中根英登、岡篤志、石上優大がフランスへ。チーム合宿に合流

フランス政府の入国緩和措置に伴いNIPPOデルコ・ワンプロバンスチームからの要請を受けて、中根英登岡篤志石上優大のフランス在留資格のある3選手が、7月1日に東京からフランスに向けて渡航した。3選手は新型コロナウィルスの感染拡大のため、3月から日本に一時帰国し、感染防止策を十分に講じたうえで国内にてトレーニングを積んでいた。

手洗い、消毒、ソーシャルディスタンスを忘れずに。いざ戦いの場欧州へ

フランス入国後、3選手はマルセイユ近郊に滞在し、7月上旬から実施される2つのトレーニングキャンプにそれぞれ参加する予定。キャンプは感染予防のため参加選手を少人数に絞って実施。チームドクターの指導のもとで感染予防を徹底しながら、今後レース出場に向けて必要になるPCR検査も順次行っていく予定。

シーズン後半に向けて身体をリフレッシュさせた岡篤志。シーズン序盤はアフリカやアジアのレースを転戦したが、今回は欧州を拠点にパフォーマンス発揮をめざす

今後のレーススケジュールは変更の可能性があるため暫定となるが、現時点では7月18日〜20日のGPトレシュ・ベドラシュ(ポルトガル)を皮切りに、23日からのシビウサイクリングツアー(ルーマニア)、28日からのブエルタ・ア・ブルゴス(スペイン)を転戦予定。別府史之を含めた日本人4選手がいずれかのレースで再スタートを切り、より厳しさを増す2020シーズン後半戦に挑む。

国内でトレーニングを重ねた中根英登。欧州レースで上位に入ること、東京五輪日本代表セレクションがシーズン後半の大きな目標の一つ

高地トレーニングキャンプ

日程;7月4日〜18日
実施場所;オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏サヴォワ県
参加選手;サイモン・カー、ルカ・ドゥロシ、アレッサンドロ・フェデーリ、石上優大中根英登、レミ・ロシャス(6名)
イタリア国境に近い標高2000m前後のエリアで山岳パフォーマンスや身体機能の向上をめざす。若手クライマーを中心にしたメンバー編成。

ひとけのない静かな国際空港のカウンターでチェックインをする石上優大。プロ1年目、まったく予想できなかった事態となったが、前向きな気持ちで第二の故郷フランスへ

スプリントトレーニングキャンプ

日程;7月6日〜14日
実施場所;プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏ヴァール県
参加選手;ピエール・バルビエ、ビニアム・ギルマイハイル、エドゥアルド・グロス、リッカルド・ミナーリ、ラムナス・ナヴァルダウスカス、岡篤志、ドゥシャン・ラヨビッチ、エヴァルダス·シシュケヴィチュス、ジュリアン・トラリウー(9選手)
スプリント能力、ゴールスプリントでの連携を向上させる目的のスプリンターやリードアウト選手向けのキャンプ。

今後のレーススケジュール(暫定)
7月18日〜20日    GP・トレシュ・ベドラシュ    ポルトガル    2.2
7月23日〜26日    シビウ・サイクリング・ツアー    ルーマニア    2.1
7月28日〜8月1日    ブエルタ・ア・ブルゴス    スペイン    2.Pro
8月1日〜4日    ラ・ルート・ドクシタニー     フランス    2.1
8月2日    シルキュイト・ド・ゲッチョー    スペイン    1.1
8月6日    モンヴァントゥー・チャレンジ    フランス    1.1
8月7日〜9日    ツール・ド・ラン    フランス    2.1
8月15日    ドワルス・ドール・ヘット・ハゲランド    ベルギー    1,PRO
8月16日〜19日    VOOツール・ド・ワロニー    ベルギー    2.Pro
8月18日〜21日    ツール・ドゥ・リムザン    フランス    2.1
8月24日    メルカンツール・クラシック・アルプ=マリティム    フランス    1,1
8月25日    ブルターニュ・クラシック – ウエスト・フランス    フランス    1.UWT
8月27日〜30日    ツール・ポワトー・シャラントゥ    フランス    2.1
8月29日    ドライヴェンクルス・オヴェライス    ベルギー    1,1
8月29日    トロフェオ・マッテオッティ    イタリア    1,1
8月30日    ブリュッセル・サイクリング・クラシック    ベルギー    1.Pro
8月30日    メモリアル・マルコ・パンターニ    イタリア    1,1

●NIPPOデルコ・ワンプロバンスのホームページ

中根英登が2選手で逃げ切り…ツール・ド・ランカウイ第6ステージ優勝

NIPPOデルコ・ワンプロバンスの中根英登がマレーシアで開催されているステージレース「ツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.Pro)」の第6ステージで優勝した。2月12日にTaipingからPenang Islandまでの150.6kmで第6ステージが開催され、残り8kmでアタックを仕掛けた中根ら2選手は後続に4秒差で逃げ切り、中根が僅差のスプリントで区間優勝。総合成績を6位にジャンプアップさせた。

中根英登(右)がツール・ド・ランカウイ第6ステージで優勝 ©PETRONAS Le Tour de Langkawi

2月10日に開催された第4ステージ、超級山岳であるゲンティンハイランド山頂にフィニッシュするクイーンステージで、NIPPOデルコ・ワンプロバンスの総合リーダー中根は同ステージを区間7位で終え、個人総合成績を7位としていた。

そして迎えた第6ステージでは、終盤に2つの山岳が連続していることから、再び個人総合成績が動く可能性があるとチームは予想。中根の総合成績ジャンプアップにトライすること、また集団ゴールスプリントの展開になるようであれば、リッカルド・ミナーリを軸に区間優勝を狙うという作戦でスタートした。

1時間半以上にわたるアタックの攻防の末、4名の逃げを集団は容認。危険な顔ぶれではなかったため、チームは集団内で落ち着いて距離を消化。中盤を過ぎた104km地点、最初の2級山岳でメイン集団はペースアップし、いくつかの小集団に分裂した。中根はやや後方に取り残されたものの、石上優大のアシストにより前方へ。そして122km地点の最後の山岳を前に、分裂していたメイン集団は一つにまとまり、TSGらが麓から強力にペースアップを図った。

しかし中根は総合リーダーの後ろで脚を使うことなく登坂区間を終える。逃げがまだ先行していたために平坦区間に入るとスプリントを狙うNTTらが集団牽引に加わり、残り8kmで逃げを吸収し、レースは振り出しに戻った。その瞬間、集団のペースがやや落ちたところで、緩やかな丘を使ってビノ・アスタナモーターズの選手がアタックを敢行。集団は同選手を容認したため、すかさず中根も単独でアタックをかけて追走。残り7km地点で追いつき、2選手でローテーションをしながら、フィニッシュラインを目指した。

ツール・ド・ランカウイ第6ステージで優勝した中根英登(中央) ©PETRONAS Le Tour de Langkawi

メイン集団には、スプリンターのミナーリとドゥシャン・ラヨビッチが待機していたため、逃げが捕まり、集団ゴールスプリントの展開となっても問題なく区間優勝を狙えると中根は判断。思い切りよく快調に、また2選手でのスプリントとなった場合も考えながら、冷静に残り距離を減らしていく。メイン集団ではいくらかの牽制がみられ、結果、4秒差で中根らが逃げ切る展開となり、中根は冷静に残り150mからスプリントを開始。2選手でのスプリントはフォトフィニッシュとなる僅差だったが、確かに中根が先着。中根は待ち望んだプロとしての初勝利を挙げ、NIPPOがスポンサードするプロチーム(プロコンチネンタルチーム)としても悲願であった日本人選手の初勝利となった。

この日の結果を受けて、中根は個人総合成績を1つ上げて6位に。大会は残り2ステージあるため、中根は個人総合成績を守ること、そして残り2つのステージでもチームは貪欲に区間優勝をめざして戦っていくという。

中根英登のコメント
ようやく勝てたという気持ち。これまで何度となく2位、3位という結果で沈んでいた。チームメートの期待に応えることができて本当に嬉しい。ヨーロッパのプロカテゴリーで4年目。日本人選手として優勝したいと思い続けていたけど、いつももうちょっとで届かなかった。このカテゴリーのチームに所属し、勝つことができてホッとしている。スポンサーやチームメート、チームスタッフ、みんなに支えてもらった。今回も大会前に体調を崩し、ダメだと思っていたけど、気負わないことが逆に良かったかもしれない。今回のチームは初めてとは思えないくらい雰囲気がよく、みんな強くて本当に頼もしい。チームメートたちに支えられ、自分たちは他のチームよりも一人少ない状態だけど、石上も二人分くらいの仕事をし、ここまで無駄脚を使うことがなかったのも今日の結果につながった。本当にみんなに感謝をしている。

中根英登
水谷壮宏監督のコメント
今日のステージはゲンティンハイランド以上に重要になると考えていた。最後の山岳で勝負を仕掛けたかったが、思っていた以上に集団は割れず、しかしリーダーチームは苦戦している印象があったので、集団内にスプリンターが残っていたこともあり、最後は中根はタイミングをみて自信をもって自らアタックを仕掛けた。
中根のことを去年から見ていたが、調子がよくてもなかなか結果を残せなかったり、肝心なところで体調を崩すなどうまくいかないことが多かった。しかし、今回はしっかりとコンディションを合わせ、第二のクイーンステージといえる今日のステージについてもよく研究し、勝ちにいった。まさに彼がやりたかった勝ち方。勝利を経験したことで勝ち方を覚え、今後さらに多くの勝利を挙げてくれると期待している。とにかくあきらめなかったことも大きな勝因だろう。残りのステージで中根は総合成績を守ること。そしてスプリントでも区間優勝を狙いたい。

第6ステージ
1     NAKANE Hideto    NIPPO DELKO One Provence       3:29:15
2     BRUSSENSKIY Gleb    Vino – Astana Motors    
3     BATTISTELLA Samuele    NTT Pro Cycling      +0:04
15     MINALI Riccardo    NIPPO DELKO One Provence            +0:08
19     RAJOVIĆ Dušan    NIPPO DELKO One Provence            
66     DE ROSSI Lucas    NIPPO DELKO One Provence            +7:56
102     ISHIGAMI Masahiro    NIPPO DELKO One Provence            +17:36

個人総合成績
1    CELANO Danilo    Team Sapura Cycling        21:17:33
2    FEDOROV Yevgeniy    Vino – Astana Motors        +0:26
3    OVECHKIN Artem    Terengganu Inc. TSG Cycling Team        +0:35
6    NAKANE Hideto    NIPPO DELKO One Provence        +1:34
38    DE ROSSI Lucas    NIPPO DELKO One Provence        +14:13
64    MINALI Riccardo    NIPPO DELKO One Provence        +28:47
65    RAJOVIĆ Dušan    NIPPO DELKO One Provence        +28:47
110    ISHIGAMI Masahiro    NIPPO DELKO One Provence        +58:09

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス始動…日本選手も所属

NIPPOをメインスポンサーに加えた2020シーズンのUCIプロチーム(旧UCIプロコンチネンタルチーム)、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの体制が12月19日に発表された。2019シーズンのチーム名称はデルコ・マルセイユプロヴァンス。

ゼネラルマネージャーのフレデリック・ロスタンのもと、2020シーズンは10カ国、23選手が所属する多国籍チームとなる。日本人選手はすでに発表されているとおり、別府史之、中根英登、岡篤志、石上優大の4名が所属する。またアシスタントマネージャー兼監督として大門宏、監督として水谷壮宏、その他日本人スタッフも加入する。

チームは12月10日から、チーム拠点の南仏マルセイユにて第一次トレーニングキャンプを実施中。来季の所属選手やスタッフが顔を揃え、バイクフィッティング、写真・ビデオ撮影、監督とのミーティングなどのミッションをこなし、1月末のシーズンインに向けて準備を進めている。1月9日には正式なチームのお披露目となるチームプレゼンテーションをマルセイユで開催し、続けて第二次トレーニングキャンプをスペインで実施する予定。

チームジャージはフランス最大の港湾都市であるマルセイユのイメージで、またチームが拠点をおくオバーニュ(Aubagne)出身のマルセル・パニョルが執筆、映画製作した「マリウス」に登場するキャラクターが着用する紺色のマリンボーダーを全面に使用した新しいデザインを採用し、チームイメージを一新。

チームバイクはLOOK「795ブレードRS」をメインに「785ヒュエズRS」「785ヒュエズRSディスク」も使用。日本のKABUTO(ヘルメット)、R×L(レーシンッグソックス)、BTB輪行箱(バイク運搬用ケース)、アスレチカ(高機能ステッカー)もパートナーとしてチームを支える。

大門宏マネージャーのコメント

NIPPOにとって自転車競技を支援して9度目(1988年ソウル五輪〜2020年東京五輪)のオリンピックイヤーを迎える。僕自身が選手、監督として関わったのは1992年バルセロナ五輪の前年度からだが、チームの拠点をフランスに置くのはクレルモンフェランでシーズンを過ごした1999年以来、じつに20年振り。

今年まで7年間に渡り、スポンサーパートナーだったヴィーニファンティーニ(ファルネーゼヴィーニ社)とファイザネ社もプロチームのスポンサードを継続することは、スポンサー離れに歯止めが効かないイタリアの自転車競技界にとってはとても喜ばしいニュースであったと思う。これまでお世話になったスポンサーの活動も見守っていきたい。

スタッフを含めた来季の最終的なチームメンバーは今回のトレーニングキャンプで全容を知ることができた。地元のデルコ社はじめ、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域の自治体も強力にバックアップするチームだけに、選手、スタッフ共に地元プロヴァンス(南フランス)の出身者が多いのも特徴だ。これまでと比べても選手だけで総勢23名の大世帯だが、日本人メンバー含めてベテランから若手まで多国籍を感じないほどバランスの取れたメンバー構成に満足している。

来季のチーム登録申請が終わった10月にフミ(別府史之)から、突然電話で相談された時はさすがに驚いたが、改めて彼のチャレンジ&アドベンチャースピリットに敬意を表したい。彼の持つ膨大な経験は、日本のロードレース界にとっても永遠に語り継がれるであろう「一生の財産」だが、チーム全体で積極的に共有していきたい。まだまだ若々しいので、新天地での完全燃焼、熱い走りを楽しみにしている。

岡はここ数年、国内をメインに活動していた選手だが、タイムトライアルのクオリティを含め、日本を代表するライダーとしても相応しい並外れたポテンシャルの持ち主。国内から海外へ環境のギャップに順応する努力も大切だが、まずは初戦から実力を発揮することも大事。シーズン初っ端から自ら成績を挙げたり、アシストとして存在感を示すことによって得られる自信が彼にとってシーズン全体を占う意味でも重要な鍵を握っていると思っている。

アンダー23を卒業し、プロ生活一年目を迎える石上にとっては、色々な意味でレベルも格段にアップした世界中の過酷なレースに身を投じていくシーズンになる。ひたすら耐える日々が続くことも、真正面から挑む覚悟ができてることはじつに頼もしいが、昨年まで過ごしてきたプロヴァンスでの生活環境を崩さず続行できることと、このチームのフランス国内のレーススケジュールが豊富なことも彼にとってプラス要因に違いない。

UCIプロチーム(プロコンチネンタルチーム)4シーズン目に挑む中根は、色々な意味でこのカテゴリーで戦う厳しさと怖さを散々体験した選手。彼は今年のジャパンカップでも激アツな走りを披露したが、ハイレベルでの起伏の激しい山岳コースでは間違いなく日本を代表する1人。別府同様、日本人所属メンバーの中では、未知の世界に飛び込む気負いも感じられず、落ち着いているのでまずは2月3月に参戦予定のプロシリーズに向けて準備させたいと思っている。

チーム名にも名前を連ねる「One Provence」とは、今年マルセイユ市で誕生した南フランス全体の市町村を束ねた経済産業、観光のブランド戦略のスローガン。ブランドイメージの普及活動を通し「世界のトップ20都市」の仲間入りを目標に掲げている。世界中のレースを舞台とした我々の活動が、日本人選手の成長やロードレースの普及だけでなく、グローバル化を目指す南フランス地域全体の活性化に貢献できることを願っている。

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス所属選手

ピエール・バルビエ(BARBIER Pierre)**    フランス    1997年9月25日
別府 史之(BEPPU Fumiyuki)*    日本    1983年4月10日
ロマン・コンボー(COMBAUD Romain)    フランス    1991年4月1日
ルカ・ドゥロシ(DE ROSSI Lucas)    フランス    1995年8月16日
ホセマヌエル・ディアス(DIAZ José Manuel)*    スペイン    1995年1月18日
ジュリアン・エルファレス(EL FARES Julien)    フランス    1985年6月1日
アレッサンドロ・フェデーリ(FEDELI  Alessandro)    イタリア    1996年3月2日
デリオ・フェルナンデス(FERNANDEZ  Delio)    スペイン    1986年2月17日
マウロ・フィネット(FINETTO  Mauro)    イタリア    1985年5月10日
ビニヤム・ギルマイ(GIRMAY Biniyam)**    エリトリア    2000年4月2日
ジョゼ・ゴンサルヴェス(GONÇALVES  José)*    ポルトガル    1989年2月13日
エドゥアルド・グロス(GROSU Eduard)    ルーマニア    1992年9月4日
ムルー・ハイルミカエル(HAILEMICHAEL  Mulu)**エチオピア    1999年1月12日
石上 優大(ISHIGAMI  Masahiro)**    日本    1997年10月20日
ジュル・ジュスタン(JUSTIN Jules)*    フランス    1986年9月20日
リッカルド・ミナーリ(MINALI Riccardo)* イタリア 1995年4月19日
中根 英登(NAKANE Hideto)*    日本    1990年5月2日
ラムナス・ナヴァルダウスカス(NAVARDAUSKAS Ramunas)    リトアニア    1988年1月30日
岡 篤志(OKA Atsushi)**    日本    1995年9月3日
ドゥシャン・ラヨビッチ(RAJOVIC Dusan)**    セルビア    1997年11月19日
レミ・ロシャス(ROCHAS Rémy)    フランス    1996年5月18日
エヴァルダス・シシュケヴィチュス(SISKEVICIUS Evaldas)    リトアニア    1988年12月30日
ジュリアン・トラリウー(TRARIEUX Julien)    フランス    1992年8月19日
※8月から正規所属 / サイモン・カー(CARR Simon)** イギリス 1998年8月29日
*新規加入  **新規ネオプロ(プロ1年目)契約

中根英登が新城幸也のアシストとして世界選手権出場

年に一度の世界王者決定戦、UCI世界選手権エリート男子ロードが9月29日に英国ヨークシャー地方で開催され、日本代表としてNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登が出場。日本のエース新城幸也のアシストとして、世界最高峰の舞台で戦う。

日本自転車競技連盟が9月19日、9月下旬に英国で開催されるUCIロード世界選手権の日本代表メンバーを発表。日本は男子エリートロードレースで出場2枠を獲得し、新城(バーレーン・メリダ)とともに、中根が日本代表に選出された。中根は2年連続で世界選手権に挑む。

現在29歳の中根は、日本を代表するクライマーとして活躍。2018年はツアー・オブ・ジャパンでアジア人選手最高位となる個人総合9位、ジャパンカップサイクルロードレースでも国内最高位の12位でゴール。日本代表としてオーストリアでの世界選手権に初出場し、アジア競技大会ではエースの別府史之(トレック・セガフレード)の銀メダル獲得に貢献し、自身も5位でゴールするなど、大きく飛躍するシーズンを送った。

しかし、今季は体調不良やクラッシュの影響から成績が伸び悩み、シーズン前半は厳しいものだったが、夏ごろから復調。9月18日にイタリアで開催されたUCIヨーロッパツアー1クラスのジロ・デッラ・トスカーナでは、抜群の登坂力を武器に2018年の18位という成績を上回る15位でフィニッシュ。ヨーロッパで価値のあるUCIポイントを獲得し、完全復調を実感。自信をもって10日後に開催される世界選手権に挑む。

英国で初開催となる2019年のUCIロード世界選手権は、9月21日にパラサイクリング部門からスタートし、最終日の29日に男子エリートのロードレースが開催される。男子エリートは、リーズをスタートしたのち、3つの山岳を通過してハロゲイトの周回コースを7周回する285km。起伏に富んだチャレンジングなコース設定になっている。

またNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネからは、男子U23にトレーニーの石上優大(AVCエクサンプロヴァンス/EQADS)が出場、メカニックの西勉と南野求も日本代表チームのスタッフとして世界選手権に参加する。

中根英登のコメント
今年の世界選手権も日本代表として走らせてもらえることになりました。今季は最高のスタートを切れたものの、度重なるコンディションの崩れに加えてトレーニング中の事故と、厳しい状況が続いていました。チームが組んでくれたスケジュールのおかげで、自分にとっては長く感じていたトンネルからようやく脱出できたように思ってます。
直近のトスカーナのレースでは半年ぶりに身体の軽さと調子のよさを感じられたので、コンディションはいい具合に仕上がってきています。そのタイミングでの世界選手権への抜擢となり、自分を信頼してくれたナショナルチームに感謝しています。
アジア大会も急きょ抜擢してもらいましたが、今回は世界選手権。桁違いのレースレベルなので、アシストと言ってもそう簡単にはいきませんが、自分の最大限やれることをし、新城選手のアシストとしての仕事を全うしたいと思います。

UCI Road World Championships
UCIロード世界選手権
開催期間/2019年9月21日〜29日
     男子エリート・ロードレースは29日 
カテゴリー/世界選手権
開催地/英国ヨークシャー

●日本代表選手
監督:浅田顕(選手強化コーチ)
男子エリート(2名)
新城幸也(BAHRAIN-MERIDA)
中根英登(NIPPO – VINI FANTINI – FAIZANE’)
女子エリート(2名)
与那嶺恵理(Alé–Cipollini)*TT兼任
金子広美(イナーメ信濃山形)
男子U23(3名)
石上優大(EQADS)
松田祥位(EQADS)*TT兼任
今村駿介(中央大 / ブリヂストンサイクリング)*TT兼任
男子ジュニア(2名)
津田悠義(EQADS / 愛知県立三好高)*TT兼任
山田拓海(長野県飯田風越高)*TT兼任
女子ジュニア(1名)
岩元杏奈(日本体育大)

男子エリート・ロードレース Leeds > Harragate 285km
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中根英登がスプリントで区間5位…ツアー・コロンビア2.1

ツアー・コロンビア2.1の第4ステージが2月15日(現地時間)にコロンビア第2の都市メデジンで開催された。登坂区間で60名ほどに絞られた集団からボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)がカウンターアタックを仕掛けて優勝。好位置につけていたNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登が後続スプリントで区間5位、今季2回目のトップ10リザルトを残した。

ツアー・コロンビア2.1の第3ステージを走る中根英登 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

2月12日に開幕した6日間のステージレース。第4ステージは距離144km。24kmの周回コースを6周回するコースプロフィールで、10.9km地点に急な登坂区間となる4級山岳が設定されていた。

2周回目に入ると6名の逃げが形成され、3周回目でタイム差は2分ほど広がった。メイン集団はレースリーダーのリゴベルト・ウラン擁するEFエデュケーションファーストがコントロールし、最終周回の登坂区間を前に逃げを吸収すると、そこからは激しいアタックが繰り返される展開となり、集団は60名ほどに絞られた。

集団ゴールスプリントの場合、NIPPOはイメリオ・チーマのスプリントで勝負する作戦だったが、集団に残ったのは中根、アレハンドロ・オゾリオ、ルーベン・アコスタの3選手のみ。そして残り5kmを切ると地元選手で、2018年のツール・ド・ラブニールで山岳賞を獲得したオゾリオが果敢にアタックを繰り返した。その動きがあったため、中根は集団前方の好位置で脚をためながらフィニッシュラインをめざした。ラスト3kmから単独で先頭に立ったオゾリオ。逃げ切りの展開をめざして懸命にペダルを踏んだが、残り1kmをすぎるとカウンターアタックを仕掛けたユンゲルスに交わされて惜しくも集団に吸収。

後続は2位以下のスプリントとなり、集団前方からスプリントに挑んだ中根が集団内4位、区間5位でフィニッシュした。ピュアスプリンターは残っていなかったが、それでもワールドツアーで活躍するビッグネームが多くいる集団で、素晴らしい結果を残した。表彰台が見えていただけに悔しさが残る中根だが、1月28日に開催されたブエルタ・ア・サンフアン(アルゼンチン/UCIアメリカツアー2.1)第2ステージの区間10位に続く、今季2回目のトップ10入り。

ツアー・コロンビア2.1の第2ステージ、沿道では大勢の観客が選手たちに声援を送る ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

同大会は残すところ2ステージ。ここから厳しい山岳ステージが始まっていき、17日に開催される最終ステージが1級山岳山頂フィニッシュのクイーンステージになっている。また17日はイタリアでもイタリア国内のシーズン開幕戦となる「トロフェオ・ライグエリア(UCI1.HC)」が開催され、初山翔や2018年覇者のモレノ・モゼールが出場する。

中根英登

中根英登のコメント
唯一の平坦基調なステージかと思いきや、急勾配の上りからUターンして一気に下る区間が存在した厳しいコースレイアウト。イメリオのスプリント勝負一択のオーダーだったので、毎周回彼のためにみんなで位置取りと補給を運び、中切れを埋めたりと動いた。最終周回の上り区間で当然のごとくペースが上がるがしっかり前方でクリア。先頭集団に残ったのはオゾリオ、アコスタ、自分の3人だった。

ラスト5kmを切ってからオゾリオが勝つためのアタックを連発。 彼が独走に持ち込み勝てるかと思ったがラスト1kmを切って吸収されてしまう。自分はオゾリオが逃げているので集団の前方で待機。今日の勝者ユンゲルスがアタックしたのには誰も付くことができず、最終コーナーを10番手くらいで通過。コーナーから立ち上がって集団が左に寄って微妙に速度が緩んだので、コーナーの立ち上がりで脚がつりかけていたが、踏んだ勢いを殺さないようにそのまま右側からスプリント開始。3位のアラフィリップには全く届かず、ゴールライン直前で1人にまくられてステージ5位だった。

標高が約1600mだったためか、今日は身体がしっかり動いた。スプリントする位置とタイミングは今までの中では好感触だったが、最後はやはり脚がなかった。 勝者が、ポディウムが、目の前に見えていただけにこの順位はかなり悔しい。残り2ステージも厳しいコースレイアウト。また明日も頑張ってきます!

伊藤雅和

伊藤雅和のコメント
毎周チームメートに調子などを聞きながら距離をこなしていった。今日はこれまでの調子が嘘のように踏めてた1日だった。最後の上りで遅れる選手たちに前をふさがれて、前との距離が開いてしまい、一人で大急ぎで追っかけて、頂上付近でフルームに追い付いたから大丈夫だと思ったらフルームが踏みやめて前との距離がもっと開いてしまった。安心した自分のミスだった。今日の脚なら前に残れたと思うのでふさがれた時にどかしたりそういう積極性が足りなかったと後悔している。前に残るチャンスを自分のせいでなくしてしまって、そしたらもっと最後の仕事を今日残った3人のアシストができたのにとすごく後悔している。でも脚の感覚はよくなってきたのでこのまま調子を上げていきたい。

ツアー・コロンビア2.1

中根英登がブエルタ・ア・サンフアン第2Sで10位と健闘

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの2019年初戦となるアルゼンチンでのブエルタ・ア・サンフアン。1月28日(日本時間同29日)に開催された第2ステージで中根英登が大健闘した。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登

1月27日に開幕した南米アルゼンチン最大のステージレース「ブエルタ・ア・サンフアン(UCIアメリカツアー2.1)」。28日(日本時間29日)に開催された第2ステージは、40度に達する厳しい暑さのために、スタート時間が30分ほど遅くなり、さらに終盤に設定された3級山岳を含む周回コースが4周回から3周回に変更。走行距離も160kmから134kmに短縮された。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは、3級山岳山頂フィニッシュというコースレイアウトのため、好調な中根、2人のネオプロ・コロンビア人アコスタとオソリオをエースにして戦う作戦でスタートした。

7名の逃げが先行する展開でレースは進んでいき、強い風も吹いたために落車も頻発し、ややナーバスなステージとなった。フィニッシュラインに向かう登坂区間を前に、最後まで逃げていたイスラエルサイクリングアカデミーの選手が集団に吸収されたが、その時点で集団は80名ほどに小さくなっていた。最後の登坂区間では、ナイロ・キンタナを擁するモビスターら強豪チームがペースアップを図り、集団は急激に小さくなっていく。

ブエルタ・ア・サンフアンの第2ステージ ©Roberto Bettini/BettiniPhoto

そして残り3kmを切って優勝候補でもあるジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛け、キンタナとティシュ・ベノート(ロット・スーダル)が反応し、先頭は3名に。中根とアコスタが35名ほどになった追走集団に食らいつく。追走集団はアラフィリップをとらえることはできなかったが、勝者と同タイムでのスプリントとなり、中根が区間10位、アコスタが区間29位でフィニッシュした。

同集団には格上カテゴリーの、世界のトップレースで活躍するワールドツアー選手がひしめいていて、そのなかでトップ10の好成績を残したことは、中根にとって大きな自信につながる素晴らしい結果となる。しかも中根はこの結果に満足しておらず、ここをステップとして、さらに上を目指していきたいという。

中根英登
中根英登のコメント
クライマーの総合順位を落とさぬようにゴールすることを最優先にしてスタートした。アタック合戦で一時自分とダミアーノ・チーマを含む20人くらいが先行する時があったがこれは長く続かず、地元チーム中心に7人の逃げを容認して集団は落ち着く。チーマ兄弟が何度も補給に行ってくれて、水を身体にかけながら強烈な暑さをしのぐ。周回コースに入り、風が強いために平坦路での位置取りが毎回ナーバス。昨日よりも落車が多く発生したが、巻き込まれることなく最終周回へ。
上りの麓までの平坦路でチーマ兄弟の素晴らしいアシストを受けて、ストレスなく落ち着いて上りへ突入。頂上手前で強烈なアタックがかかり、集団が活性化。少し後ろにいたためにそのアタックについていくチャレンジはできず、その追走集団で頂上通過。サガンがいたために、ボーラのアシストが強烈に牽引するが、追いつくことはできずに追走集団でのスプリントにチャレンジしてステージ10位だった。
チーマ兄弟はボクらを信頼して1日通して素晴らしいアシストをしてくれたことに感謝したい。最後の強烈なアタックに反応するための位置にいるために、もっと脚を使って前にいかなければならなかったし、集団スプリントでの仕掛けるタイミングや位置ももっと改善できるはず。次はトップ3に食い込むために、そしてステージ優勝を目指して、このステージの経験を次に生かしていきたい。

中根英登が世界選手権ロードに…男子エリートは日本勢唯一の出場

オーストリアで開催される2018ロード世界選手権インスブルック・チロル大会は、最終日となる9月30日に男子エリートが開催され、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登が日本代表として出場する。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登

9月30日(日)に開催される男子エリートの日本代表に中根が選出された。世界選手権は年に一度開催される世界チャンピオンを決めるワンデーレース。勝者には5色のストライプ(虹色)が施されたアルカンシエルが贈られ、1年間着用する。世界チャンピオンのステータスは非常に高いもので、現在はスロバキアのペテル・サガンが3連覇中。

各国に世界選手権の出場枠を割り振る8月12日時点のUCIワールドランキングで、日本は国別ランキング33位だった。31位以下50位までの出場枠は1枠(21位から30位は4枠)となっていて、非常に少ない出場枠だが、コースプロフィールに適した脚質であることや8月下旬のアジア競技大会での活躍が評価され、中根が日本代表として選出された。中根の世界選手権出場は全カテゴリーを通じて初めてとなる。

男子エリートはクーフシュタイン(KUFSTEIN)からスタートし、インスブルックにゴールする258.5km。スタート後、84.7km走行して23.9kmの周回コースに入り、そこを6周回したあと男子エリートのみが使用する1周31kmのコースを通ってフィニッシュを迎える。どちらの周回コースにも厳しい登坂区間が設定されていて、フィニッシュ前は平坦だが、近年の世界選手権のコースのなかでも特に登坂力が問われるコース設定となっている。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニからは、中根が唯一国の代表として世界選手権に出場。またチームメカニックの西勉も引き続き日本ナショナルチームのスタッフとして参加、選手たちが最大限の力を発揮できるよう水面下から支える。

世界選手権ロードの周回コース高低表。エリート男子はショートラップを6周し、最後にロングラップを1周する

中根英登のコメント
世界選手権には初めて出場するが、世界トップクラスの選手たちが集う欧州のレースは昨年から所属チームで出場させてもらっているので、とてつもなくキツく厳しいレベルというのは百も承知。世界選手権はまた雰囲気が違うかもしれないが、このチームでの経験があってトップのレベルを知っているからこそ、気負いやレースに対する不安恐れなどは特にない。ただ全力を尽くすのみ。自分の力をしっかり出し切り世界トップクラスの先頭集団にどこまで食らいついていけるかがむしろ楽しみです。頑張ります!

大門宏監督のコメント
昨年、コースが正式に発表されたときから山岳が得意な中根に向いているコースだとは感じていたが、今年のツアー・オブ・アルプスのステージで同じコースを通った時もそれとなく意識はしていたと思う。日本自転車競技連盟も3名以上の出場枠獲得を目標としていることを国内のロード選手(チーム)に促し目指していたが、我々の度量も及ばず1枠となり、世界選手権では実績も豊富な新城幸也選手に託されるのが当然の流れだと思っていた。結果的に中根選手が選ばれた背景には、8月のオランダでのクラッシュによる大怪我の影響が新城選手にあったのだと思い残念だったが、アジア大会での登坂区間での実績も評価されたのだと思う。
これからは世界選手権の前哨戦としていいタイミングで実施されるイタリアで連戦にエントリーさせながら本番で1番ベストなコンディションでスタートラインに立たせるためにイタリア人スタッフとも連携を取りながら準備していきたい。
世界選手権本番のレースのミッションに関して自分の立場からなにあにも言うことはない。まずはナショナルチームを率いる浅田顕監督の采配によく耳を傾けることが大切。ナショナルチームから期待されていることは、勝負が動く後半(特に最後の1時間)の走りと結果だと思うので、ワンポイントでもナショナルチームの観点で評価に値する走り、結果に結びつくことを願っている。

世界選手権ロードの周回コース部分。ジュニア男子はショートラップ2周、U23は4周、女子は3周、エリート男子はショートラップを6周し、最後にロングラップを1周する

世界選手権エリート男子ロードの周回コース部分

2018ロード世界選手権大会インスブルック・チロル大会
開催期間/2018年9月23日(日)〜30日(日)
開催国/オーストリア

世界選手権ロードの公式サイト
世界選手権ロードのフェイスブック
世界選手権ロードのツイッター
世界選手権ロードのハッシュタグ  #InnsbruckTirol2018

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悔しさはあるが素晴らしいチームワーク…アジア大会で銀の別府史之

アジア競技大会は6日目の8月23日、自転車男子ロードレースで別府史之(トレック・セガフレード)が銀メダルを獲得。走行タイムは優勝したカザフスタンのアレクセイ・ルツェンコと同じ3時間25分25秒。中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)は5位。男子ロードレースはスバンからカガクまでの145.5kmで開催され、最後は3選手によるゴールスプリントとなった。別府は24日に開催される個人タイムトライアルにも出場する。

アジア競技大会男子ロードレース、別府史之はわずかにルツェンコ(左)にかわされた ©2018 JCF

コースは前日の女子のコースに40kmの平坦区間を加えた145.5kmのコースで、女子と同じくラスト15kmからの登り区間が勝負どころとなる。多くの有力国が4名参加の中で、アジア大会は日本選手団の総数に限りがあり、自転車競技全体でより多くのメダルを獲得するためにロード男子の参加選手は2名となった。日本チームからは別府と新城幸也が出場する予定だったが、新城が大会直前のレースでの落車の怪我により参加を見合わせ、急きょ中根が参加することとなった。有力選手はカザフスタンのルツェンコとエフゲニー・ジディッチ、イランのミルサマド・プルセエディらで、特にルツェンコが登りもスプリントも強力であり、最終局面ではルツェンコとの勝負になることが予想された。

スタートして数kmでアタックがかかり、中国、韓国、ベトナムの3名の逃げが決まる。乗り損ねた他の数カ国も追走をかけるが成功はせず、集団はカザフスタンのアシスト選手が2分弱のタイム差でコントロールをする。日本チームは他国に比べ少人数のためこの展開はありがたく、追走のアタックに気をつけながら後半に備える。85km地点を超えて先頭3名とのタイム差が1分ほどに縮まったところでイランのアタックを皮切りに集団から追走アタックがかかり、6名ほどが抜け出したが、別府と中根はメンバーだけをチェックして動かず最後の勝負どころまでカザフスタンのコントロールに任せる。

アジア競技大会男子ロードレースに出場する中根英登(左)と別府史之 ©2018 JCF

最初のアタックの3名から唯一残って独走を続けていた韓国のヤンから2分差で集団はラスト15kmの登りに入る。最初の1km強の登り区間で20名弱まで絞られ、そこからカザフスタンはエースのルツェンコが先頭を牽き集団を小さくしていく。ラスト5kmあたりで別府、中根、カザフスタンのルツェンコ、タイの2名という5名の先頭集団となる。中根が強さを見せて別府を強力にサポートする。中根のサポートを得て別府がスプリント力もあるルツェンコを相手にいいタイミングでスプリントをしたが、ゴール直前でかわされて2位。銀メダルを獲得した。

アジア競技大会男子ロードレースを走る別府史之 ©2018 JCF

別府史之のコメント
ラスト5kmは平坦基調なのでスプリントでねらったほうがいいと考え、登り区間で中根選手にアシストしてもらい、最後は万全の体制でスプリントに挑んだが、あと少しの差で勝つことができなかった。金メダルをねらっていたので悔しさはあるが、銀メダルという結果を残すことがよかったと思う。ここまで戦えたのはナショナルチームのおかげ。素晴らしいチームワークがいい結果につながった。中根選手とも同部屋でずっとレースについて話していた。どういう展開になるかわからないのがレースだが、うまくコミニュケーションが取れ、いいチームワークを発揮できたと思う。

中根英登のコメント
ラスト15kmの登り区間では集団前方で危険なアタックをチェックし、ラスト5、6kmの急勾配区間で再びアタックがあったため、その動きに対応しながら、自分も登りきる前に様子見のアタックを仕掛けた。しかし、苦しそうにしながらも他の選手たちが付いてきたので、そこからは自分が集団を引ききって別府選手のスプリントで勝ちに行く作戦に切り替え、ラスト300mまで集団を引き、最後は別府選手にスプリントをまかせた。別府選手と一緒に走るのは初めてだったにもかかわらず、数的不利な状況、無線もないなかでたくさんコミュニケーションを取れたこともあり、初めて走ったとは思えないチームワークを発揮できた。お互いが自分の持ち味を発揮できる動きができ、その結果でメダルが取れたと思う。

アジア競技大会男子ロードレースに優勝したルツェンコ(中央)。左が2位の別府史之 ©2018 JCF

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