【ラ・ブエルタフェメニーナ】フォスがスプリントV、総合はパテルノステルに

スペインで開催されている女子ワールドツアーのラ・ブエルタフェメニーナは5月5日、モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート間の99kmで第2ステージが行われ、チームヴィスマ・リースアバイクのマリアンヌ・フォス(オランダ)が優勝。リブ・アルウラー・ジェイコのレティツィア・パテルノステル(イタリア)が首位に立った。

フォスがラ・ブエルタフェメニーナ第2ステージ優勝 ©Unipublic

フォスが大会最多となるステージ通算5勝目

上りスプリントで決着した第2ステージ。持久力と優れたコーナリングテクニックを持つフォスにとっては5回目の優勝で、大会最多勝を達成。チームメイトによる素晴らしいリードアウトもあった。

2位に入ったのはパテルノステルで、ボーナスタイム6秒を獲得して新たな総合リーダーとなり、リドル・トレックのエレン・ファンダイク(オランダ)から真紅のマイヨロホを奪った。ファンダイクは最後の下りで脱落し、総合1位の座を守れなかった。

第2ステージは14時44分に145選手がスタートした。スタート直後、集団は難関のアルト・デラクレウ・デラアラガル(カテゴリー2級、11.9km)の上りへ。逃げは成功せず、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディのアネ・サンテステバン(スペイン)が登りの頂上付近で仕掛け、トップで通過して山岳部門のトップに躍り出た。

下りが終わった22km地点でチームSDワークス・プロタイムのエレーナ・チェッキーニ(イタリア)が単独で抜け出し、28km地点で50秒のリードを築いた。しかし、誰も先頭に並ぼうとしなかったためすぐにあきらめ、35km地点で集団に戻った。このアタックによりチェッキーニはこの日の闘志賞を獲得した。

ラ・ブエルタフェメニーナ第2ステージ ©Unipublic

ファンデルブレッヘンが濡れた路面で落車

集団のまま中間スプリント(58.5km地点)に向けて一斉走行していると、激しい雨が降り始める。中間スプリントの1位通過はフォス。チームSDワークス・プロタイムのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)やモビスターチームのオリヴィア・バリル(カナダ)が濡れた路面で転倒。優勝候補のファンデルブレッヘンは復帰したが、集団は雨脚の強さに積極的な攻撃は見送られた。

フェランプレヴォが完璧なリードアウト

ガヴァ(90.2km)への長い下り坂では大きな落車はなかったものの、集団がかなり分散し、いくつかのグループが脱落するなど、多少の混乱はあった。その中には首位のファンダイクも含まれていて、マイヨロホを手放すことになった。チームヴィスマ・リースアバイクはポーリーヌ・フェランプレヴォとイモージェン・ウォルフ(英国)が最後の数kmで素晴らしいリードアウトを見せ、フォスがゴールまでのスプリントで圧倒的な優位性を確立。2位パテルノステルを引き離して優勝した。

「勝利は本当にうれしい。特に、チーム全員がシーズンを通して努力してきたので、なおさら。(チームタイムトライアルで選手がスタートに遅れた)昨日の出来事があったので、今日のステージには全力を尽くしたいと思っていた。全員が全力を尽くした。最後までやり遂げることができた。次のステージに向けて、この勢いを維持できるようにいいモチベーションを持って臨みたい」とフォス。

「スプリントに備えて準備はしていたが、下り坂では細心の注意を払う必要があることは分かっていた。今日一番重要なのは、安全を確保し、トラブルを避けるために、常に先頭を走り続けること。チーム全員がそれに細心の注意を払ってくれた。彼女らに感謝」

「確かに路面は滑りやすかった。ポーリーヌ・フェランプレヴォとイモージェン・ウォルフがずっと一緒に走ってくれた。最後の数コーナーをトップで通過するには、2人のタイヤを追うだけでよかった。本当に驚き。2人は私をいいポジションに保ってくれた!」

レティツィア・パテルノステルがラ・ブエルタフェメニーナ第2ステージで首位に ©Unipublic

2位でも最高。さらにマイヨロホを着ることになるなんて!

「リーダージャージを着られて本当にうれしい。少し感傷的。自分にとってもチームにとってもうれしいです。周りのみんなが本当にこの栄冠にふさわしいので。ようやく精神的にも肉体的にも最高の気分。これ以上ない最高の出来事」とパテルノステル。

「ラ・ブエルタフェミニーナに出場する予定はなかったけど、アルデンヌでチームと話し合い、ここに来るのはいい考えだと判断した。スタート前には、レースを楽しみたい、そして総合順位のライダーたちをしっかりサポートできるチームタイムトライアルでベストを尽くしたいと話した。昨日のステージの後、とてもいい感じだった。最後のコース状況を見て、自分に合っていると感じたので、優勝を目指した。難しいステージで、下りはかなりテクニカル。ダウンヒルが好きなので、アタックを試みたが、ラストは路面が濡れていてトリッキーで危険だった。最終コーナーでマリアンヌ・フォスに先を越され、優勝は叶わなかった。2位でも私にとって最高の結果。でもその後、マイヨロホを着ろって言われて、すごく感激した」

第3ステージは、バルバストロからウエスカまでの平坦な132.4kmのステージで続くが、風が優勝争いに影響を及ぼす可能性が高い。

⚫︎2025ラ・ブエルタ フェメニーナ日程とレポート
5月4日(日)第1ステージ バルセロナ〜バルセロナ 8.1km(チームタイムトライアル)
5月5日(月)第2ステージ モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート 99km▲
5月6日(火)第3ステージ バルバストロ〜ウエスカ 132.4km
5月7日(水)第4ステージ ペドロラ〜ボルハ 111.6km▲▲
5月8日(木)第5ステージ ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ 120.4m▲▲▲
5月9日(金)第6ステージ ベセリル・デ・カンポス〜バルタナス 126.7km
5月10日(土)第7ステージ ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス) 152.6km▲▲▲
(▲は山岳の難易度)

ラ・ブエルタフェメニーナ開幕…初日のチームTTはリドル・トレック優勝

女子ワールドツアーのラ・ブエルタフェメニーナが5月4日、スペインのバルセロナで開幕。初日は距離8.1kmのチームタイムトライアルで、米国のリドル・トレックがトップタイム。チーム内で最初にフィニッシュラインを通過したエレン・ファンダイク(オランダ)が首位となり、リーダージャージのマイヨロホを獲得した。大会は7日間で、10日に終幕する。

タイムトライアルのナショナルチャンピオン3人を擁するリドル・トレックが優勝 ©Unipublic

前年も勝ったがファンダイクは落車でチームメートから脱落

スペインでは5月4日が母の日。ラ・ブエルタフェメニーナ初日のチームタイムトライアルでも母親がまさに勝利を修めた。バルセロナの街中でリドル・トレックが素晴らしい走りを見せ、ステージ優勝を果たし、個人タイムトライアル世界チャンピオンに3度輝いたファンダイクに総合リーダージャージのマイヨロホを着せた。

チームは2024年大会初日のチームタイムトライアルでも優勝しているが、ファンダイクはコース途中で単独落車してしまい、大きく遅れた。影響して第3ステージでレースをリタイアしていた。

アントニオ・ガウディのカサミラ前をスタートする ©Unipublic

「本当に勝ちたかったから、すごくうれしい。こういうチームタイムトライアルはいつも接戦。すごく速くて短いので、すべてがうまくいく必要があった。チーム全員がこの日、全力を尽くした結果、結果を出すことができた」とファンダイク。

「私の狙いはこのチームタイムトライアルでいい成績を残すことだったけど、チームにはこのレースでもっと多くの目標がある。ステージによってはチャンスがある。風による分断や、アクションがたくさんあるといい。昨年もチームタイムトライアルで優勝したが、ひどいクラッシュに見舞われて棄権せざるを得なかったので、あまりいい思い出はない。でも、チームタイムトライアル、特にこのチームと一緒に走るのは大好き」

リドル・トレックのエレン・ファンダイクが先頭でフィニッシュラインを通過 ©Unipublic

「スペインでは今日が母の日だけど、オランダは来週。オランダでは母の日に実家にいるので、今年は母の日が2回ある。チームディレクターのイェルーン(ブライレーフェンス)が今朝、トップでフィニッシュするときは最初にゴールラインを通過するようにと言ってくれた。このリーダージャージは私のジャージではなく、チーム全員のジャージ。チームに着てほしいと言ってもらえて光栄」

エレン・ファンダイクがマイヨロホを着用 ©Unipublic

チームSDワークス・プロタイムは3秒遅れ。連覇を狙うデミ・フォレリング(オランダ)を擁するFDJ・スエズは6秒遅れ。一方、マリアンヌ・フォス(オランダ)とポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)のダブルエースで参戦するチームヴィスマ・リースアバイクは、一部の選手がスタート時間にわずかに遅れ、足並みが乱れて21秒遅れ。

⚫︎2025ラ・ブエルタ フェメニーナ日程とレポート
5月4日(日)第1ステージ バルセロナ〜バルセロナ 8.1km(チームタイムトライアル)
5月5日(月)第2ステージ モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート 99km▲
5月6日(火)第3ステージ バルバストロ〜ウエスカ 132.4km
5月7日(水)第4ステージ ペドロラ〜ボルハ 111.6km▲▲
5月8日(木)第5ステージ ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ 120.4m▲▲▲
5月9日(金)第6ステージ ベセリル・デ・カンポス〜バルタナス 126.7km
5月10日(土)第7ステージ ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス) 152.6km▲▲▲
(▲は山岳の難易度)

2025シーズンもJ SPORTSはグランツール全ステージを放送

J SPORTSが2025シーズンにおける海外サイクルロードレースの放送予定を発表した。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツール全ステージをはじめ、ワンデーレースの中でも歴史あるモニュメントと呼ばれる5大レースを全戦中継する。

マイヨジョーヌのポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

これらのレースは放送に加え、パソコン、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でも配信。またサイクルロードレースの楽しさをより多くの人に伝えるため、注目のレースを毎月1~2番組厳選し、無料放送/J SPORTSオンデマンドで無料LIVE配信する予定。

ポガチャルがバッサーノデルグラッパでマリアローザを手中に ©LaPresse

ログリッチがブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝…大会最多タイの4回目

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ(8月17日〜9月8日)で総合優勝した。2019、2020、2021年に続く4度目の制覇で、スペインのロベルト・エラス(2000、2003、2004、2005)に並ぶ大会最多記録。

プリモシュ・ログリッチ。2024ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

ログリッチは大会4日目の第4ステージで優勝し、首位に立った。第6ステージでベン・オコーナー(デカトロンAG2Rラモンディアル)が大逃げを決めて首位を明け渡すが、総合2位につけて連日のようにそのタイム差を詰めていくとともに、第8ステージで優勝。そして第19ステージで今大会3勝目、大会通算15勝目を挙げると首位奪還。

ログリッチが4度目の総合優勝を決めた瞬間 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

最終日の個人タイムトライアルはグルパマFDJのシュテファン・キュング(スイス)が初優勝。ログリッチは2位と好タイムで締めくくり、総合優勝を決めた。

最終日の個人タイムトライアルはグルパマFDJのシュテファン・キュング(スイス)が初優勝
史上最多タイの4度目の総合優勝を達成したログリッチ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
ログリッチが区間2番目のタイムでフィニッシュ ©Unipublic Sprint Cycling Agency
左からポイント賞のグローブス、山岳賞のバイン、総合優勝のログリッチ、新人賞のスケルモース ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)

【ブエルタ・ア・エスパーニャ第20S】ログリッチが4度目の総合優勝に王手

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月7日、ビジャルカヨ〜ピコン・ブランコ間の172kmで第20ステージが行われ、ジェイコ・アルウラーのエディ・ダンバー(アイルランド)が最後に抜け出して2度目のステージ優勝を飾った。

ダンバーが2024ブエルタ・ア・エスパーニャで2勝目 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

前日に首位を奪還したレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)はわずか10秒遅れのステージ3位でフィニッシュ。総合2位ベン・オコーナー(デカトロンAG2Rラモンディアル)との差を2分02秒と広げて、最終日の個人タイムトライアルに大会最多記録と並ぶ4度目の総合優勝に挑む。

マイヨロホを着用して第20ステージのスタート地点に登場したログリッチ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
わずかなチャンスを賭けて逃げる第1集団 ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
第20ステージでアタックしたソレル(右手前)ら ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
マイヨロホのプリモシュ・ログリッチ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli
新人賞ジャージを着るスケルモース(前から2人目) ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)

2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga

【ブエルタ・ア・エスパーニャ第19S】ログリッチが独走勝利してマイヨロホを奪還

第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月6日、ログローニョからアルト・デ・モンカルビリョまでの173.2kmで第19ステージが行われ、5秒遅れの総合2位につけていたレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がゴールまでの上り坂で独走。今大会3勝目、大会通算15勝目を挙げるとともに、第6ステージでベン・オコーナー(デカトロンAG2Rラモンディアル)に奪われた真紅のリーダージャージ、マイヨロホを奪還した。

ログリッチが独走勝利で総合首位に返り咲く ©Unipublic Sprint Cycling Agency
プリモシュ・ログリッチ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
巨大な黒い牛が選手たちを見下ろす ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Cxcling Naike Ereñozaga
2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Cxcling Toni Baixauli

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)
□マイヨブランコ(新人賞)マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)

ログリッチがマイヨロホを奪還 ©Unipublic Sprint Cycling Agency