日本学生競技連盟が集団走行講習会…学連OB中根英登が講師

日本学生自転車競技連盟が主催するセーフティライド研修会「ロードバイク集団走行安全講習会」が3月24日に大阪府堺市で開催され、中根英登と渡邉歩が講師を担当した。

2023年から日本学生自転車競技連盟では大会参加にあたり、落車事故などを減らし安全に競技に参加してもらいたいことから講習会への参加を選手に義務づけている。

関東圏ではすでに何度か開催されているが、西日本地域での開催は今回が初めて。学連OBの中根も日本学生自転車競技連盟からの依頼を受け、講師として日本学生自転車競技連盟に加盟する大学の選手へ講習と実技指導を行った。

翌25日に全日本学生自転車競技新人戦(トラック)、JBCF主催レース(袋井)が開催されたことから参加者は少数だったが、一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ることができてとても有意義な講習会となったという。

講習会では2列並走から7つのステップに段階を分けて指導し、最終的には4列並走やレースを想定したローテーション走行の方法まで実施。

元プロロードレーサーとして国内外のレースに参戦してきた中根・渡邉も集団の中に入り、レースにおける集団での走り方を実践的に学生たちへ指導・再確認させた。

レースを想定した集団走行を学べる場は日本ではあまりない

「私も中京大学時代に学連のレースを走っておりましたが、実際に集団走行をする、特にレースでの集団走行やローテーションなどはぶっつけ本番でした」と中根。

「それでも私は恵まれていた方で、チームユーラシアの橋川健さんから学ぶ機会やチームNIPPOの学生選手としてヨーロッパのプロレースを走らせてもらえていたお陰でそれらを実践を通して学べたものの、まれな事例です。

昨今パワーメーターを使ったトレーニング方法を教えることができる専門コーチが日本でも増えてきており誰もが気軽に取り入れられるようになってきておりますが、そのような質の良いトレーニングをしてきたことを発揮するレースの場で、レースを想定した集団走行を学べる場面はシクリズムジャポン・浅田顕さんが実施されていた以外にはあまり行われていないように感じていました。

そんな中、日本学生自転車競技連盟から西日本の学生向けの集団走行に関する講習会の講師依頼をいただき、レースに参加する学生選手らがより安全に競技を行えるようになればという思いで引き受けさせていただきました。

また東日本で行われている講習会とズレてはならないので浅田さんから資料提供をしていただき参考にさせていただきました。

国内外問わず集団走行に慣れているプロ選手でもトレーニング中・レース中に落車が起きてしまうことがありますが、密集度が物凄く高くアベレージスピードも速い集団で年間に何十とレースを走るプロ選手は頻繁に落車を起こしません。

最低限の体力レベルを備えていることを条件として、プロ・アマ問わず欧州では普段のトレーニングから並列集団走行を経験していることで隣にいる選手・前後斜めに位置する選手との距離感や接触した時の対処方法、コースライン取りを心得ていることは大きな差。日常的にたくさん開催されているレースに参戦することで得られる集団走行経験や様々な路面状況での走行に慣れていることもあるかと思います。

一方で日本では学生をはじめとする多くの一般ライダーにおいてレースが毎週のようにある訳ではなく、また国内で並走等の集団走行経験が得られる場が限られているため、集団の密度が高い中で走る・集団内でバイクコントロールをする経験をレース以外でも学ぶ・確認できる環境は必要であると感じております。

例え危険なコースレイアウトや悪天候によるさまざまなネガティブ要素があったとしても、集団での走り方・バイクコントロール技術が備わっていれば大きな事故に繋がってしまうような落車を減らすことは可能です。

普段から多少の接触に慣れておくこと、自分の周りにいる選手らの動きを感じ取ること、集団密度が高くなっても自分の走行ラインを守ることを心がけることがレースを走る上でとても大切です。

レース以外で2列以上の集団走行を経験できる場というのは日本ではほとんどありません。今回のような講習会が全国で定期的に開催され、学生だけでなくレースを走るすべての選手たちが集団内での走り方を学べる・確認できる機会を増やして一つでも落車の数が減ってくれればと思います」

EFエデュケーションジャパンの中根英登特別留学奨学金制度

また今回のセーフティライド研修会においてEFエデュケーションジャパンから中根英登特別留学奨学金制度の立ち上げが発表された。

これは研修会に参加した大学の部内関係者を対象に、留学を希望する学生が活用できる奨学金制度となる。

「学生のうちにさまざまな国の文化・語学・スポーツなど実際に自分の目で見て肌で感じて価値観・世界観を広げてほしいという思いをイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンと相談する中で、今回の奨学金制度の企画が立ち上がりましました。

選手の場合は留学先に欧州を選択することで、特に長期留学として欧州へ留学すれば長期滞在VISA取得のハードルも幾分か下げることができ、EFが持つ現地学校に通いながら欧州の自転車ロードレースにも長期間で参戦できる環境を整えることができます。

学校で学びながらレース経験と力を付けるという、海外(欧州)チャレンジの選択肢の一つとして今回の奨学金制度をぜひ活用していただけたらと思います。」

※ワールドチームのEFエデュケーション・イージーポストと今回の制度は無関係。

中根英登が2022シーズンを最後に11年間の現役活動に終止符

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が2022シーズンを最後に現役を引退することを発表した。突然決めたわけではなく時間をかけながら考え、今回の決断に至ったという。

NIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登

18歳から本格的に取り組み始めた自転車競技

家族をはじめ本当に多くの方々からご支援・ご声援をいただけたお陰で、全てのカテゴリーを一つずつ経験しながら、時間をかけながらも世界トップカテゴリーのチームに辿り着くことができました。

その世界で極限まで追い込みチャレンジし続けられたこと、自転車を通じて世界中に仲間ができたことは私にとってかげがえのない財産となりました。

3年振りに開催されたジャパンカップが現役最後のレースとなり、母国でたくさんの応援の中走れたことはとても幸せでした。

今年はさまざまな状況が重なりましたが、その中でもプロフェッショナルとして最後まで全力で自分の走りを全うできました。

大学に通いながらTeam NIPPOの研修生として走られせてもらえたころからを含めると11年間の選手生活の中で、UCIプロチームおよびワールドチームには2017年から6年間の在籍となりました。

NIPPO時代の中根。東京五輪日本代表にはわずかに届かなかった

競技を始めて間もない時にチームユーラシアおよびTeam NIPPO racing projectで欧州のレベルを経験できたことで、常に世界を見すえて走ることができました。

異国の地での生活となっても常に支え続けてくれた家族には幾度となく助けられてきました。

ライバルとして仲間として苦楽を共にしながら切磋琢磨してきた先輩方や後輩たちのお陰で、自分の力を伸ばし続けることができました。

お世話になってきたチームやスポンサー企業様、サプライヤー企業様のお陰で、選手として何不自由なく競技に専念することができました。

そしてファンの皆様の応援のお陰で、苦しい場面でも諦めずに走り続けることができました。

次のステージでも高い志を持ってチャレンジして参ります。

日本代表としてエリート男子ロードを走る中根英登 © 2018 JCF

またいつかどこかで、みんなで楽しく自転車に乗りたいと勝手に思っておりますので、その時はよろしくお願いいたします。

11年間応援していただき、本当にありがとうございました。

中根英登が中学1・2年生を対象に講演会…アジア大会候補地の新城で

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が11月2日、愛知県新城市にある新城市立八名中学校の1年生および2年生を対象に特別講師として講演を行った。

中根英登が新城市立八名中の1・2年生を対象に講演 ©三井至

愛知県新城市は2026アジア競技大会の自転車ロード開催有力地

2026年に愛知県で開催されるアジア競技大会における自転車ロードレース競技の開催有力候補地が愛知県新城市だ。中根が愛知県出身のプロ自転車ロード選手であり、2018年にインドネシアで開催されたアジア競技大会に出場し、日本代表チームの銀メダル獲得に貢献したこと、現在も世界トップカテゴリーのチームで各国で開催されている国際レースに参戦していることから、新城市からの依頼で特別講師として講演した。

また今回の特別授業のテーマに興味を持つグローバル企業であるEF Education first japan も参加した。

特別授業のテーマに興味を持つグローバル企業EF Education first japanも参加 ©三井至

「私が中学・高校の時にやっていたスポーツはサッカーで、苦手な教科は英語。当時の私からはプロ自転車ロード選手である今の自分は全く想像していませんでしたが、自転車ロードレースの漫画が私の興味を誘い、新しいスポーツにチャレンジするきっかけとなりました」と中根。

「チャレンジを通じて成長し、新しいコミュニティや仲間ができ、それが大きな財産に」と中根 ©三井至

失敗もたくさん。卒業後はプロロード選手の道を歩む

「大学に入学してから自転車競技を本格的に始め、学生の時には競技だけでなく就職活動や教員採用試験を受けたりと多くのことにチャレンジしながら、その中で失敗もたくさんしながら、卒業後に進んだ道はプロ自転車ロード選手でした。

国内にとどまることなくより高いレベルで自分の知らない世界を求めて海外籍のチームへ移籍。さらに強くなるために追求し続けた結果、世界トップカテゴリーのチームの選手にまでなることができました。

私にとっては自転車競技という新しいことへ勇気を出してチャレンジしたことをきっかけに、そのチャレンジの中で学生のころからプロの自転車ロードレースチームで走らせてもらえた経験が私の人生を大きく変えることになりました。

公演後はサイン会 ©三井至

なにかに興味が出てきたら、躊躇することはあってもチャレンジしよう

自転車競技のお陰でいろんな世界に行くことができて、さまざまな国の人とコミュニケーションが取れるようになったことで、それまで日本と日本語しか知らなかった自分の視野や価値観が一気に広がりました。

勉学でもスポーツでも芸術でもなんでもいいので、なにかに興味を持ちやってみたいかもと思うことが出てきたら、躊躇することはあってもチャレンジしてみてほしいと思います。

中根英登(中央)が中学校1・2年生を対象に講演会を実施 ©三井至

そういったチャレンジを通じて成長し、新しいコミュニティや仲間ができて、それが大きな財産になっていくでしょう。実際に私が学生時代にチャレンジしてみたことによって多くの仲間とつながることができて、今の私があります」

中根英登とPOC/FULLMARKSが保育園にヘルメットを寄贈

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が10月27日、愛知県東浦町の保育園年長クラスの子どもたちに、2021年同様にヘルメットの寄贈を行った。

ヘルメットは正しくかぶることが大事 ©三井至

子どもたちがヘルメットをかぶれば親世代もかぶるはず

これから自転車の乗り方を覚えていく子どもたちに、欧米で定着している自転車用ヘルメットを着用してもらい、それを通じて親世代もヘルメットをかぶって自転車に乗ることがより身近になればという思いで、今回の活動に至った。

中根英登が東浦町の神谷明彦町長に目録を手渡す ©三井至

ヘルメット寄贈にあたっては、EFエデュケーション・イージーポストのスポンサーPOC社の日本代理店である有限会社フルマークスが協力。HATCH、なごや在宅クリニック、株式会社新晃製作所、トライスケイプ株式会社も協賛した。

POC社のカラフルなキッズヘルメット ©三井至

東浦町庁舎で神谷明彦町長に目録を渡した後、東浦町立森岡保育園の年長クラスの園児たち17名全員に子供用自転車ヘルメット『POCito Omne SPIN』を一つずつ渡して正しい装着方法を説明した。

ヘルメットを子どもたちに手渡しする中根 ©三井至

「年齢問わず自転車に乗る際のヘルメット着用への普及と子どもたちの安全につながればと思い、POCを取り扱うフルマークス社の協力もあって昨年と同様の活動をする運びとなりました」と中根。

ストラップの脱着方法を教える ©三井至

「自転車はスポーツバイクやママチャリ問わず、子供たちであっても車と同じくらいのスピードが出ることがあります。ペダルレスのキックバイクでも、大人が走っても追いつけないほどのスピードが出てしまう状況があります。自転車に乗っている時、転んでしまったり交通事故に遭ってしまった時に頭部を守ってくれる唯一のアイテムはヘルメットです。速度に関わらず転倒してしまった時や事故に遭ってしまった時でも、ヘルメットが頭部をしっかり守ってくれることで大切な命を守れる確率が格段に上がります。

通常の自転車を使った移動と比べると、より速い速度域で走る自転車ロードレースではプロ・アマ問わずヘルメット着用が完全に義務付けられています。

「にあうかなあ」 ©三井至

子どもたちの安全を守るのは大人の責務だと考えています。また子供たちがヘルメットを着用することで親世代も着用するようになればという思いと、子どもたちがより安全な形で自転車を楽しんでもらいたいということで、今回も森岡保育園の年長クラスの園児たちにヘルメットを手渡しさせていただきました。

「なかねせんせい、ありがとうございます!」 ©三井至

今回も寄贈という形での活動ですが、今後は実際にヘルメットを着用して自転車を使った安全講習や乗り方、競技(レース)に参加する際の最低限身につけておかなければならない技術などのスクールも関係者と協力して増やしていけたらと考えています」

ブラブールがEFエデュケーションのチームウォッチを発売

スウェーデンの時計ブランドBravur(ブラブール)が、中根英登が所属するEFエデュケーション・イージーポストのチームエディションクロノグラフを発売した。

リゴベルト・ウランもBRAVURを愛用

「私たちはこれまでで最もエキサイティングな打ち上げを発表できることをとてもうれしく、誇りに思っています」と共同経営者で、サイクリストのマグナス・アペルリド。チームのパートナー企業として、欧州ロードの大集団のなかで最もスタイリッシュなキットカラーとパターンを有するチームエディションクロノグラフを作成した。

BRAVUR X EF EDUCATION-EASYPOST TEAM EDITION CHRONOGRAPH

大胆なネオンピンクのアクセントが、ダークグリーンとスパークリングホワイトカラーに組み合わされている。ミニッツトラックのグラフィックは、チームのアーガイルパターンからインスピレーションを得ているだけでなく、グランツールコレクションの特徴であるチェッカーフィニッシュラインパターンにもつながっている。

ダークグリーンのラバーストラップで腕に巻く。サイクリストのオンとオフの両方で着用することができる。

チームエディションクロノグラフは、サイクリングの世界へのオマージュであるグランツールクロノグラフシリーズを発展させたもので、時計とサイクリングへの愛を融合させている。

腕時計はスウェーデンで手作りされ、スイス製のセリータキャリバーSW511ムーブメント、コート・ド・ジュネーブとペルレの装飾、ロジウムメッキ、青いネジが付いている。

●ブラブールのホームページ

中根英登がPOCヘルメットを保育園の年長園児に寄贈

EFエデュケーションNIPPOの中根英登が11月2日、愛知県東浦町の子供たちに子供用自転車ヘルメット「POCito Omne SPIN」を寄贈。園児に一つずつ渡すとともに、正しい装着方法を説明した。

園児1人ずつヘルメットを手渡す中根英登 ©三井至

愛知県でも10月1日施行の条例改正により、大人から子供まで自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務になった。中根はこれを機に、これから自転車の乗り方を覚えていく保育園児に、欧米で定着している自転車用ヘルメットを寄贈。

今回のヘルメット寄贈にあたっては、中根が所属するEFエデュケーションNIPPOのスポンサーPOC社の日本代理店、フルマークス(FULLMARKS Inc.)が協力した。

東浦町の神谷明彦町長に目録を渡す中根英登 ©三井至

東浦町庁舎で神谷明彦町長に目録を渡した中根は、東浦町立森岡保育園の年長クラスの園児たち17名全員にPOCito Omne SPINを一つずつ渡して正しい装着方法を説明した。

POCito Omne SPIN ©三井至

中根自身もヘルメットのおかげで重大傷害を回避できた経験を持つ

「10月1日に条例が改正・施工されたことをきっかけに、ヘルメット着用への普及につながればと思い、チームおよびPOC社の協力もあって、今回の活動にいたりました」と中根。

正しく装着することが大事だ ©三井至

「自転車はとても便利な移動手段です。下り坂では子供たちであってもクルマと同じくらいのスピードが出ることもあります。自転車に乗っている時、転んでしまったり交通事故にあってしまった時に頭部を守ってくれる唯一のアイテムはヘルメットです。

正しい装着方法を教える ©三井至

当然、よりスピードが出るプロの自転車ロードレースではヘルメット着用が完全に義務付けられています。そのような速いスピードからクラッシュや転倒してしまった時でも、ヘルメットが頭部をしっかり守ってくれ、命を守ってくれます。実際、過去に激しく落車してしまった際に、強い衝撃をヘルメットが吸収してくれたお陰で頭部へのダメージを全く受けることなく助かった経験があります。

東浦町立森岡保育園の年長クラスの園児たち17名全員に子供用自転車ヘルメットを提供 ©三井至

子供たちが着用することで親世代もヘルメットを着用するようになればと思い、今回は森岡保育園の年長クラスの園児たちへ、ヘルメットを手渡しさせていただきました」

東浦町立森岡保育園を訪れた中根英登 ©三井至