レッドブル・アイスクロスが2020年2月15日横浜で開催

アイスホッケー、ダウンヒルスキー、スノーボードクロスの要素を取り入れたアイスクロス・ダウンヒル競技が2020年2月15日(土)に横浜で開催される。2018年12月に日本において初開催された大会に続いて2回目。前回は「レッドブル・クラッシュドアイス」という名称だったが、競技名称が変更された。

2018年12月の横浜大会 ©Joerg Mitter/ Red Bull Content Pool

安床武士、山内斗真、山本純子が参戦へ

2001年にRed Bull Crashed Iceとしてスタートしたこの競技は2010年より世界選手権として開催し、2018年に日本初の大会を横浜で開催した。そして20年目の節目となる今シーズンより、Red Bull Crashed Ice World Championship はATSX(All Terrain Skate Cross)連盟が主催する世界選手権として、その名称を「Red Bull Ice Cross World Championship」(レッドブル・アイスクロス・ワールドチャンピオンシップ)に変えて新たにスタートする。

ジュニア優勝のジョアニー・バレスケスを中央に左が2位マルティン・バロ、右が3位山内斗真 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

日本では、2018年の初開催に続いて2回目の大会を2020年2月15日(土)に再び横浜で開催予定となった。この観戦チケットを11月8日(金)18:00よりオフィシャルホームページで先行受付を開始する。

ATSX主催の世界選手権Red Bull Ice Cross World Championshipは、大会開催規模と獲得ポイントでATSX 250、ATSX 500、ATSX 1000の3クラスに分かれている。大会に出場するのはRed Bull Crashed Ice男子世界チャンピオンのキャメロン・ナーズ(米国)をはじめ、往年のチャンピオンであるカイルとスコットのクロクソール兄弟(カナダ)、同じく元チャンピオンのマルコと、その兄に負けるとも劣らないルカのダラーゴ兄弟(オーストリア)。日本からはX-GAMESで幾度も優勝しているインラインスケート・ハーフパイプ界トップアスリートの安床武士と、昨シーズン初参戦ながら、ボストン大会のジュニア部門で日本人初表彰台(3位)を獲得した山内斗真が参戦を予定している。

日本男子のエース安床武士 ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool

女子は2シーズン連続で世界チャンピオンに輝き勢いに乗るアマンダ・トルンゾ(米国)とリベンジに燃えるジャクリーン・レジェール(カナダ)、そしてワールドチャンピオンを狙うミリアム・トレパニエ(カナダ)などの強豪選手に、日本からは表彰台さらには初優勝を狙う山本純子が参加。

これまで単身で海外大会を転戦してきた山本純子にとっては夢にまで見た国内大会だった © Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

国内の注目選手

●山本純子
日本にも楽しさを伝えたい! レッドブル・クラッシュドアイスに挑む山本純子
●安床武士
消えていく世界チャンピオンの後ろ姿は忘れない…安床武士ファイナルで敗退
●鈴木雅仁
あとに続く道を作っておきたい…レッドブル・クラッシュドアイスに挑んだ鈴木雅仁
●吉田安里沙
吉田安里沙17歳。レッドブル・クラッシュドアイスは第1章が終わったばかり
●佐藤つば冴
このままでは終われない! 佐藤つば冴、クラッシュドアイスに継続参戦

●大会最新情報まとめページへ


■アイスクロス・ダウンヒルについて
アイスホッケー、ダウンヒルスキー、そしてスキークロスやスノーボードクロスの要素を取り入 れた競技。アイスホッケーのプロテクターを付けた恐れ知らずの選手たちが、コース途中に設置されたヘアピンカーブやバンクコーナー、連続バンプや段差などの障害物をかわしながら高低差のある全長最大約700mの氷の特設コースを滑り降りるレース。
コースは自然の地形やスキー場、さらには街中に特設会場を設置して行われる。カテゴリーは男子、女子、ジュニアの3つで、レースは1ヒート4名ごとに行い、最高時速は約80kmにも達する。
各ヒートの上位2名が次のレースに勝ち進み、決勝レースも4名で競われる。コースの難易度と獲得できるポイントによって大会はATSX 250、ATSX 500、ATSX 1000の3クラスに分けられている。この20年の間に競技の人気は大きくなり、これまで51カ国から1000人以上が大会に参加しているが、彼らを見るために多くの熱烈なファンが会場に詰め掛けている。

ボストン大会はレッドソックスのフェンウェイパークが会場となった ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

ATSX 1000 / Red Bull Ice Cross World Championship Yokohama 2020 ATSX 1000 / レッドブル・アイスクロス・ワールドチャンピオンシップ横浜2020
会場:臨港パーク特設会場(神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1)
日時:2020年2月15日(土)
OPEN 15:00
START 18:00
※雨天決行・荒天中止 ※予告なく変更になる場合あり
内容:アイスクロス・ダウンヒル世界選手権(Red Bull Ice Cross World Championship)のATSX 1000クラスの大会。
ホームページ
主催:レッドブル・ジャパン
後援:横浜市(予定)
協賛:BFGoodrich、株式会社SUBARU、FAVRE-LEUBA

■チケット販売窓口

※各先行受付、一般販売ともに上記URLからアクセス可
席種
SSエリア:観覧デッキからスタートや会場を見渡せるVIPエリア
Sエリア:コース至近のエキサイティングエリア
Aエリア:一般観戦エリア
AエリアU-18:18歳以下限定(入場時に年齢確認を行う場合あり)
オフィシャルHP先行受付(先着)
期間:11月8日(金)18:00~11月21日(木)23:59
料金(税込):
SSエリア10,000円
Sエリア 6,000円
Aエリア一般 4,000円
AエリアU-18 2,000円
ローソンチケット最速先行受付(先着)
期間:11月22日(金)11:00~11月29日(金)23:59
一般先行受付期間:12月1日(日)
一般発売期間:12月14日(土)12:00~

備考
・未就学児無料(保護者同伴に限り)
・すべて立ち見席
チケット問い合わせ先:ローソンチケットインフォメーション電話:0570-000-777(10:00~18:00)

吉田安里沙17歳。レッドブル・クラッシュドアイスは第1章が終わったばかり

女子高生ながらインラインスケート全日本選手権2位の実力を持つ吉田安里沙が過激なウインタースポーツ、レッドブル・クラッシュドアイスに挑んだ。初の海外連戦で常に紙一重の予選落ち。その中でなにかをつかみかけ、このスポーツを突き詰めていこうと決意を固める。

決勝進出にタイムトライアル順位でひとつ届かなかった吉田安里沙

17歳の高校2年生。特設された氷のスロープを、アイスホッケーあるいはバイクモトクロスのような防具に身を包んだ4人が一斉にスタートし、2位までが勝ち上がる。クォーターファイナル、セミファイナルと選手が強豪ばかりに絞り込まれ、生き残った4選手が頂点をかけてファイナルに挑む。

吉田は小学3年生からインラインスケートを始める。この世界のスーパースターである安床ブラザーズ(安床エイト、武士)の指導のもと、現在JASPA(アグレッシブインラインスケート全日本選手権)女子2位の実力者に。さらには女子高生でありながらインラインスケートのインストラクターもしている。師匠である安床兄弟からのすすめで、レッドブル・クラッシュドアイスに挑戦することになった。

吉⽥安⾥沙 © Lisa-Marie Reiter / Red Bull Content Pool

2018年12月にアジアで初開催となる横浜大会が実現し、それに合わせて参入を目指す選手らがトレーニングを積み重ねた。日本代表選考で吉田は、アイスホッケー選手の佐藤つば冴に次ぐ女子2位で初出場を決めた。そして本番ではこの世界の第一人者である山本純子とともに予選を突破。ファイナル1回戦で敗退したものの、高い順応性を見せつけた。

横浜大会の最終結果は15位。年が変わってシリーズ第2戦となるユバスキュラ(フィンランド)へ。さらにロシアのイゴラで規模の小さい大会にも参戦。そして最終戦のボストンにすべてを懸けた。

「ロシアのイゴラとユバスキュラは氷面がボコボコだったのに対して、ボストンは氷がきれいなのにビックリしました。氷を見ただけでテンションが上がりました。普段からやっているインラインスケート寄りのコースだったので、滑っていて楽しかったです」と吉田。

しかし予選のタイムトライアルであと一歩の差で本戦に進めない。4人で一斉にスタートする本戦に出場することは、経験値の少ない吉田にとっては貴重な練習を兼ねる。それがタイムカットで経験することさえ阻まれる。

ユバスキュラは結局25位。ボストン(米国)では21位。最終的に世界選手権2018-19シーズンの女子総合18位という記録だけを残した。

吉田安里沙は初出場の横浜大会で予選を突破。日本女子選手で2人だけというファイナル進出を遂げた ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

「氷の上での練習はなかなかできませんが、それだけにその部分はまだ伸びしろになるんじゃないかなと思います。普段のインラインスケートと靴が変わるだけで、まったく違う動きが求められるので、(好成績を修めるのは)簡単じゃないと思います」

「この遠征で参戦した3つの大会すべてLCQ(本戦出場を目指す敗者復活戦)一歩手前で予選落ち。これが今の自分の実力なんやなってのが凄く分かりました」と自身のツイートでも自己分析。自分が出場できなかったレースを見ていて悔しさがこみ上げたという。それでも遠征を続けていくうちに確かな感触をつかむことができるようになり、最終戦ボストンでは一番いい滑りができたという。

「もっとこの世界で戦えるように、この遠征で学んだことを生かしてこれからも練習頑張っていきたいと思います!」

山本純子(左)と吉田安里沙

あとに続く道を作っておきたい…レッドブル・クラッシュドアイスに挑んだ鈴木雅仁

元プロアイスホッケー選手、35歳の鈴木雅仁がレッドブル・クラッシュドアイス最終戦ボストン大会に参戦。83位という成績を残し、2018-19世界選手権シリーズで男子総合35位になった。

レッドブル・クラッシュドアイス最終戦ボストン大会で場進出を阻まれた鈴木雅仁

高校時代はインターハイ3連覇、大学でインカレ4連覇。アジアリーグでは日本、中国、韓国のチームに所属し、12シーズンで4回の優勝、米国NHLのトライアウト経験があるアイスホッケー界のエリートだ。昨シーズンまで韓国のアニャンハルラに所属していたが、一時は歩行困難になるほどのケガによりチームを離脱。新たな活躍の場としてレッドブル・クラッシュドアイスに挑戦した。

ボストン大会に日本からは、横浜で決勝に進出した山本純子、安床武士、山内斗真、吉田安里紗に加えて、横浜大会後にヨーロッパで開催されたATSX500、ATSX250、ATSX100の大会を転戦し、ポイントを獲得して出場権を獲得した鈴木が加わる。

ただし予選となるタイムトライアルでは2本ともミスでタイムが伸びない。LCQと呼ばれる敗者復活戦に最後の望みをかけて出走。最初のスタートはうまく決められたが、エッジが氷面に嫌われて後退。最後まで挽回できずに4人同走の4着で1回戦敗退した。

「やはりちょっと悔しいですけど、これが今の現実です。条件が整えばまた参加したいですが、フェンウェイパークという100年以上の歴史がある野球場で走れたということがいい思い出になると思います。ありがとうございます」と鈴木は公式インタビューで感謝の言葉を伝えた。

鈴木雅仁は2019年1月のATSX250オーストリア大会で4位になった ©Red Bull Content Pool

完敗の原因を「筋肉が弱いですね」と冷静に分析する。しかしそれは仕方ないことだ。プロのアイスホッケー選手として韓国リーグで戦っているときに、太ももの内側にある内転筋を断裂。普通の生活ができるようになったのは直前のことだ。

内転筋が切れてからも無理やりプレーをしていたというが、失意のうちに韓国から帰国し、リハビリに専念することを余儀なくされた。ところがリハビリの途中に今度は坐骨神経痛に見舞われ。歩行も困難になってしまう。

そんなとき、以前から興味があったレッドブル・クラッシュドアイスが横浜で開催されるニュースが舞い込んだ。

「いいタイミングでした。まあチャレンジしてダメだったらスポーツはあきらめようと思っていました」

練習会に参加し、徐々にアスリートとしてのキレを取り戻し、本大会の出場を果たすことになる。ただし初挑戦の横浜大会は本人としてふがいない成績に終わる。

アイスクロス・ダウンヒルは数年前から知っていたし、結構早い段階から興味もあった。

「ですけれど、アイスホッケー選手としてチームと契約していたし、やはりハイリスクです。もしケガをしたら企業もチームもそんな選手を雇うわけにはいかないですから」

ボストン大会の直前に行われた大会では日本勢男子で初めてファイナルに進出し、4位という好成績を修めた。だから最終戦のボストンにかける意気込みは強かった。それだけにファイナルを逃したことが悔やまれる。メジャーリーグの伝統ある野球場はファイナルが行われた大会2日目は盛り上がっていた。こんな最高の雰囲気の中を走りたかったのはいうまでもない。

「走りたかったですね。スタートがいいのは何戦か参加していくうちにまずまずだと分かっていた。あとは安定した走れないのが課題です」

練習時間がやはり強豪選手に比べて圧倒的に少ないという。練習できる環境に自分の生活を持っていけていない。アイスホッケー時代の貯金で遠征費を捻出し、スポンサー探しをするがそう簡単にはいかない。

「他選手は定職についてる人ばかりですが、ボクは無職。現実としてこのスポーツでプロアスリートとなれないのはわかっています」

鈴木雅仁はLCQ(敗者復活戦)で敗退し悲願のファイナル進出ならず

アイスホッケーほどスタミナが必要ではない。重要なのはそれよりもスキル、そしてそれを磨き上げる練習環境だ。当然、日本に常設アイストラックはない。

日本でアイスホッケーをやっている選手たちの現状も厳しいという。大学アイスホッケー部の所属選手も行き先を失い、社会人としては競技と離れた道を選択せざるを得ない。

「でも、これからの生き方ってもしかしたら違うかもしれません。クラッシュドアイスで若いうちからこれだけ世界中の選手と仲良くなれば、もしかしたらまた違ったチャンスに出会うことができ、これまでにない可能性がある。ボクは絶対そう思っています」

2018年10月に長男が誕生。ボストン大会の時点でまだ4カ月だ。 「父親として夢をあきらめたって言いたくはないですよ。ただ選手としてのボクはこの先、それほど長くないので、今は後身にいろんなこと残してあげられるように頑張っていきたい」

鈴木雅仁 ©Lisa-Marie Reiter / Red Bull Content Pool

地元米国のキャメロン・ナーズが優勝…レッドブル・クラッシュドアイス最終戦ボストン大会

アイスホッケー、ダウンヒルスキー、そしてスノーボードクロスの要素を取り入れたアイスクロス・ダウンヒル競技の世界選手権ATSXIceCross DownhillWorld Championship。その最上位カテゴリーの大会、ATSX 1000 Red Bull Crashed Iceのシーズン第3戦が2月8(金)・9日(土)に米国ボストンにあるメジャーリーグ最古の球場「フェンウェイパーク」で開催された。

キャメロン・ナーズがスコット・クロクソールを決勝で振り切った ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool

前週に行われた第2戦ユバスキュラ大会(フィンランド)から1週間。早くも開催された第3戦のボストン大会にはユバスキュラ大会と同様に、日本歴代最多出場の山本純子、昨シーズンから参戦している安床武士に加え、横浜大会から参戦している元プロアイスホッケー選手の鈴木雅仁、同志社大アイスホッケー部所属の山内斗真、そして安床の愛弟子で現役高校生の吉田安里沙の計5名が出場。

初日にタイムトライアルが行われ、女子は一発決勝進出の4位まで、LCQ(Last Chance Qualifier)の出場枠20位までを争う。吉田は21位で敗退するも、山本は順当に準決勝まで駒を進めた。しかしレース序盤での転倒が響き、7位で大会を終えている。

予選上位64名が決勝進出する男子で日本勢は決勝進出こそならなかったが、ジュニア部門で山内が見事3位に輝き、日本人初の表彰台に上った。

男子のファイナルは前シリーズのワールドチャンピオンであるスコット・クロクソール(カナダ)と、一昨年のワールドチャンピオンであるキャメロン・ナーズ(米国)の対決。スタートでトップに立ったナーズは、圧巻の滑りでトップをキープ。2位の好位置につけていたクロクソールは終盤での転倒があり惜しくも3位に。終始危なげなくレース展開したナーズが今シーズン2度目の優勝を修めた。

大会の様子はRed Bull TVで視聴できる。

女子セミファイナルで山本純子は最後尾からアマンダ・トルンゾらを追撃 ©Lisa-Marie Reiter / Red Bull Content Pool

■ATSX 1000 Red Bull Crashed Ice(ATSX1000レッドブル・クラッシュドアイス)
アイスホッケー、ダウンヒルスキー、そしてスキークロスやスノーボードクロスの要素を取り入れた競技“アイスクロス・ダウンヒル”の大会。アイスホッケーのプロテクターを付けた選手が、最高時速80kmに達する中、街中に設置された高低差のある全長最大約600mの氷の特設コースを一斉に滑り降りる。

レースは1ヒート4選手で行い、選手たちがコース途中に設置されたヘアピンカーブやバンクコーナー、連続バンプや段差などの障害物をかわしながら、猛スピードでコースを駆け抜ける。

2001年初開催、2010年より世界選手権として開催し、2018年12月に50回目の大会を横浜で開催(アジア初)。世界選手権はこれまでレッドブル主催のRed Bull Crashed Iceと選手主体で開催するRiders Cupの2カテゴリーで開催してきたが、今シーズンよりATSX(All Terrain Skate Cross)連盟のもと、Red Bull Crashed Iceを優勝者が1000 ポイント獲得できる最上位の大会ATSX1000 とし、その下の3カテゴリーATSX500、ATSX250、ATSX100を含めてATSX Ice Cross Downhill World Championship(ATSXアイスクロスダウンヒル・ワールドチャンピオンシップ)として開催している。

100年以上の歴史を持つフェンウェイパーク野球場にクラッシュドアイスの選手たちが集結 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

■Red Bull Crashed Ice第3戦ボストン大会結果
男子

1位 キャメロン・ナーズ(米国)
2位 ルカ・ダルラーゴ(オーストリア)
3位 スコット・クロクソール(カナダ)
66位 山内斗真(やまうちとうま)
69位 安床武士(やすとこたけし)
83位 鈴木雅仁(すずきまさひと)

左から山内斗真、鈴木雅仁、安床武士

女子
1位 アマンダ・トルンゾ(米国)
2位 ミリアム・トレパニエ(カナダ)
3位 タマラ・ミュイッセン(米国)
7位 山本純子(やまもとじゅんこ)
21位 吉田安里沙(よしだありさ)

山本純子(左)と吉田安里沙

■ATSX 1000 Red Bull Crashed Ice日程と会場
2018年12月7(金)・8日(土)横浜(日本)・・・終了
2019年2月2日(土)ユバスキュラ(フィンランド)・・・終了
2月8(金)・9日(土)ボストン(米国)・・・終了

山本純子が7位入賞で世界ランキング6位に浮上…レッドブル・クラッシュドアイス最終戦ボストン大会

アイスクロス・ダウンヒル世界選手権の最上位カテゴリー大会であるレッドブル・クラッシュドアイスは全3戦で展開するシーズン最終戦を2月8、9日に米国ボストンで開催し、男女を含めて日本勢で唯一ファイナルに進出した山本純子が7位に。世界ランキングを6位に浮上させた。

女子セミファイナルで山本純子は最後尾からアマンダ・トルンゾらを追撃 ©Lisa-Marie Reiter / Red Bull Content Pool

前日に予選のタイムトライアルで8位、LCQと呼ばれる勝ち上がりトーナメントを順当に通過して、この日のファイナル進出を決めた山本。4選手が一斉スタートし、2着までが次に進めるという競技で、この日はクォーターファイナル(準々決勝)で前年の世界チャンピオン、アマンダ・トルンゾ(米国)と同組になりながら、手堅くトルンゾに続く2着で勝ち上がる。セミファイナルで3位に沈んだもののスモールファイナル(5〜8位決定戦)で3着となり、今大会の成績として7位になった。

前年の世界ランキングで10位の山本はこの大会でさらにポイントを積み上げ、総合6位に浮上。ポイントが獲得できる大会はこのあとも規模の小さいレースが3大会あって、山本は欠場するものの「10位まで落ちることはまずない」と手応えを感じている。この競技は胸のワッペンに世界ランキングの数字をつけて次シーズンを走るので、山本がシングルナンバーをつけるのは確実。

100年以上の歴史を持つフェンウェイパーク野球場にクラッシュドアイスの選手たちが集結 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

「たくさんの観衆の中でハイレベルな戦いができたのでいい大会だったと思います。ずっとレースに集中していたので会場を見ることがなかったんですけど、スモールファイナルで自分の滑りが終わって、最後のファイナルを観る立場になった時、アマンダとキャメロン選手がこれだけの観客の中でゴールする姿を見で胸が熱くなりました」と山本。

スタートして数十秒で決着する。メジャーリーグの中でも歴史的な価値のあるフェンウェイパーク野球場に設営されたテクニカルなコース。その中でいかに仕掛け、先行されたとしたらどこでタイムを稼いで前との差を詰めることができるかを考えていた。弱点だったスタートもシーズン終盤になって修正ができていた。

それでも世界の強豪はそれ以上だ。予選のタイムトライアルで好成績の選手からスタート台の位置を選択できるルールで、強豪選手は常に主導権を握りやすい内側を選択。山本はアウトサイドからのスタートを余儀なくされる。結果としてセミファイナル以上になるとスタートダッシュで強豪選手に先行される。

最初のターンが終わったときにどこまで詰められるかが勝負だ。後半のドロップ(落差)のところまで追いかけるが、前を抜いて2着以上を取るのは簡単ではない。「そのへんが力不足です」という。

「やっぱりトップ4あたりの選手との実力差は、一緒に走っていても感じています。どうしても前を走る選手のアクシデント待ちになってしまう。気持ちだけではなくて技術だと思いますね。それでも練習時や昨日のレースのときよりできないことが減らせた」と笑顔を見せる。

今シーズンの世界ランキングに関わる大会は残り3戦あるが、日本で会社員として働く身として簡単には休暇を取って出場はできない。周到に計画した海外遠征で着実にポイントを獲得でき、「今回取るべきポイントは取れたかなと思います」という。

女子スモールファイナルでジャクリーヌ・ルジェールらを追う山本純子(後ろ) ©Lisa-Marie Reiter / Red Bull Content Pool

2月23日には長野県の菅平でだれでも参加できるアイスクロスダウンヒル大会が日本で初開催される。

https://www.instagram.com/p/Btk3vS2hpVF/

「その目的は女子選手を含めて国内の普及のため。この競技の楽しさを知ってもらうための大会です」

これまで単身で世界を相手に戦ってきた山本も、このスポーツの日本の第一人者として会場入りする予定だ。

キャメロン・ナーズ(左から2人目)がスコット・クロクソール(同3人目)を制して母国で優勝 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool
キャメロン・ナーズがスコット・クロクソールを決勝で振り切った ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool
山本純子。写真は2018年12月に開催された開幕戦の横浜大会 ©Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

山内斗真がレッドブル・クラッシュドアイスのジュニアで初の表彰台

アイスクロス・ダウンヒル競技のレッドブル・クラッシュドアイスは2月8日に米国のボストンで今季最終戦(第3戦)のジュニアカップが行われ、日本の山内斗真(同志社大)がファイナルの4人に残り、3位になった。日本勢が同イベントの表彰台に乗るのは初めて。

ジュニア優勝のジョアニー・バレスケスを中央に左が2位マルティン・バロ、右が3位山内斗真 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

レースは4選手が一斉にスタートし、上位2選手が勝ち上がるというノックダウン方式。同志社大アイスホッケー部に所属する山内は、1回戦のラウンドオブ32、クォーターファイナル(準々決勝)をトップ通過。セミファイナルでは混戦を制してバロに続く2着で決勝進出した。優勝はジョアニー・バレスケス(米国)。2位はマルティン・バロ(フランス)。

大学3年の山内にとってはジュニアカテゴリーで戦える最後のシーズン。エリートカテゴリーにもダブルエントリーしているが、経験豊富な世界トップクラスの選手に現在は歯が立たない。「ジュニアを取るのは最後のチャンス」と公言していた。

この日の夕方に行われていたエリートカテゴリーでは1回戦でまさかのミスで敗退していた。しかも一番得意だったところでのミス。それがなかったら確実にラウンドアップしたはずだ。

ジュニア決勝のスタート直後 ©Ryan Taylor/Red Bull Content Pool

「やっぱりアメリカは甘くないなと思いました。めっちゃ悔しいです。ボストンはトラディショナルなきれいな街で、また来たいなあと思いました。選手としてまた絶対来ます」と主催者の公式インタビューでふりしぼるように答えた。

ミスが発生したのはフラットな部分で、アイスホッケー選手である山内が得意とするスケーティングが発揮できるところだった。山内は2番手に位置して終盤を迎えていた。攻めなくてもよかったのにそこで攻めてしまったのが敗因となる。

「本当にすいません、実力差不足すぎて。自分が得意なところでミスをしてしまって。やっぱ1番手にいるのが安全で安心できるんですけれど、後ろにいる3番手の選手との間がどれだけ離れていたのかわからなかったんです。焦んなくてもよかったんですけど、やっぱ後ろからかかるプレッシャーがあった。こんな簡単なミスはありえないなーという感じですね」

ジョアニー・バレスケスを追うマルティン・バロと山内斗真 ©Ryan Taylor/Red Bull Content Pool

しかしすぐに気持ちを切り替えた。
「めっちゃイライラしていてやばいです。コケるぐらいの実力だったってことで。ジュニアをボクは取りにいかないといけない」

翌日のエリートで上位進出をねらう夢は断たれた。それだけにジュニアで結果を残して、いい形で終わりたいなあという気持ちが山内を奮い立たせた。

ジュニア優勝はジョアニー・バレスケス。2位マルティン・バロ、3位山内斗真 ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool

ファイナルに進出すれば表彰台の頂点しか目指さなかったが、シーズンを転戦してすでにその実力を知り尽くしている通称ジョジョ(ジョアニー・バレスケス)の速さはケタが違った。その状況で堅実に3位に入り、表彰台に上った。最低限の結果を残してシーズンを終えた。そしてもう次のシーズンのことを頭に描いている。自らのミスで沈んだエリートカテゴリーで世界の実力者と渡り合えるように。