eバイク版ジロ・デ・イタリアに投入されるピナレロの電動自転車ニトロに注目

イタリアのピナレロ社は、2018ジロ・デ・イタリアで併催されるeロードバイクを使った18区間のステージレース「ジロE」に、ピナレロ社が2018年初頭より欧州で販売を始めたeロードバイク「NYTRO=ニトロ」が使用されると発表した。

ピナレロの電動バイク、ニトロ

近年のツール・ド・フランスで連勝を重ねる正真正銘のロードブランドだが、欧州でのeバイク人気に後押しされて、本格的eロードバイクを作ってしまった。ニトロは極太のカーボン製ダウンチューブにモーターユニットとバッテリーを内蔵したモデル。さすがに重量は増すが、外観はディスクブレーキ仕様のロードバイクとあまり変わらない。

大型バッテリーを搭載した実用車と比べるとモーター駆動時間は落ちるようだが、ここ一発の勝負どころでスイッチオンすれば電動パワーでアタックすることが可能。そのスポーティなシルエットが実現したからこそ、ジロ・デ・イタリア姉妹レースとしてコースで出場選手がバトルするシーンが実現したといっても過言ではない。

ただし日本での販売は道路交通法などの制限で特殊な事情があるので発売時期などは未定。

ピナレロのEバイクで走るモスコンとEカーで追走するフィジケラ

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ジロ・デ・イタリアのイタリア国内18区間にeバイクカテゴリー新設

eバイクと呼ばれる電動自転車を使ったジロ・デ・イタリアの「ジロE」が開催される。2018年の第101回ジロ・デ・イタリアは5月4日にイスラエルのエルサレムで開幕するが、8日の第4ステージからイタリアでの区間が始まり、この日から27日の最終日までの全18ステージにわたって「ジロE」が行われる。ジロ・デ・イタリアで使用されるルートとほぼ同じで、出場5チーム、1チームは2人編成というジロEのレースは、本物のジロ・デ・イタリアの数時間前を走行する。

ピナレロのEバイクで走るモスコンとEカーで追走するフィジケラ

4月14日に最終日の舞台となるローマで、F1レーサーのジャンカルロ・フィジケラとスカイのジャンニ・モスコンが登場して「ジロE」の詳細が発表された。ピナレロのeバイク「ニトロ」に乗ったモスコンと、電動レーシングカーを操縦するフィジケラがパレード走行した。

スカイのジャンニ・モスコンが乗ったのがピナレロのEバイク、ニトロ

新しく始まる「ジロE」はジロ・デ・イタリアの公式パートナーを務めるエネルとピナレロ、そしてタグホイヤーが協賛する。

F1のジャンカルロ・フィジケラ(左)とスカイのジャンニ・モスコン

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インデュラインがジロ・デ・イタリア殿堂入り…最後の勝利から25年の節目

1992年と1993年のジロ・デ・イタリアで総合優勝したスペインのミゲール・インデュラインがジロ・デ・イタリア殿堂入りを果たし、4月5日に授賞式が行われた。ベルギーのエディ・メルクス、イタリアのフェリーチェ・ジモンディとフランチェスコ・モゼール、アイルランドのステファン・ロッシュ、フランスのベルナール・イノーらの英雄に並んだ。

ミゲール・インデュラインを中央に左は元世界チャンピオンのマウリツィオ・フォンドリエスト、右はライバル的存在だったクラウディオ・キャプーチ © LaPresse

大型選手のインデュラインは個人タイムトライアルを得意としつつ、山岳ステージでも上りが得意な選手と互角に走るすべを知っていた。1991年7月のツール・ド・フランスからジロ・デ・イタリアと合わせた二大大会を5連勝するという快挙。1995年には個人タイムトライアルの世界チャンピオンに。1996年のアトランタ五輪でもその種目で金メダル。1994年にはアワーレコードの世界記録を樹立した。

マリアローザのインデュライン(左)と山岳王キャプーチ © BettiniPhoto

授賞式はミラノ大聖堂から石を投げたら届く近さというジェロラモ劇場。
「最も思い出深いのは1994年のメラーノ〜アプリカ間でマルコ・パンターニと一緒にアタックしたこと。ステルビオとモルティローロを上ってパンターニとゴールを目指した。そのときにマリアローザを着用していたのはロシアのエフゲニー・ベルツィンで、彼を逆転しようと試みた。結局それは果たせずベルツィンが優勝したが、ボクにとっては強烈な思い出だ」とインデュライン。

Illustration : Riccardo Guasco

インデュラインはジロ・デ・イタリアで総合優勝した初めてのスペイン選手。その後はアルベルト・コンタドールが2008年と2015年に総合優勝した。ジロ・デ・イタリアでの個人タイムトライアルは通算4勝。モゼールの12勝、メルクスの7勝などに続き、歴代6位の記録だ。

スペインの無敵艦隊ミゲール・インデュライン

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ジロ・デ・イタリア美化計画…2017年はゴミ8万4000トン回収・リサイクル9割

「ジロ・デ・イタリア ライドグリーン」プロジェクトが2018年の第101回大会も継続的に行われる。巨大なスポーツイベントから排出されるゴミを回収し、リサイクルするという取り組みだ。2017年大会では8万4877トンのゴミを回収して、その89%をリサイクルした実績がある。

© LaPresse – Fabio Ferrari

ジロ・デ・イタリアはスポーツイベントであるだけでなく、大会が持つバリューを世界中に発信するコミュニケーションの重要な手段でもある。主催者のRCSスポルトは過去2年の「ライドグリーン」プロジェクトを継続し、社会の基盤づくりに貢献していきたいと表明した。

世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスをはじめとしたレースの沿道では大会関係者や観客が排出するゴミの処理が大問題となる。もともと日本人のように「ゴミはゴミ箱に捨てたり、家に持ち帰る」という意識が希薄で、テレビ中継では映し出されないがレースが終わった沿道は投げ捨てられたゴミが散乱している。

地球環境に優しいクリーンな乗り物を使ったスポーツで、この状況は改善すべき問題であると、近年になってようやく議論され、大会主催者も対策を講じ始めた。選手が補給食の包み紙を捨てていいところを指定したり、リーダージャージのスソにゴミを入れる小さなポケットをつけたりしている。

ジロ・デ・イタリア主催者も2年前から環境保護を目的として「ライドグリーン」を提唱。イメージアップを図ってプロジェクトを推進するようになった。

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グランフォンドジロ・デ・イタリア参加者募集開始…コースは第20ステージ

一般参加イベントのグランフォンドジロ・デ・イタリアが5月27日に開催されることになり、その参加者募集が始まった。コースは26日に行われるプロレース、ジロ・デ・イタリアの第20ステージ、スーザ〜チェルビニア間。つまり土曜日にプロ選手たちがマリアローザを争う最後の山岳ステージを走り、日曜日に同じルートで一般サイクリストが走るというわけだ。

グランフォンドジロ・デ・イタリアのコースプロフィールマップ

プロレースとまったく同じルートを走る一般参加大会は、ツール・ド・フランス主催者が運営するエタップ・デュ・ツールが有名だ。ただしこちらのほうは一般大会が最初にあり、数日後から1週間後にプロレースが開催される。ジロ・デ・イタリア主催者が運営するグランフォンドの場合は、3月第1週に開催されたストラーデビアンケと同様に、土曜日にプロが、その翌日に自転車愛好家が走るという点で異なる魅力がある。

10月には同じ主催者が開催するイル・ロンバルディアもあり、まったく同様に前座がプロレース、日曜が一般レースとして開催予定。イタリアは宗教的な見地から日曜日にプロレースを開催することは少なく(例外は23日間の日程で開催されるジロ・デ・イタリア)、そういった意味で世界最高峰のツール・ド・フランスとは異なる価値観を見出している。

グランフォンドジロ・デ・イタリアは2018ジロ・デ・イタリアの第20ステージとほぼ同じコースを使用する

日本からの参加者も募集中。

グランフォンドジロ・デ・イタリアの登録サイト

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ファビオ・アルーが3年ぶりに地元ジロ・デ・イタリアに参戦表明

イタリアのファビオ・アルーが3年ぶりにジロ・デ・イタリアに参戦することを明らかにした。2018年にUAEエミレーツに移籍した同選手は、2017年のツール・ド・フランスで区間1勝を挙げ、総合5位でフィニッシュ。ジロ・デ・イタリアは2014年に総合3位、2015年に同2位の表彰台に上り、これまでステージ通算3勝。2015年には首位のマリアローザを着用したが、2016年から2年間は出場していなかった。

2015年の第13ステージでファビオ・アルーはマリアローザを着用したが、わずか1日の首位に終わった ©ANSA/LUCA ZENNARO

「ジロ・デ・イタリアに参戦するかどうかはとても重要な選択だった」とアルー。
「イタリア人アスリートにとっては特別な感情が芽生えるジロ・デ・イタリアに再び挑戦できることがうれしい。出場しようとした最大の動機は現在ボクの肩にはイタリアチャンピオンジャージがあるからだ」
イタリアのナショナルチャンピオンを決める国内選手権は毎年6月末にあり、ジロ・デ・イタリアでは前年チャンピオンのアルーがイタリア国旗をあしらったジャージを着用して出場する。

ジロ・デ・イタリアは5月4日にイスラエルのエルサレムで開幕し、27日にゴールする。

ファビオ・アルー ©LaPresse – Fabio Ferrari

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