勝。

2024ティレーノ~アドリアティコ第5ステージで優勝して首位に立ったビンゲゴー ©Gian Mattia D’Aberto/LaPresse

ビンゲゴーは大会初優勝。総合成績でリドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)を逆転して首位に立った。

2024ティレーノ~アドリアティコ第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ツール・ド・フランスのイタリア区間を偵察する…ビンゲゴー

「ティレーノ〜アドリアティコの前に自分がなにをしたかは分かっていたし、自分の調子がいいことも分かっていた。個人タイムトライアルではパワーの数値がよかったので、自分のパフォーマンスをいいと受け止めた」とビンゲゴー。

ビンゲゴーがティレーノ~アドリアティコ第5ステージでアタック ©Fabio Ferrari/LaPresse

「常に自分とチームを信頼していたし、そうでなければ今日のようなことはできなかっただろう。僕らはトライしたかったし、チームは素晴らしかった。明日は大事な日だけど、今日もチャンスがあったし、チャンスがあるときにチャンスを掴まなければいけない。今はステージ優勝と総合成績でのリードを手にして、とても満足している。

ティレーノ〜アドリアティコの後は、イタリアを走るツール・ド・フランスのステージを偵察する。ツール・ド・フランスに派遣されるチームメンバーの一部は今、僕と一緒だけど、キアン・アイデブルックスとアッティラ・バルテルはジロ・デ・イタリアを走る。ジロでもツールでも僕たちは常に超強力なチームだ」

ティレーノ~アドリアティコのマリアアッズーラを着用したビンゲゴー ©LaPresse

ティレーノ~アドリアティコが3月4日開幕…ビンゲゴー、ヒンドレー出場

第59回ティレーノ~アドリアティコが3月4日にイタリアで開幕。10日までの7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。ビスマ・リースアバイクはヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、ボーラ・ハンスグローエはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)が総合優勝をねらう。

フィリッポ・ガンナ、ティム・メルリエ、テイオ・ゲイガンハート、ヨナス・ビンゲゴー、ジャイ・ヒンドレー、リチャル・カラパス ©Fabio Ferrari/LaPresse

「2年前のティレーノ〜アドリアティコで2位になったので、今年は優勝争いができることを願っている。長い1週間レースにはライバルがたくさんいる。僕らはできる限りのことをするが、それが十分かどうか最後に見ることになるだろう」とビンゲゴー。

©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

「いつものようにここに来ることができてとてもうれしい。毎年このレースに戻ってくるのが大好きだ。常に超ハイレベルで、今年後半の大きな目標への足がかりにしたい。この1週間、とてもタフなレースになるだろう」とヒンドレー。

ヨナス・ビンゲゴー(左)とフィリッポ・ガンナ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse
ジャイ・ヒンドレー ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

クスがブエルタ・ア・エスパーニャ初優勝…ユンボ・ビスマ勢がグランツール全制覇

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる2023年9月17日、サルスエラ競馬場〜マドリード間の101.5kmで第21ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が初優勝した。総合2位はヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)、3位はプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)でユンボ・ビスマが表彰台を独占。

ユンボ・ビスマはグランツール全制覇をモチーフにした特製ジャージを着用した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

またログリッチは5月のジロ・デ・イタリア、ビンゲゴーは7月のツール・ド・フランス総合優勝者で、ユンボ・ビスマの所属選手がグランツール(三大ステージレース)で全勝。自転車競技史上初の快挙を達成した。

マドリードの最終ステージでグローブスが今大会3勝目 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

最終ステージの勝者はカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)で、今大会3勝目、大会通算4勝目。ポイント賞を獲得した。

左からポイント賞のグローブス、新人賞のアユソ、総合優勝のクス、山岳賞のエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

山岳賞はレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)。新人賞はフアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)。チーム賞はユンボ・ビスマ。

アシスト役だったクスが歴史に名を刻む総合優勝を手に入れた ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

たくさんの思い出と楽しい時間を過ごした(クス)

「今日はレース全体の中で最も苦しんだステージだったと思う。アングリルで苦しんだときよりも苦しんだ。だから今は終わってよかったと思っている。選手たちがアタックの準備をしているのを見たとき、速いステージになるだろうと感じていた」とクス。

チャンピオンバイクはサーベロ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「ブエルタ・ア・エスパーニャで勝ったからといって、ボクは何も変わらないと思っていた。ボクはこれからもボクだとね。でも全然違っていた。この勝利は人生を変えるようなものだ。たくさんの楽しい思い出とともにこの経験を振り返ると思う。まだ感情に沈み込んでいるので、かなり時間がかかると思う。

セップ・クス ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

さあ、盛大なお祝いだよ。家族、友人がここにいる。本当に素晴らしく特別なことになる。チームメートやスタッフと一緒に、ここまでの3週間の物語を語れることがうれしい。たくさんの思い出と楽しい時間を過ごしたからね」

マドリードの表彰台に登場したエベネプール ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2023
総合トップスリー、左から2位ビンゲゴー、1位クス、3位ログリッチのシャンパンファイト ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
チーム優勝も手中にしたユンボ・ビスマはチームスタッフも登壇して歓喜 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランスのビンゲゴー、ブエルタ・ア・エスパーニャのクス、ジロ・デ・イタリアのログリッチ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

第20ステージにもどる

クスが初優勝に前進…最後の山岳でエベネプール3勝目【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年9月14日、ポラデアランデ〜ラクルズデリナレス間の179kmで第18ステージが行われ、ベルギーチャンピオンのレムコ・エベネプール(スーダル・クイックステップ)が独走。今大会3勝目を挙げるとともに、初の山岳賞獲得をほぼ確実にした。

マス、アユソ、ログリッチとともにゴールするクス(右から2人目) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ユンボ・ビスマの3選手による総合優勝争いは、総合1位のセップ・クス(米国)が9分29秒遅れの区間10位でゴール。

ステージ3勝目を決め、山岳賞の獲得に前進したエベネプール ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合3位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)は同タイムの11位。8秒差で総合2位につけていたヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)はこの2選手から9秒遅れたため、クスとビンゲゴーの総合成績でのタイム差は17秒に開いた。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ヨナスはとても強いので、それがちょっと怖かった(クス)

「チームメートは本当に素晴らしい仕事をして、一日中引っ張ってくれた」とクス。

この日のステージは最後の上りを2周する設定で、「ヤン・トラトニクが2度目の上りで戻ってきて、ボクたちのために素晴らしい走りをしてくれた」とクスが続けた。

「そしてヨナスが素晴らしい走りをしてくれた。下から本当にいいペースだった。彼はとても強いので、それが少し怖かった。でも彼はボクにちょうどいい乗り方をしてくれた」

山岳賞のエベネプールが独走 ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「今日はこれまでより守備的な戦術を取った。チームのボクたち3人の中ではアングリルで合意した作戦があった。そのステージの後にどのような戦略を立てたのかといえば、常に変化していった。多少のミスもあったけど、対処できる範囲内だった。総合勝利は近づいている。明日は間違いなく楽なステージだ。でも集中力を切らしちゃいけないし、第20ステージは本当に長くて難しいステージになるだろう。厳しい山岳は終わったけど、この先も厳しい局面はいくつかあるだろう」

クスから9秒遅れでゴールしたビンゲゴー。総合差は17秒と開いた ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
□マイヨブランコ(新人賞)フアン・アユソ(スペイン、UAEエミレーツ)

最後の山岳ステージを終えて首位を死守したセップ・クス ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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