中村輪夢、溝垣丈司、内藤寧々がパリ五輪BMXパーク代表枠獲得戦へ

2024年5〜6月に開催される自転車競技BMXフリースタイル・パークのオリンピック予選シリーズ「Olympic Qualifier Series 2024」の日本代表に中村輪夢(ウイングアーク1st)、溝垣丈司(湘南工科大附属高)、内藤寧々(第一学院高)が決まった。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

OQSが略称となる同大会。「BMXフリースタイル、スケートボード、スポーツクライミング、ブレイキンが一堂に会する複合競技大会。464人のアスリートたちがパリ五輪出場を目指して激突する。

BMXフリースタイルでは、2大会を通して上位6名にパリオリンピック出場権が付与される。2024年5月16〜19日に中国の上海で、6月20〜23日にハンガリーのブタペストで開催される。

BMXフリースタイル・パーク代表の中村輪夢 ©Japan Cycling Federation

日本は12月5日時点のUCI国別ランキングで、4位の男子がシリーズ出場2枠、9位の女子が1枠を獲得。日本自転車競技連盟が3選手を選出した。

中村輪夢のコメント
「OQSの出場が決まってオリンピックがもうすぐだなと実感が湧いてきました。オリンピックでメダルをとるのが目標なので、この2戦をいい感触で終えられるように準備していきたいと思います」

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

溝垣丈司のコメント
「OQSへの派遣内定をとてもうれしく思っています。自分らしく唯一無二のスタイルで最高のステージ目指して楽しみます」

内藤寧々のコメント
「OQSへの派遣が内定しとてもうれしいです。これまで支えてくださった皆様への感謝の気持ちを胸に、このチャンスを活かし五輪出場に向け全力で臨みたいと思います」

中村輪夢5連覇、内藤寧々2年ぶり2度目…全日本BMX選手権パーク

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・パークで中村輪夢と内藤寧々が優勝した。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

全日本BMXフリースタイル選手権は2023年でパークが7回目、フラットランドは5回目を迎え、2022年同様に岡山県岡山市の特設会場(パークは岡山市役所、フラットランドはイオンモール岡山・未来スクエア)で開催された。パークは終始晴天に恵まれた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク男子エリートは中村輪夢が5連覇

パーク男子エリー決勝はその前日に行われた予選も含め、終始晴天の中で実施された。予選を勝ち上がった8名で行われた決勝では、大会4連覇中の中村が1本目のランをノーミスでこなしトップに立ち、その後若手が中村の出した90点台を狙うも届かず、中村は2本目のランを前に、大会5連覇、6度目の全日本タイトルを確定させた。

ウイニングランとなった2本目では、8月に開催された世界選手権で新技として披露した「バ ックフリップ・クワッドバースピン」などを成功させ、1本目のランを上回る94.60点を出し、日本一の走りを見せつけた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には2本目のランで挽回した溝垣丈司、3位には小澤楓が入り表彰台を獲得した。

優勝の中村輪夢コメント
「連覇を重ねることでプレッシャーが増し、本大会でも緊張感を持った中での決勝となりました。決勝1本目では理想とする走りができず悔しさは残りますが、2本目のランには満足しています。世界選手権や今大会も、まだ完成度に課題が残っているため、メインの目標としている来年のパリオリンピックに向けて練習を重ね、東京オリンピックのリベンジを果たしたいです」

パーク男子エリート
優勝:中村輪夢 所属:WingArc 1st(94.60 点)
2位:溝垣丈司 所属:湘南工科大学附属高等学校(80.19 点)
3位:小澤楓 所属:岐阜第一高等学校 (80.00 点)

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク女子エリートは出場選手全員が10代

次世代の若手選手でタイトル争いが行われたパーク女子エリートは、内藤寧々が1分間のルーティンをフルメイクさせ、2位に6点差をつけ日本チャンピオンを獲得した。内藤の全日本タイトル獲得は、2年ぶり2度目となる。

内藤寧々が2年ぶり2度目の優勝 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

表彰台には、最年少の15歳でエントリーした山本結花と杉尾咲空が初エリートカテゴリーで の表彰台を獲得した。

優勝の内藤寧々コメント
「今は優勝できてうれしい気持ちでいっぱいです。練習走行では確認したい項目をまとめられず、少し焦りが残る中での決勝だったのですが、決勝では自分の予想を上回る得点を出すことができました。今後はさらなる国際大会での経験を積み、海外の大会でも表彰台を獲得したいです」

パーク女子エリート
優勝:内藤寧々 所属:第一学院高等学校(60.40 点)
2位:山本結花 所属:龍谷富山高等学校(54.40 点)
3位:杉尾咲空 所属:細田学園高等学校/AIRWALK (47.00 点)

内藤寧々を中央に左が2位山本結花(龍谷富山高)、右が3位杉尾咲空(細田学園高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

中村輪夢連覇、内藤寧々初V…全日本BMXフリースタイル選手権

第5回全日本BMXフリースタイル選手権のパーク種目エリートクラスが9月19日、岡山県岡山市の旧内山下小学校内特設会場で開催され、男子は東京五輪代表の中村輪夢(ウイングアーク 1st)が3年連続4回目、女子は内藤寧々(第一学院高)が初優勝した。

初タイトルを獲得した内藤寧々 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

新型コロナウイルスにより全日本選手権の開催延期や開催地変更が続く中、国内自転車競技で は2021年初となる全日本選手権の開催となった。

エリート男子は12選手が出場 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

第1ラン最下位の中村が第2ランで最高得点をマーク

台風14号の影響によりスケジュールが順延したため、男子の予選は実施せず、エントリーした12選手による決勝のみでの開催となった。決勝は各選手から高難度のトリックが繰り出される中、大会2連覇中の中村は、1ラン目のバイクトラブルにより12位スタート。それでも2ラン目にはミスのないライディングで91.00点を出し、大会3連覇、自身4度目となる日本一のタイトルを獲得した。

中村輪夢のトリック ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

「1ラン目でのバイクトラブルは、東京オリンピックでミスをしたトリックと同じだったこともあり、正直焦る気持ちがあった」と中村。

「プランが崩れた状態から2ラン目で各トリックを決められたことは、今シーズンの課題でもあったので満足している。次の国際大会のめどはたっていないが、いつ出番が来ても結果を出せるようにトリックの開発を含めて準備していきたい。最後に無観客開催ではあったが、次の挑戦へ向けたスタートとなる今大会の開催実現に感謝している」

中村輪夢が3年連続4回目の全日本チャンピオンに ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

15歳の内藤が五輪代表大池を僅差で上回った!

女子は、2020年の13−15 歳クラス覇者で、2021年よりエリートカテゴリーへと上がった内藤が、大会4連覇中であり国内シーンを牽引している大池水杜を1.33点上回る得点を出し、女子では最年少となる15歳での国内チャンピオンとなった。

大池は東京オリンピックでメイクできなかった新技「バックフリップ・クロスアップ」に挑戦したが転倒し、スコアを伸ばせず大会連覇がストップした。

BMXフリースタイルパークに参加した女子選手 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

「今大会直前の1週間に実施した合宿で習得に取り組んだトリック、Turn Whip(エアーターン・テイルウィップ)を、前回参戦した大会では失敗してしまったが、今日は2ランともに成功したことがうれしかった」と内藤。

「そしてこれまでエリートカテゴリーを目指してきて、初の全日本でタイトルを取れたことにビックリしている。 次は課題である本番でのパフォーマンス発揮をより磨いて大会で活躍したい」

日本チャンピオンジャージを着る内藤寧々と中村輪夢 ©Naoki Gaman / Japan Cycling Federation

2位の大池は、「自分のミスによる結果のため、悔しい気持ちはあるが、後輩の選手がステップアップしてきたことはうれしい」という。

「2ラン目で勝つための安全なルーティーンを選ぶこともできたが、他のライダーの走りからチカラをもらい、東京オリンピックでできなかったトリックに挑戦することを選んだ。次のパリオリンピックに向けて再出発となるが、負けるつもりはないので練習に励みたい」