青山学院大の太田蒼生が3月2日東京マラソンで初の42.195km挑戦

18回目の開催となる東京マラソンが2025年3月2日に開催され、箱根駅伝で快走した青山学院大の太田蒼生が初マラソンに挑む。国内招待選手の大迫傑(ナイキ)、赤﨑暁(九電工)、池田耀平(Kao)との戦いに注目。

東京マラソンは新宿にある東京都庁前をスタート

太田蒼生のナンバーカードが大きい理由は

1月23日に大会主催者が海外・国内の招待選手と、太田らのエリート選手を発表した。太田はフルマラソン初参加となるので記録はなく、2024年の上海ハーフで出した1時間02分30秒によって参加資格を獲得した。そのためナンバーカードはフルマラソンによる参加資格を持つ選手たちに続く184。

ナンバーカード185の小林歩(NTT西日本)は日本選手権10000mの27分28秒13によって参加資格を得た。

ゴールは大手町 ©東京マラソン財団

優勝候補は2024優勝者のベンソン・キプルト(ケニア)で2連覇をねらう。前回大会では序盤からハイペースで刻み、日本国内最高記録となる2時間02分16秒で制し、その後のパリ五輪で3位に入った。ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)は5000mと10000mの世界記録保持者で、東京五輪5000m、パリ10000m金メダリスト。2023年12月、バレンシアでマラソンの適性を図るため42.195kmを走ったことがあるが、今回の東京マラソンが事実上のマラソンデビュー戦。「2時間02分00秒を切るようなレースを目指したい」という。

今夏開催の世界陸上東京に出場するための重要レース

「ペースメイクは、トップグループが2時間02分00秒を切るペースで進んでいくのでは。次のグループは2時間03分00秒から04分00秒を狙い、3番手のグループは東京2025世界陸上のマラソン代表を目指す日本勢が2時間05分台、あるいは2時間04分56秒の日本記録更新を目指す設定になる」と大嶋康弘レースディレクター。

パリ五輪へのラストチャンスとなった2024東京マラソン ©東京マラソン財団

日本勢はパリ五輪6位の赤﨑、ベルリンマラソン2024で日本歴代2位となる2時間05分12秒をマークした池田、2大会連続の五輪日本代表で経験豊富な大迫が参加。日本記録を目指すレース展開になりそうで、天候などコンディションがよければ2時間05分00秒を切って、04分台の中盤あるいは、前半を期待。

初マラソンの太田、パリ五輪10000m5位のケニア出身のベナード・コエチ(九電工)がどのような走りを見せてくれるのかも注目。

ナイキの大迫傑が2020東京マラソンで日本新記録

女子は細田あい、安藤友香…アフリカ勢は世界記録を狙う?

女子は2024年の大会で日本国内最高記録となる2時間15分55秒でフィニッシュしたストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)、2023大会を制したローズマリー・ワンジル(ケニア)、そして、2021大会覇者で元世界記録保持者のブリジット・コスゲイ(ケニア)と直近3大会の優勝者がそろって出場。

昨今の女子世界記録は2023年に従来の記録を2分以上更新する2時間11分53秒をマークしたかと思えば、2024年は2時間09分56秒と驚異的な記録で進化。どのような選手が上位に来て、誰がリードをしていくのか、少し見えないところもある。

東京の目抜き通りもこの日だけはランナー天国 ©東京マラソン財団

「ペースメイクはトップが2時間15分00秒を目指すような想定で、続いて2時間17分00秒から18分00秒のペース、3番手のグループは日本勢が東京2025世界陸上を意識する2時間20分00秒を切るペースを想定。もし、選手側から世界記録を狙う要望があれば2時間09分台の超高速ペースを設定する用意がある」と大嶋レースディレクター。

日本勢は、ベルリンマラソン2024で2時間20分31秒を記録した細田あい(エディオン)、2024名古屋ウィメンズマラソン女王の安藤友香(しまむら)が参加。日本勢は東京2025世界陸上の出場がかかり、最後までハイレベルな争いを繰り広げていく予想。

東京マラソン参加費が2026年大会から1万9800円に値上げ

東京マラソンの参加料が現在の国内1万6500円から1万9800円に、海外160ドルから230ドルになる。2025年1月22日の一般財団法人東京マラソン財団理事会で決議され、2026大会から改定される予定。

東京の目抜き通りもこの日だけはランナー天国 ©東京マラソン財団

マラソン参加に1万9800円は高いのか?

物価高騰に伴う大会運営費上昇への対応や、さらなるランナーサービスの充実に向けた取り組みを行うため、2024年11月13日付理事会決議より検討を重ねてきたという。参加料は事務手数料、消費税を含む。距離10.7kmクラスについては、競技規模や他大会の状況を踏まえ、現行の参加料額を据え置くという。

コロナ禍による中止や延期を経験した同大会だが、その対策によって想定外のコストがかさみ、一気に倍額の参加料値上げを余儀なくされた。定員に対して参加申し込みが10倍超の人気大会だったが、参加料値上げを契機に当選率もようやく落ち着いてきた。逆に言えば人気に陰りが見え始めた。

東京マラソンは新宿にある東京都庁前をスタート

一方、疫病まん延や自然災害などにより大会中止となった場合の返金問題が浮上。大会主催者側の安定した財源確保を脅かす事態となり、全国のランニング大会参加料は軒並み高騰を続けている。健康維持を目的としたランニング愛好家の大会離れを懸念する専門家もいる。

東京マラソン2024出場選手の位置情報はここでチェックできる

このニュースは2024年のものです。2025年の東京マラソン選手位置情報はこちらで確認できます。【2025年版記事】

2024年3月3日に東京マラソン2024が開催される。今回も参加者と応援者にWEB・モバイルサービスが提供され、参加者の現在走行位置やタイムがわかる。沿道観戦や自宅などで家族や友人を応援するのに便利。

応援したいランナーのタイムと位置情報を知る【応援ナビ】

パソコン・スマートフォン・タブレットを利用して、スタートしたランナーのタイムと予測位置情報を地図上で確認できるサービスを大会当日に利用できる。自宅で家族や友人を応援したり、沿道で近づいてくるのを確認するのに便利。

上位選手をチェックする【リーダーボード】

トップランナーの5kmごとの通過順位とタイムを表示し、レース状況をリアルタイムで確認することができる。

16回目の開催となった東京マラソン2023は、4年ぶりに従来の定員数3万8000人のランナーが参加

●応援ナビのホームページ
(PC版応援naviは3月3日 00:00から)

東京マラソンに元世界記録保持者、あのキプチョゲが参戦

エリウド・キプチョゲ(ケニア)が2024年3月3日に開催される東京マラソンに出場する。同選手は東京マラソン2021でコースレコードを樹立。2023年はアボット・ワールドマラソンメジャーズロンドンマラソン、シカゴマラソンで優勝している。

エリウド・キプチョゲ(ケニア)

女子選手は女子マラソン世界歴代2位の記録を持つシファン・ハッサン(オランダ)が参加する。他のエリート(招待選手含む)の発表は1月下旬を予定。

キプチョゲの自己ベストは2時間01分09秒(2022年ベルリン)で、当時の世界記録 。東京マラソンでは2021年に2時間02分40秒でゴールしている。

シファン・ハッサン(オランダ)

「東京にはオリンピックの金メダルと東京マラソンのコースレコード樹立という素晴らしい思い出がある」とキプチョゲ。

「前回は、コロナ禍の大変な時期に大会を開催してくれたことに本当に感謝した。前回参加した際はコースレコードの更新を目標に掲げ、それを成し遂げることもできた。今は東京でのレースに向けて、いい練習に取り組めていて、今回のレースが、来年の夏にパリで開催されるオリンピックでの3連覇達成に向けた、完璧な準備になると信じている」

●東京マラソンのホームページ

アプリランで東京マラソン2025出走権が当たるバーチャル大会募集中

一般財団法人東京マラソン財団が、東京マラソン2024(3月3日開催)に向けて、世界各国からランニングアプリで参加可能な「バーチャル東京マラソン2024」を開催する。完走者の中から「東京マラソン2025」の出走権が抽選で100名に付与される。

東京マラソン2023のリアル大会

バーチャル東京マラソン2024は、好きな時間に好きな場所でできるフルマラソンチャレンジ。トレーニングでの活用はもちろん、ランキング発表やデジタル完走証を目指して普段のランニングモチベーションアップとして活用できる。使用するランニングアプリはASICS Runkeeper。

バーチャル東京マラソン 2024
開催日時:2024年2 月17日(土)7:00 ~ 3月17日(日)17:00
種目:マラソン(42.195km)
<個人の部(1回で完走)> 開催期間中において、1アクティビティ・1回の計測での走行距離が42.195km以上に なるように走行。
<ペアの部(各自累積で完走)> 開催期間中における複数アクティビティ・複数回の計測での累積走行距離がメンバーそれぞれ42.195km以上になるように走行。
参加料 税込 :<個人の部>3,500円 <ペアの部>7,000円
参加特典:完走者の中から「東京マラソン 2025」の出走権を抽選で100名に付与(個人の部およびペアの部合計)※特典抽選対象となるのは参加メンバーとして参加した人のみ。ペアの部で参加された場合、それぞれの人に出走権が付与される。なお、メンバーそれぞれの累積走行距離が42.195kmを超えていない場合は対象とならない。

エントリー期間:2023年12月8日(金)12:00 ~ 2024年1月31日(水)17:00
エントリー方法:TMF VIRTUAL RUN 公式ウェブサイトよりエントリー
◯個人の部エントリー
◯ペアの部エントリー

東京マラソンが4年ぶりに従来規模の3万8000人を集めて開催

東京マラソン2023が3月5日に東京都内で開催され、4年ぶりに従来の定員数3万8000人のランナーが参加した。大会は16回目。

東京マラソン2023は新宿にある東京都庁前をスタート

エリートレースでは国内のトップ選手が集結し、白熱した戦いとなった。マラソン男子はエチオピアのデソ・ゲルミサが、女子はケニアのローズマリー・ワンジルが優勝。車いす男子はスイスのマルセル・フグ、女子はマニュエラ・シャーがともに大会記録で優勝。

16回目の開催となった東京マラソン2023は、4年ぶりに従来の定員数3万8000人のランナーが参加

男子はアフリカ勢がハイレベルな争いで大混戦

マラソン男子はゲルミサがモハメド・エサ(エチオピア)との激しい競り合いを制し、2時間5分22秒で初優勝した。2位のエサは同タイム。

スタート時の天候は曇り、気温8.5度、湿度48%。それほど気温は上がらず、ランナーにとっては走りやすい条件下だった

ゲルミサは「アボット・ワールドマラソンメジャーズ」の大会で初制覇となり、「東京で走ることは夢だった。神のご加護もあって、優勝できることができた」と喜びを噛みしめた。

ペースメーカーの外れた30kmから先頭集団はけん制し合い、少しペースを落とした展開になった。集団は37km付近で一気にペースアップし、10人程度から6人に絞られた。ラスト1kmを切っても大混戦の6人のままで、残り500mで4人となり、最後の曲がり角では三つどもえの大接戦に。

マラソン男子はエチオピアのデソ・ゲルミサが優勝

直線に入り、ゲルミサとエサのデッドヒートとなり、ゲルミサがわずかにリードし、フィニッシュした。

「競り合いは非常に激しいものでした。エサにはスピードがあると知っていた。簡単なことではなかった」と振り返り、「また東京に戻ってきて走りたい」と笑顔で語った。

ツェガエ・ゲタウェウ(エチオピア)が2時間5分25秒の3位。2時間3分36秒の自己記録を持つシサイ・レマ(エチオピア)は25km過ぎで途中棄権した。

山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に

日本勢は2選手が2時間5分台をマークするハイレベルなレースとなった。3度目のマラソンとなる山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に入った。40km過ぎに大迫傑(Nike)を引き離し、日本歴代3位となる好記録をマーク。

「最後の角を曲がるときに時計があって、2時間5分30秒と見えたので、これは5分台を出せるなと思って頑張りました」とトレードマークの笑顔を浮かべた。

3度目のマラソンとなる山下一貴(三菱重工)が日本勢トップの2時間5分51秒で7位に入った

其田健也(JR東日本)も日本歴代4位となる2時間5分59秒の8位でフィニッシュ。「順位としては満足していませんが、自己ベストを更新できたので、最低限の走りはできたと思います」と好記録にも日本勢2番手となり、悔しさをのぞかせた。

また、東京2020オリンピックの後、一度は現役を退き、国内で約1年7カ月年ぶりのマラソンとなった大迫は2時間6分13秒の9位。パリ2024オリンピックの日本代表選考会として開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得した。

女子は青森山田高出身のワンジルが世界歴代6位

女子はワンジルが世界歴代6位となる2時間16分28秒で初優勝した。前半からハイペースを刻み、ハーフを1時間8分14秒で折り返した。後半になってもペースは変わらず、自己記録を1分32秒上回った。両手を挙げて満面の笑みでフィニッシュし、その後も両膝を突いて、お辞儀を繰り返し、全身で喜びを表現した。

一山麻緒(資生堂)、松田瑞生(ダイハツ)、細田あい(エディオン)がしのぎを削った女子

日本にはなじみが深く、青森山田高を経て、2022年まで実業団の「スターツ」に所属していた。第二の故郷で見事な走りを見せ、レース後は日本語で記者会見に臨んだ。

「このタイムで走れるとは思わなかったです。30kmからも調子がよかった」と振り返り、「走っているとき、すごい応援をしてくれていた。本当にありがとうございました」と声援を送った日本のファンに感謝した。

ツェハイ・ゲメチュ(エチオピア)は世界歴代8位となる2時間16分56秒の好タイムで2位。3位はアシェテ・ベケレ(エチオピア)で2時間19分11秒。

海外からの参加者もコロナ前の数に戻った

松田瑞生が因縁の一山麻緒を破るも日本新が果たせず悔し涙

日本勢では、日本記録の更新を狙った松田瑞生(ダイハツ)が2時間21分44秒の6位に終わり、フィニッシュの後、「悔しい」と涙を流した。記者会見では「これからも挑戦し続ける姿を見せられるように、努力を続けたい」と今後も日本記録に挑む姿勢を示した。

「ONE STEP AHEAD」を大会コンセプトに掲げた東京マラソン2023

細田あい(エディオン)は2時間22分8秒の7位、一山麻緒(資生堂)は2時間31分52秒の14位。

車イスマラソンは男子19、女子6選手が参戦。マラソンよりも5分早くスタートを切った

東京マラソン2024は2024年3月3日に開催される予定。

●東京マラソンのホームページ