山本元喜が増田成幸を制して東日本ロード初日で優勝

新型コロナウイルスの感染拡大によって開幕が大幅に遅れていた国内のロードレース。7月23日からのJプロツアー・東日本ロードクラシック群馬大会でついに2020年の戦いの舞台がセッティングされた。3連戦の初日、KINAN Cycling Teamはレース期間が空いたブランクをものともせず強さを発揮。序盤から先頭グループでレースを進めた山本元喜が最後は3人の争いを制して優勝。2020年の国内レース最初の勝者となった。

山本元喜(左)が増田成幸を制して優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

コロナ禍で軒並み中止・延期となっていたロードレースイベントだが、自粛ムードの緩和とともにレース開催に向けた準備が各所で行われてきた。そしてこの日、ようやく熱き戦いが戻ってくることになった。国内初戦となった今大会は、群馬サイクルスポーツセンター内6kmの周回コースで実施される。3日間各日レース距離が異なり、初日は20周回・120kmで争われる。

KINAN Cycling Teamにとっても、2月のヘラルド・サン・ツアー(オーストラリア)以来の公式戦。山本元喜、椿大志、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の主力6選手を招集し、万全の態勢でタイトル獲りに挑む。

国内レースの中でも最古参に数えられるこの大会。変化の多いコースレイアウトは、周回前半にテクニカルなダウンヒル、そして後半には勝負どころともなる心臓破りの坂や長い下りが控える。例年、サバイバルを生き抜いた選手たちによる優勝争いが見どころともなる。

そんな注目度の高いレースは、まず4周目に大きな動きが発生する。細かな出入りが続いていた中から、有力チームのエース格の選手が次々と前方をうかがうと、やがて15人ほどの先頭グループへと変化。ここにKINAN勢は山本元、トマ、新城の3人が加わり、そのままレースを先行する。力のあるメンバーがそろった先頭だが、3選手を送り込んだチームはKINANだけとあって、徐々に優位に展開していくことになる。

メイン集団では、先頭グループにメンバーを送り込めなかったチームを中心にペースメイクが本格化するが、ここでもKINAN勢がしっかりと対処。集団待機となった椿、山本大、中島がライバルたちの動きを都度チェックしながら、先頭とのタイム差縮小を許さない。各選手のアクションが奏功したこともあり、レース中盤を過ぎるまで約3分30秒差で推移していった。

後半に入っても先頭グループの優勢は変わらない。トマや新城の牽引で少しずつ人数が絞られていくが、勢いは変わらない。メイン集団もUCIコンチネンタルチーム勢が活性化を図るが、前方との差を一気に縮めるまでには至らない。結局、残り5周を切った段階でも3分以上の差は変わらず、先頭グループから勝者が出ることは濃厚な状勢になった。

優勝をかけた争いは、残り2周での増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のアタックをきっかけに激化。最終周回を目前に山本元がブリッジを試み、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)とともに増田に合流。勝負は最後の1周回にゆだねられる。残り距離が少なくなったところで山本元がアタックするが、これは決定打とまではいかず、3人によるスプリント決戦となった。

フィニッシュへ最後の直線は、まず織田が前へと出るが、これを見ながらタイミングを図った山本元が加速。トップに立つと、2人の追随を許さず優勝を決めた。

レース序盤の飛び出しのまま、勝利まで持ち込んだ山本元の走り。ともに先頭グループに入ったトマや新城の働きが効果的となり、勝負どころまで余力を持って戦うことに成功。価値ある国内初戦を制して、改めて個の能力とチーム力とを示してみせた。これにより、Jプロツアーの個人ランキングでも首位に立つこととなり、トップの証である特別ジャージ「プロリーダージャージ」で次戦を走ることも決まった。

久々のレースにも臆することなく走り切った選手たち。よいムードのまま次のレースへと向かう。大会2日目となる24日は、この日の半分となる60kmのショートレース。よりスピード感のある展開となることが予想される。スプリント勝負も視野に入れながら、2連勝を目指して臨む。

東日本ロードクラシック群馬大会 Day-1(120km)結果
1 山本元喜(KINAN Cycling Team) 2時間59分1秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +1秒
4 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +39秒
5 小森亮平(マトリックスパワータグ) 
6 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) 
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
16 山本大喜(KINAN Cycling Team) +2分30秒
41 椿大志(KINAN Cycling Team) +4分0秒
47 中島康晴(KINAN Cycling Team) +4分38秒
DNF 新城雄大(KINAN Cycling Team)

Jプロツアー個人ランキング
1 山本元喜(KINAN Cycling Team) 600pts ※プロリーダージャージ着用
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 210pts

山本元喜

山本元喜のコメント
「勝因はチームワーク、これに尽きる。トマの動きに合わせて前方へと上がったが、それが結果的によい流れにつながった。
久々のレースでコンディションは完ぺきではなかったが、ここまでトレーニングをしっかり継続できていたという自負はあった。先頭で走っている間もトマや(新城)雄大とは自分が勝負にいくと伝えていて、あとは仕掛けどころまで脚を残していればベストな結果になるという自信もあった。
最終周回でのアタックは、そのまま独走に持ち込めれば理想的だったが、2人(増田選手、織田選手)がついてきているのは分かっていたので、脚を使い切らないようにだけは注意していた。ただ何より、上りで発揮すべき力が足りなかった。これは反省点。
プロリーダージャージは初着用。日本チャンピオンジャージを一度着たことで特別賞ジャージの価値は理解している。日の丸をあしらったときは散々失敗を繰り返したので、今度は落ち着いて走ることを心掛けながら、今日のような勝てるレースを続けていきたい」

●キナンのホームページ

発熱で自宅隔離も開催日未定の全日本を見すえる…山本元喜

新型コロナウイルス感染拡大でレースシーズン中断が続いているが、KINAN Cycling Teamは選手・スタッフとも日々前向きに、シーズン再開の日を待ちながら過ごしている。そんなチームの様子を届けるため、いま世界的に叫ばれている「Stay Home」をキーワードに選手たちへインタビュー。今回は山本元喜。現在の生活、シーズン再開への思い、そして今後の目標を語った。

©Syunsuke FUKUMITSU

-ご家族も含めて元気に過ごせていますか?
実はちょっと微妙でして、自分が4月10日頃に風邪をひいてしまったのです。その時期にどうしても外出せねばならないこともあったので、「もしかしたら新型コロナウイルスに感染してしまったのか?」と不安がよぎりました。ただ、微熱だけで特に咳が出たりといった症状はなかったので、花粉症も併発してのことだったのかなと思っています。週が変わってからはトレーニングも再開できています。

-現在トレーニングはどのように行っていますか?
今年からコーチについてトレーニングを見てもらっていて、いまも可能なメニューには取り組んでいます。自分のブログでもその週行ったトレーニングメニューを公開しています。以前のように自分でトレーニングメニューを組み立てているやり方だと、この時期はそんなにバイクに乗っていなかったと思うのですが、今年に入ってコーチにしっかり見てもらっているので、レースがない中でもきっちりトレーニングができている感覚はあります。

-あらゆる面で自粛が求められている中、1日をどのように過ごしていますか?
オフシーズンに近い生活でしょうか。基本的に、トレーニングをして、休息をとって、次の日を迎えている…みたいな感じですね。外出ができないので、家にいてインターネットをしたり、何かほかのことをしたりという具合ですね。

-こうして聞く限り、モチベーションはしっかり保てている印象ですが
いや、正直モチベーションは下がっていますよ(笑)。いつもトレーニングは妻と行うので、時間をそろえてスタートして、コーチから与えられているメニューを行って…という感じです。まぁ、モチベーションは上がっていないけど、与えられているメニューはしっかりやる、といった流れです。

-自転車に限らず、日々何か楽しみを見つけていますか?
体調を崩してしまったので、念のため自宅では隔離状態にあります。それもあって1人でいることが多いので、インターネット…最近はYouTubeをよく観ていますね。何を観ているかですか…ゲームの実況とかですね。自転車とはまったく関係のないものしか観ていないです。個人的にもYouTubeをしっかりやってみたいと考えているので、その中で自分がどういった番組を観ていたらおもしろいと感じるのかを確認していて、いまは楽しみ半分、情報収集半分といった感じでやっています。

©Syunsuke FUKUMITSU

-「Stay Home」が叫ばれる中で、何か健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
やっぱり運動することですね。外出ができない中なので、自転車であればローラーであったり、最近はe-ライドも広がっているのでトライしてみるとよいかもしれません。あとは、家庭内でできる運動に取り組んでほしいですね。

-食生活で気を付けていることは何かありますか?
普段とそれほど変わらないですね。レースがまだまだ先なので、現時点で食生活をどうこうしても個人的にはあまり変わらないかなという感覚です。オフに近い過ごし方をしているので、自由に好きなものを食べてはいますが、太りすぎないようにだけは注意したいと思っています。

-レースに目を向けて、ニュージーランドとオーストラリアで走ったシーズン序盤戦を振り返って、どんな走りができましたか?
(先々を見越して)レース勘を多少でも持っておくことができるのはアドバンテージかなと。これからもレースがない日々が続くと、実際のオフシーズンより期間が空いてしまうので、その勘がリセットされてしまう懸念はありますが、2月までレースを走れていたことでレース再開へのモチベーションの維持がしやすいかなと思いますね。例えば、昨年11月のツール・ド・おきなわが終わって以降、まったくレースを走っていない…となれば半年以上レースができていない状況に陥っていたことになるので、そう考えると多少でもレースを走れていたという感覚が持てているのは、まだよい方なのかなと感じています。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。これからはどこを目標に据えて取り組んでいきますか?
全日本選手権は狙いたいと思っているので、開催日が決まったらそこに向けてしっかり照準を合わせていきたいですね。あと、今年は三重県の一員としてかごしま国体(ロードレースは10月11日実施予定)を目指すことにもなっています。現状で確実に目指していくレースとしては、全日本と国体になってくるかなと考えています。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年4月17日

山本元喜がニュージーランド・サイクルクラシック第2Sでアタック

KINAN Cycling Teamが出場中のニュージーランド サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)は1月16日に第2ステージを実施。細かいアップダウンやワインディングが続くルートを進んだ1日で、山本元喜が逃げにトライ。レースを先行した5人に加わり、あわや逃げ切りかと思わせる好走。フィニッシュでは中島康晴が10位に食い込んだほか、他の選手たちも問題なくステージを完了。日増しにチーム状態が上がっている。

ニュージーランド・サイクルクラシック第2ステージで積極的な走りを見せた山本元喜 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

上りフィニッシュが設定された前日の第1ステージでは、トマ・ルバがトップと11秒差の19位。山本大喜も同タイムで26位と続き、上位陣が見える位置で終えた。地元ニュージーランド勢を中心に主導権争いが繰り広げられる中で、KINAN勢も逃げを狙ってのアタックや、集団内での位置取り争いなど、攻めの姿勢を見せている。

続く第2ステージは、前日同様に大会拠点都市のマスタートンを発着とする121km。スタートしてすぐに南に針路をとり、15km地点を過ぎたところから1周約30kmの周回コースへ。これを3周したのち、来た道を引き返す形でマスタートンへと戻る。周回コース1・3周目にそれぞれ中間スプリントポイントと山岳ポイントが設けられるほか、この地域特有の細かなアップダウンやワインディングがレース展開にどう作用するかも見ものに。全体のレイアウト的にはスプリンター有利の1日と予想されるが、小雨が降ったり止んだりの天候の中、プロトンの進行スピードや風向き次第で流れが大きく変わることも考えられた。

やはり前日同様にアタックとキャッチの繰り返しとなったレース序盤。効果的なアタックには山本元や新城らが絡んでいき、逃げのチャンスをうかがっていく。17km地点に設定されたこの日1回目の中間スプリントポイント通過した直後には、次々と集団からアタックがかかり、やがて15人の先頭グループが形成される。ここに新城と椿大志が合流し、逃げのムードが高まるかに思われた。

しかし、これもリーダーチームのブラックスポークプロサイクリングアカデミーが容認せず、10kmほど進んだところで吸収。激しい出入りが連続しながら、残り距離を減らしていった。

そんなレースの情勢が一変したのは、36.5km地点に置かれたこの日1つ目の山岳ポイント通過直後のこと。アタックのチェックに動いた山本元が前方に残る形となって、そのまま逃げの態勢へと移っていく。先行するのは5選手。メイン集団が落ち着いたこともあり、その差は徐々に広がっていった。

最大で3分近いリードを得た先頭5人は快調に飛ばす。3周回目に入って、山本元はこの2回目となる中間スプリントで3位、山岳ポイントでは2位でそれぞれ通過。各ポイント争いのスプリントにも積極的に参加していった。

一方で、メイン集団もこの間に先頭グループを射程圏内にとらえ、徐々にタイム差を縮めていく。終盤に入ると追撃ムードが高まっていき、逃げ切りを許さない構え。粘りを見せた山本元も結果的に集団へと戻ることとなり、一団となってフィニッシュへと向かうことになった。

レースは最後、集団スプリントによる勝負となり、KINAN勢では中島が上位進出に挑んで10位でフィニッシュ。他のメンバーも問題なく走り切り、順調にステージを終えている。

大会2日目までを終えて、山本大が総合でチーム最上位の22位。トマが27位で続き、それぞれトップとの総合タイム差は21秒となっている。また、この日中間スプリントで上位通過した山本元が1秒のボーナスタイムを獲得した関係で28秒差の34位に浮上。この先のステージでさらなるチャンスを求めていく。

17日に行われる第3ステージは、マスタートンからマーティンバラまでの127km。スタートからしばしワンウェイルートを進み、おおよそ中間地点から1周7kmの周回コースへ。これを9周回してフィニッシュを迎える。前半に唯一の山岳ポイントが控えるが、以降は平坦基調。第2ステージ同様に、スプリントや要所でのアタックからチャンスが生まれる1日となりそうだ。

ニュージーランド サイクルクラシック2020 第2ステージ(121km)結果
1 キャンベル・スチュワート(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム)2時間36分15秒
2 ニコラス・ケルゴゾウ(ニュージーランド、コープランドベーカリーズチーム) +0秒
3 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 
4 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) 
5 リアム・ウォルシュ(オーストラリア、フトゥーロプロサイクリング) 
6 チェン・チェンリャン(台湾、メミル・CCNプロサイクリング) 
10 中島康晴(KINAN Cycling Team) 
34 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
51 新城雄大(KINAN Cycling Team)
64 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
70 山本元喜(KINAN Cycling Team) 
101 椿大志(KINAN Cycling Team) +1分13秒

個人総合
1 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、チームブリッジレーン) 5時間25分46秒
2 アーロン・ゲート(ニュージーランド、ブラックスポークプロサイクリングアカデミー) +0秒
3 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) +1秒
4 キャンベル・スチュワート(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム)+7秒
5 コルビン・ストロング(ニュージーランド、ニュージーランドナショナルチーム) +11秒
6 エイデン・トゥーヴェイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +13秒
22 山本大喜(KINAN Cycling Team) +21秒
27 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
34 山本元喜(KINAN Cycling Team) +28秒
52 新城雄大(KINAN Cycling Team) +29秒
79 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分11秒
89 椿大志(KINAN Cycling Team) +1分42秒

ポイント賞
1 ディラン・ケネット(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 16pts
12 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts  

山岳賞
1 ボリス・クラーク(ニュージーランド、ユーロサイクリングトリップス・CMI) 10pts
4 山本元喜(KINAN Cycling Team) 4pts

チーム総合
1 ブラックスポークプロサイクリングアカデミー 16時間17分56秒
9 KINAN Cycling Team +33秒

山本元喜

山本元喜のコメント

「集団のペースが緩んだタイミングでスルスルと前に出たら、そのまま逃げグループができた感じだった。それまで何度か逃げを狙ってアタックはしていたが、(逃げが決まった)その局面だけ見れば正直狙っていたわけではなかった。それでも、逃げている間は集団とのタイム差が広がったこともあって、逃げ切りのチャンスに賭けてみんなしっかり踏んでいた。

もがく感覚を養いたいと思っていたので、山岳賞や中間スプリントにもトライをした。レースは全体的にペースが速く、シーズン真っ只中のニュージーランド勢やオーストラリア勢が中心になっているが、自分としても冬場にしっかりトレーニングを積めた分、感覚的にはよいイメージで走ることができている。

逃げで得られた収穫が大きいので、あとは最終日まで確実に走り切ることを意識しながら、その中で最善の形に組み立てていければと思う。チャンスがあれば総合も狙っていきたいが、ナーバスにはならずに今できることに集中して取り組んでいきたい」

キナンサイクリングチームが2019ジャージを公開

2019年シーズンにキナンサイクリングチームが着用するチームキットが公開された。2019年1月1日からこのジャージをまとって選手たちがチーム活動に励む。

キナンサイクリングの2019ジャージ

チームジャージサプライヤーのChampion System社製は変わらず、白地にメインスポンサーキナン」のコーポレートロゴが胸・両ソデにプリントされている。チームを支援するサプライヤー企業各社のロゴが胸・腹部・背部に配置される。

これまでとの大きな変化としては、両肩にタイヤサプライヤーのIRC TIRE(井上ゴム工業)のコーポレートロゴがあしらわれている点。ハイスピードで駆けるレースにおいても、肩の赤帯が応援してくれるファンの目と心を惹きつける。

山本元喜が着用するロード日本チャンピオンジャージも、白地に2本からなる赤の縞、左胸の日の丸とともに、両肩にはIRC TIREのコーポレートロゴが加わる新デザインとなる。

山本元喜が着用するロード日本チャンピオンジャージ

終始攻撃的な走りを見せた山本元喜が敢闘賞…南魚沼ロード

2018年Jプロツアーのシリーズ最終戦となる南魚沼ロードレースは2年ぶり開催され、キナンサイクリングの山本元喜が敢闘賞を獲得した。2018年はJプロツアーで最高位の大会となる「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」として実施。チーム対抗の団体成績が争われる大会でもある。

南魚沼ロードレースで山本元喜が敢闘賞を獲得 ©︎KINAN Cycling Team / Satoru KATO

コースは、新潟県南魚沼市の三国川ダム周辺に設定された1周12km。ダム湖に沿って走るコースはコーナーが連続し、残り2kmからフィニッシュ地点までは高低差100m以上を登り続けるハードさだ。10周122kmのレースは、キナンサイクリングの山本のペースアップで始まった。登り区間で先頭に立った山本は集団を長く引き伸ばしながら進んでいく。頂上の直前、マトリックスパワータグからスポット参戦するフランシスコ・マンセボがアタック。この動きをきっかけに7人が先行する。しかしメイン集団も追走し、1周目が終わるまでに吸収する。

2周目、再びマンセボ選手を含む11人ほどが先行。その中から7人の逃げ集団が形成され、メイン集団との差が広がりはじめる。メンバーは、山本、マンセボ、ホセビセンテ・トリビオ(以上マトリックスパワータグ )、雨澤毅明、岡篤志(以上宇都宮ブリッツェン)、湊諒(シマノ)、米谷隆志(レオモベルマーレ)。メイン集団はシマノがコントロール。5周目に米谷が逃げ集団から遅れるも、差は最大で2分以上まで開いた。

レース終盤の8周目、メイン集団のコントロールが宇都宮ブリッツェンに代わると、逃げ集団との差は1分前後まで縮まる。逃げ集団では、山本が登り区間でペースアップを図る。すると雨澤と岡が遅れ、逃げ集団は4人に。山本はトリビオ、マンセボ、湊を引き連れて9周目に入っていく。

その直後、マンセボがアタック。トリビオが追従し、マトリックスパワータグの2人が先行。反応が遅れた山本と湊の2人はその後メイン集団が吸収。宇都宮ブリッツェンを先頭に先行する2人を追走するが、差は1分から縮まらないまま最終周回の10周目に入る。

その後メイン集団からは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗、横山航太(シマノ)の3人が追走集団を形成するも、マトリックスパワータグの2人を捕えることはできず。最後はマンセボとトリビオがワンツーフィニッシュを決め、マトリックスパワータグが2年連続で経済産業大臣旗を獲得した。

キナンは8位で完走した山本が序盤からの積極的な動きを評価され、このレースから設定された敢闘賞を獲得。中西健児が22位、新城雄大が26位で完走した。(加藤智)

Jプロツアー第22戦 南魚沼ロードレース・経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ 結果(122km)結果
1 フランシスコ・マンセボ・ペレス(スペイン、マトリックスパワータグ) 3時間14分20秒
2 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +0秒
3 横山航太(シマノレーシング) +1分3秒
4 入部正太朗(シマノレーシング) +1分7秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +1分13秒
6 木村圭佑(シマノレーシング) +1分40秒
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分47秒
22 中西健児(KINAN Cycling Team) +4分28秒
26 新城雄大(KINAN Cycling Team) +6分9秒
DNF 椿大志(KINAN Cycling Team)
DNF 中島康晴(KINAN Cycling Team)
DNF トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)

敢闘賞
山本元喜(KINAN Cycling Team)

団体成績
1 マトリックスパワータグ 720pts
5 KINAN Cycling Team 150pts

「個人的にはキッテル」山本元喜ツール・ド・フランスさいたま発表会へ

さいたま新都心駅周辺コースで11月4日に開催される「J:COM presents 2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」。期待と注目が集まるビッグイベントまで1カ月を切った10月5日、さいたま新都心で出場選手発表会が行われ、ロード日本チャンピオンの山本元喜が登壇。あわせてキナンサイクリングから山本ら3選手の出場が発表された。

左からASOのエリック・ペレスデアレナザ、鈴木優華、山本元喜、藤田涼平、清水勇人さいたま市長 ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

■キナンサイクリングから山本、雨乞竜己、中西健児

イベントではまず開催地さいたま市の清水勇人市長や、主催のアモリスポルオルガニザシオン(A.S.O.)イベントディレクターのエリック・ペレスデアレナザ氏のあいさつがあり、続いてクリテリウムメインレース出場チームと選手の発表、そしてスプリントレースの組み合わせ抽選会が行われた。

山本、雨乞竜己、中西健児の出場が発表されたキナン。当日はクリテリウムメインレースのほかに、各チーム1名が出場するスプリントレース、チームタイムトライアルに出走。スプリントレースは抽選の結果、ミッチェルトン・スコット、「ツール・ド・フランスジャパンチーム」として参戦する別府史手、宇都宮ブリッツェンと対戦するA組に入ることが決まった。

出場チームと選手の発表、スプリントレースの組み合わせが決まったところで、満を持してこの日のイベントゲストが登場。大きな盛り上がりの中、日本チャンピオンジャージをまとう山本と、9月15日に行われた「Road to さいたまクリテリウム2018」を勝ち、個人タイムトライアルレース出場権を得た藤田涼平(サイタマサイクルプロジェクト)が紹介された。

■熱い応援を呼びかけ

プログラム後半はトークイベントが行われ、山本のほかレース実況でおなじみの永田実氏、解説者の栗村修氏、アレナザ氏、2018年のさいたまクリテリウム広報部長に就任した鈴木優華さんがステージへ。大会ツイッターにリアルタイムで寄せられた質問も交えながらトークが展開された。

出そろった出場選手の印象を問われた山本は「みなスゴい選手だが、個人的にはジロ・デ・イタリアで一緒に走ったキッテル選手」と注目選手をピックアップ。「勝手に後ろについて走っていた」とジロ・デ・イタリア出場時のエピソードを紹介しつつ、「また同じレースを走れることが楽しみ」とコメントした。また、「うれしい声援」について問われると、「ゲンキ!と、名前を呼んでもらえるとうれしいです! 自分を応援してくれているとダイレクトに伝わるので」と約100人の一般観覧者に向けて、当日の応援を呼びかけた。

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム本番への期待と驚きに満ちた発表イベント。最後には、一般観覧者向けのフォトセッションの時間も設けられ、選手と記念撮影を楽しむ姿も見られるなど、笑顔と喜びいっぱいの中で幕を閉じた。(Report: 清水翠、Edit: 福光俊介)

終盤のアタックに反応した山本元喜が4位…ツール・ド・シアク第4ステージ

インドネシア・スマトラ島を舞台に行われてきたステージレース、ツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCアジアツアー2.2)は9月21日の第4ステージをもって閉幕。最終日は大会拠点都市シアクの市街地サーキットでの97.6kmで争われた。キナンサイクリングは、レース終盤にプロトンで発生したアタックに山本元喜が反応。そのまま集団の追い上げをかわし、4位でフィニッシュした。また、中盤から終盤にかけてはサルバドール・グアルディオラが逃げグループでレースをリードするなど、チームとしてよい形で大会を終えている。

ツール・ド・シアク第4ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

18日に開幕した大会は最終ステージ。大会初日からライバルチームの猛攻と徹底マークに遭ったキナンだったが、前日の第3ステージで新城雄大が逃げグループでレースを展開。ビッグリザルトにこそつながらなかったが、存在感を示す走りを見せ、最終ステージへとつなげた。

その最終第4ステージ。17kmに設定された市街地コースをおおよそ6周回するレースは、鋭角コーナーやラウンドアバウトがあり、スピードとともに集団内でのポジショニングも求められる。ショートステージだが、逃げ切りが決まる可能性もあり、キナンとしてもあらゆる展開を想定。個人総合でチーム最上位につける山本の順位アップもねらいながら臨んだ。

現地時間午後2時8分(日本時間午後4時8分)にスタートが切られると、予想通り激しいアタックの応酬。2周回目に入るころには、個人総合首位のマシュー・ゼノヴィッチ選手(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル)を含む8人が逃げグループを形成。リーダージャージ自らレースを先行する状況となり、追う立場となったキナン勢は果敢に追走を試みる。

しばらくは先頭をいく8人とメイン集団とが30秒前後のタイム差で進んでいたが、この形勢は中盤までには落ち着き、いったん集団は1つとなる。ここで流れを変えたのはグアルディオラ。4周回目に入ってアタックを成功させ、3人の逃げグループを率いる。

グアルディオラら逃げメンバーが個人総合成績に大きく関係する選手たちではなかったことから、メイン集団のコントロールを担うセントジョージコンチネンタルは無理に追うことはせず、30秒前後のタイム差で進行。グアルディオラを前に送り込んだキナン勢は、終盤に備えて集団内の好位置を確保していった。

5周回目に4人となった逃げグループだったが、最終周回を目前にメイン集団がペースを上げ、タイム差が縮まっていく。20秒差で残り1周の鐘を聞いたが、フィニッシュまで10kmとなったところで15秒差。逃げ切りの可能性に賭けて粘ったグアルディオラだったが、ほどなくして集団へと戻ることとなった。

このままスプリント態勢に入るかと見られたレースは、残り3kmで大きな局面を迎える。有力チームを中心にアタックが発生し、これにキナン勢も反応。山本がセントジョージコンチネンタル勢をマークし、そのまま集団に対しリードを奪う。

最後の長い直線も先頭をキープした山本らは、集団の追い上げをかわしてステージ優勝争いへ。4人による勝負となり、残り200mから加速した山本だったが、わずかに及ばず。それでもステージ4位を確保。他の4選手もトラブルなくフィニッシュラインを通過した。

全4ステージを終えて、キナンは山本の個人総合17位が最高。ライバルチームに大会前半でリードを奪われ、そのまま最終成績に反映した形となったが、第3ステージ以降は逃げやアタックから見せ場を作るなど、今後に向けてよい形で大会を終えることができている。久々のレースだった選手もステージを追うごとにコンディションの高まりを実感している様子だ。

チームの次戦は、9月26~29日のインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)。今回と同じインドネシアでのステージレースに臨む。ツール・ド・シアクとは対照的に、ジャワ島東部の山岳地帯が舞台となる。チームが得意とする山岳での戦いで、今回の雪辱を誓う。

ツール・ド・シアク第4ステージ(97.6km)結果
1 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) 2時間19分34秒
2 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +0秒
3 アフィク・オスマン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 山本元喜(KINAN Cycling Team)
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +1秒
6 ラクマド・ウィビソノ(インドネシア、PGNロードサイクリング)
38 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
41 新城雄大(KINAN Cycling Team)
54 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +22秒
56 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分45秒

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 11時間52分35秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分49秒
4 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分37秒
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
6 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) +4分50秒
17 山本元喜(KINAN Cycling Team) +5分6秒
36 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分17秒
46 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +5分38秒
54 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
57 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +16分2秒

ポイント賞
1 モハマド・アブドゥルハリル(マレーシア、チームサプラサイクリング) 27pts
15 山本元喜(KINAN Cycling Team) 8pts
25 新城雄大(KINAN Cycling Team) 3pts
28 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 35時間42分19秒
8 KINAN Cycling Team +10分57秒

山本元喜

山本元喜のコメント
アタックが決まった局面は残り3kmを切ったあたり。セントジョージコンチネンタルの選手が前をめがけて飛び出したので、この動きが決定的になると読んで自分も続いた。先頭交代のローテーションにも加わったが、できるだけ勝負に集中できるよう位置取りを優先した。スプリントは前日までの反省から、残り200mまで待って加速したが、自分にとってはそれでも早すぎたかもしれない。他の選手とのスピードの違いは感じなかっただけに、こうした形での勝負を経験しているかどうかの違いが勝敗に表れたように思う。アタックの直前にはトマや(新城)雄大も動いてくれて、それに助けられた。
今大会はリザルトには結びつかなかったが、みんなうまく仕上がっていると思うので、それを次戦で発揮したい。

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
4周回目に前方で動きがあったので、逃げが決まると思って一緒に反応した。レースリーダー(セントジョージコンチネンタル)のペースメイクによって最終周回に捕まってしまったが、トライできたことはよかった。ツール・ド・シアクはとてもいいレースだと感じている。平坦系のステージレースだったため本領発揮とはいかなかったが、山岳がメインの次戦は力を発揮できると思う。

山本元喜が全日本ロード祝勝会…ファンと喜びを共有

全日本自転車競技選手権ロードの男子エリートで優勝した山本元喜を祝うイベントが7月20日、東京都稲城市のカフェ「CROSS COFFEE」で行われた。「全日本優勝おめでとう!KINAN Cycling Teamプレミアムトークショー!」と銘打たれ、キナンから山本元喜のほか、椿大志、中島康晴の3選手、加藤康則ゼネラルマネージャーが参加。応援してくれるファンとともに、ビッグな勝利を祝う機会が設けられた。

©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

会場となった「CROSS COFFEE」はチームのジャージサプライヤーである「Champion System Japan」が運営するサイクルカフェ。ウエアやシューズなどサイクリング用アパレルがセンスよく陳列された店内、さらには多摩川に近接という立地もありサイクリストの憩いの場となっている。そんな空間で催された祝勝会には平日にもかかわらず、多数のファンが駆け付け、Champion System Japan・棈木亮二代表、トニオ店長のあいさつに続き、参加者全員での乾杯で会はスタート。しばしの歓談で参加者同士の交流を深めた。

おいしい食事に舌鼓を打ちながら進行したトークショーでは、やはり全日本選手権の話題が中心。相次ぐ参加者からの質問では、ミーティングやレース中の連携など、チームの内情に迫るものも。レースの当事者である選手たちの言葉で「裏話」を聞くことができることこそ、このイベントの魅力となった。

改めて日本チャンピオンジャージをお披露目した山本は、レースを振り返って「7割の確率で大本命ではないかと感じるライバル選手がいた。まさか自分が勝てるとは思っていなかった」との本音を口にした。中島は「ベテランとして、若い選手が勝つことが喜びになっている。そして、ほかの選手たちも次こそはとの思いを持っているから心強い」。椿からは「信頼関係の勝利」と続く。そして、加藤GMが山本の優勝が決まってからも「怖さが先行してチームピットからなかなか出られなかった」ことをカミングアウトすると、店内は大盛り上がり。

チームのレース活動に大きな力を与えるChampion System社製品についても話は及び、2種類のタイプ(保湿性・速乾性)がありレース環境によって使い分けられること、疲労の原因となる紫外線をカットする能力の高さなどの機能性を紹介。また、ファンの間で話題になっている紺色のトレーニング用ジャージについて、選手の要望から生まれたものであるとの秘話も。会に参加したファンは一様に選手が着用するジャージに触れ、質感を確かめていた。

イベントの終盤には参加者全員によるじゃんけん大会、そして集合写真の撮影を行って、会はお開きに。閉会にあたって、加藤GMが「日本チャンピオンジャージを獲得できたのは、4年かけて作り上げたチームの集大成」と述べると、会場のファンからも「強さだけでなくチームの雰囲気や人柄も魅力だから応援したくなる」といった声も起こるなど、会の最後までお祝いムードに包まれていた。(Report:清水翠、Edit:福光俊介)

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