ジロ・デ・イタリアのeバイクレースがほぼ同日程で開催

eバイクと呼ばれる電動自転車を使ったジロ・デ・イタリアの「ジロE」が5月12日から6月1日まで開催される。2018年に続く2度目の開催だが、出場チームは5から10チーム超へ、4つのリーダージャージも設定されて本格化する。

2019年もジロ・デ・イタリアのeバイクレースが開催される ©LaPresse

ジロ・デ・イタリアは5月11日から6月2日まで全21ステージで開催されるが、ジロEは18ステージ。各ステージはゴールが同じで、競技距離は3分の2ほどで争われる。2026年冬季五輪誘致を目指すミラノ・コルチナもチームを結成し、五輪メダリストが出場する予定だ。

メインスポンサーはイタリアの電力会社「エネルX」。オフィシャルカーはトヨタ。栄養補助食品のネームドスポーツが協賛する。

ジロ・デ・イタリアのeバイクレース ©LaPresse

ジロ・デ・イタリアがカステリ製のリーダージャージを公開

ジロ・デ・イタリアの主催者RCSとラ・ガゼッタデッロスポルト新聞が、3月27日にミラノで2019年のリーダージャージを公開した。イタリアのサイクリングウエアメーカー、カステリ製。第102回大会は5月11日から6月2日まで。

マリアローザ ©LaPresse

ジャージは空気抵抗の低減を実現して、素材や縫製に趣向を凝らしたエアロタイプ。汗をかく部位には吸汗速乾生地を使うなど、4種類の素材を適所に配置した。ファスナーの金具はジロ・デ・イタリアの象徴とも言える金色のトロフィー。

マリアアッズーラ ©LaPresse
マリアチクラミーノ ©LaPresse
マリアビアンカ ©LaPresse
カンディード・カンナーボ氏のサイン

新人賞のマリアビアンカの襟の内側には、かつてのラ・ガゼッタデッロスポルト編集長、カンディード・カンナーボ氏の10周忌を悼むために同氏のサインを挿入した。

大会の新スポンサーに、イタリアの男性用下着メーカー「インティミッシミ・ウオモ」が加わり、ジャージのファスナーを開けると同社ロゴが出現するようなデザインを採用した。

ファスナーを開けると防風リブに下着メーカーのロゴが出現する ©LaPresse

ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスとともにグランツール(3大ステージレース)となるスペインのブエルタ・ア・エスパーニャはイタリアのサンティーニ社製ジャージを採用。4月3日にマドリードでリーダージャージをお披露目する。

ジロ・デ・イタリアが恒例の各ステージ建造物ピンクイルミネーション

2019年5月11日に開幕する第102回ジロ・デ・イタリアは、スタートまであと102日となった1月30日に、全21ステージの開催地で歴史的建造物などをマリアローザにちなんだピンク色にライトアップするイベントが開催された。

Stage 1 – 11/05/2019 – Podestà palace in Bologna

2019年5月11日に開幕する第102回ジロ・デ・イタリアは総距離3518.5km、1ステージ平均167.5km。「地上で最も美しい場所で繰り広げられる一番タフなレース」の言葉どおり、非常に過酷なコース。

23日間のコースはイタリア半島の中にあるサンマリノ共和国に足を伸ばすだけで、ほぼイタリア国内を走る。個人タイムトライアルが3ステージあることが特徴で、スプリンター好みの起伏の少ないステージが6つ、中程度の山岳ステージが7、難易度の高い山岳ステージが5。頂上フィニッシュはボローニャとサンマリノで行われる個人タイムトライアルを含めて7つもある。

レオナルド・ダビンチの没後500年を弔う意で第3ステージはその出生地であるオルベテッロをスタートする。第7ステージのゴールは10年前の2009年に大震災に襲われたラクイラを訪れる。また1919年生まれのファウスト・コッピ生誕100年を記念して、故郷ピエモンテ州のノビリーグレにゴールする第11ステージ、クネオ~ピネローロ間を走る第12ステージが設定された。

大会中盤は第13、14ステージが厳しい山岳コース。さらに終盤は第16ステージが獲得標高としてこの大会最大の5700mを上る。大会最高峰の「チマコッピ」となる標高2618mのガビア峠も待ち構える。さらに第19、20ステージと超難関。そして最終日はベローナで個人タイムトライアルが行われ、最後まで総合優勝の行方がもつれる可能性を残す。

2019ジロ・デ・イタリア日程
5月11日(土) 第1ステージ ボローニャ〜ボローニャ(サンルーカ聖堂)8.2km(個人タイムトライアル)★★★
5月12日(日) 第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 200km★★★
5月13日(月) 第3ステージ ビンチ〜オルベテッロ 219km★★
5月14日(火) 第4ステージ オルベテッロ〜フラスカーティ 228km★★
5月15日(水) 第5ステージ フラスカーティ〜テッラチーナ 140 km★
5月16日(木) 第6ステージ カッシーノ〜サンジョバンニロトンド 233km★★★
5月17日(金) 第7ステージ バスト〜ラクイラ 180 km★★
5月18日(土) 第8ステージ トルトレートリド〜ペザーロ 235km★★★
5月19日(日) 第9ステージ リッチョーネ〜サンマリノ 34.7km(個人タイムトライアル)★★★★
5月20日(月) 休息日
5月21日(火) 第10ステージ ラベンナ〜モデナ 147km★
5月22日(水) 第11ステージ カルピ〜ノビリーグレ 206km★
5月23日(木) 第12ステージ クネオ〜ピネローロ 146km★★★
5月24日(金) 第13ステージ ピネローロ〜チェレゾーレレアーレ 188km★★★★
5月25日(土) 第14ステージ サンバンサン〜クールマイユール 131km★★★★★
5月26日(日) 第15ステージ イブレア〜コモ 237km★★★★
5月27日(月) 休息日
5月28日(火) 第16ステージ ローベレ〜ポンテディレーニョ 226km★★★★★
5月29日(水) 第17ステージ コンメッザデューラ〜アンテルセルバ 180km★★★
5月30日(木) 第18ステージ バルダオーラ〜サンタマリアディサーラ 220km★
5月31日(金) 第19ステージ トレビーゾ〜サンマルティーノディカストロッツァ 151km★★★
6月1日(土) 第20ステージ フェルトレ〜クローチェダウーネ・モンテアベーナ 193km★★★★★
6月2日(日) 第21ステージ ベローナ 15.6km(個人タイムトライアル)★★★
★は難易度

ジロ・デ・イタリア特集サイト

RCSがジロ・デ・イタリアなど主催大会の出場チームを発表

ジロ・デ・イタリアなどを主催するイタリアのRCS社が1月25日にミラノで主催大会の出場チームを発表した。UCIワールドチームである18チームは全大会に出場する権利があり、第2カテゴリーのチームから各大会に主催者推薦枠が与えられた。

RCSが主催するUCIワールドツアーレースは、ジロ・デ・イタリア、ストラーデビアンケ、ティレーノ〜アドリアッティコ、ミラノサンレモ。秋に開催されるイル・ロンバルディアのみワイルドカードは後日発表となる。

自動出場権を獲得したUCIワールドチーム(18チーム)
アージェードゥーゼル・ラモンディアル(フランス)
アスタナ(カザフスタン)
バーレーン・メリダ(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
CCC(ポーランド)
ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)
EFエデュケーションファースト(ドイツ)
グルパマFDJ(フランス)
ロット・スーダル(ベルギー)
ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)
モビスター(スペイン)
ディメンションデータ(南アフリカ)
ユンボ・ビスマ(オランダ)
カチューシャ・アルペシン(スイス)
スカイ(英国)
サンウェブ(ドイツ)
トレック・セガフレード(ドイツ)
UAEエミレーツ(UAE)

2019ジロ・デ・イタリアのコースマップ(クリックで拡大)

ジロ・デ・イタリア(5月11日〜6月2日)
ワイルドカード4(22チーム、8人編成)

アンドローニジョカトリ・シデルメク(イタリア)
バルディアーニCSF(イタリア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(イタリア)

ストラーデビアンケ(3月9日)
ワイルドカード3(21チーム、7人編成)

ネーリソットーリ・セッレイタリアKTM(イタリア)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(イタリア)
ヴィタルコンセプトB&Bホテルズ(フランス)

2017ストラーデビアンケ。©LaPresse/Fabio Ferrari

ティレーノ〜アドリアッティコ(3月13〜19日)
ワイルドカード5(23チーム、7人編成)

バルディアーニCSF(イタリア)
コフィディス(フランス)
ガスプロム・ルスヴェロ(ロシア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
ネーリソットーリ・セッレイタリアKTM(イタリア)

ミラノ〜サンレモ(3月23日)
ワイルドカード7(25チーム、7人編成)
アンドローニジョカトリ・シデルメク(イタリア)
バルディアーニCSF(イタリア)
コフィディス(フランス)
ディレクトエネルジー(フランス)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
ネーリソットーリ・セッレイタリアKTM(イタリア)
ノボノルディスク(米国)

NIPPO・ヴィーニファンティーニが3年ぶりにジロ・デ・イタリア参戦へ

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが5月に開催される三大ツールのひとつ、ジロ・デ・イタリアへのワイルドカードを獲得。2016年以来3年ぶりにイタリア最大のステージレースに出場することになった。

2019ジロ・デ・イタリアに出場するNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ

イタリア最大のステージレース「ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)」を主催するRCSスポルト社が、1月25日に同レースへのワイルドカード(主催者招待枠)を発表し、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが4枚のワイルドカードのうちの1枚を獲得。2015年、16年以来、3年ぶり3回目の出場が決ままった。ワイルドカードは、第二ディビジョンであるUCIプロコンチネンタルチームに与えられるもので、2019年は3つのイタリア籍チーム、そして2018年に引き続きイスラエルサイクリングアカデミーが獲得した。

ジロ・デ・イタリア2019 ワイルドカード獲得チーム
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(イタリア)
アンドローニジョカトリ・シデルメク(イタリア)
バルディアーニCSF(イタリア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)

2019年のジロ・デ・イタリアは、5月11日(土)にイタリア中部のボローニャで開幕し、全21ステージで構成される。3週間かけてイタリア全土を駆け抜けて、6月2日(日)にヴェローナで最終ステージを迎える。総走行距離は3,518.5km、厳しい山岳ステージは5つ設定されている。2019年で102回目の開催となり、長い歴史と伝統をまとったイタリアが世界に誇る美しくも過酷なレースだ。

また同時にRCSスポルト社は同社が主催する他のUCIワールドツアーレースへのワイルドカードを発表。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは3月9日に開催されるストラーデ・ビアンケ(イタリア/1.ワールドツアー)のワイルドカードも獲得した。

チームはスペイン・カルペでのトレーニングキャンプを終え、シーズン初戦は南米アルゼンチンで1月27日から2月3日まで開催されるブエルタ・ア・サンフアン(UCIアメリカツアー2.1)となる。
大門宏チームマネージャーのコメント
まずは主催者であるRCSスポルト社に対し、お礼を申し上げたい。また同社には、NIPPO岩田会長の新年挨拶としての本社訪問を快く受け入れて頂き、心から感謝している。しかも訪問した翌日(1月12日)にガゼッタ・デロ・スポルトの紙面であれだけ大きな記事を掲載していただいたことは、この新聞の影響力(日本の四大スポーツ新聞をはるかに超える規模)を知る自分にとっては衝撃的な出来事だった。大変失礼で意地悪な言い方かもしれないが、大きく紙面を飾った記事を見て、「でもジロ・デ・イタリアへの招待は許してね」という意味合いがこもった大サービスなのかと内心感じていた。

2015、16年に続き、3年ぶりのジロ・デ・イタリアの出場が叶ったことで、ファルネーゼヴィーニ社、ファイザネ社、デローザ社をはじめイタリアのスポンサー各社が全社員を挙げて歓喜している姿が思い浮び、本当にホッとしている。

特にファルネーゼヴィーニ社CEOのヴァンレンティーノ・ショッティ氏にとって、この2年間、ジロ・デ・イタリアに参加しないチームをサポートし続けることは決して穏やかではなかったと思う。 チームマネージャーのフランチェスコ・ペロージにとっても、この2シーズンはスポンサー探しで苦悩に満ちた仕事を強いられていたので、個人的には改めてイタリアのスポンサーにとって、ジロ・デ・イタリアへの出場がどれだけ重要な位置付けで大切なことか、彼らの側でつくづく痛感させられていた。

ジロ・デ・イタリアは過去2度、チームスタッフとして帯同したが、選手を支える立場のスタッフにとって、キャリアを積む最高の現場だと実感した。21日間、8台のチーム車両の走行距離は車によっては5000kmを優に超える。ほぼ毎日街やホテルを転々と移動するチームに随行し、得られる実体験は、なにものにも代えがたい。監督、メカニック、マッサー、広報、スポンサー関係者の方々、チームに関わる1人でも多くの日本人を随行させ、彼らの将来の活動に役立たせ、それが日本の自転車競技界の発展に貢献できることを願いたい。

日本のロードレースファンが最も注目していることは、日本人選手のメンバー入りが叶うのか…? という点だと思うが、まだシーズンが始まっていない今の段階では、コメントを控えたい。 今シーズン所属している日本人選手にとってヨーロッパ、アジアでのUCIポイントの獲得はあらゆる意味で至上命令。 ジロ・デ・イタリアを走ることになれば準備期間、回復期間含めて最低でも4ヶ月を犠牲にする必要がある。そのあたりのバランスが非常に難しい。

http://pressports.com/giro-ditalia/

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ

ジロ・デ・イタリアの「ワンダフルルーザー」がオスカー部門賞受賞

2015年のジロ・デ・イタリアを追ったドキュメンタリー映画、「ワンダフルルーザー ディフェレントワールド」がオスカーの外国語&ドキュメンタリー部門賞を獲得した。2018年12月16日にイタリアのミラノにある、サッカー選手アレッサンドロ・デルピエロの経営するレストランで授賞式が行われた。

左からアレッサンドロ・デルピエロ、アルナス・アルナス・マテリス監督、パオロ・ベッリーノ

式にはリトアニアの映画監督アルナス・アルナス・マテリス、ジロ・デ・イタリアを主催するRCSのパオロ・ベッリーノCEOが出席。ジロ・デ・イタリアの過酷な裏側などを克明に追った映画として評価された。

オスカーの外国語ドキュメンタリー部門を受賞したワンダブルルーザー