NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが5月20日(日)に大阪府堺市で開幕する国内最高峰のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.1)」に参戦する。同大会がチームにとって待ち望んだ日本での今季初戦となる。
2018年で21回目の開催を迎えたツアー・オブ・ジャパンは、大阪から東京まで8日間かけて、本州を横断するようにして連日熱戦を繰り広げていく。8日間の総走行距離は764kmと長くはないが、総獲得標高は約1万3000mと非常に厳しいもので、登りに大きな比重が置かれたステージレースとなる。
特に第6ステージの富士山須走口五合目にフィニッシュするヒルクライムステージをはじめ、第5ステージの南信州、第7ステージの伊豆は厳しい登坂区間が設定され、個人総合成績を決定づけるだけでなく、レース展開によってはサバイバルレースの様相となる。
2018年ツアー・オブ・ジャパン
5/20(日)第1ステージ 【堺】2.6㎞(個人タイムトライアル)
5/21(月)第2ステージ 【京都】 105.0㎞
5/22(火)第3ステージ 【いなべ】 127.0㎞
5/23(水)第4ステージ 【美濃】 139.4㎞
5/24(木)第5ステージ 【南信州】 123.6㎞
5/25(金)第6ステージ 【富士山】 32.9km
5/26(土)第7ステージ 【伊豆】 120.8㎞
5/27(日)第8ステージ 【東京】 112.7㎞
出場チームは、新城幸也をエースとしたバーレーン・メリダが唯一のUCIプロチームとして出場。以前、チームNIPPOで活躍したグレガ・ボレ(スロベニア)もエントリーしていて、新城と強力なタッグで優勝候補に挙げられる。プロコンチネンタルチームはNIPPO・ヴィーニファンティーニのほかに、現在ジロ・デ・イタリアにも参戦しているイスラエルサイクリングアカデミーが初出場。コンチネンタルチームは、オーストラリアのベネロング・スイスウェルネスやアメリカのチームイルミネートが海外勢の有力どころ。
NIPPO・ヴィーニファンティーニは2017年の同大会で区間3勝とポイント賞を獲得したマルコ・カノラを軸にしたメンバー構成となり、外国人選手は6月をもって競技の第一線からの引退を表明しているクライマーのダミアノ・クネゴ、初来日となるオールラウンダーのシモーネ・ポンツィが出場。来日回数の多いクネゴだが同大会にはポンツィとともに初出場となる。
登坂能力に優れる日本人トリオ、初山翔、伊藤雅和、中根英登がチーム力を大きく底上げしている。初山は2017年の大会にブリヂストンアンカーから出場し、全ステージで逃げに乗る活躍をみせ、日本人選手としては快挙となる山岳賞を獲得した。また伊藤と中根も2017年に引き続いての出場となるが、伊藤は2017年の南信州ステージの落車で大腿骨骨折の大ケガを負い、好調なシーズンが一転、辛い治療やリハビリに直面することに。今大会でのリベンジを誓う。中根は2017年、カノラの区間3勝に大きく貢献。南信州ステージの終盤、先行していた選手を追走して吸収し、集団ゴールスプリントの展開に持ち込むなど、素晴らしい走りを披露した。
3選手ともに充実したオフトレーニングや、ヨーロッパやアジアの国際レースでの実戦を重ねての参戦となり、2017年よりもさらにレベルアップした走りで、チーム一丸となって勝利をねらう。
初山翔のコメント
今年はチームも変わり、ツアー・オブ・ジャパンの見え方も去年までに比べるとだいぶ変わると思う。それでも日本最大級のレースで、ベストのパフォーマンスを出したいと思う気持ちだけは変わらない。
伊藤雅和のコメント
今年もツアー・オブ・ジャパンに選出され、出場することができてうれしく思います。去年大腿骨を骨折した思い出深いレースで、1年後にしっかり帰ってこられてうれしいです。今年もかなりいいメンバーで挑むことになるし、自分もしっかり調整してきたので、チームの歯車になって全員で成績を出していきたいと思います!
中根英登のコメント
チームのスケジュールやトレーニングメニューのおかげで昨年より確実に自分自身の力を付けることができている。ツアー・オブ・ジャパンは他のレースとは違う厳しさ、難しさがあると感じているが、必ずいい結果につなげたい。チーム一丸となって勝ちにいきます。応援よろしくお願いします!
大門宏監督のコメント
日本人メンバーは個々の総合力を重視して選んだ。イタリア人メンバーもそうだが、一人ひとりの持ち味を引き出すことが、監督として自分に課せられた役割。責務を全うしたい。カノラは昨年日本で走った全ての大会で活躍しただけにマークは厳しくなるのは避けられないが、マークされることをポジティブにとらえながら、少しでも有利な展開に持ち込みたい。
ツアー・オブ・ジャパン初参加をシーズン初めから楽しみしていたクネゴだが、先週末から体調が優れず心配していた。リザーブ(補欠)に入れ検査を繰り返しながら体調を見守っていたが、昨晩ドクターからも許可がおり、来日を決めた。彼は来月いっぱいで引退することを公表しているので、日本では現役で走る最後の大会となる。昔から応援していただいている大勢のファンとともに、初めてのツアー・オブ・ジャパンを思う存分楽しませたい。
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