2025シーズンもJ SPORTSはグランツール全ステージを放送

J SPORTSが2025シーズンにおける海外サイクルロードレースの放送予定を発表した。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツール全ステージをはじめ、ワンデーレースの中でも歴史あるモニュメントと呼ばれる5大レースを全戦中継する。

マイヨジョーヌのポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

これらのレースは放送に加え、パソコン、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でも配信。またサイクルロードレースの楽しさをより多くの人に伝えるため、注目のレースを毎月1~2番組厳選し、無料放送/J SPORTSオンデマンドで無料LIVE配信する予定。

ポガチャルがバッサーノデルグラッパでマリアローザを手中に ©LaPresse

ピンク色のスズキ・スイフトをプレゼントされたイタリア人女性は

自動車メーカーのスズキが、自転車女子プロ選手のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)にピンクのスズキ・スイフト・ハイブリッドを贈呈した。同選手は2024ジロ・デ・イタリアの女子優勝者。チューリッヒで開催された世界選手権で3位に入った。スポーツとイタリアの才能の卓越性を称えたもの。

ピンクスズキ・スウィフトハイブリッドとロンゴボルギーニ ©LaPresse

スズキとジロ・デ・イタリア主催者のRCSスポルトは、多くのファンの心をつかむイタリアのサイクリングチャンピオン、ロンゴボルギーニを称えた。10月2日、RCS本社でスズキがオフィシャルカースポンサーを務めた2024年のジロ・デ・イタリア女子での勝利を記念して、ユニークなエディションとして作られたピンクのスズキ・スイフト・ハイブリッドを提供した。

ロンゴボルギーニは2017年から続いたオランダ選手の連勝記録を打ち破り、ピンク色のリーダージャージ、マリアローザをイタリアに取り戻した。スズキは、「ジロ・デ・イタリアでのキャリア初となる素晴らしい勝利を、アイコニックなスイフトとともに、レースを通じて示した強さ、粘り強さ、スポーツマンシップへのオマージュとして祝いたい」と表明。

ピンクスズキ・スウィフトハイブリッドとロンゴボルギーニ ©LaPresse

「スズキのようなサイクリングを支える一流ブランドのアンバサダーになれたことをとてもうれしく思う。特に今年優勝したジロ・デ・イタリア女子が選んだ自動車ブランドを代表できることを誇りに思っている。ピンクのスズキ・スイフトを運転するのが待ちきれない」とロンゴボルギーニ。

ポガチャルが2024ジロ・デ・イタリア総合優勝…第2ステージから首位譲らず

第107回ジロ・デ・イタリアは最終日となる5月26日、イタリアの首都ローマを舞台とした125kmで第21ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が初優勝。大会2日目に首位のリーダージャージ、マリアローザを獲得すると、20日間それを守った。

ローマのコロッセオを背景に栄冠のトロフィーを手中にしたポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse

20日間マリアローザ着用でメルクスやインデュラインらと並ぶ

ポガチャルの1大会ステージ6勝は1973年のエディ・メルクス(ベルギー)以来の記録。第2ステージから20ステージ連続でマリアローザを着用したのは、1995年にトニー・ロミンゲル(スイス)が22ステージにわたって着用した時に続くもの。20ステージでマリアローザを着用したのは1973年のメルクス、1990年のジャンニ・ブーニョ、1991年のフランコ・キョッチョーリ(イタリア)、1992年のミゲール・インデュライン(スペイン)とタイ記録となるが、メルクスとブーニョは第1ステージから最後までマリアローザを独占するものだった。

最終日はチーム全員がピンク色になったUAEエミレーツ ©Lapresse

このジロ・デ・イタリアで僕も人間としてステップアップできたかも

「この3週間、チームはとりわけ沿道にいる子供たちととても素敵な瞬間を経験した。僕はいつも彼らとこのの瞬間を共有するのが大好きだ。道端でファンクラブのユニフォームを着た人や、応援に来てくれた子どもたちに会えてうれしかった。ファンのみなさんありがとう」とポガチャル。

「普段の生活に戻るのに1週間はかかるだろうけど、素晴らしい気持ちを感じるなどいい経験だった。レースはとても素晴らしく、運営もとてもよかった。もしかしたら、このジロ・デ・イタリアで僕も人間としてステップアップできたのかもしれない。ライダーとして、僕は長い間、バイクでとても強く、気持ちよく感じた。このフィーリングを持っていたい。残りのシーズンに向けていい道を歩んでいる。いつになるかは分からないけど、将来またジロ・デ・イタリアに来るよ」

2024ジロ・デ・イタリア最終日はローマに凱旋 ©Lapresse
ローマで総合優勝を決めたポガチャル ©Massimo Paolone/Lapresse
ミランがポイント賞を獲得 ©Lapresse
山岳賞のポガチャル ©Lapresse
新人賞のアントニオ・ティベーリ ©Massimo Paolone/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

UAEエミレーツは全8選手が完走 ©Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャル区間6勝目、総合2位に9分56秒差で最終日へ

第107回ジロ・デ・イタリアは5月25日、アルパーゴ〜バッサーノデルグラッパ間の184kmで第20ステージが行われ、首位のリーダージャージ、マリアローザを着用するUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が独走勝利。

アシスト陣から解き放たれてアタックしたポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

ポガチャルは今大会6勝目。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差を9分56秒に広げ、総合優勝を確実にした。

2024ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©LaPresse

マリアローザを着用しての5勝はグエラ、メルクス以来の快挙

ポガチャルは第1ステージこそイネオスグレナディアーズのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)らに負けて区間3位になったが、第2ステージで独走勝利してマリアローザを獲得。第7ステージの個人タイムトライアル、第8、15、16、20ステージと4つの山岳を制した。

マリアローザで5回のステージ優勝を飾ったのは、1934年のレアルコ・グエラ、1973年のエディ・メルクスと並ぶタイ記録。1927年のジロ・デ・イタリアでアルフレド・ビンダがステージ11勝しているが、当時はまだマリアローザというリーダージャージが存在していなかった。ジロ・デ・イタリアでの1大会6勝は、2004年にアレッサンドロ・ペタッキが9勝して以来の記録。

ポガチャルは総合成績で2位のマルティネスに9分56秒のアドバンテージを持って最終ステージをスタートする。そのままのタイム差でゴールすれば1965年にビットリオ・アドルニがイタロ・ジリオリに11分26秒差をつけて優勝して以来の最大記録となる。

独走するマリアローザのポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

高い士気といい脚でジロ・デ・イタリアを終えることが目標だった

「グランツールはすべてが簡単というわけではない。体調不良やアレルギーなどもあり、実は大変な3週間だった。すべてが順風満帆だったわけではないが、ここまでたどり着いたことは誇りに思っている」とポガチャル。

「今年はまた一歩踏み出すことができた。毎年僕は自分のサイクリングを改善しようとしているが、今年の改善に満足している。歳を重ね、経験も役に立つ。今回のグランツールは、僕のキャリアの中で最高のグランツールの一つで、その3週間は素晴らしい気分だったし、次のレースでもそのメンタリティを持ち続けるつもりだ。高い士気といい脚でジロ・デ・イタリアを終えることだった。今日は、上り坂の一番下から上まで観客が素晴らしかった」

ポガチャルが2024ジロ・デ・イタリアでステージ6勝目 ©LaPresse
ポガチャルが第20ステージで独走勝利してジロ・デ・イタリア初優勝を確実に ©LaPresse
ポガチャルがピンクのコルナゴを掲げた ©LaPresse
ポガチャルがバッサーノデルグラッパでマリアローザを手中に ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

総合優勝を確実にしたポガチャル ©LaPresse

【ジロ・デ・イタリア】ベンドラーメが3年ぶりのステージ優勝

第107回ジロ・デ・イタリアは5月24日、モルテリャーノ〜サッパーダ間の157kmで第19ステージが行われ、デカトロンAG2Rラモンディアルのアンドレア・ベンドラーメ(イタリア)が独走し、3年ぶり2度目のステージ優勝を果たした。

アンドレア・ベンドラーメが2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

首位のリーダージャージ、マリアローザを着用するUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は15分56秒遅れのメイン集団の中でフィニッシュ。残り6kmで総合3位のゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)が落車したが、メイン集団がペースダウンしたことでトーマスは追いつくことができた。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は変わらず7分42秒。

2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse

家の近くで勝ったのだから感慨はひとしお

「ジロ・デ・イタリアのスタート時からこのステージを狙っていた。まずはエスケープ集団に入ることが重要で、それに成功した後は1日中エネルギーを温存するようにした。下り坂でリスクを冒してアタックし、タイム差が開いたのを見てプッシュし続けた。家の近くで勝ったからこその特別な感慨です」とベンドラーメ。

「チームとしては、ジロ・デ・イタリアが始まってから順調に走っているし、ベン・オコーナーが総合成績の表彰台を争っている。今年のチームの成長にはとても満足している。コンディションは開幕時からよかったが、最初の週に気管支炎にかかってしまったので、ブックマークしたステージでは結果を残せなかった。今日のステージもチャンスだと思っていた。最初の目標は逃げることだった。難しい戦いだったし、正しい判断をしなければならなかった」

アンドレア・ベンドラーメ。2024ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合3位トーマスの落車に集団がペースダウンで配慮

「ジロ・デ・イタリアはお互いにリスペクトし合っているという点で素晴らしいものだった。今日、ゲラント・トーマスが墜落したとき、誰も愚かなことをしたがらなかった。トーマスのためではなく、サイクリングにとって必要なことだった。15年以上前から、落車はいつ起きてもおかしくないと思っていた。集中して、致命的なクラッシュを予測する必要がある」とマリアローザのポガチャル。

「チームとしてはやりやすい1日だったので、明日はスタートからレースをコントロールして、最初の上りからいいペースで走れるはずだ。明日はクライマーにとってステージ優勝を飾る最後のチャンスだ」

山岳賞のポガチャル ©LaPresse
ポイント賞のミラン ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

新人賞のティベーリ ©LaPresse

【ジロ・デ・イタリア】メルリールがゴール勝負で区間2勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月23日、フィエラディプリミエーロ〜パドバ間の178kmで第18ステージが行われ、スーダル・クイックステップのティム・メルリール(ベルギー)がゴールスプリント勝負で優勝。第3ステージに続く今大会2勝目、大会通算3勝目を挙げた。

パドバででティム・メルリール(左)がミラン(右)を打ち破った ©Massimo Paolone/Lapresse

首位のリーダージャージ、マリア・ローザを着用するUAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はタイム差なしの30位でフィニッシュ。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差は変わらず7分42秒。

2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
パドバにゴールした2024ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Marco Alpozzi/Lapresse
ティム・メルリール(中央)がミラン(右)を制した ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

マリアローザを守ったポガチャル ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse