ビビアーニがジロ・デ・イタリア区間2連勝…デニスが首位堅持

第101回ジロ・デ・イタリアは5月6日、イスラエルのベエルシェバ〜エイラト間の229kmで第3ステージが行われ、クイックステップフロアーズのエリア・ビビアーニ(イタリア)がゴール勝負を制し、2日連続、大会通算3勝目を挙げた。総合成績ではBMCのローハン・デニス(オーストラリア)がタイム差なしの大集団の中でゴールしてマリアローザを守った。

© Fabio Ferrari – LaPresse

ジロ・デ・イタリア第3ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

イスラエルで展開した3日間の最終日は砂漠の中を走るステージ。常に強風が吹き荒れる1日だったが、大きなトラブルはなかった。スタート直後から山岳賞のマリアアッズーラを着たエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)、アンドローニジョカットリ・シデルメックのマルコ・フラッポルティ(イタリア)、イスラエルサイクリングアカデミーのギヨーム・ボワバン(カナダ)が第1集団を形成。集団スプリントに持ち込みたいチームがゴールまでの距離を頭に入れながら追走し、残り5kmで吸収した。

ビビアーニを擁するクイックステップフロアーズが先頭で隊列を組むが、連続する環状交差点と残り350m地点の180度ターンでビビアーニがわずかに集団に埋もれた状態に。ボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット(アイルランド)が最初にスパートすると、ビビアーニが追走。ベネットにフェンス際に押し込まれたビビアーニだが、接触することなくかわすと最後は持ち前のスプリント力を発揮して優勝をさらった。

●ダイジェスト動画

ビビアーニがジロ・デ・イタリア第3ステージを制した © Fabio Ferrari – LaPresse

イタリア勢が最初の集団スタートの2日間で2勝を挙げたのは2009年のアレッサンドロ・ペタッキ以来。2017年のイタリア勢はビンチェンツォ・ニーバリの1勝にとどまっていた。
「最後の数kmは向かい風になり、残り350mで180度ターンのコーナーがあったりして、ゴールスプリントのスピードは低かった。砂漠の中を2000m上って降りる。ハードなステージで、総合優勝をねらう有力選手はみんな先頭に位置していたね」とビビアーニ。
この日は最初の2時間は調子が悪かったという。前日の勝利でプレッシャーはなくなっていたので、なんとか調子を取り戻すと、ゴール勝負では集団の中に埋もれそうな位置から最後は持ち前のパワーを発揮してトップフィニッシュを飾った。
「今年はジロ・デ・イタリアを選んだ。グランツールはすべてに出場しているが、ジロ・デ・イタリアは一番完走するのが難しいと思う。今年の目標はポイント賞のマリアチクラミーノ(シクラメン色のジャージ)を着て最後まで戦うことだ」

ジロ・デ・イタリア第3ステージを終えてデニスがマリアローザ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「グランツールでリーダージャージを守ったのは初めてだ。ジロ・デ・イタリアにとってこのマリアローザは特別な存在だと痛感している」とデニス。ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャでも首位に立っているが、いずれも1日でその座を明け渡しているからだ。
「これまでも欧州以外の米国やオーストラリアでレースをしているが、沿道の観衆はとても静かだ。でもイスラエルはボクたちを熱狂的に応援してくれる。とてもうれしいことだった。そんなサポートがあって、マリアローザを着たままイタリアのシチリア島に渡ることができる。できるかぎりこのジャージを守っていきたい」

ジロ・デ・イタリア第3ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

ジロ・デ・イタリア第3ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

大会は4日目となる5月7日は移動日。地中海を飛び越えてシチリア島に向かい、8日の第4ステージから再開する。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ローハン・デニス(オーストラリア、BMC)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
□マリアビアンカ(新人賞)マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

●ジロ・デ・イタリア特集ページへ
●第101回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース
●第101回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト

ビビアーニがジロ・デ・イタリア第2ステージ優勝…首位はデニスに

第101回ジロ・デ・イタリアは5月5日、イスラエルのハイファ〜テルアビブ間の167kmで第2ステージが行われ、クイックステップフロアーズのエリア・ビビアーニ(イタリア)がゴール勝負を制して、2015年の第2ステージ以来となる区間2勝目を挙げた。総合成績ではBMCのローハン・デニス(オーストラリア)が途中のスプリントポイントでボーナスタイム3秒を獲得。前日の個人タイムトライアルで2秒遅れのタイムをマークしていたデニスは、サンウェブのトム・デュムラン(オランダ)を1秒差で逆転して首位に立った。

イスラエルを走るジロ・デ・イタリア第2ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

イスラエルの大地を走る集団スタートのロードレースは地元ファンの大声援に包まれた。2つ目のスプリントポイントでデニスをトップ通過させるためにBMCがコントロール。サンウェブ勢はデュムランの着るマリアローザを守る意志がなく、デニスがトップ通過した。スプリンターのビビアーニもポイント賞のマリアチクラミーノ獲得のためにスパート合戦に加わったが、デニスに先着を譲るかたちで通過。

レースはゴール前までに逃げていたすべての選手を吸収し、ビビアーニが圧倒的なパワーでステージ優勝を飾る。
「ここ2年間、ジロ・デ・イタリアを欠場していたので、この日の優勝のためにかなりナーバスになっていた。多くの人たちがボクの勝利を望んでいたことも分かっていた。この勝利は多くの犠牲を払ってきたガールフレンドに捧げたい」とビビアーニ。

●ダイジェスト動画

エリア・ビビアーニ(イタリア)がジロ・デ・イタリア第2ステージで優勝 © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

BMCのローハン・デニス(オーストラリア) © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

初めてマリアローザを着用したデニスは、グランツール(三大ステージレース)のすべてのリーダージャージを獲得した23人目の選手。マリアローザはオーストラリア勢として9人目。
「前日のタイムトライアルは勝ちにいったのに残念な結果になった。この日は中間スプリントで3秒を取れたが、これで逆転できるとは思わなかった。チームメートがその状況を堅持する働きをしてくれた」とデニス。
「これでグランツールのリーダージャージをすべて獲得したことになるけど、すべてその手段は異なっている。ツール・ド・フランスでは個人タイムトライアルでつかんだ。ブエルタ・ア・エスパーニャではチームタイムトライアルで、みんなで獲得したジャージなのにボクが着ることになってビタースイートな気持ちだった。マリアローザは数日で失うことになる。この大会の最終週はボクにとって厳しすぎるからね」

ジロ・デ・イタリア第2ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

ハイファ〜テルアビブ間を走るジロ・デ・イタリア第2ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

大会は6日に、イスラエルのベエルシェバ〜エイラト間の229kmで第3ステージが行われる。7日はイタリアの
シチリア島までの移動。8日に第4ステージが開催される。

ジロ・デ・イタリア第2ステージで首位に立ったデニス © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ローハン・デニス(オーストラリア、BMC)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
□マリアビアンカ(新人賞)マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

サポートカーのルーフキャリアのどの位置にだれのスペアバイクが積まれているかをメモ © TeamSunweb
© TeamSunweb

●ジロ・デ・イタリア特集ページへ
●第101回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース
●第101回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト