バジョーリが山岳賞、初山翔も完走…ティレーノ〜アドリアティコ

UCIワールドツアーのティレーノ〜アドリアティコが3月13日に閉幕し、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニのニコラ・バジョーリ(イタリア)が山岳賞を獲得。初山翔も貴重な経験を積みながら最高峰のレースを完走した。

ティレーノ〜アドリアティコで山岳賞を獲得したニコラ・バジョーリ © Luca Bettini/BettiniPhoto

3月7日から7日間にわたりイタリア中部で開催されていたティレーノ〜アドリアティコが13日、10.05kmの個人タイムトライアルである第7ステージで終了した。

第2ステージで逃げに乗り山岳賞リーダーとなった23歳、プロ2年目のバジョーリは、その後も第3、第4ステージで逃げに乗り、果敢な走りですべての山岳賞ポイントを首位通過し、山岳賞ランキングで2位に大きな差をつけた。終盤は山岳賞争いでライバルとなる選手の先行はなく、第4ステージまでに稼いだポイントで山岳賞リーダーを守り切った。

山岳賞のリーダージャージであるマリアベルデを着用してタイムトライアルを走行するバジョーリ

バジョーリはイタリアのトップアマチュアチームであるザルフを経て、2017年にNIPPO・ヴィーニファンティーニでプロデビュー。今季は2月のトロフェオライグエリアで4位入賞するなど、大きな飛躍を見せている。ティレーノ〜アドリアティコの山岳賞は2013年にダミアノ・クネゴ、2014年にマルコ・カノラと、現在チームに在籍する二人のキャプテンが過去に獲得していて、今後のさらなる活躍が期待される。

ティレーノ〜アドリアティコ最終日の個人タイムトライアルを走る初山翔 © Dario Belingheri/BettiniPhoto

大会唯一の日本人選手となった初山は、初めて出場するUCIワールドツアーのステージレース。第3ステージに逃げに乗り、バジョーリの山岳ポイント獲得に大きく貢献するなど活躍。終盤のステージでは疲労がたまり苦しむ場面もあったが、世界最高峰の舞台で貴重な経験を積み、最終日のタイムトライアルまで走り抜いた。

さらにゴールスプリントでは、第2ステージでエドアルド・グロスが9位、第6ステージでカノラが7位、グロス9位と世界の強豪スプリンターを相手に複数回トップ10入りを果たし、ワイルドカードで出場したNIPPO・ヴィーニファンティーニながら非常に収穫の多い大会となった。

イタリアでは17日に世界五大クラシックレースの一つ、291kmで開催されるUCIワールドツアーのワンデーレース、ミラノ〜サンレモに出場。今大会での勢いをそのままにイタリア最高峰の大会に再び挑む。

初山翔

初山翔のコメント
今日のコースは短かったが、この消耗度での平坦タイムトライアルで平均時速46.5kmというのは今の自分では妥当なスピードだったと思う。ここから長期的に少しずつスピードを上げていきたい。1週間を振り返ってみると、第3ステージでの走りは自分でも評価したい。残り10km地点で先頭集団を走っていた自分に興奮したことを今でも覚えている。
その一方で第5ステージと第6ステージではかなり苦しんだ。逃げた翌日のクイーンステージでの感触は決して悪くなかったのに、その翌日からの最後の2日間は急激に脚の感触が悪くなった。7時間クラスのレースを2日間続けて走った経験がなかったので、あたり前の反応であったのかもしれないが、チームに穴を開けないためにも、そこは改善しなければならないと思う。できればもうひとステージ、目立つ走りがしたかった。
とにかくこのレースを走ることができてよかった。今までの限界を常識としていては走れないレースだった。殻を破れたような感じがする。そして逃げたことで多くの人に見てもらえた。レース会場でも逃げた翌日から急に多くの人に声をかけられるようになり、このレベルのレースの反響の大きさを強く感じた。ぜひまた強くなって戻ってきたい。

ニコラ・バジョーリ

ニコラ・バジョーリのコメント
このとても重要なジャージを獲得できたことに大きな喜びを感じている。大会が始まる前はこのような成績を出せるとはまったく考えていなかった。しかし第2ステージでジャージを獲得してからは、チームはこのジャージのために戦うことを決め、長いエスケープで疲労を感じる日もあったが、ベストを尽くして戦い抜いた。これからのシーズンの目標は、厳しいトレーニングを続け、さらに強くなって世界のトッププロを相手に勝利することをめざしたい。

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初山翔がティレーノ〜アドリアティコで逃げ、バジョーリの山岳賞防衛に貢献

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの初山翔がティレーノ〜アドリアティコ第3ステージで逃げ、チームメートであるニコラ・バジョーリの山岳賞防衛に大きく貢献した。勾配20%の“壁”のような坂を2回登る厳しいフィニッシュが組み込まれた第3ステージでは、フォッロニカからトレビまでアップダウンを繰り返す239km、大会最長距離だった。

初山翔がアタック ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2018

前日のステージを終えて、山岳賞ジャージを獲得したバジョーリの山岳賞を守ることを第一の目標としてスタートを切った。スタート直後のアタックにバジョーリが反応。さらに作戦通りに初山も続き、他のプロコンチネンタルチームの選手を含む5人の逃げができた。5選手は脚が揃い、すぐに集団から8分強のリードを得た。

フィニッシュ地点のほか、コース上に3カ所の山岳ポイントが設定されていたが、バジョーリはすべて1位通過に成功。初山も上位通過し、ライバル選手にポイントを与えないなどバジョーリのために力走をみせた。バジョーリは3つめの山岳ポイントを過ぎた時点で山岳賞ポイントを合計20点まで伸ばし、このステージでの山岳賞ジャージを確実なものとした。また初山も暫定で山岳賞3位につけることになった。239kmの長いステージだったが、その後も逃げ集団はうまく協調しながら走り続けた。最後の周回コースに入った残り12km地点で初山は脱落。その後もバジョーリを含む2選手が先行を続け、そこから最初の激坂区間を前にバジョーリがアタック。一時単独で先頭に立ったが、ハイペースで追い上げるメイン集団により吸収された。

協調しながら走り続ける初山を含む5人の先頭集団 ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2018
山岳賞リーダーを守ったプロ2年目のニコラ・バジョーリ ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2018

周回コースを1周回すると集団はどんどん小さくなり、最後はトラブルで後退したマルコ・カノラに代わり、クライマーであるイバン・サンタロミータが粘りの走りをみせて、区間28位でフィニッシュした。

初山翔

初山翔のコメント
自分がジャージを獲得したわけでも、上位入賞したわけでもないが、今のコンディションや自分のレベルを考えると今日はいいレースができたと思う。今日はバジョーリの山岳賞キープを第一の目標とし、さらに可能なら自分も逃げに乗るというオーダーだった。0km地点のアタックで逃げが決まり、自分は少し遅れて追いつき、その後は5選手で最後までうまく回った。山岳賞を狙うライバルチームもあったが、バジョーリのポイント差を広げるために、監督の指示もあり、最初と2番目は自分がバジョーリに次いで2位通過した。コンディションが確実に上がっている実感がある。明日からのステージはミーティング次第だが、またチャンスをみて逃げを狙っていきたい。

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初山翔がティレーノ〜アドリアティコに参戦…7日間のステージレース

ティレニア海からアドリア海へ。イタリア半島を横断するUCIワールドツアーのティレーノ〜アドリアティコに、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニは初山翔を含む7選手で挑む。

イタリアでのUCIワールドツアー3連戦。ストラーデビアンケに続いて出場するのは、半島の西側に位置するティレニア海から東側のアドリア海へとイタリアを横断する7日間のステージレースだ。全部で7つのステージで構成されるが、第1ステージはチームタイムトライアル、第2ステージ、第6ステージは平坦、第4ステージは標高1335mのサルナノにフィニッシュする山頂フィニッシュ、第7ステージは個人タイムトライアルなどバリエーションに富んだコース設定。グランツールで活躍する世界トップクラスのオールラウンダーやヒルクライマーの活躍が期待されている。

ティレーノ〜アドリアティコのコースマップ

NIPPO・ヴィーニファンティーニは3月4日に開催されたGPラルチアーノで2位入賞を果たして調子がいいマルコ・カノラを中心に、スプリンターのエドアルド・グロス、クライマーのダミアノ・クネゴやイバン・サンタロミータらバランスの取れた布陣で挑む。そしてストラーデビアンケに続いて初山が日本人選手として唯一のメンバー入り。世界トップレベルのレースでチームの歯車となりながら、貴重な経験を積み上げていく。

初山翔

初山翔のコメント
1月の段階からティレーノ〜アドリアティコに参戦することを伝えられていたので、しっかりと肉体的にも精神的にも準備することができた。シーズン最初の山場としてレースを迎えたい。もちろん毎日厳しいレースになることは百も承知だが、とにかく毎日全力を尽くしてチームの期待に応えたい。

マリオ・マンゾーニ監督のコメント
ティレーノ〜アドリアティコはイタリアのUCIワールドツアーのなかでも特に重要視されているレース。UCIプロチームも成績を狙って全力で挑むので、自分たちにとっては毎ステージ、チャレンジングなレースになると思う。しかし自分たちも高いモチベーションをもっているし、パフォーマンスの仕上がりも、先週のGPラルチアーノの結果から手応えを感じている。スプリンターであるグロスは第2ステージと、おそらく第6ステージもスプリントの展開となるので狙っていきたい。そして、とても調子のいいカノラとバジョーリは第3ステージでの活躍を期待したい。初山にとっては初参戦となるが、たくさんのことを学ぶと同時に果敢に逃げにチャレンジしてほしい。

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初山翔が砂ぼこり舞う未舗装路レース、ストラーデビアンケに初挑戦

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初山翔が砂ぼこり舞う未舗装路レース、ストラーデビアンケに初挑戦

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの初山翔がイタリア・トスカーナ地方を舞台にしたストラーデビアンケに挑戦する。砂ぼこりが舞う未舗装路レースで、チームにとってのUCIワールドツアー初戦となる。

ストラーデビアンケに参戦するNIPPOチーム

3月に入ってイタリアは本格的なレースシーズンを迎えた。3つのUCIワールドツアーレースが連続して開催されるが、その初戦となるのはトスカーナ地方の美しい街、シエナ近郊で開催されるストラーデビアンケだ。イタリア語で “白い道” を意味するレース名のとおり、たくさんの未舗装路がコースに組み込まれ、選手やチームカーの隊列が真っ白い砂ぼこりを立てて走り抜ける。イタリアの昔ながらのレーススタイルを復元したもので、春のクラシックレースの代名詞、石畳を走るパリ〜ルーベやツール・ド・フランドル同様に、世界中のレースファンに愛されている。

2018年は全11カ所、合計63kmの未舗装路区間(セクター)がコースに組み込まれた。スタート後11km地点に最初のセクターが登場し、砂利道が2.1km続く。もっとも長いセクター5は11.9kmにも及ぶ。丘陵地帯で開催されるためコースにアップダウンがあるのも特徴で、セクター2は平均勾配10%の登坂区間が含まれていて、ここが最初の勝負どころ。

ストラーデビアンケはシエナを発着とする
ストラーデビアンケの高低表。グレーの部分が未舗装路だ

フィニッシュラインはシエナの観光名所 “世界でもっとも美しい広場” と言われるカンポ広場に設定されるが、残り1kmを切ってから広場へ向かうまでに最大勾配16%の壁のような石畳区間も登場し、最後まで見るものを飽きさせない世界屈指の過酷さだ。

現在イタリアは大寒波に見舞われていて、トスカーナ地方も積雪が残っている状態。週末にかけて気温は上昇する予報だが、雨の予報もあって、コースだけでなく天候も厳しいコンディションとなる可能性がある。

初山翔

NIPPO・ヴィーニファティーニ・ヨーロッパオヴィーニはワールドツアーでの経験豊富なシモーネ・ポンツィと、2月よりチームに加入したファンホセ・ロバトの二人を軸に、シクロクロスの現ルーマニアチャンピオンのエドアルド・グロス、タフなレースに強いマルコ・ティッツァの活躍が期待されている。日本人選手は初山翔がメンバー入り。初めて出場するUCIワールドツアーレースで、しかも未舗装路が組み込まれたコースに挑むのも初めて。

チャレンジ精神を胸に未知なるレースに挑む初山は、「レースのレベルもタイプも未知の世界だが、貴重な経験を無駄にしないように全力を尽くして走りたい」とコメント。

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NIPPOの初山翔と西村大輝が2018シーズンの手応えをコメント

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが1月26日、スペインのカルペで第二次トレーニングキャンプを終えた。所属選手の初山翔と西村大輝が2018シーズンへの手応えをコメントした。

新しいチームキットに身を包み、チームバイクで乗り込みを行う

●初山翔のコメント

初山翔

2週間にわたるカルペ合宿を終えた。初めて来るカルペだったが、この時期の合宿地としてはまさにうってつけだった。暖かい気候、交通状況、地形。 プロ、アマ、男子、女子、問わず世界中からサイクリストが集まるのも当然のように思える。そのような環境を利用して、トレーニングキャンプとしては濃い2週間を過ごさせてもらった。毎日完璧に自転車を整備してもらい、毎日マッサージを受けて、トレーニングだけに集中できた。このような贅沢ともいえる環境を味わうと他所には行きたくない。否、残れるように努力すべきだとつくづく思う。僕個人はよりよい状態で開幕戦に挑めるように、もう数週間カルペにとどまりトレーニングを続けていく。

●西村大輝のコメント

西村大輝

1月15日から26日まで、スペインのカルペで行われた合宿を無事終えた。11日にイタリア入りし、チームプレゼンテーションなどを終えた後、選手全員で空路での移動をして開始した合宿。 滞在していたホテルは自分たちの他にもバーレーン・メリダをはじめ、さまざまな有名チームが滞在しており、カルペが冬の合宿地としてヨーロッパの中でいかに人気かということがうかがえた。
チームの雰囲気としては、キャプテンのマルコ・カノラを中心にまとまりのある、とても仲のいいチームだと感じている。トレーニング内容は、チームと契約しているトレーナーが選手それぞれのパワーデータや乳酸テストの結果をもとに作成したメニューで行われ、日々充実したトレーニングを行うことができた。数日前に、スケジュールの変更で2月上旬から2つのステージレースを走らせてもらえることになった。シーズン初戦をいい状態で迎えられるように、今はさらに身体を絞る作業をしている。トレーニングは充分行ってきたので今からシーズン初戦が楽しみだ。

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