ウェレンス初V、ログリッチ首位を維持…ブエルタ・ア・エスパーニャ第5S

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月24日、ウエスカ〜サビニャニーゴ間の185.5kmで第5ステージが行われ、逃げ屋の異名を取るロット・スーダルのティム・ウェレンス(ベルギー)を含む3選手が100km以上のアタックを決め、ウェレンスがゴールスプリントを制して初優勝を挙げた。

ロット・スーダルのティム・ウェレンス(ベルギー)が第5ステージ優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

山岳賞争いでも1位に立ったウェレンスは第1ステージでも長い逃げを見せて区間優勝を目指したが、このときは後続集団に吸収された。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

「ツール・ド・フランス開幕前に落車による負傷をしてしまい、難しいシーズンだった。チームの目標はまず1勝だったから、これでストレスがなくなった。最終日までのびのびと走って自分やチームメートの勝利をつかみたい」とウェレンス。

首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)は総合成績の上位選手らとタイム差なしの大集団の中でゴールし、その座を守った。

マイヨロホのプリモシュ・ログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
山岳賞ジャージを着るリチャル・カラパス ©PHOTOGOMEZSPORT2020
2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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2020ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

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ベネット区間優勝、ログリッチ首位をキープ…ブエルタ・ア・エスパーニャ第4S

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月23日、ガライ〜エヘアデロスカバレロス間の191.7kmで第4ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)が大集団によるゴール勝負を制した。2019年の区間2勝に続く大会通算3勝目。

サム・ベネットがゴール勝負を制して優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

初日から異例の山岳3区間をこなした大会は、ようやく4日目に平たんステージを行い、

「追い風を受けてとても速いレースになった。最後のスプリントに備えて、チームメート2、3人にけん引してくれるように頼んだが、全員が加わってくれて頼もしかった」とベネット。ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得しているスプリンターが実力を発揮。平たん区間ではさらなる勝利をねらっていく。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を含む総合成績の上位選手はタイム差なしの大集団の中でゴールし、ログリッチがその座を守った。

トム・デュムランがメイン集団をペースメイク ©PHOTOGOMEZSPORT2020
クリストファー・フルーム ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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マーティンがログリッチを制して優勝…ブエルタ・ア・エスパーニャ第3S

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月22日、ロドサ〜ラグナレグナ・デ・ビヌエサ間の166.1kmで第3ステージが行われ、9秒遅れの総合2位につけていたイスラエルスタートアップネーションのダニエル・マーティン(アイルランド)が、首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)をゴール勝負で制して9年ぶり2度目の優勝を遂げた。

ダニエル・マーティンがログリッチを制してステージ優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

マーティンはボーナスタイム10秒を獲得。区間2位のログリッチは6秒を獲得し、ログリッチが深紅のリーダージャージーを守ったが、2選手のタイム差は5秒に縮まった。

「これまであともうちょっとで優勝を逃していただけにきょうは勝ちたかった。妻も喜んでくれると思う。子どもが生まれてから初めての勝利だからね」とマーティン。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

例年より3日短い全20日間の日程で開催されている大会は開幕日から強豪選手が全開の走りが際立つ。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
マイヨロホを着るプリモシュ・ログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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ソレルがモビスターの地元で勝利…ブエルタ・ア・エスパーニャ第2S

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月21日、パンプローナ〜レクンベリ間の151.6kmで第2ステーが行われ、モビスターのマルク・ソレル(スペイン)が独走で初優勝した。

胸に手を当てて初勝利を祝うマルク・ソレル ©PHOTOGOMEZSPORT2020

初日を制して首位に立ったユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)は、この日も区間2位と好調。ボーナスタイムを獲得し、総合2位との差を5秒から9秒に広げた。

新型コロナウイルス感染拡大の防止策を徹底 ©PHOTOGOMEZSPORT2020
2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
ユンボ・ビスマのスーパーアシスト、セップ・クスが山岳賞ジャージを着る ©PHOTOGOMEZSPORT2020
リチャル・カラパスがアタック ©PHOTOGOMEZSPORT2020
深紅のリーダージャージを着るログロッチを援護するユンボ・ビスマ勢 ©PHOTOGOMEZSPORT2020
ベン・オコーナー(オーストラリア)がグランツール初制覇 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

ステージ2位でゴールしてボーナスタイムを獲得したログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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ログリッチ首位、フルーム脱落…ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月20日、イルン〜アラーテ間の173kmで第1ステージが行われ、前年覇者であるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)が最後の坂で抜け出してステージ優勝。初日から深紅のリーダージャージを着用した。

ログリッチがブエルタ・ア・エスパーニャ第1ステージで優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

2011、2017年の総合優勝者、クリストファー・フルーム(英国、イネオス・グレナディアス)は11分12秒遅れ。区間2位に入ったリチャル・カラパス(エクアドル)は2019ジロ・デ・イタリアを制した実力者だけに、エース交代劇が見られそうだ。

大会は11月8日に首都マドリードにゴールする。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ第1ステージ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
ブエルタ・ア・エスパーニャ第1ステージで総合成績の上位進出が期待されていたEFのダニエル・マルティネス(コロンビア)がリタイア ©PHOTOGOMEZSPORT2020
ログリッチから1秒遅れでリチャル・カラパス、ダニエル・マーティン、エステバン・チャベスらがゴール ©PHOTOGOMEZSPORT2020
2019年の覇者ログリッチが初日から首位に立った ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)セップ・クス(米国、ユンボ・ビスマ)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

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フルーム、ログリッチ、ピノ、カラパス…ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕

ジロ・デ・イタリアが10月25日まで開催されているというのに、ブエルタ・ア・エスパーニャが20日に開幕する。ツール・ド・フランスを含めた三大大会の日程が重複するという前代未聞の現象はコロナ禍によってシーズンが後半に集約されてしまったためだ。他の2大会で不遇を味わった強豪選手が勢ぞろいするだけに、じつは意外と興味深い。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©Photogómez Sport

失意のフルームとログリッチがブエルタ・ア・エスパーニャで雪辱なるか

人生というものはなかなかうまくいかない。それは大会も選手も同様だ。

75回の記念大会となる2020年は当初、オランダで開幕し、フランスとポルトガルを歴訪するという過去最多の4カ国、通常より1日増の24日間の日程で開催される予定だった。しかしコロナ禍で大会延期。開幕から3区間を予定していたオランダでの開催が困難となり、さらに渡航禁止を通告してきたポルトガルのステージを断念。結局レースは20日間となった。

興味深いのはツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアで夢を果たせなかった選手らが活動計画を修正して参加を画策していることだ。

イネオス・グレナディアスのクリストファー・フルーム(英国)が3度目の総合優勝に挑んで参戦することが注目ポイント。ツール・ド・フランスであと1勝すれば最多勝利記録の5勝に並ぶフルームだが、2019年は直前の6月に落車骨折して出場を断念。今季になっても復調にはいたらず、ツール・ド・フランスを断念して目標をこのブエルタ・ア・エスパーニャに変更している。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝したフルーム ©Unipublic

チームには2019年のジロ・デ・イタリア総合優勝者、2020年はツール・ド・フランスでも活躍したリチャル・カラパス(エクアドル)が出場選手リストに加わった。フルームが完全に復調していれば頼もしきアシスト、もし復調できていなかったらエースとなる逸材だ。

ユンボ・ビスマもツートップでブエルタ・ア・エスパーニャに参戦する。本来ならトム・デュムラン(オランダ)にエースを託す作戦だったが、ツール・ド・フランスで最終日前日に逆転負けを喫したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が出場することになった。ログリッチは前年のブエルタ・ア・エスパーニャ覇者だ。

いずれにしても悲喜こもごものヒューマンドラマが展開することは必至。

左から新人賞のポガチャル、山岳賞のブシャール、総合優勝のログリッチェ、ポイント賞の繰り上げジャージを着たキンタナ、総合2位のバルベルデ。2019ブエルタ・ア・エスパーニャ ©Photogómez Sport

密なところは無観客…ツールマレーやアングリル峠閉鎖

バスク政府とブエルタ・ア・エスパーニャ組織委員会は、2つの峠を完全閉鎖すると10月6日に発表した。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのソーシャルディスタンス確保が困難だと判断したことが理由。

バスク地方はスペイン北部のピレネー山脈にあるが、8月に地域保健省が感染拡大阻止の行政命令を発布。自転車レースの場合、エリアあたりの観客数は最大1000人で、観客は走行する選手と1.5mの距離を取り、マスクの着用が義務づけられる。この規定が物理的に困難となる20日の第1ステージのゴールとなるアラーテ峠、27日の第7ステージに通過するオルドゥニャ峠が無観客となる。

2018ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージを制したティボー・ピノ © Luis Ángel Gómez

ところがスペイン含む欧州では感染拡大に歯止めがかからない。大会は急きょフランス領域のツールマレー峠、激坂で知られるアングリルなど7つの峠を閉鎖することを決定。

「今年は自宅にいながらブエルタ・ア・エスパーニャを楽しむ必要性をファンに知せるためにコミュニケーションキャンペーンを開始した」と主催者。

また大会は業務用安全用品のパレデス・セグリダード社と契約を結び、選手や大会関係者の感染防止策として、高機能マスクの提供を受けることになった。

ブエルタ・ア・エスパーニャのエステバン・チャベス。『栄光のマイヨジョーヌ』より ©2017 Madman Production Company Pty Ltd

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